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「………………。……ん、……?」

 経験したことのないような、あまりにも激しい快感と、視界も頭も真っ白になる感覚。
 その後のことは何も覚えていない。そして僕は今、温かくて気持ちのいいまどろみからゆっくりと目覚めつつあった。
 とても心地良くて、たまらなく幸せで…………こんなにも満たされているのは……どうしてだっけ……?

「………………。……っ?!!」

 目を開けた僕は思わずビクゥッ!と飛び跳ねた。
 響さんの、腕の中で。

「……っ!…………っ!!」

 心臓がバクバクと激しく鳴っている。目の前に、すっごく近くに、……響さんの寝顔があった。
 とても整った、綺麗な顔が。

(かっ!…………カッコいいなぁ、響さん…。ただ寝てるだけなのに、異様にカッコいいんだけど…)

 一瞬その寝顔に見とれてしまったけれど、……あれ?僕は今どうして響さんの寝顔を見てるんだっけ……?と記憶を軽く辿って、そして、思い出してしまった。

(そっ、……そうだ…………そうだった……!)

 ついさっきまで、僕は響さんに、だ、……だ、…………抱かれていたんだっけ……。

「~~~~~~~っ!!」

 気付いた途端にさっきまでの記憶が一気にフラッシュバックしてくる。僕の肌をまさぐる響さんの巧みな手の動き。激しく荒い息づかい。興奮して掠れた、響さんの、あのエッチな声……。痛くないか?って…………。だ、大好きだ……って…………!!そ、それに……、……それに…………!!
 
 ひっ、響さんに…………!あ、あ、あんな、あんなところを、なな舐められて……!し、しかも……響さんの…………、すっごく大きくて、固くて………………、あ、あ、あれが、アレが、ぼっ、…………僕の…………なか…に………………

「ひあぁぁぁぁっ!!」
「うおっ!!」
 
 たまらず叫んでしまった。響さんがビクッと飛び起きる。

「あっ!すっ、すみません!!」
「なっ…………何事だよてめぇ……ビックリさすな……」
「ち、ちょっと、あの、かっ、……考え事を……」
「……ふ、……どうせ目が覚めていろいろ思い出してたんだろ?……体、どうだ?どこか痛くないか?」

 ……バレバレだ。恥ずかしくて顔が真っ赤になる。
 響さんはそんな僕の髪を優しくゆっくりと撫でながら、とても愛おしげに僕のことを見つめている。

「だっ…………大丈夫…です…。ちょっと、その、ジンジンするくらい…………へいき」
「そっか。…ならよかった」

 響さんは僕を抱き寄せておでこにちゅっ、とキスをしてくれる。それだけのことがすごく嬉しくて、胸がキュンと甘く締めつけられる。

「……何時だ?今……。…おぉ、もう6時か。明るいわけだな」
「……朝の海、……見に行きますか?」
「バカ言うな。お前は今日は休憩だよ。ほとんど寝てないだろ。……なぁ、1回風呂だけ入ろうぜ。さっき……、俺完全に理性が飛んでて、ゴムもつけてねぇ。…ごめんな、中、綺麗にしてやるから。行こう」
「……?……は、はい」
「その後もいっかいゆっくり寝ような」
「……はい…」

 意味はよく分からなかったけれど、響さんが優しく髪をなでなでしてくれるから嬉しくてとりあえずはい、と言ってみた。なんだろ?中綺麗にするって。一緒にお風呂入るのかぁ。……やっぱり恥ずかしいなぁ。いくらもう裸を見られてるとは言え……すっごい照れる……。

 なんて、呑気に構えていたのだけれど。



「ひぃぃっ!い、嫌だぁっ!!やだぁぁぁっ!!」
「こら!暴れるなバカ!!」

 恥ずかしくてお風呂の前までシーツを体に巻き付けてズルズルと引きずってきて、何度も躊躇しながらようやくシーツを落とし、響さんに手を引かれてバスルームの中に入った。
 まではよかったのだけれど。ま、まさか!!中を綺麗にって!!そ、そんな……!!

「さっきまで触ってたところだろうが!なんで今さらごねるんだお前は!!」
「そっ、それとこれとは違いますぅぅ~!恥ずかしいよぉぉ~!!」

 僕の体が冷えないようにと温かいシャワーを浴びせながら、響さんが僕のお尻に指を入れようとしてくるのを必死でガードする。

「中ちゃんと綺麗に掻き出しとかねーと、腹が痛くなったりすんだよ!可哀相だろ!ちょっとだけ我慢しろ」
「ふぇぇぇぇ~…」
「情けない声で泣くなよ……。ほら、美晴、俺の肩にこうやってつかまってろ。……うん、よし、いい子だ。…すぐ終わるからな。恥ずかしいなら目つぶってろ」

 僕は言われたとおりに響さんに縋りつくようにして向かい合わせで肩にひしっとしがみつく。まるで甘えて抱きついているかのようだ。

「……ちゃんと力抜いてろよ」

 響さんはそう言うと、片手で僕の腰を抱いたままもう片方の手をゆっくりと中に埋めていく。そしてさらにゆっくりと、丁寧に中を掻き回している。

「……んっ!…………ふ……っ、」
 
 思わず体がピクンと反応してしまい、響さんの肩に縋りついた指先に力が入る。くちゅ、くちゅ…、と中から掻き出しながら、響さんは宥めるように僕の頬や首筋に何度も軽くキスをする。

「……っ、…………ん、……は、…はぁっ……」

 ……あ、れ…………。何だか、……へ、変な、気分に、なってきちゃった……。
 
 くちゅ…………、くちゅ…

「……は……、はぁっ、……はぁっ、…………あ…」

 さっきの響さんとの濃密な時間を思い出させる指の動きに、僕の下腹がズン…と熱を持ってくる。ヒクヒクと体を痙攣させながら、響さんの肩をギュッと掴み、思わず響さんの鎖骨のあたりに唇を押し付ける。…………ぼ、ぼく……、何やってるんだろ……。なんだか、さ、さっきまでの、あの気持ちよさを…………思い出して…………

「……はぁっ、…はぁっ、…………美晴……」

 中をまさぐる響さんの指の動きが少しずつ大きくなってきた。さっきまで頬や首筋に繰り返されていた優しいキスはもっと情熱的なものに変わり、熱い吐息を伴った舌が僕の耳をレロ…、と舐め上げた。

「うぅんっ!!」

 あぁ……どうしよう……。後処理をしてもらっているだけのはずなのに、……へ、変な声が出ちゃったよ……。は……恥ずかしいのに……我慢ができない……。足がガクガクと震えている。立っているのがやっとだ。

「……はぁっ……、……みはる……、固くなってるぞ…」

 響さんが僕の耳を甘噛みしながらそんなことを言う。さっきから分かってた。体が反応してしまっていることに。だって、なんか、……なんか、すごい…………
 き、気持ちいいんだもん…………っ。

「あぁっ!……あ、ひ、……ひびきさん、も……」

 響さんの、僕より二回りは大きそうなソレも、もうガチガチに固くなっている。向かい合ってくっついているからさっきからそこが……こ、擦れてて…………っ!

 グリッ、と擦り合わさった瞬間、

「はぁぁっ!!」

 また僕は高い声を出してよがってしまった。息が上がって頭がクラクラする。

「………………っ、……待ってろよ……」

 響さんは一度僕から離れてボディーソープをたっぷりと手に取ると、また僕の前に立つ。

「……掴まってろ、美晴。……気持ちよくしてやるから」
「……っ、ひ、……ひびきさん……っ」

 はぁはぁと喘ぎながら僕が響さんの首に両腕を回すと、響さんは、互いの固く勃ち上がったモノを、

「っ!!んっ!……ふ、あぁぁっ!!」

突如両手で同時にズルズルと扱きはじめた。ボディーソープで摩擦がなくなったソレは、互いに擦れ合いますます熱と硬度を増し、とてつもない快感だった。

「ひっ……!んあっ、……あ、あぁっ……!」
「…………く……っ、…………はぁっ…」

 響さんの息づかいと手の動きがだんだんと激しくなる。僕は快感に耐えながら震える両足を必死で踏ん張り、響さんの体に縋りついた。響さんは僕に噛みつくような激しいキスをし、僕も夢中になってそれに応えくちゅくちゅと舌を絡める。そして、

「……ふっ!……ん、……んっ!んっ!……あ、ひびきさん……っ!ぼ、ぼく、……もう……っ!」
「……くっ…………!みはる……っ!」
「……っ!!んあぁぁっ!!」

ガクガクと大きく腰を痙攣させながら、僕は激しく射精した。同時に響さんのモノからも勢いよく温かい液体が飛び散り、僕のお腹にたっぷりとかかった。



 
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