33 / 243
第一章
新しい生活
しおりを挟む
おしり痛い! って騒ぎながら。
無事に王都につきまして、我が家で過ごしたのは数日。
その間にばたばたと準備をして、私とテオは寮へ。
案内は安定のお兄様です。殿下付の。
「あっちが女子寮でこっちが男子寮。レティの友達も、もう入ってる」
「なんで知ってるんですかお兄様……」
「それは、内緒だな」
我がお兄様は、なんというか。私の知らないいろんなことを知っているなぁとは思うのだけどしかし。
「……お兄様は自分専用の情報屋さんでも持ってるんですか?」
「さぁ?」
あー、これ持ってるって顔だ。
なんかこの学校内で私が何をした! とか即お耳に入りそう。
やだ気を付けとこ……
テオは男子寮へ、私は女子寮へ。お兄様のご案内もここで終了。
「おい、レティ。食事は迎えにくるから待ってろよ」
「え?」
「一緒に、な。テオドールも」
お兄様は私たちに拒否の言葉を許さない。
という感じで。私とテオは頷いた。仕方ない……目立つのは嫌なんだけど。
「あ、俺も俺も」
「お前は来るな」
「なんでだよ、仲間外れってひどいだろ」
なぁ? と同意を求める殿下ですが。
正直、殿下も一緒とかこの前と同じことが起こるんじゃない!? と思うわけで。
私もテオも返事をしない。
「……こいつとの話はつけておく」
ほらいくぞ、とお兄様は殿下を引っ張っていった。
私とテオは顔を見合わせて、じゃあ後でと別れたのだ。
そして部屋に行くと、先に来ていたジゼルちゃんがお迎えしてくれたー!
「ジゼルちゃん! これからよろしくね」
「ええ、レティと一緒なの、とても嬉しいわ」
それから私は部屋の片づけ放置でジゼルちゃんとずっと話をしていた。
会っていない間に何をしていたとかいろいろと。
ジゼルちゃんはずっと王都にいたので、パーティーとかお呼ばれしていたらしい。
社交界デビューしてないのにすごいな! と、思ったんだけどジゼルちゃん公爵家だし。
そういうのきっと必要なことなんだと思う。
「学校に行っている間は呼ばれないので、とても気が楽です……でも」
「でも?」
ジゼルちゃんはそのパーティーで、あの女の人に会ったらしい。名前は覚えてないけど、お兄様と殿下の前できゃんきゃん言った人。
ちなみに向こうはジゼルちゃんのことを全く覚えておらず! あの時のことも覚えておらず!
それでこれから学校に通うことを知ったらこれからよろしくとかなんとか言ってきたらしい。
わぁ……なにそれすごい。
「ああいう方もいるとはわかっていたのですけど、目の前で見ると本当に……すごいな、としか……」
「すごいね……疲れるね……見つからないようにしようか」
「そうしたいですけど、食堂とかは共通ですからね」
「あー……あ、そういえばお兄様が食事は一緒にとか言ってたんだけど。ジゼルちゃんも一緒しない?」
ちゃんとお兄様を紹介するわと私は言う。ジゼルちゃんをちゃんと紹介した事ってなかったし。
これは良い機会。
ジゼルちゃんは嬉しいと笑顔浮かべる。かわいい! 美少女!
「うーん、でも本当にお兄様のこと、あこがれてるよね」
「ええ! それはもう! 幼い頃から優秀で、学位もとられてますし、剣術や弓、それに」
「学位?」
「ええ、魔術理論とか……レティ、まさか」
なにそれしりません。
お兄様が優秀っぽいのはわかってたけどそういうのは知らない。
というか、我が家あんまり家族勢揃い! とかしないし。そういう話はしないんだよね。
私は基本的にお兄様に遊ばれてるような感じ、だし。そもそも私がそういうことを知る、ということに興味がない。
「お兄様がすごいのはよくわかってるから、大丈夫!」
「レティ……」
あきれ声だ。私は笑ってごまかす!
それからお兄様が迎えにきて、ジゼルちゃんを紹介して。
テオも一緒だけどベルは別だったので、あとでぷりぷりされた。仕方ないじゃない。
そんなわけで無事に学校にも入り、私の新たな日々が始まるのです!
やることメモ!
ロウ師に会いに行く!
お友達を増やす!
お兄様に良いように使われない!
以上! 最後多分無理。
無事に王都につきまして、我が家で過ごしたのは数日。
その間にばたばたと準備をして、私とテオは寮へ。
案内は安定のお兄様です。殿下付の。
「あっちが女子寮でこっちが男子寮。レティの友達も、もう入ってる」
「なんで知ってるんですかお兄様……」
「それは、内緒だな」
我がお兄様は、なんというか。私の知らないいろんなことを知っているなぁとは思うのだけどしかし。
「……お兄様は自分専用の情報屋さんでも持ってるんですか?」
「さぁ?」
あー、これ持ってるって顔だ。
なんかこの学校内で私が何をした! とか即お耳に入りそう。
やだ気を付けとこ……
テオは男子寮へ、私は女子寮へ。お兄様のご案内もここで終了。
「おい、レティ。食事は迎えにくるから待ってろよ」
「え?」
「一緒に、な。テオドールも」
お兄様は私たちに拒否の言葉を許さない。
という感じで。私とテオは頷いた。仕方ない……目立つのは嫌なんだけど。
「あ、俺も俺も」
「お前は来るな」
「なんでだよ、仲間外れってひどいだろ」
なぁ? と同意を求める殿下ですが。
正直、殿下も一緒とかこの前と同じことが起こるんじゃない!? と思うわけで。
私もテオも返事をしない。
「……こいつとの話はつけておく」
ほらいくぞ、とお兄様は殿下を引っ張っていった。
私とテオは顔を見合わせて、じゃあ後でと別れたのだ。
そして部屋に行くと、先に来ていたジゼルちゃんがお迎えしてくれたー!
「ジゼルちゃん! これからよろしくね」
「ええ、レティと一緒なの、とても嬉しいわ」
それから私は部屋の片づけ放置でジゼルちゃんとずっと話をしていた。
会っていない間に何をしていたとかいろいろと。
ジゼルちゃんはずっと王都にいたので、パーティーとかお呼ばれしていたらしい。
社交界デビューしてないのにすごいな! と、思ったんだけどジゼルちゃん公爵家だし。
そういうのきっと必要なことなんだと思う。
「学校に行っている間は呼ばれないので、とても気が楽です……でも」
「でも?」
ジゼルちゃんはそのパーティーで、あの女の人に会ったらしい。名前は覚えてないけど、お兄様と殿下の前できゃんきゃん言った人。
ちなみに向こうはジゼルちゃんのことを全く覚えておらず! あの時のことも覚えておらず!
それでこれから学校に通うことを知ったらこれからよろしくとかなんとか言ってきたらしい。
わぁ……なにそれすごい。
「ああいう方もいるとはわかっていたのですけど、目の前で見ると本当に……すごいな、としか……」
「すごいね……疲れるね……見つからないようにしようか」
「そうしたいですけど、食堂とかは共通ですからね」
「あー……あ、そういえばお兄様が食事は一緒にとか言ってたんだけど。ジゼルちゃんも一緒しない?」
ちゃんとお兄様を紹介するわと私は言う。ジゼルちゃんをちゃんと紹介した事ってなかったし。
これは良い機会。
ジゼルちゃんは嬉しいと笑顔浮かべる。かわいい! 美少女!
「うーん、でも本当にお兄様のこと、あこがれてるよね」
「ええ! それはもう! 幼い頃から優秀で、学位もとられてますし、剣術や弓、それに」
「学位?」
「ええ、魔術理論とか……レティ、まさか」
なにそれしりません。
お兄様が優秀っぽいのはわかってたけどそういうのは知らない。
というか、我が家あんまり家族勢揃い! とかしないし。そういう話はしないんだよね。
私は基本的にお兄様に遊ばれてるような感じ、だし。そもそも私がそういうことを知る、ということに興味がない。
「お兄様がすごいのはよくわかってるから、大丈夫!」
「レティ……」
あきれ声だ。私は笑ってごまかす!
それからお兄様が迎えにきて、ジゼルちゃんを紹介して。
テオも一緒だけどベルは別だったので、あとでぷりぷりされた。仕方ないじゃない。
そんなわけで無事に学校にも入り、私の新たな日々が始まるのです!
やることメモ!
ロウ師に会いに行く!
お友達を増やす!
お兄様に良いように使われない!
以上! 最後多分無理。
11
お気に入りに追加
3,171
あなたにおすすめの小説
【完結】名前もない悪役令嬢の従姉妹は、愛されエキストラでした
犬野きらり
恋愛
アーシャ・ドミルトンは、引越してきた屋敷の中で、初めて紹介された従姉妹の言動に思わず呟く『悪役令嬢みたい』と。
思い出したこの世界は、最終回まで私自身がアシスタントの1人として仕事をしていた漫画だった。自分自身の名前には全く覚えが無い。でも悪役令嬢の周りの人間は消えていく…はず。日に日に忘れる記憶を暗記して、物語のストーリー通りに進むのかと思いきや何故かちょこちょこと私、運良く!?偶然!?現場に居合わす。
何故、私いるのかしら?従姉妹ってだけなんだけど!悪役令嬢の取り巻きには絶対になりません。出来れば関わりたくはないけど、未来を知っているとついつい手を出して、余計なお喋りもしてしまう。気づけば私の周りは、主要キャラばかりになっているかも。何か変?は、私が変えてしまったストーリーだけど…
どうして私が我慢しなきゃいけないの?!~悪役令嬢のとりまきの母でした~
涼暮 月
恋愛
目を覚ますと別人になっていたわたし。なんだか冴えない異国の女の子ね。あれ、これってもしかして異世界転生?と思ったら、乙女ゲームの悪役令嬢のとりまきのうちの一人の母…かもしれないです。とりあえず婚約者が最悪なので、婚約回避のために頑張ります!
【完結】転生地味悪役令嬢は婚約者と男好きヒロイン諸共無視しまくる。
なーさ
恋愛
アイドルオタクの地味女子 水上羽月はある日推しが轢かれそうになるのを助けて死んでしまう。そのことを不憫に思った女神が「あなた、可哀想だから転生!」「え?」なんの因果か異世界に転生してしまう!転生したのは地味な公爵令嬢レフカ・エミリーだった。目が覚めると私の周りを大人が囲っていた。婚約者の第一王子も男好きヒロインも無視します!今世はうーん小説にでも生きようかな〜と思ったらあれ?あの人は前世の推しでは!?地味令嬢のエミリーが知らず知らずのうちに戦ったり溺愛されたりするお話。
本当に駄文です。そんなものでも読んでお気に入り登録していただけたら嬉しいです!
『完結』人見知りするけど 異世界で 何 しようかな?
カヨワイさつき
恋愛
51歳の 桜 こころ。人見知りが 激しい為 、独身。
ボランティアの清掃中、車にひかれそうな女の子を
助けようとして、事故死。
その女の子は、神様だったらしく、お詫びに異世界を選べるとの事だけど、どーしよう。
魔法の世界で、色々と不器用な方達のお話。
どうやら私(オタク)は乙女ゲームの主人公の親友令嬢に転生したらしい
海亜
恋愛
大交通事故が起きその犠牲者の1人となった私(オタク)。
その後、私は赤ちゃんー璃杏ーに転生する。
赤ちゃんライフを満喫する私だが生まれた場所は公爵家。
だから、礼儀作法・音楽レッスン・ダンスレッスン・勉強・魔法講座!?と様々な習い事がもっさりある。
私のHPは限界です!!
なのになのに!!5歳の誕生日パーティの日あることがきっかけで、大人気乙女ゲーム『恋は泡のように』通称『恋泡』の主人公の親友令嬢に転生したことが判明する。
しかも、親友令嬢には小さい頃からいろんな悲劇にあっているなんとも言えないキャラなのだ!
でも、そんな未来私(オタクでかなりの人見知りと口下手)が変えてみせる!!
そして、あわよくば最後までできなかった乙女ゲームを鑑賞したい!!・・・・うへへ
だけど・・・・・・主人公・悪役令嬢・攻略対象の性格が少し違うような?
♔♕♖♗♘♙♚♛♜♝♞♟
皆さんに楽しんでいただけるように頑張りたいと思います!
この作品をよろしくお願いします!m(_ _)m
【完結】悪役令嬢に転生したのでこっちから婚約破棄してみました。
ぴえろん
恋愛
私の名前は氷見雪奈。26歳彼氏無し、OLとして平凡な人生を送るアラサーだった。残業で疲れてソファで寝てしまい、慌てて起きたら大好きだった小説「花に愛された少女」に出てくる悪役令嬢の「アリス」に転生していました。・・・・ちょっと待って。アリスって確か、王子の婚約者だけど、王子から寵愛を受けている女の子に嫉妬して毒殺しようとして、その罪で処刑される結末だよね・・・!?いや冗談じゃないから!他人の罪で処刑されるなんて死んでも嫌だから!そうなる前に、王子なんてこっちから婚約破棄してやる!!
婚約破棄されて田舎に飛ばされたのでモフモフと一緒にショコラカフェを開きました
碓氷唯
恋愛
公爵令嬢のシェイラは王太子に婚約破棄され、前世の記憶を思い出す。前世では両親を亡くしていて、モフモフの猫と暮らしながらチョコレートのお菓子を作るのが好きだったが、この世界ではチョコレートはデザートの横に適当に添えられている、ただの「飾りつけ」という扱いだった。しかも板チョコがでーんと置いてあるだけ。え? ひどすぎません? どうしてチョコレートのお菓子が存在しないの? なら、私が作ってやる! モフモフ猫の獣人と共にショコラカフェを開き、不思議な力で人々と獣人を救いつつ、モフモフとチョコレートを堪能する話。この作品は小説家になろう様にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる