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「……もう1時だね」
「あ、ほ、本当だ」
璃玖に告白を受け入れてもらえて、この上なく満たされたまま夢見心地で過ごしていたが、気付いたらもう夜もかなり更けていた。心なしか、璃玖の目もとろんとなっている気がする。
俺は逡巡した。今夜、どうするべきだろう。
もちろんウブな璃玖に対して、さぁ、晴れて恋人になったわけだしセックスしよう、なんて言うつもりはない。本当はめちゃくちゃ言いたいけど。今すぐにでも襲いかかりたい気持ちでいっぱいだけど。でも璃玖にはまだ早すぎる。それはあの雷雨の夜の件で身にしみて分かっている。
本当は朝までずっとここにいたい。眠る璃玖を横でずっと見守っていたいけど…。たぶん、俺がいたら璃玖はあの夜を思い出して緊張して眠れない、気がする。名残惜しいけど、これから時間はいくらでもあるんだ。今夜は一緒に年を越せたことに満足して大人しく身を引くのが璃玖のためだろう。…キスもしたし。満足するべきだ。満足しろ、俺。
自分に言い聞かせながら、溜息を押し殺して璃玖に告げる。
「遅くまでごめん。…そろそろ帰るから、俺」
「えっ。……あ、うん。そうだよね。ごめんね葵。せっかく実家にいたのに、わざわざ僕のために…」
璃玖がはっとしたようにそう言う。
「璃玖のためだけじゃない。…俺が会いたかったんだ。どうしても、一緒にいたかったから」
今年最後の瞬間を。新しい年を迎える瞬間を。
「……ありがとう、葵。また実家に戻るんだよね?」
「ん。そうだね。戻ろっかな」
「ご家族の皆さんによろしく伝えてね」
「うん。気遣わないで大丈夫」
…よろしく伝えるって、…何て言えば…?俺の恋人がそう言ってたって……?……恥ずかしすぎる。家族にそんな話、したことない。
頭の中でぐるぐる考えながら靴を履いていると、璃玖が後ろから話しかけてきた。
「……あのね、僕、毎年この、年を越す瞬間が一番心細いっていうか…、寂しいっていうか」
「!」
俺は驚いて振り向く。
「だからね、今年の年越しは…なんていうか、……人生で一番、幸せな年越しだったっていうか……。本当に、ありがとう。今夜はゆっくり眠れそう」
「…………!」
はにかんでそう言う璃玖が、ものすごく可愛くて。胸が締め付けられるほどの衝動に抗えず、思わずそのまま思い切り抱きしめた。
「うぷっ…!」
「…あんたさ、なんでそんなに可愛いの?どうなってるの?その可愛さ」
「…?!……??」
はぁ…。璃玖が俺のツボを的確に突いてくる…。俺の理性を試してるのかな…。もう負けそうなんだけど。
俺はまたひそかに溜息をつき、璃玖の頬をそっと撫でた。
「…じゃ、おやすみ。ゆっくり休んで」
「う、うん。ありがとう。…またね」
「……。」
「……。」
……帰りがたい。
「……あのさ、」
「ん?」
「初詣とか、行く?」
「…え?一緒に?」
「ん」
「行きたい!」
「……ん」
次の約束を取り付けたところで満足し、やっと大人しく帰る気になった。また電話するから、と言い残し、外に出る。ドアを閉め、璃玖が鍵をかける音を確認して、凍てつくような冬の夜空の下を歩き出す。
…よかった。璃玖の心細さを、俺が少しでも取り除いてあげられたのなら。
歩きながら、頭の中で一人反省会を繰り広げる。指輪のサイズは失敗した…。なんせ女に指輪を贈ったことなんて一度もない。もちろん男にも。さり気なくサイズを聞き出そうかとも思ったけど、璃玖がアクセサリーをつけているのを見たことがないから、きっと本人も知らないだろうという結論に達し、それとなく何度か自分の指と見比べてみたのだ。璃玖の方がか細くて華奢で、きっとこれくらいのサイズだろうと見当を付けたが…見誤ったらしい。俺の想像より細かった。サイズ替えてもらうよ、とも言いづらくて。そこまでして薬指に固執するのも、なんか必死すぎて璃玖にどう思われるか…。
まぁ、いいか。俺が贈った指輪を喜んでつけてくれただけでも幸せだ。次に贈る指輪は…、二人でお揃いのものを、左手の薬指に……
……ヤバい。夢は果てしなく広がる。恋人になれたことですっかり舞い上がってるのが自分でも分かる。俺ってこんな夢見がちな男だったのか。まるで恋する乙女だ。我ながら不気味すぎる。くれぐれも璃玖の前でこんな自分をさらけ出さないようにしないと…。ドン引きされて振られたらと思うと怖い。こんなに好きになってしまって、やっと手に入れた璃玖の恋人の座を手放すことなんてもう考えられない。
「……はぁ」
息が白い。冷たすぎる冬の深夜の空気が、心身共に火照っている今の俺には気持ちいい。
やっとだ。やっと璃玖と恋人同士になれた。これからは心おきなくいっぱい甘やかそう。
大事にするから、璃玖。
駐車場に車を入れ、ドアを極力静かに閉め、実家の玄関の鍵をそっと開ける。よかった。皆もう眠っているらしい。…なんか、泥棒になった気分だ。俺はシャワーを浴びると自分の部屋に入った。
翌朝、何事もなかったようにリビングに降りていくと、早速母と姉たちから質問攻めにされた。父は黙っていたが、おそらくしっかり聞き耳を立てていただろう。俺が夜家を出て行った後に来たらしい義兄は、何事かと興味津々の顔で俺達を見比べている。どうだったのか、上手くいったのか、相手はどんな人なのか、どこに住んでる人だ、いつ会わせてくれるんだ…………俺が何も答えず黙って食事しているのによくもまあこんなに次々と質問を思いつくものだ。気恥ずかしくて家族とこんな話したくない。
「…お節、食べないの?」
「それより教えてよ!わざわざ深夜に会いに行ったのよ。その後どうなったのよ!付き合うの?振られたの?ねぇ」
…もう嫌だ。下の姉のマシンガンのような質問に、母と上の姉も目の前まで来て俺の顔をガン見して返事を待っている。なんでこんなに必死なんだろう。
「……あ」
「?!なに?なに?!」
「言い忘れてた」
「うんうん!!」
三人の目がキラキラしている。俺は家族を見渡して言った。
「…明けましておめでとう。今年もよろしくお願いします」
「……。」
「……はぁ」
「……ちっ」
それぞれ露骨にがっかりした顔で席に戻りお節を食べ始めた。うん、おめでとうと静かに返してくれたのは父と義兄だけだった。さっさと朝食を食べ終え離れたところで人形遊びをしていた美織も、あおいくんあけましておめでとーう!と叫んでくれた。
「あ、ほ、本当だ」
璃玖に告白を受け入れてもらえて、この上なく満たされたまま夢見心地で過ごしていたが、気付いたらもう夜もかなり更けていた。心なしか、璃玖の目もとろんとなっている気がする。
俺は逡巡した。今夜、どうするべきだろう。
もちろんウブな璃玖に対して、さぁ、晴れて恋人になったわけだしセックスしよう、なんて言うつもりはない。本当はめちゃくちゃ言いたいけど。今すぐにでも襲いかかりたい気持ちでいっぱいだけど。でも璃玖にはまだ早すぎる。それはあの雷雨の夜の件で身にしみて分かっている。
本当は朝までずっとここにいたい。眠る璃玖を横でずっと見守っていたいけど…。たぶん、俺がいたら璃玖はあの夜を思い出して緊張して眠れない、気がする。名残惜しいけど、これから時間はいくらでもあるんだ。今夜は一緒に年を越せたことに満足して大人しく身を引くのが璃玖のためだろう。…キスもしたし。満足するべきだ。満足しろ、俺。
自分に言い聞かせながら、溜息を押し殺して璃玖に告げる。
「遅くまでごめん。…そろそろ帰るから、俺」
「えっ。……あ、うん。そうだよね。ごめんね葵。せっかく実家にいたのに、わざわざ僕のために…」
璃玖がはっとしたようにそう言う。
「璃玖のためだけじゃない。…俺が会いたかったんだ。どうしても、一緒にいたかったから」
今年最後の瞬間を。新しい年を迎える瞬間を。
「……ありがとう、葵。また実家に戻るんだよね?」
「ん。そうだね。戻ろっかな」
「ご家族の皆さんによろしく伝えてね」
「うん。気遣わないで大丈夫」
…よろしく伝えるって、…何て言えば…?俺の恋人がそう言ってたって……?……恥ずかしすぎる。家族にそんな話、したことない。
頭の中でぐるぐる考えながら靴を履いていると、璃玖が後ろから話しかけてきた。
「……あのね、僕、毎年この、年を越す瞬間が一番心細いっていうか…、寂しいっていうか」
「!」
俺は驚いて振り向く。
「だからね、今年の年越しは…なんていうか、……人生で一番、幸せな年越しだったっていうか……。本当に、ありがとう。今夜はゆっくり眠れそう」
「…………!」
はにかんでそう言う璃玖が、ものすごく可愛くて。胸が締め付けられるほどの衝動に抗えず、思わずそのまま思い切り抱きしめた。
「うぷっ…!」
「…あんたさ、なんでそんなに可愛いの?どうなってるの?その可愛さ」
「…?!……??」
はぁ…。璃玖が俺のツボを的確に突いてくる…。俺の理性を試してるのかな…。もう負けそうなんだけど。
俺はまたひそかに溜息をつき、璃玖の頬をそっと撫でた。
「…じゃ、おやすみ。ゆっくり休んで」
「う、うん。ありがとう。…またね」
「……。」
「……。」
……帰りがたい。
「……あのさ、」
「ん?」
「初詣とか、行く?」
「…え?一緒に?」
「ん」
「行きたい!」
「……ん」
次の約束を取り付けたところで満足し、やっと大人しく帰る気になった。また電話するから、と言い残し、外に出る。ドアを閉め、璃玖が鍵をかける音を確認して、凍てつくような冬の夜空の下を歩き出す。
…よかった。璃玖の心細さを、俺が少しでも取り除いてあげられたのなら。
歩きながら、頭の中で一人反省会を繰り広げる。指輪のサイズは失敗した…。なんせ女に指輪を贈ったことなんて一度もない。もちろん男にも。さり気なくサイズを聞き出そうかとも思ったけど、璃玖がアクセサリーをつけているのを見たことがないから、きっと本人も知らないだろうという結論に達し、それとなく何度か自分の指と見比べてみたのだ。璃玖の方がか細くて華奢で、きっとこれくらいのサイズだろうと見当を付けたが…見誤ったらしい。俺の想像より細かった。サイズ替えてもらうよ、とも言いづらくて。そこまでして薬指に固執するのも、なんか必死すぎて璃玖にどう思われるか…。
まぁ、いいか。俺が贈った指輪を喜んでつけてくれただけでも幸せだ。次に贈る指輪は…、二人でお揃いのものを、左手の薬指に……
……ヤバい。夢は果てしなく広がる。恋人になれたことですっかり舞い上がってるのが自分でも分かる。俺ってこんな夢見がちな男だったのか。まるで恋する乙女だ。我ながら不気味すぎる。くれぐれも璃玖の前でこんな自分をさらけ出さないようにしないと…。ドン引きされて振られたらと思うと怖い。こんなに好きになってしまって、やっと手に入れた璃玖の恋人の座を手放すことなんてもう考えられない。
「……はぁ」
息が白い。冷たすぎる冬の深夜の空気が、心身共に火照っている今の俺には気持ちいい。
やっとだ。やっと璃玖と恋人同士になれた。これからは心おきなくいっぱい甘やかそう。
大事にするから、璃玖。
駐車場に車を入れ、ドアを極力静かに閉め、実家の玄関の鍵をそっと開ける。よかった。皆もう眠っているらしい。…なんか、泥棒になった気分だ。俺はシャワーを浴びると自分の部屋に入った。
翌朝、何事もなかったようにリビングに降りていくと、早速母と姉たちから質問攻めにされた。父は黙っていたが、おそらくしっかり聞き耳を立てていただろう。俺が夜家を出て行った後に来たらしい義兄は、何事かと興味津々の顔で俺達を見比べている。どうだったのか、上手くいったのか、相手はどんな人なのか、どこに住んでる人だ、いつ会わせてくれるんだ…………俺が何も答えず黙って食事しているのによくもまあこんなに次々と質問を思いつくものだ。気恥ずかしくて家族とこんな話したくない。
「…お節、食べないの?」
「それより教えてよ!わざわざ深夜に会いに行ったのよ。その後どうなったのよ!付き合うの?振られたの?ねぇ」
…もう嫌だ。下の姉のマシンガンのような質問に、母と上の姉も目の前まで来て俺の顔をガン見して返事を待っている。なんでこんなに必死なんだろう。
「……あ」
「?!なに?なに?!」
「言い忘れてた」
「うんうん!!」
三人の目がキラキラしている。俺は家族を見渡して言った。
「…明けましておめでとう。今年もよろしくお願いします」
「……。」
「……はぁ」
「……ちっ」
それぞれ露骨にがっかりした顔で席に戻りお節を食べ始めた。うん、おめでとうと静かに返してくれたのは父と義兄だけだった。さっさと朝食を食べ終え離れたところで人形遊びをしていた美織も、あおいくんあけましておめでとーう!と叫んでくれた。
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