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第二章
苦手意識
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なんやかんやで無事にパーティーは終わって帰り道。
私とジゼルちゃんとデジレ様はこのままお茶行こうぜー! みたいなノリになった。
けどこの格好ではね、ということで一番近いジゼルちゃんのお家でお茶会をすることになった。
で、テオは私の従者だからいいのだけど。
お兄様と殿下も来ることになった。
この人達絶対、パーティーの間にたまった何かを吐き出そうとしておられる。
移動の馬車はさすがに別々なので、私はテオとお兄様と一緒なのだけど。
「お兄様、何かありました?」
「……何かというなら、俺がこの茶会に来たことがもう、何かだ」
ああ、出席が本当に嫌だったんですね。
そもそもなんでそんなに嫌がるのか。
ライバル? みたいな家であることはわかる、我が家と。
けど、なんかそれだけじゃないんだろうと思う、お兄様は。
うぅんー、でもお兄様は別にカロン様をどうこう、やりこめたりは無いように思う。
というか相手にしてない感はある。
ああ、なるほど。相手にしてないから、カロン様は私にちょっかいをだして、お兄様をつついてるのかもしれない。
でも張り合う相手がいないのにお兄様があの家を嫌いとか何とか言うとも思えない。
と、思い至ったところで一人いた。お兄様はカロン様じゃなくてバルトロメ様をライバル視しているのだと思う。
なるほどー! それで余計にカロン様は私をつついてお兄様の気を引こうとしているんだろうな……お兄様のせいか!
「なんだよ」
「いえ、カロン様が私にちょっかいをかけてくるのはお兄様のせいではないかと思いいたっただけです」
「ああ、そうだろうな」
肯定するし!
「お兄様は、カロン様じゃなくてバルトロメ様のほうが嫌なんですよね?」
「嫌、というか……苦手だ」
何を考えているのかよくわからないから苦手だとお兄様は言う。
けれど、負ける気はもちろんないと続ける。
「ジャジャルの家に気を付けるに越したことはない。レティもあんまり関わるなよ」
「関わりたくはないんですけど、カロン様がくっついてくるので」
「うまくかわせ」
「頑張ってはみますけどー」
そのあたりの対策も上手に考えていこう。
私は一人じゃないから、色んな人が助けてくれるし。それはとてもありがたいことだ。
「そういえばお兄様は、デジレ様とはどうなってらっしゃるんですか」
「駆け引きの最中だ」
「ほほう、勝率は?」
「俺が負けると思うか?」
思いません。
デジレ様もまんざらでもないことを私は知っている。それを言うのはなんだかお兄様に情報を与えるようで悔しいので言わないのだけれども。
「で、お兄様は本当にデジレ様のことがお好きなんですよね?」
「そう見えないか?」
「見えないですねー」
「俺は他人にそういう所を見せるものじゃないと思ってるからな」
「なるほど。じゃあ二人の時はものすっごい笑顔ですごく甘い言葉を紡いでらっしゃるということです?」
別にお兄様をけなしたりあおったりしているわけではないのだけど!
お兄様のとろけるような笑み……やばい字面だけでちょっとお腹痛い笑い我慢できなくなる。とにもかくにもそれは想像できなくて。
ぱぁっと幸せそうなはにかむような感じも無理だなー。怖いー。
お兄様には悪巧みしてるような笑みが一番似合ってますよ、とは言わないけれど。
私が考えている事なんてお見通しだろう。
とてもイイ笑顔を私に向けてらっしゃる!
「あっ、お兄様! もうジゼルちゃんのお宅につきますよ、ほらほら!」
「誤魔化すな」
「あぅ」
これは後で色々ちくちく言われるコース!
けど今はジゼルちゃんとデジレ様とおしゃべりしたい気持ちが勝っているのでテンションは高めだ。
お兄様なんて怖くないし!
「あ、お兄様と殿下とテオは、こっちにこないでくださいよ」
「は?」
「だって私達、女の子三人でおしゃべりしようね、なので」
まざるなんてそんな、空気読めないことはしませんよねぇと私は微笑んだ。
テオはわかってますよという感じだがお兄様は舌打ちした。
お兄様、限りなく一緒に混ざって何かするつもりだった疑惑。
釘さしておいてよかった!
私とジゼルちゃんとデジレ様はこのままお茶行こうぜー! みたいなノリになった。
けどこの格好ではね、ということで一番近いジゼルちゃんのお家でお茶会をすることになった。
で、テオは私の従者だからいいのだけど。
お兄様と殿下も来ることになった。
この人達絶対、パーティーの間にたまった何かを吐き出そうとしておられる。
移動の馬車はさすがに別々なので、私はテオとお兄様と一緒なのだけど。
「お兄様、何かありました?」
「……何かというなら、俺がこの茶会に来たことがもう、何かだ」
ああ、出席が本当に嫌だったんですね。
そもそもなんでそんなに嫌がるのか。
ライバル? みたいな家であることはわかる、我が家と。
けど、なんかそれだけじゃないんだろうと思う、お兄様は。
うぅんー、でもお兄様は別にカロン様をどうこう、やりこめたりは無いように思う。
というか相手にしてない感はある。
ああ、なるほど。相手にしてないから、カロン様は私にちょっかいをだして、お兄様をつついてるのかもしれない。
でも張り合う相手がいないのにお兄様があの家を嫌いとか何とか言うとも思えない。
と、思い至ったところで一人いた。お兄様はカロン様じゃなくてバルトロメ様をライバル視しているのだと思う。
なるほどー! それで余計にカロン様は私をつついてお兄様の気を引こうとしているんだろうな……お兄様のせいか!
「なんだよ」
「いえ、カロン様が私にちょっかいをかけてくるのはお兄様のせいではないかと思いいたっただけです」
「ああ、そうだろうな」
肯定するし!
「お兄様は、カロン様じゃなくてバルトロメ様のほうが嫌なんですよね?」
「嫌、というか……苦手だ」
何を考えているのかよくわからないから苦手だとお兄様は言う。
けれど、負ける気はもちろんないと続ける。
「ジャジャルの家に気を付けるに越したことはない。レティもあんまり関わるなよ」
「関わりたくはないんですけど、カロン様がくっついてくるので」
「うまくかわせ」
「頑張ってはみますけどー」
そのあたりの対策も上手に考えていこう。
私は一人じゃないから、色んな人が助けてくれるし。それはとてもありがたいことだ。
「そういえばお兄様は、デジレ様とはどうなってらっしゃるんですか」
「駆け引きの最中だ」
「ほほう、勝率は?」
「俺が負けると思うか?」
思いません。
デジレ様もまんざらでもないことを私は知っている。それを言うのはなんだかお兄様に情報を与えるようで悔しいので言わないのだけれども。
「で、お兄様は本当にデジレ様のことがお好きなんですよね?」
「そう見えないか?」
「見えないですねー」
「俺は他人にそういう所を見せるものじゃないと思ってるからな」
「なるほど。じゃあ二人の時はものすっごい笑顔ですごく甘い言葉を紡いでらっしゃるということです?」
別にお兄様をけなしたりあおったりしているわけではないのだけど!
お兄様のとろけるような笑み……やばい字面だけでちょっとお腹痛い笑い我慢できなくなる。とにもかくにもそれは想像できなくて。
ぱぁっと幸せそうなはにかむような感じも無理だなー。怖いー。
お兄様には悪巧みしてるような笑みが一番似合ってますよ、とは言わないけれど。
私が考えている事なんてお見通しだろう。
とてもイイ笑顔を私に向けてらっしゃる!
「あっ、お兄様! もうジゼルちゃんのお宅につきますよ、ほらほら!」
「誤魔化すな」
「あぅ」
これは後で色々ちくちく言われるコース!
けど今はジゼルちゃんとデジレ様とおしゃべりしたい気持ちが勝っているのでテンションは高めだ。
お兄様なんて怖くないし!
「あ、お兄様と殿下とテオは、こっちにこないでくださいよ」
「は?」
「だって私達、女の子三人でおしゃべりしようね、なので」
まざるなんてそんな、空気読めないことはしませんよねぇと私は微笑んだ。
テオはわかってますよという感じだがお兄様は舌打ちした。
お兄様、限りなく一緒に混ざって何かするつもりだった疑惑。
釘さしておいてよかった!
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