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第一章
内緒話
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ジゼルちゃんの家でおしゃべりをして、ベルは帰って。
私達はお泊り。ジゼルちゃんのお母様お父様はでかけていなかったので、ご飯は三人で。
気楽なものよー。
で、私はジゼルちゃんの部屋にお泊り! テオは別の部屋。
つまりこれからは二人っきりのおしゃべりタイム! 女子会女子会!
テオには、変なこと言わないようにと釘をぷすぷすされたのだけどジゼルちゃんももう私が変なこと言うのわかってるから微笑んで流してくれる。
だからこそ境界線が良くわからないのだけど! なんかもうどこが変なことかわかんなくもなってきている。
「そういえばレティ、昼間はベルが私をどうこうという視線を送ってきましたが」
「うん、ジゼルちゃんも気づいてるよね、やっぱり」
「まぁ……突然やってきてつんつんしながら花だ、やる。とか……こちらの予定も聞かずに遊びに行こうと誘われるので」
おいベル……そ、それは先に連絡してから行こう。
突然すぎるのよくない。しかもそれが、容易に想像できるわけで!
「私にもお稽古とかあるので……私のことは良いのです。レティ、それよりあなたです」
「ほえ?」
「レティはテオとどうなんですか?」
「え?」
「いつも一緒にいるじゃないですか。レティがテオ大好きなのはわかりますけど」
「うん、好きだけど。別にそれ、恋愛じゃないよ」
そう言うと、ジゼルちゃんはぱちぱちと瞬く。
恋愛というより家族だ。家族愛。兄、弟ではないけど一番近い存在、みたいな。
「だってずっと一緒にいるんだよー!」
「で、でもテオはどうかわかりませんよ!?」
「テオは……テオは確かにどう思ってるのかわかんないかも」
好き、ではあると思う。
でもなんかこう、珍獣の世話をしているみたいな、そういう感じがちょっとあるんじゃないかと私は思っているわけで。
いや別にいいんだけどね。いいんだけどね!!
「えー……私は二人はお似合いだなと思うのですけど」
「それを言うなら、ジゼルちゃんとベルもさー!」
「ベルはもうちょっと落ち着いてくれないと困ります」
おや。
おやおや?
ジゼルちゃん、いつもは冷たくあしらってるけどまんざらでもない? ような感じもするな。
幼馴染がくっつくとかいいじゃない!
私お祝いしちゃうぞー!
「うふふ、ジゼルちゃんー、本当はベルのこと好きー? 好きだよねー?」
「なっ、そ、そんなことはないです!」
「ほほう? 本当に? じゃあベルが彼女だってだれかわかんない子つれてきたらどうする?」
「そっ、それは幼馴染としてベルとつりあうかどうか、その」
「そんなこと言ったら! ベルにつりあうのって私とジゼルちゃんくらいじゃない、家の格は」
「そ、そうですが……」
家の格というのは、そこそこ大事だ。よーっぽど大恋愛の場合は、身分差もどうにかなる、というかするんだろうけど。ごり押しゴリ押し。けれどそれは男の方に、力があった場合だ。
私達は公爵家だ。そうなると、なかなかつりあいのとれる相手というのはいない。
ジゼルちゃんとベルというのは、問題がない組み合わせなのだ。
ちなみに私は、揉めるだろうけどどこに行っても大丈夫だ。だってお兄様がいるから!
後継ぎはお兄様だものー。
「ジゼルちゃん。素直にならないと、ベルを誰かにもっていかれちゃうかもしれないよー?」
「……今日のレティは、なんだかいじわるねっ!」
「わふっ」
ばふんと枕を投げつけられた。
そここから私たちは、わーきゃーと枕の投げ合いを始めていつのまにか寝入っていた。
でも、うん。
少しは思っている。もし私がこの先、テオを本当に恋愛的な感じで好きになって。テオも同じであってくれた時、私達の間には階級という問題がある。
しかし、そういうの、ないと思うんだよね。もしそうなったらそれはそれで。
それはそれで、何だろう。へんなもやっとしたものが私の心の内にはあった。
私達はお泊り。ジゼルちゃんのお母様お父様はでかけていなかったので、ご飯は三人で。
気楽なものよー。
で、私はジゼルちゃんの部屋にお泊り! テオは別の部屋。
つまりこれからは二人っきりのおしゃべりタイム! 女子会女子会!
テオには、変なこと言わないようにと釘をぷすぷすされたのだけどジゼルちゃんももう私が変なこと言うのわかってるから微笑んで流してくれる。
だからこそ境界線が良くわからないのだけど! なんかもうどこが変なことかわかんなくもなってきている。
「そういえばレティ、昼間はベルが私をどうこうという視線を送ってきましたが」
「うん、ジゼルちゃんも気づいてるよね、やっぱり」
「まぁ……突然やってきてつんつんしながら花だ、やる。とか……こちらの予定も聞かずに遊びに行こうと誘われるので」
おいベル……そ、それは先に連絡してから行こう。
突然すぎるのよくない。しかもそれが、容易に想像できるわけで!
「私にもお稽古とかあるので……私のことは良いのです。レティ、それよりあなたです」
「ほえ?」
「レティはテオとどうなんですか?」
「え?」
「いつも一緒にいるじゃないですか。レティがテオ大好きなのはわかりますけど」
「うん、好きだけど。別にそれ、恋愛じゃないよ」
そう言うと、ジゼルちゃんはぱちぱちと瞬く。
恋愛というより家族だ。家族愛。兄、弟ではないけど一番近い存在、みたいな。
「だってずっと一緒にいるんだよー!」
「で、でもテオはどうかわかりませんよ!?」
「テオは……テオは確かにどう思ってるのかわかんないかも」
好き、ではあると思う。
でもなんかこう、珍獣の世話をしているみたいな、そういう感じがちょっとあるんじゃないかと私は思っているわけで。
いや別にいいんだけどね。いいんだけどね!!
「えー……私は二人はお似合いだなと思うのですけど」
「それを言うなら、ジゼルちゃんとベルもさー!」
「ベルはもうちょっと落ち着いてくれないと困ります」
おや。
おやおや?
ジゼルちゃん、いつもは冷たくあしらってるけどまんざらでもない? ような感じもするな。
幼馴染がくっつくとかいいじゃない!
私お祝いしちゃうぞー!
「うふふ、ジゼルちゃんー、本当はベルのこと好きー? 好きだよねー?」
「なっ、そ、そんなことはないです!」
「ほほう? 本当に? じゃあベルが彼女だってだれかわかんない子つれてきたらどうする?」
「そっ、それは幼馴染としてベルとつりあうかどうか、その」
「そんなこと言ったら! ベルにつりあうのって私とジゼルちゃんくらいじゃない、家の格は」
「そ、そうですが……」
家の格というのは、そこそこ大事だ。よーっぽど大恋愛の場合は、身分差もどうにかなる、というかするんだろうけど。ごり押しゴリ押し。けれどそれは男の方に、力があった場合だ。
私達は公爵家だ。そうなると、なかなかつりあいのとれる相手というのはいない。
ジゼルちゃんとベルというのは、問題がない組み合わせなのだ。
ちなみに私は、揉めるだろうけどどこに行っても大丈夫だ。だってお兄様がいるから!
後継ぎはお兄様だものー。
「ジゼルちゃん。素直にならないと、ベルを誰かにもっていかれちゃうかもしれないよー?」
「……今日のレティは、なんだかいじわるねっ!」
「わふっ」
ばふんと枕を投げつけられた。
そここから私たちは、わーきゃーと枕の投げ合いを始めていつのまにか寝入っていた。
でも、うん。
少しは思っている。もし私がこの先、テオを本当に恋愛的な感じで好きになって。テオも同じであってくれた時、私達の間には階級という問題がある。
しかし、そういうの、ないと思うんだよね。もしそうなったらそれはそれで。
それはそれで、何だろう。へんなもやっとしたものが私の心の内にはあった。
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