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第二章
混ぜるななんとやら
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ことのおこりは!
殿下が『王都の平和のため、国のため、俺のために暗躍する使い走りが欲しい』と言ったことで。
まずここからつっこみたい。王都と国はわかる。けど、俺のために暗躍とか、なにそれ。漫画読みすぎじゃない? とか思ったけどそも、この世界に漫画なかった。殿下、まずどうしてそんなことを思った。
そして、お前がなれとお兄様に言って。お兄様は何言ってるとなって。
そうね、そこの突っ込みはそれでいいと思う。何言ってるんだって。
でもそこから、使い走れるやつを探そう。からの、私。
はい。ここ。ここ一番おかしい。バカなこと言うのやめろとか、そういう方向が私は正しいと思う。
悪ノリ、絶対、ダメ。これ悪ノリじゃなくて本気臭しかないけど。
そしてガブさんはそれを横で聞いてたのでまるっと知っているとか。
うん。とめて。とめてください……どうしてとめなかった!
面白がってたんですよね!
と、脳内でわーっとひとりで私はさわぎたてて。
「いや、そういうこと好きそうでできそうなやつを探そうと思ってたら、できそうなのがそばに転がってるだろ? 使うしかないだろ……」
「まァ、俺もそう思うだろうな」
「妹への扱いに対して、物申したいです」
「だろ? で、一人じゃちょっと危なっかしいと思ってたらしっかりしたのがついてる」
「僕ですか……」
「バランスがいい」
「そう。それで面白そうだなと思って、俺も色々と意見を言ってなァ」
ガブさんもか! 見てただけじゃないじゃない!
や、やだなんていうか。
お兄様と殿下とガブさんって悪巧みしそうというか……こういう相談させてはいけないタイプの……組み合わせのような気がしてきた。
混ぜるな危険。これだ……わぁ。
結局。
きな臭い事件を見つけてくる殿下。殿下、とりあえずあの、あなた殿下なのでちょっと自重……とここに本人いないから言ってもだけど。
それを聞いて調査をするガブさん。ガブさん、ガブさんも国から狙われてますよね。何してるんですか。
私、何してるって言いすぎかも。
その調査をもとに実働の作戦を立てるお兄様。お兄様が最終段階なのやばくない?
そして、お兄様に無茶ぶりをされる私。完全にテオは巻き込まれた系。
多分こういうことなんだと、思う。そしてやだって逃げられない気配わぁい!
「あの、勝手に組み込まれていますが、お兄様」
「うん?」
「私は拒否」
「できるわけ」
「ないですよねー……うう、テオ。諦めて付き合って」
「うん、こうなりますよね……」
よしよしとお兄様は笑って頷いている。
でもこれだけは言っておかなくては!
「でも、それどうにもならないでしょう? みたいなものには手はだしませんからね! 絶対!!」
「はいはい」
ああああ、これ絶対適当な返事ー!
この! 兄は!
「国をよくしたいと思ってのことだからなァ、つきあってやりな」
「レティ、僕もこれは危ないと思えば反対するから」
「そもそも処理できない話は回さない」
本当に? と向ける視線に悠然と笑って。
うん。本当に、どうにもならないようなことはきっと、言ってこない。
けど、どうにかなりそうな可能性がある、どうにもならなさそうな事はやれと言ってくると思う。
我ながら面倒な兄を持ったな、と思う。
本当に。面倒な。
けど、だ。
今までより距離は近い。親しみ? 親しみでいいのかな……まぁ仮に親しみにする。
親しみが今までよりも、ある。
それは良いことかな、とちょっとは思うのでした。
殿下が『王都の平和のため、国のため、俺のために暗躍する使い走りが欲しい』と言ったことで。
まずここからつっこみたい。王都と国はわかる。けど、俺のために暗躍とか、なにそれ。漫画読みすぎじゃない? とか思ったけどそも、この世界に漫画なかった。殿下、まずどうしてそんなことを思った。
そして、お前がなれとお兄様に言って。お兄様は何言ってるとなって。
そうね、そこの突っ込みはそれでいいと思う。何言ってるんだって。
でもそこから、使い走れるやつを探そう。からの、私。
はい。ここ。ここ一番おかしい。バカなこと言うのやめろとか、そういう方向が私は正しいと思う。
悪ノリ、絶対、ダメ。これ悪ノリじゃなくて本気臭しかないけど。
そしてガブさんはそれを横で聞いてたのでまるっと知っているとか。
うん。とめて。とめてください……どうしてとめなかった!
面白がってたんですよね!
と、脳内でわーっとひとりで私はさわぎたてて。
「いや、そういうこと好きそうでできそうなやつを探そうと思ってたら、できそうなのがそばに転がってるだろ? 使うしかないだろ……」
「まァ、俺もそう思うだろうな」
「妹への扱いに対して、物申したいです」
「だろ? で、一人じゃちょっと危なっかしいと思ってたらしっかりしたのがついてる」
「僕ですか……」
「バランスがいい」
「そう。それで面白そうだなと思って、俺も色々と意見を言ってなァ」
ガブさんもか! 見てただけじゃないじゃない!
や、やだなんていうか。
お兄様と殿下とガブさんって悪巧みしそうというか……こういう相談させてはいけないタイプの……組み合わせのような気がしてきた。
混ぜるな危険。これだ……わぁ。
結局。
きな臭い事件を見つけてくる殿下。殿下、とりあえずあの、あなた殿下なのでちょっと自重……とここに本人いないから言ってもだけど。
それを聞いて調査をするガブさん。ガブさん、ガブさんも国から狙われてますよね。何してるんですか。
私、何してるって言いすぎかも。
その調査をもとに実働の作戦を立てるお兄様。お兄様が最終段階なのやばくない?
そして、お兄様に無茶ぶりをされる私。完全にテオは巻き込まれた系。
多分こういうことなんだと、思う。そしてやだって逃げられない気配わぁい!
「あの、勝手に組み込まれていますが、お兄様」
「うん?」
「私は拒否」
「できるわけ」
「ないですよねー……うう、テオ。諦めて付き合って」
「うん、こうなりますよね……」
よしよしとお兄様は笑って頷いている。
でもこれだけは言っておかなくては!
「でも、それどうにもならないでしょう? みたいなものには手はだしませんからね! 絶対!!」
「はいはい」
ああああ、これ絶対適当な返事ー!
この! 兄は!
「国をよくしたいと思ってのことだからなァ、つきあってやりな」
「レティ、僕もこれは危ないと思えば反対するから」
「そもそも処理できない話は回さない」
本当に? と向ける視線に悠然と笑って。
うん。本当に、どうにもならないようなことはきっと、言ってこない。
けど、どうにかなりそうな可能性がある、どうにもならなさそうな事はやれと言ってくると思う。
我ながら面倒な兄を持ったな、と思う。
本当に。面倒な。
けど、だ。
今までより距離は近い。親しみ? 親しみでいいのかな……まぁ仮に親しみにする。
親しみが今までよりも、ある。
それは良いことかな、とちょっとは思うのでした。
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