28 / 243
第一章
お兄様のお手伝い
しおりを挟む
お兄様の! お手伝い! とは!
あ、もちろんテオも巻き込みました。
良いですよと言いながらもまじかーなんでそんな面倒なこと引き受けてくるんだよーって顔してた。テオは私には表情隠さないのだ。
で、お手伝い。
それはちょちょっとお出かけして、様子をみて、帰ってきて、報告するっていうことで。
向かったのはとある貴族さんのおうち。まぁ家の前通るだけ、もし同じくらいの年の子がいたら様子みてこいって言われただけなんだけど。
そこに私は恋の気配を感じていた。
やだお兄様……自分でいけないから私を行かせると? へたれなの? へたれなの?
と、思ったのは顔にでていたらしくて違うからなと先に言われてしまいました。
その貴族さんの邸宅は王都の端のほうにあった。
お兄様は面が割れてるので行けないと言う。私もちょっと似てるけど町娘っぽい服装で問題ないはず。
テオもその辺の少年って感じなんだけど、なんかこう。
上品さがあふれるのは仕方ないのかな……仕方ないということにしよう。
「テオー、どう?」
「誰もいないんじゃないですかね……結構大きなお屋敷ですけど」
「だよね」
そう、邸宅はでかかった。くるーっと外周を歩いてみたんだけど、そこそこ長い距離。
お庭も広い。
けど、手入れされてないし、人の気配が、確かにない。
家の中には誰かいるのかなぁ……という気も、しないでもないのだけど。
「はいっちゃう?」
「レティ、まさか」
「そうそう。テオもできるでしょ?」
ひょいっととんで中に。そのあと、もう一つ魔法を使う。
「できますけど……やめておいたほうが良いんじゃないかな」
なんでー、と問えば。
トリスタン様が何を考えて様子を見てこいと言ったのかわからないからだとテオは言う。
これが色恋なら、まぁいいんじゃないですかね……と諦めた感じで庭くらいならと僕も許したと思うとテオは言う。
まじか、テオが許すとかそんな。いや諦めて許すっていうのがひっかかるんですけど!
でも、そういう色恋の気配が感じられない。
この屋敷からは不気味な感じがしますとテオは言う。
それは私も同じく。そう感じる。
危険なことは無し、ということで私とテオはそのまま家に帰った。
帰り道、色々寄り道をしたのはとても楽しかったけど!
で、お兄様に誰もいない感じで不気味だったーというとそうか、と言っただけ。
それを聞いたお兄様は、じゃあ寮に帰るとさっさと家を出て行ってしまった。
なんだろうねーとテオと私は顔を見合わせて、私達はそのあとお兄様が何したとかは全く知らない。
ただ風のうわさ的に殿下が、悪徳貴族をひとつ締め上げて、貴族位を排し、何かやむを得ぬ事情でつき従うしかなかった一家を助けたとかいう話が聞こえてきた。
それを聞いて、私とテオはなんとなくあの家関係してるのかなー、お兄様何かしたかなーと思ったのだ。
けど、何かそれ以上踏み込んで聞く必要もないと思って、何も聞いてはいない。
ただ、踏み込まなかった私たちは正しかったのだと、思う。
あ、もちろんテオも巻き込みました。
良いですよと言いながらもまじかーなんでそんな面倒なこと引き受けてくるんだよーって顔してた。テオは私には表情隠さないのだ。
で、お手伝い。
それはちょちょっとお出かけして、様子をみて、帰ってきて、報告するっていうことで。
向かったのはとある貴族さんのおうち。まぁ家の前通るだけ、もし同じくらいの年の子がいたら様子みてこいって言われただけなんだけど。
そこに私は恋の気配を感じていた。
やだお兄様……自分でいけないから私を行かせると? へたれなの? へたれなの?
と、思ったのは顔にでていたらしくて違うからなと先に言われてしまいました。
その貴族さんの邸宅は王都の端のほうにあった。
お兄様は面が割れてるので行けないと言う。私もちょっと似てるけど町娘っぽい服装で問題ないはず。
テオもその辺の少年って感じなんだけど、なんかこう。
上品さがあふれるのは仕方ないのかな……仕方ないということにしよう。
「テオー、どう?」
「誰もいないんじゃないですかね……結構大きなお屋敷ですけど」
「だよね」
そう、邸宅はでかかった。くるーっと外周を歩いてみたんだけど、そこそこ長い距離。
お庭も広い。
けど、手入れされてないし、人の気配が、確かにない。
家の中には誰かいるのかなぁ……という気も、しないでもないのだけど。
「はいっちゃう?」
「レティ、まさか」
「そうそう。テオもできるでしょ?」
ひょいっととんで中に。そのあと、もう一つ魔法を使う。
「できますけど……やめておいたほうが良いんじゃないかな」
なんでー、と問えば。
トリスタン様が何を考えて様子を見てこいと言ったのかわからないからだとテオは言う。
これが色恋なら、まぁいいんじゃないですかね……と諦めた感じで庭くらいならと僕も許したと思うとテオは言う。
まじか、テオが許すとかそんな。いや諦めて許すっていうのがひっかかるんですけど!
でも、そういう色恋の気配が感じられない。
この屋敷からは不気味な感じがしますとテオは言う。
それは私も同じく。そう感じる。
危険なことは無し、ということで私とテオはそのまま家に帰った。
帰り道、色々寄り道をしたのはとても楽しかったけど!
で、お兄様に誰もいない感じで不気味だったーというとそうか、と言っただけ。
それを聞いたお兄様は、じゃあ寮に帰るとさっさと家を出て行ってしまった。
なんだろうねーとテオと私は顔を見合わせて、私達はそのあとお兄様が何したとかは全く知らない。
ただ風のうわさ的に殿下が、悪徳貴族をひとつ締め上げて、貴族位を排し、何かやむを得ぬ事情でつき従うしかなかった一家を助けたとかいう話が聞こえてきた。
それを聞いて、私とテオはなんとなくあの家関係してるのかなー、お兄様何かしたかなーと思ったのだ。
けど、何かそれ以上踏み込んで聞く必要もないと思って、何も聞いてはいない。
ただ、踏み込まなかった私たちは正しかったのだと、思う。
11
お気に入りに追加
3,170
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢に転生したけど記憶が戻るのが遅すぎた件〜必死にダイエットして生き延びます!〜
ニコ
恋愛
断罪中に記憶を思い出した悪役令嬢フレヤ。そのときにはすでに国外追放が決定しており手遅れだった。
「このままでは餓死して死ぬ……!」
自身の縦にも横にも広い肉付きの良い体を眺め、フレヤは決心した。
「痩せて綺麗になって楽しい国外追放生活を満喫してやる! (ついでに豚って言いやがったあのポンコツクソ王子も見返してやる‼︎)」
こうしてフレヤのダイエット企画は始まったのだった……
※注.フレヤは時々口が悪いです。お許しくださいm(_ _)m
夫が浮気をしたので、子供を連れて離婚し、農園を始める事にしました。
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
10月29日「小説家になろう」日間異世界恋愛ランキング6位
11月2日「小説家になろう」週間異世界恋愛ランキング17位
11月4日「小説家になろう」月間異世界恋愛ランキング78位
11月4日「カクヨム」日間異世界恋愛ランキング71位
完結詐欺と言われても、このチャンスは生かしたいので、第2章を書きます
王太子エンドを迎えたはずのヒロインが今更私の婚約者を攻略しようとしているけどさせません
黒木メイ
恋愛
日本人だった頃の記憶があるクロエ。
でも、この世界が乙女ゲームに似た世界だとは知らなかった。
知ったのはヒロインらしき人物が落とした『攻略ノート』のおかげ。
学園も卒業して、ヒロインは王太子エンドを無事に迎えたはずなんだけど……何故か今になってヒロインが私の婚約者に近づいてきた。
いったい、何を考えているの?!
仕方ない。現実を見せてあげましょう。
と、いうわけでクロエは婚約者であるダニエルに告げた。
「しばらくの間、実家に帰らせていただきます」
突然告げられたクロエ至上主義なダニエルは顔面蒼白。
普段使わない頭を使ってクロエに戻ってきてもらう為に奮闘する。
※わりと見切り発車です。すみません。
※小説家になろう様にも掲載。(7/21異世界転生恋愛日間1位)
【完結】どうして殺されたのですか?貴方達の愛はもう要りません
たろ
恋愛
処刑されたエリーゼ。
何もしていないのに冤罪で……
死んだと思ったら6歳に戻った。
さっき処刑されたばかりなので、悔しさも怖さも痛さも残ったまま巻き戻った。
絶対に許さない!
今更わたしに優しくしても遅い!
恨みしかない、父親と殿下!
絶対に復讐してやる!
★設定はかなりゆるめです
★あまりシリアスではありません
★よくある話を書いてみたかったんです!!
【完結】【35万pt感謝】転生したらお飾りにもならない王妃のようなので自由にやらせていただきます
宇水涼麻
恋愛
王妃レイジーナは出産を期に入れ替わった。現世の知識と前世の記憶を持ったレイジーナは王子を産む道具である現状の脱却に奮闘する。
さらには息子に殺される運命から逃れられるのか。
中世ヨーロッパ風異世界転生。
【完結】実家に捨てられた私は侯爵邸に拾われ、使用人としてのんびりとスローライフを満喫しています〜なお、実家はどんどん崩壊しているようです〜
よどら文鳥
恋愛
フィアラの父は、再婚してから新たな妻と子供だけの生活を望んでいたため、フィアラは邪魔者だった。
フィアラは毎日毎日、家事だけではなく父の仕事までも強制的にやらされる毎日である。
だがフィアラが十四歳になったとある日、長く奴隷生活を続けていたデジョレーン子爵邸から抹消される運命になる。
侯爵がフィアラを除名したうえで専属使用人として雇いたいという申し出があったからだ。
金銭面で余裕のないデジョレーン子爵にとってはこのうえない案件であったため、フィアラはゴミのように捨てられた。
父の発言では『侯爵一家は非常に悪名高く、さらに過酷な日々になるだろう』と宣言していたため、フィアラは不安なまま侯爵邸へ向かう。
だが侯爵邸で待っていたのは過酷な毎日ではなくむしろ……。
いっぽう、フィアラのいなくなった子爵邸では大金が入ってきて全員が大喜び。
さっそくこの大金を手にして新たな使用人を雇う。
お金にも困らずのびのびとした生活ができるかと思っていたのだが、現実は……。
悪役令嬢に転生したら病気で寝たきりだった⁉︎完治したあとは、婚約者と一緒に村を復興します!
Y.Itoda
恋愛
目を覚ましたら、悪役令嬢だった。
転生前も寝たきりだったのに。
次から次へと聞かされる、かつての自分が犯した数々の悪事。受け止めきれなかった。
でも、そんなセリーナを見捨てなかった婚約者ライオネル。
何でも治癒できるという、魔法を探しに海底遺跡へと。
病気を克服した後は、二人で街の復興に尽力する。
過去を克服し、二人の行く末は?
ハッピーエンド、結婚へ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる