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一体今度は何なんだろう。まだ何かあるのかな…。
璃玖に触れたくて触れたくてたまらない俺は、さっきからすんでのところで焦らされまくってもう限界だった。
璃玖がくるりとこちらを振り向くと、
「葵、これ。お誕生日のプレゼント。…気に入ってもらえるか、分からないけど…。おめでとう、葵」
「……え?」
プレゼント……?
「ケーキと料理がプレゼントじゃないの…?わざわざ他にも用意してくれたの…?」
「違うよー。料理はお誕生日のおもてなしでしょ。ケーキは、バレンタインのチョコも兼ねてのバースデーケーキだから…」
…なんだかよく分からないけど、こだわりがあるらしい。もう俺は充分すぎるくらいに幸せを貰ったんだけど。
「ありがとう、璃玖……。開けてもいい?」
「うん、もちろん」
気に入ってもらえるかなぁ、ともじもじしている可愛い璃玖の前で、俺は小さな箱の包みをそっと解いた。
「……。」
中から出てきたのは、綺麗なクリスタルだった。…うさぎ……?取り出してみると、それはクリスタルでできた小さなうさぎがこちらに向かってピンク色のハートを差し出しているポーズの置物だった。
「へぇ。可愛い。なんかこれ、…璃玖みたいだ」
「うん。……ハートを捧げてるの」
「うん。…………。」
はっと気付いて俺がじっと見つめると、璃玖は真っ赤になって、もう一度言った。
「……ハートを捧げてるの。……葵に」
「…………り、く」
贈り物の真意を察して、胸が詰まるほどの愛しさを覚えた。想いが堰を切ったように溢れ出し、俺はもう自分を抑えることができなかった。クリスタルを壊さないようにテーブルにそっと置くと、そのまま璃玖を思いきり抱き寄せ、性急に唇を奪った。
「ん……っ!」
突然の俺の行動に、心の準備がなかったであろう璃玖がビクッと固まる。でももう俺は止まれなかった。強く唇を押し付け、角度を変え何度も激しく熱を与える。か細い璃玖の体は俺の腕の中で壊れてしまいそうなほどに小さくて、儚かった。このまま消えてしまいそうな気がして焦って、俺はますます強く璃玖を貪る。息を切らして口を開けた璃玖の中に自分の舌をぐっと押し込んで、強引に絡めた。
「あっ……ふっ、……ん、……んんっ……」
絡めた舌をねっとりと動かし、璃玖の熱を引き出そうとする。璃玖は必死で俺にしがみついてくる。限界まで我慢していた俺の熱は解放を求めていた。苦しいほどの劣情をどうしていいのか分からず、俺はたまらずそのまま璃玖を押し倒し、覆い被さる。ラグの上で、二人の体が重なった。
はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……
激しい呼吸の合間に、璃玖の唇を甘くついばみ、刺激を与える。上唇を優しくそっと噛む。柔らかい刺激に璃玖が声を漏らすと、また舌を押し入れて璃玖の舌を絡め取るとぐりゅっと動かして性感を与える。
「あっ!……ふ、……ぅう…ん、」
だんだんと璃玖から甘い声が漏れ始めた。…可愛い。あぁ、早く……。俺の下半身はズボンの中でパンパンに張り詰め、もう痛いほどだった。キスをしながら、たまらず右手で自分のズボンのファスナーをそっと下げる。そのまま璃玖のニットの裾から手を差し込み、璃玖の背中を直にするりと撫で上げた。
「はぁぁんっ!」
両手で背中や腰とゆっくり撫で回しながらキスを続けると、璃玖の呼吸がどんどん早くなり、背筋が仰け反った。差し出された白い喉元にごくりと唾を飲み、俺は璃玖の首筋に口を押し付け、甘く噛みつき、ゆっくりと舐める。
「あっ、……は、ぁぁ……、」
璃玖の目がとろんとして、力が抜けてきた。その可愛さにたまらなくなり、首筋にじゅうっと吸い付いた。
「あっ!…あ!……ふ、……ぅぅ、ん」
可愛い。可愛い。ずっとこの声を聞いていたい。再び舌を絡めて激しいキスを交わしながら、俺は無我夢中で璃玖の服を脱がせようとした。その時、
カタンッ!
「!」
「……!」
しまった。我を忘れるほどに夢中になり、俺の腕がテーブルの端に当たってしまった。慌てて二人で身を起こしてテーブルの上のクリスタルのうさぎを確認する。……よかった、無事だ。少し揺れただけだった。
「ぁ、…よ、よかったぁ…」
「……ごめん、璃玖。…がっつきすぎた」
俺は息をつき、璃玖の額に自分の額をコツンと当てた。何をやってるんだか。こんなところで。完全に理性が飛んでた。このままここで奪ってしまうところだった。
「う、ううん。…だ、大丈夫……」
璃玖は赤い顔で気恥ずかしそうにそう言った。少し理性を取り戻したけど、俺の熱が治まったわけじゃない。
「……ベッドに連れて行ってもいい?」
俺はそのまま甘えるように、璃玖に自分の鼻先を押し付けて、唇が触れる距離で懇願した。
「……う、……うん。でも、……あの、……僕、本当に何も経験なくて……、その、じ、準備も何も…」
「分かってる。大丈夫」
俺は璃玖を安心させるように、優しくそっとキスをした。
「全部俺に任せて」
「…………うん」
俺は璃玖の手を引いて立たせると、そのまま手を繋ぎ寝室に連れて行った。
璃玖に触れたくて触れたくてたまらない俺は、さっきからすんでのところで焦らされまくってもう限界だった。
璃玖がくるりとこちらを振り向くと、
「葵、これ。お誕生日のプレゼント。…気に入ってもらえるか、分からないけど…。おめでとう、葵」
「……え?」
プレゼント……?
「ケーキと料理がプレゼントじゃないの…?わざわざ他にも用意してくれたの…?」
「違うよー。料理はお誕生日のおもてなしでしょ。ケーキは、バレンタインのチョコも兼ねてのバースデーケーキだから…」
…なんだかよく分からないけど、こだわりがあるらしい。もう俺は充分すぎるくらいに幸せを貰ったんだけど。
「ありがとう、璃玖……。開けてもいい?」
「うん、もちろん」
気に入ってもらえるかなぁ、ともじもじしている可愛い璃玖の前で、俺は小さな箱の包みをそっと解いた。
「……。」
中から出てきたのは、綺麗なクリスタルだった。…うさぎ……?取り出してみると、それはクリスタルでできた小さなうさぎがこちらに向かってピンク色のハートを差し出しているポーズの置物だった。
「へぇ。可愛い。なんかこれ、…璃玖みたいだ」
「うん。……ハートを捧げてるの」
「うん。…………。」
はっと気付いて俺がじっと見つめると、璃玖は真っ赤になって、もう一度言った。
「……ハートを捧げてるの。……葵に」
「…………り、く」
贈り物の真意を察して、胸が詰まるほどの愛しさを覚えた。想いが堰を切ったように溢れ出し、俺はもう自分を抑えることができなかった。クリスタルを壊さないようにテーブルにそっと置くと、そのまま璃玖を思いきり抱き寄せ、性急に唇を奪った。
「ん……っ!」
突然の俺の行動に、心の準備がなかったであろう璃玖がビクッと固まる。でももう俺は止まれなかった。強く唇を押し付け、角度を変え何度も激しく熱を与える。か細い璃玖の体は俺の腕の中で壊れてしまいそうなほどに小さくて、儚かった。このまま消えてしまいそうな気がして焦って、俺はますます強く璃玖を貪る。息を切らして口を開けた璃玖の中に自分の舌をぐっと押し込んで、強引に絡めた。
「あっ……ふっ、……ん、……んんっ……」
絡めた舌をねっとりと動かし、璃玖の熱を引き出そうとする。璃玖は必死で俺にしがみついてくる。限界まで我慢していた俺の熱は解放を求めていた。苦しいほどの劣情をどうしていいのか分からず、俺はたまらずそのまま璃玖を押し倒し、覆い被さる。ラグの上で、二人の体が重なった。
はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……
激しい呼吸の合間に、璃玖の唇を甘くついばみ、刺激を与える。上唇を優しくそっと噛む。柔らかい刺激に璃玖が声を漏らすと、また舌を押し入れて璃玖の舌を絡め取るとぐりゅっと動かして性感を与える。
「あっ!……ふ、……ぅう…ん、」
だんだんと璃玖から甘い声が漏れ始めた。…可愛い。あぁ、早く……。俺の下半身はズボンの中でパンパンに張り詰め、もう痛いほどだった。キスをしながら、たまらず右手で自分のズボンのファスナーをそっと下げる。そのまま璃玖のニットの裾から手を差し込み、璃玖の背中を直にするりと撫で上げた。
「はぁぁんっ!」
両手で背中や腰とゆっくり撫で回しながらキスを続けると、璃玖の呼吸がどんどん早くなり、背筋が仰け反った。差し出された白い喉元にごくりと唾を飲み、俺は璃玖の首筋に口を押し付け、甘く噛みつき、ゆっくりと舐める。
「あっ、……は、ぁぁ……、」
璃玖の目がとろんとして、力が抜けてきた。その可愛さにたまらなくなり、首筋にじゅうっと吸い付いた。
「あっ!…あ!……ふ、……ぅぅ、ん」
可愛い。可愛い。ずっとこの声を聞いていたい。再び舌を絡めて激しいキスを交わしながら、俺は無我夢中で璃玖の服を脱がせようとした。その時、
カタンッ!
「!」
「……!」
しまった。我を忘れるほどに夢中になり、俺の腕がテーブルの端に当たってしまった。慌てて二人で身を起こしてテーブルの上のクリスタルのうさぎを確認する。……よかった、無事だ。少し揺れただけだった。
「ぁ、…よ、よかったぁ…」
「……ごめん、璃玖。…がっつきすぎた」
俺は息をつき、璃玖の額に自分の額をコツンと当てた。何をやってるんだか。こんなところで。完全に理性が飛んでた。このままここで奪ってしまうところだった。
「う、ううん。…だ、大丈夫……」
璃玖は赤い顔で気恥ずかしそうにそう言った。少し理性を取り戻したけど、俺の熱が治まったわけじゃない。
「……ベッドに連れて行ってもいい?」
俺はそのまま甘えるように、璃玖に自分の鼻先を押し付けて、唇が触れる距離で懇願した。
「……う、……うん。でも、……あの、……僕、本当に何も経験なくて……、その、じ、準備も何も…」
「分かってる。大丈夫」
俺は璃玖を安心させるように、優しくそっとキスをした。
「全部俺に任せて」
「…………うん」
俺は璃玖の手を引いて立たせると、そのまま手を繋ぎ寝室に連れて行った。
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