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自分の誕生日が来るのをこんなにも待ち望んだのは、子どもの頃以来だ。26回目の、俺の誕生日。
「今日は絶対に定時に上がるんだ!」と意気込んでくれていた俺の恋人は、会社の近くまで迎えに行くと言う俺に対して、19時頃アパートの方まで来てくれると嬉しい、と言う。一分一秒でも早く会いたいんだけど、きっと俺のためにいろいろ考えて準備してくれているんだろうと思うと文句は言えない。俺は19時ぴったりに璃玖のアパートの前に着いた。
すぐに俺のマンションに移動するだろうからと、いつものパーキングまで行かずにアパート前にハザードランプを出して車を停めた。下に着いたよ、とラインを送ると、すぐに璃玖が降りてきた。
両手に大量の荷物を抱えて。
細い体でヨロヨロしながら慎重に階段を降りている。俺は慌てて車を降り、小走りに璃玖の元に向かった。
「大丈夫?璃玖。……荷物、貸して」
俺は階段を数段上がって璃玖の前まで行った。
「あ、ありがとう、葵」
璃玖ははぁはぁ言いながら俺に荷物を取られるままに素直に渡した。…随分重いのがあるな…。たくさんのバッグや袋は中身がほとんど見えないが、ずっしりと重いものがいくつかある。
「…すごい荷物だね」
「うん。葵の部屋に行ってイチから料理作ってたら時間がかかり過ぎちゃうから…。今朝からある程度仕込んでおいたんだ。持たせちゃってごめんね」
朝から、わざわざ…。出勤前に。俺のために。感動して込み上げてくるものがある。
「…ありがとう、璃玖」
「ふふ。美味しくできてるといいんだけど」
早起きして準備してくれたから、目が少し赤いのかな。ほんと可愛い…。健気だな。幸せすぎて胸がいっぱいになる。
マンションに着いて部屋に入るやいなや、璃玖はキッチンに立っていそいそと準備を始めた。勝手知ったるキッチンで慣れた様子でてきぱきと動く璃玖はまるで奥さんみたいだ。俺の部屋でキッチンに立つ璃玖の姿を見るのは久々で、俺はまた感動していた。あぁ、見ているだけで癒やされる…。このままずっと一緒にいたい。切実にそう思う。ソファーでテレビを見て待っているふりをしながらも、俺はチラチラとキッチンに目をやっては璃玖に見とれていた。
「お待たせ~」
いい匂いがしてきたな、と思った頃、璃玖がニコニコしながら次々に料理を運んできた。メインはビーフシチューだ。
「…すごい。美味しそう」
盛り付けまで完璧だ。
「お肉を柔らかくしたくて朝からじっくり煮込んでおいたよ。美味しくできてたらいいなー。パンはやっぱり焼きたてがいいから、悩んだんだけど今日はもう買ってきちゃった。うちの会社の近くにある美味しいパン屋さんのだよ」
バゲットやマリネをせっせと並べながら璃玖が楽しそうに説明する。すごい。あっと言う間に豪華なディナーがずらりと並んだ。
「さ、食べてね」
「…ありがとう、璃玖。いただきます」
「はい、どうぞ。僕もいただきまぁす」
…………うんま。はぁ~…。もう…。なんでこんなに完璧なの?璃玖。俺をどうしたいの?胃袋までガッチリ掴まれてこんなに骨抜きにされて、もしもこれである日突然捨てられたりしたら、俺もう廃人になるんじゃないかな。俺を捨てないで、璃玖。
「ど、…どうかな」
「…美味しいよ、すごく。…俺はやっぱり璃玖の手料理が一番好きだ」
「ふふ。よかったぁ、喜んでもらえて。いっぱい食べてね。あ、あまりいっぱいは無理だろうけど…」
「大丈夫。ちゃんとジムで絞るから、心おきなく食べるよ」
「ふふ」
嬉しそうに笑ってる璃玖のこの顔を、毎日ずっと見ていたい。璃玖が傍にいてくれるなら、俺は何でも頑張れる。穏やかな時間に心底満たされながら、俺は璃玖の手料理を堪能した。
食事が終わって、せめて食器ぐらい俺が洗おうと思ったけど、璃玖が「今日は僕が全部したいから葵はゆっくりしてて」と言うから、その言葉に甘えてリビングで先にコーヒーを飲んでいることにした。ついさっきまでは二人でくつろいで食事をしていたのに、今はキッチンで甲斐甲斐しく洗い物をしている璃玖を見ながら俺はものすごくそわそわしていた。いよいよ、食事が終わった。この後、どうやって璃玖をベッドまで連れて行くか。俺の頭の中はそのことで占領されていた。早く璃玖に触れたい。会ったときからずっとキスしたくてたまらなかったけど、一度触れてしまうともう止まらなくなってしまう気がして、我慢した。せっかく璃玖が俺のために料理を準備してくれているのに、食べもしないで襲いかかるわけにはいかないから。璃玖を悲しませてしまう。
だけど、もう食事も終わったし、あとは……
「葵、お待たせ」
ドキッとした。エロいことばっかり考えているところに突然話しかけられた。変な顔してなかったかな、俺。
「…洗い物まで、ありがとう」
「ううん。全然。たくさん食べてくれて僕も嬉しかった」
璃玖がニコニコしながら隣にちょこんと座る。早速手を伸ばそうとした、その時。
「あ」
座ったばかりの璃玖がさっと立ち上がって、またキッチンに戻ってしまった。…どうしたんだろ。お願い、もう焦らさないで……
そしてまたすぐに戻ってきた。頬を赤らめ、
「大事なもの忘れてた」
というと、手に持っていた箱をテーブルの上にそっと置いた。赤い包装紙に銀色のリボンをかけて綺麗にラッピングしてある。
「……これ、」
「バースデーケーキ、兼、バレンタインのプレゼントだよ。…開けるね」
「……璃玖」
まだ用意してくれていたのか…。どれだけ甲斐甲斐しいんだ。璃玖は、箱を傾けないように真剣な顔をしながら、ゆっくりとラッピングを外していく。
そっと箱を開けると、中から綺麗なチョコレートケーキが出てきた。小さくて丸い。上にココアパウダーのようなものが振りかけてある。
「ケーキまで買ってきてくれたの…?」
「ううん、作ったんだ」
「…え?!…こ、れ、手作り……?」
いや、めちゃくちゃ綺麗なんだけど……、すごすぎない……?売り物にしか見えない…。
「うん。葵、甘いものそんなに得意じゃないでしょ?だからビターチョコを使って甘さ控えめにしてみたんだ。…せ、せっかくの、バレンタインだし…」
璃玖は恥ずかしそうに小さな声で付け加えるように言った。……もう、可愛すぎて、どうにかなりそう……。
「…一口だけでもいいから、食べて」
そんなこと上目遣いで言われたら、もう……。
「…もちろん食べる。ありがとう、璃玖」
俺は強靱な精神力で自分の衝動を抑えこみ、極力冷静に答えた。
「ふふ、嬉しい。……はい、」
璃玖はフォークでケーキをすくうと、俺の口元に持ってきた。
「!」
「あーん、して」
「…………。」
……もう少しだ。……もう少しの辛抱だ。落ち着け、俺。落ち着け。
俺は頬を染めた可愛い璃玖の顔を見つめながら、口を開けてケーキを食べた。
「…美味しい。ほんとに甘さ控えめだ。あんたすごいね。天才なの?」
「お、大袈裟だなぁ、もう。…でもよかった…食べてもらえて。幸せ」
「…今度は璃玖の番」
俺は璃玖からフォークを取って、ケーキをすくうと璃玖の口元に持っていった。
「えっ?!ぼっ、ぼくは、自分で…」
「あーん」
「…………。」
璃玖が顔を真っ赤にしながら、俺の手からケーキを食べた。
「…美味しい?」
「…………うん」
璃玖が俯いて小さな声で答えた。
「…葵、…あのね、」
「ん?」
「……覚えてる?ケーキ、前にもこうやって……」
「うん、もちろん。同じこと、思い出してた」
「……ふふ」
あの時。璃玖が俺の部屋で暮らし始めて、まだそんなに経ってない頃。俺が買って帰ってきたケーキを璃玖が食べているときに、璃玖から一口食べさせてもらった。あの時は、本当に……
「あの時ね、」
「うん」
「すっごくドキドキしてたんだよ、本当は。…心臓が壊れそうなくらいに」
「……俺もだよ」
「……ふふ」
俺たちは互いにじっと見つめ合った。あの頃から、あれよりずっと前から、俺は璃玖のことが大好きだったんだよ。これまでの時間を思い返すほどに、璃玖への愛しさがどんどん胸を締め付ける。
……璃玖。
俺は今度こそキスをしようと、璃玖に近づこうとした。
その時。
「あ、そうだ」
璃玖は少しの悪気もなさげにくるりと俺に背を向けて、自分のバッグをごそごそと漁り始めた。
俺は今度こそ崩れ落ちそうになったのを、必死で堪えた。
「今日は絶対に定時に上がるんだ!」と意気込んでくれていた俺の恋人は、会社の近くまで迎えに行くと言う俺に対して、19時頃アパートの方まで来てくれると嬉しい、と言う。一分一秒でも早く会いたいんだけど、きっと俺のためにいろいろ考えて準備してくれているんだろうと思うと文句は言えない。俺は19時ぴったりに璃玖のアパートの前に着いた。
すぐに俺のマンションに移動するだろうからと、いつものパーキングまで行かずにアパート前にハザードランプを出して車を停めた。下に着いたよ、とラインを送ると、すぐに璃玖が降りてきた。
両手に大量の荷物を抱えて。
細い体でヨロヨロしながら慎重に階段を降りている。俺は慌てて車を降り、小走りに璃玖の元に向かった。
「大丈夫?璃玖。……荷物、貸して」
俺は階段を数段上がって璃玖の前まで行った。
「あ、ありがとう、葵」
璃玖ははぁはぁ言いながら俺に荷物を取られるままに素直に渡した。…随分重いのがあるな…。たくさんのバッグや袋は中身がほとんど見えないが、ずっしりと重いものがいくつかある。
「…すごい荷物だね」
「うん。葵の部屋に行ってイチから料理作ってたら時間がかかり過ぎちゃうから…。今朝からある程度仕込んでおいたんだ。持たせちゃってごめんね」
朝から、わざわざ…。出勤前に。俺のために。感動して込み上げてくるものがある。
「…ありがとう、璃玖」
「ふふ。美味しくできてるといいんだけど」
早起きして準備してくれたから、目が少し赤いのかな。ほんと可愛い…。健気だな。幸せすぎて胸がいっぱいになる。
マンションに着いて部屋に入るやいなや、璃玖はキッチンに立っていそいそと準備を始めた。勝手知ったるキッチンで慣れた様子でてきぱきと動く璃玖はまるで奥さんみたいだ。俺の部屋でキッチンに立つ璃玖の姿を見るのは久々で、俺はまた感動していた。あぁ、見ているだけで癒やされる…。このままずっと一緒にいたい。切実にそう思う。ソファーでテレビを見て待っているふりをしながらも、俺はチラチラとキッチンに目をやっては璃玖に見とれていた。
「お待たせ~」
いい匂いがしてきたな、と思った頃、璃玖がニコニコしながら次々に料理を運んできた。メインはビーフシチューだ。
「…すごい。美味しそう」
盛り付けまで完璧だ。
「お肉を柔らかくしたくて朝からじっくり煮込んでおいたよ。美味しくできてたらいいなー。パンはやっぱり焼きたてがいいから、悩んだんだけど今日はもう買ってきちゃった。うちの会社の近くにある美味しいパン屋さんのだよ」
バゲットやマリネをせっせと並べながら璃玖が楽しそうに説明する。すごい。あっと言う間に豪華なディナーがずらりと並んだ。
「さ、食べてね」
「…ありがとう、璃玖。いただきます」
「はい、どうぞ。僕もいただきまぁす」
…………うんま。はぁ~…。もう…。なんでこんなに完璧なの?璃玖。俺をどうしたいの?胃袋までガッチリ掴まれてこんなに骨抜きにされて、もしもこれである日突然捨てられたりしたら、俺もう廃人になるんじゃないかな。俺を捨てないで、璃玖。
「ど、…どうかな」
「…美味しいよ、すごく。…俺はやっぱり璃玖の手料理が一番好きだ」
「ふふ。よかったぁ、喜んでもらえて。いっぱい食べてね。あ、あまりいっぱいは無理だろうけど…」
「大丈夫。ちゃんとジムで絞るから、心おきなく食べるよ」
「ふふ」
嬉しそうに笑ってる璃玖のこの顔を、毎日ずっと見ていたい。璃玖が傍にいてくれるなら、俺は何でも頑張れる。穏やかな時間に心底満たされながら、俺は璃玖の手料理を堪能した。
食事が終わって、せめて食器ぐらい俺が洗おうと思ったけど、璃玖が「今日は僕が全部したいから葵はゆっくりしてて」と言うから、その言葉に甘えてリビングで先にコーヒーを飲んでいることにした。ついさっきまでは二人でくつろいで食事をしていたのに、今はキッチンで甲斐甲斐しく洗い物をしている璃玖を見ながら俺はものすごくそわそわしていた。いよいよ、食事が終わった。この後、どうやって璃玖をベッドまで連れて行くか。俺の頭の中はそのことで占領されていた。早く璃玖に触れたい。会ったときからずっとキスしたくてたまらなかったけど、一度触れてしまうともう止まらなくなってしまう気がして、我慢した。せっかく璃玖が俺のために料理を準備してくれているのに、食べもしないで襲いかかるわけにはいかないから。璃玖を悲しませてしまう。
だけど、もう食事も終わったし、あとは……
「葵、お待たせ」
ドキッとした。エロいことばっかり考えているところに突然話しかけられた。変な顔してなかったかな、俺。
「…洗い物まで、ありがとう」
「ううん。全然。たくさん食べてくれて僕も嬉しかった」
璃玖がニコニコしながら隣にちょこんと座る。早速手を伸ばそうとした、その時。
「あ」
座ったばかりの璃玖がさっと立ち上がって、またキッチンに戻ってしまった。…どうしたんだろ。お願い、もう焦らさないで……
そしてまたすぐに戻ってきた。頬を赤らめ、
「大事なもの忘れてた」
というと、手に持っていた箱をテーブルの上にそっと置いた。赤い包装紙に銀色のリボンをかけて綺麗にラッピングしてある。
「……これ、」
「バースデーケーキ、兼、バレンタインのプレゼントだよ。…開けるね」
「……璃玖」
まだ用意してくれていたのか…。どれだけ甲斐甲斐しいんだ。璃玖は、箱を傾けないように真剣な顔をしながら、ゆっくりとラッピングを外していく。
そっと箱を開けると、中から綺麗なチョコレートケーキが出てきた。小さくて丸い。上にココアパウダーのようなものが振りかけてある。
「ケーキまで買ってきてくれたの…?」
「ううん、作ったんだ」
「…え?!…こ、れ、手作り……?」
いや、めちゃくちゃ綺麗なんだけど……、すごすぎない……?売り物にしか見えない…。
「うん。葵、甘いものそんなに得意じゃないでしょ?だからビターチョコを使って甘さ控えめにしてみたんだ。…せ、せっかくの、バレンタインだし…」
璃玖は恥ずかしそうに小さな声で付け加えるように言った。……もう、可愛すぎて、どうにかなりそう……。
「…一口だけでもいいから、食べて」
そんなこと上目遣いで言われたら、もう……。
「…もちろん食べる。ありがとう、璃玖」
俺は強靱な精神力で自分の衝動を抑えこみ、極力冷静に答えた。
「ふふ、嬉しい。……はい、」
璃玖はフォークでケーキをすくうと、俺の口元に持ってきた。
「!」
「あーん、して」
「…………。」
……もう少しだ。……もう少しの辛抱だ。落ち着け、俺。落ち着け。
俺は頬を染めた可愛い璃玖の顔を見つめながら、口を開けてケーキを食べた。
「…美味しい。ほんとに甘さ控えめだ。あんたすごいね。天才なの?」
「お、大袈裟だなぁ、もう。…でもよかった…食べてもらえて。幸せ」
「…今度は璃玖の番」
俺は璃玖からフォークを取って、ケーキをすくうと璃玖の口元に持っていった。
「えっ?!ぼっ、ぼくは、自分で…」
「あーん」
「…………。」
璃玖が顔を真っ赤にしながら、俺の手からケーキを食べた。
「…美味しい?」
「…………うん」
璃玖が俯いて小さな声で答えた。
「…葵、…あのね、」
「ん?」
「……覚えてる?ケーキ、前にもこうやって……」
「うん、もちろん。同じこと、思い出してた」
「……ふふ」
あの時。璃玖が俺の部屋で暮らし始めて、まだそんなに経ってない頃。俺が買って帰ってきたケーキを璃玖が食べているときに、璃玖から一口食べさせてもらった。あの時は、本当に……
「あの時ね、」
「うん」
「すっごくドキドキしてたんだよ、本当は。…心臓が壊れそうなくらいに」
「……俺もだよ」
「……ふふ」
俺たちは互いにじっと見つめ合った。あの頃から、あれよりずっと前から、俺は璃玖のことが大好きだったんだよ。これまでの時間を思い返すほどに、璃玖への愛しさがどんどん胸を締め付ける。
……璃玖。
俺は今度こそキスをしようと、璃玖に近づこうとした。
その時。
「あ、そうだ」
璃玖は少しの悪気もなさげにくるりと俺に背を向けて、自分のバッグをごそごそと漁り始めた。
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