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「もう11時半かぁ」
年末の音楽番組を何となく見ながらテーブルに頬杖をついて僕はひとり呟いた。今年もあと30分で終わるのかぁ。本当にあっという間だったな。年々、一年が過ぎるのが早くなっていく気がする。
年間いくつもあるイベントごとを独りで過ごすのにはもうすっかり慣れっこだ。だけど年末のこのもの悲しさだけはなんだか慣れない。僕が一年で一番苦手な瞬間は年越しだ。年を越した途端、テレビでも皆が満面の笑みで一斉におめでとうございまーす!と喜んでいるけど、その瞬間をいつもテレビの前で独りでぽつんと過ごしている僕にはおめでとうを言い合う相手もいなくて、なんだか取り残されたような感覚を強く感じてしまう。いっそのこと大晦日は早くに寝てしまえばいいのだろうけど、それはそれでなんとなく落ち着かない。年が切り替わる瞬間をきちんと迎えたい気がするのだ。よし、今年も頑張るぞ、と気持ちを新たにするために。
大事な瞬間なんだけど、独り暮らしをするようになってからはなんだかとても寂しい。
僕は自分の寂しさを深く考えたくなくて、手持ち無沙汰にリモコンを手に取りポチポチとチャンネルを変えてみる。でも特に見たい番組があるわけでもなくて、テレビ画面をぼーっと見ながら、ふと今日の葵のことを思い出していた。
「……ふふ」
葵のことを考えると、胸が温かくなる。…可愛かったな、家族と電話で話している時の葵。
『もう分かったって!ごめんけど切るから!今忙しい。全部買ってくる』
…葵は自分で分かってるのかな。家族と話す時に自分がどんな顔をしているか。今まで見た葵の中で一番無防備で、幼くて…可愛かった。思い出すだけで胸がキュンとなる。家族のことが大好きなんだろうな。ほんの短い時間だったけど、気を抜いている素の葵を見た気がする。また新しい一面を知ってしまって、幸せな気持ちだ。次に会えたら葵に僕の気持ちを伝えるつもりだったけど…。今日は明らかに葵が忙しそうだったし、それどころではなさそうだった。次の機会を待とう。会いに来てくれただけで、充分だ。
一旦葵のことを考え出すと、止めどなく想いが溢れてくる。忙しい年の瀬に、わざわざ僕の様子を見に来てくれるなんて。本当に優しい。あんなに優しくされると…、…勘違いしてしまいそうになる。
『俺は、長かった。……この一週間。すごく、長く感じた』
『友達じゃ、嫌なんだけど』
『璃玖が作る料理の方が好きだよ』
『予定なかったら、イブは空けておいて。……お願い』
「…………。」
これまでの葵の言葉を次々に思い出しているだけで顔が火照ってきて、僕は思わず顔を覆った。どの時の表情も、声も、全部覚えている。あんな素敵な人に、こんなに優しくしてもらえるなんて。それだけですごく、すっごく、幸せだ。
あ、これいいな。よし、年を越すまでずっと葵のことだけ考えていよう。ものすごく気が紛れる気がする。
僕は目を閉じて、引き続き葵の言葉を思い出していた。すると突然、
ピンポーン
「?!」
驚きすぎて飛び上がった。
……え?!何?誰?!こんな時間に。
鳴るはずのない時間のインターホンに心臓が口から飛び出しそうになった。怖い。嘘だ。まさか。……あの時の、あの、…ス、ストーカー…?でもまさか、だだだって……だって……!
頭の中がパニック状態で一歩も動けないでいると、
「……璃玖」
「……?!」
大好きな人の声が、聞こえた、気がする。まさかね。……え?幻聴?
今度は控えめなノックがする。
「璃玖、開けて。…お願い」
僕は弾かれたようにドアに飛びついて鍵を開けた。
「……!」
突然開いたドアの勢いにびっくりしたらしい葵が、そこに立っていた。
「……あ、……あおい……?」
「……うん」
……え?本物?なんでここにいるの?僕は混乱する頭でなんとか声を絞り出す。
「葵……。どう、して……?」
「……一緒にいたくて」
「……え?」
「璃玖と一緒にいたくて。戻ってきた」
「……。」
「……。」
嬉しすぎる言葉に理解が追いつかなくて、そのまま玄関先で見つめ合う。……一緒に、いたくてって、言ってくれたの?今。……どうして……?
その時、冷たい風が二人の間をビュオーッと吹き抜けて、ようやく我に返った。あ、葵が風邪ひいちゃう。
「は、入って、葵。ごめんね、寒いのに」
「…お邪魔します」
「は、はい」
葵を座らせると、僕はいまだ混乱する頭を必死で巡らせながらコーヒーを入れるためにキッチンに行く。ん?え?な、なんで急に戻ってきたの…?か、家族は?実家に帰ったんじゃ……
「璃玖」
「?!」
名前を呼ばれて僕は振り返る。あ、どうしよ。顔が真っ赤かも。
「……こっちにおいで」
「…………っ!」
よ、呼ばれてる。葵がすごく優しい声で、僕を呼んでいる。緊張しすぎて頭がクラクラしてきた。慌てて目をそらす。
「ち、ちょっと、待ってね。もう、コーヒーが入るから……」
心臓がバクバクで顔は真っ赤で、正直このまま葵のそばに戻るのはものすごく恥ずかしい。でもそれ以上に嬉しさと恋しさが上回っていて、……僕は震える両手でマグカップをしっかりと持って、葵のところにおずおずと戻った。
「……。」
「……。」
黙ってコーヒーを差し出す。下を向いていても、葵が僕をじっと見ているのが分かる。えーと、えーっと……。な、何か言わなきゃ……。照れくささをごまかすための会話を必死で考える。
「…起きててよかった。もしかしたらもう寝てるかもしれないと思ったから」
葵が先に口を開く。
「…どうして、」
「ん?」
「ど、どうして、こんな時間に、わざわざ……」
会いに来てくれたの?と僕が口に出すより早く、
「一緒にいたかったから」
葵が答える。
「……え」
「新年を迎える瞬間は、璃玖と一緒にいたかったから。だから、会いに来た」
「…………。」
心拍数が上がりすぎて、このまま気を失ってしまいそうだ。こんな感覚、初めて。クラクラする。ここまで言われたら、いくら僕でも、もう、分かる、……気がする。
僕は期待を込めて葵の目をじっと見つめる。葵の瞳は至って真剣で、眦は赤く色づいていた。
「……璃玖、」
あぁ、神様。お願い。
僕は息をするのも忘れて、葵の次の言葉を待った。葵の優しい指先が、僕の頬に触れる。
「璃玖、俺、璃玖のことが、…大好きなんだ。…俺の恋人になって」
「……………っ!」
僕の心が葵の言葉を受け止めた途端、想いが堰を切ったように溢れた。伝えなきゃ。僕も。
「……ぼ、僕も、」
「……っ」
「……僕も、だ、大好き、だよ。…あ、葵の、こと、が」
「…………。」
涙で声が震える。ダメだ。これじゃちゃんと届かない。伝えたいのに。もっと、もっとーーー
「ーーー?!」
次の瞬間。僕は葵の腕の中にいた。強く、強く、抱きしめられる。
「…………うれしい」
葵の声が掠れている。……よかった。ちゃんと、伝わった。
葵の温かさと匂いに包まれて、僕はやっと安心して、目を閉じて息をついた。
葵の背中に腕を回して、思いっきり抱きしめながら。
僕が人生最大の幸せに浸ってうっとりしていると、葵の体が少しだけ離れて、顎に優しく手が触れた。
「……?」
その手に少し上を向かされ目を開けると、驚くほど近い距離に葵の端整な顔がある。熱のこもった真剣な瞳が、間近で僕を見つめている。
「!!」
ち、……近い。その近すぎる距離から、さらに葵の目が近づいてくる。え、目と目が触れ合っちゃわない?焦点が合わないほど葵が近くに来たので僕が思わず目を閉じると、
「…………っ?!」
唇に、温かくて柔らかい感触が……
「……………………!」
キスをされたのだと理解した途端、頭がぐらりと揺れた。信じられない……ぼく、今、あ、葵と……。大好きな、葵と……、
唇は角度を変え、何度も何度も、僕の唇に優しく押し付けられる。…気持ちいい…。高揚して頭の中にはまるで嵐が吹き荒れているみたいなのに、体中の力が抜けそうになる。僕が葵の背中に縋り付くように力を込めると、葵もさらに強く僕を抱きしめる。重ね合わせた唇を、互いにより激しく貪りあう。ふいに、口の中に柔らかい感触が入ってきて、僕は驚いて固まる。生まれて初めての感覚に混乱した。…舌が触れ合っているのだと気付いた瞬間、突然得体の知れない恐怖心のかけらのようなものがかすかに湧いてきた。僕のわずかな反応の変化を敏感に察したのか、葵の唇がそっと離れた。
「…………。」
「……。り、く…」
葵の顔も紅潮していて、息が上がっている。きっと僕はもっと真っ赤になっているのだろう。
その時、ふと、葵を見つめていた視界の端に壁の時計が飛び込んできた。
「…………あ」
「……?」
気付いたらもう0時を少し回っていた。
……年が明けてる!
僕は慌てて葵に言う。
「あ、葵!明けましておめでとう!」
「………。」
「今年も、よろしくね」
葵はしばらく僕の顔をぽかんと見つめていたけど、ふいに笑い出した。
「ふふふ…」
「?!」
「ふふ……、うん、こちらこそ、よろしく。明けましておめでとう」
何でそんなに笑っているのかはよく分からなかったけど、その笑顔は優しくて、最高に素敵すぎて……
僕は葵の笑顔を見つめながら幸せを噛みしめていた。
年末の音楽番組を何となく見ながらテーブルに頬杖をついて僕はひとり呟いた。今年もあと30分で終わるのかぁ。本当にあっという間だったな。年々、一年が過ぎるのが早くなっていく気がする。
年間いくつもあるイベントごとを独りで過ごすのにはもうすっかり慣れっこだ。だけど年末のこのもの悲しさだけはなんだか慣れない。僕が一年で一番苦手な瞬間は年越しだ。年を越した途端、テレビでも皆が満面の笑みで一斉におめでとうございまーす!と喜んでいるけど、その瞬間をいつもテレビの前で独りでぽつんと過ごしている僕にはおめでとうを言い合う相手もいなくて、なんだか取り残されたような感覚を強く感じてしまう。いっそのこと大晦日は早くに寝てしまえばいいのだろうけど、それはそれでなんとなく落ち着かない。年が切り替わる瞬間をきちんと迎えたい気がするのだ。よし、今年も頑張るぞ、と気持ちを新たにするために。
大事な瞬間なんだけど、独り暮らしをするようになってからはなんだかとても寂しい。
僕は自分の寂しさを深く考えたくなくて、手持ち無沙汰にリモコンを手に取りポチポチとチャンネルを変えてみる。でも特に見たい番組があるわけでもなくて、テレビ画面をぼーっと見ながら、ふと今日の葵のことを思い出していた。
「……ふふ」
葵のことを考えると、胸が温かくなる。…可愛かったな、家族と電話で話している時の葵。
『もう分かったって!ごめんけど切るから!今忙しい。全部買ってくる』
…葵は自分で分かってるのかな。家族と話す時に自分がどんな顔をしているか。今まで見た葵の中で一番無防備で、幼くて…可愛かった。思い出すだけで胸がキュンとなる。家族のことが大好きなんだろうな。ほんの短い時間だったけど、気を抜いている素の葵を見た気がする。また新しい一面を知ってしまって、幸せな気持ちだ。次に会えたら葵に僕の気持ちを伝えるつもりだったけど…。今日は明らかに葵が忙しそうだったし、それどころではなさそうだった。次の機会を待とう。会いに来てくれただけで、充分だ。
一旦葵のことを考え出すと、止めどなく想いが溢れてくる。忙しい年の瀬に、わざわざ僕の様子を見に来てくれるなんて。本当に優しい。あんなに優しくされると…、…勘違いしてしまいそうになる。
『俺は、長かった。……この一週間。すごく、長く感じた』
『友達じゃ、嫌なんだけど』
『璃玖が作る料理の方が好きだよ』
『予定なかったら、イブは空けておいて。……お願い』
「…………。」
これまでの葵の言葉を次々に思い出しているだけで顔が火照ってきて、僕は思わず顔を覆った。どの時の表情も、声も、全部覚えている。あんな素敵な人に、こんなに優しくしてもらえるなんて。それだけですごく、すっごく、幸せだ。
あ、これいいな。よし、年を越すまでずっと葵のことだけ考えていよう。ものすごく気が紛れる気がする。
僕は目を閉じて、引き続き葵の言葉を思い出していた。すると突然、
ピンポーン
「?!」
驚きすぎて飛び上がった。
……え?!何?誰?!こんな時間に。
鳴るはずのない時間のインターホンに心臓が口から飛び出しそうになった。怖い。嘘だ。まさか。……あの時の、あの、…ス、ストーカー…?でもまさか、だだだって……だって……!
頭の中がパニック状態で一歩も動けないでいると、
「……璃玖」
「……?!」
大好きな人の声が、聞こえた、気がする。まさかね。……え?幻聴?
今度は控えめなノックがする。
「璃玖、開けて。…お願い」
僕は弾かれたようにドアに飛びついて鍵を開けた。
「……!」
突然開いたドアの勢いにびっくりしたらしい葵が、そこに立っていた。
「……あ、……あおい……?」
「……うん」
……え?本物?なんでここにいるの?僕は混乱する頭でなんとか声を絞り出す。
「葵……。どう、して……?」
「……一緒にいたくて」
「……え?」
「璃玖と一緒にいたくて。戻ってきた」
「……。」
「……。」
嬉しすぎる言葉に理解が追いつかなくて、そのまま玄関先で見つめ合う。……一緒に、いたくてって、言ってくれたの?今。……どうして……?
その時、冷たい風が二人の間をビュオーッと吹き抜けて、ようやく我に返った。あ、葵が風邪ひいちゃう。
「は、入って、葵。ごめんね、寒いのに」
「…お邪魔します」
「は、はい」
葵を座らせると、僕はいまだ混乱する頭を必死で巡らせながらコーヒーを入れるためにキッチンに行く。ん?え?な、なんで急に戻ってきたの…?か、家族は?実家に帰ったんじゃ……
「璃玖」
「?!」
名前を呼ばれて僕は振り返る。あ、どうしよ。顔が真っ赤かも。
「……こっちにおいで」
「…………っ!」
よ、呼ばれてる。葵がすごく優しい声で、僕を呼んでいる。緊張しすぎて頭がクラクラしてきた。慌てて目をそらす。
「ち、ちょっと、待ってね。もう、コーヒーが入るから……」
心臓がバクバクで顔は真っ赤で、正直このまま葵のそばに戻るのはものすごく恥ずかしい。でもそれ以上に嬉しさと恋しさが上回っていて、……僕は震える両手でマグカップをしっかりと持って、葵のところにおずおずと戻った。
「……。」
「……。」
黙ってコーヒーを差し出す。下を向いていても、葵が僕をじっと見ているのが分かる。えーと、えーっと……。な、何か言わなきゃ……。照れくささをごまかすための会話を必死で考える。
「…起きててよかった。もしかしたらもう寝てるかもしれないと思ったから」
葵が先に口を開く。
「…どうして、」
「ん?」
「ど、どうして、こんな時間に、わざわざ……」
会いに来てくれたの?と僕が口に出すより早く、
「一緒にいたかったから」
葵が答える。
「……え」
「新年を迎える瞬間は、璃玖と一緒にいたかったから。だから、会いに来た」
「…………。」
心拍数が上がりすぎて、このまま気を失ってしまいそうだ。こんな感覚、初めて。クラクラする。ここまで言われたら、いくら僕でも、もう、分かる、……気がする。
僕は期待を込めて葵の目をじっと見つめる。葵の瞳は至って真剣で、眦は赤く色づいていた。
「……璃玖、」
あぁ、神様。お願い。
僕は息をするのも忘れて、葵の次の言葉を待った。葵の優しい指先が、僕の頬に触れる。
「璃玖、俺、璃玖のことが、…大好きなんだ。…俺の恋人になって」
「……………っ!」
僕の心が葵の言葉を受け止めた途端、想いが堰を切ったように溢れた。伝えなきゃ。僕も。
「……ぼ、僕も、」
「……っ」
「……僕も、だ、大好き、だよ。…あ、葵の、こと、が」
「…………。」
涙で声が震える。ダメだ。これじゃちゃんと届かない。伝えたいのに。もっと、もっとーーー
「ーーー?!」
次の瞬間。僕は葵の腕の中にいた。強く、強く、抱きしめられる。
「…………うれしい」
葵の声が掠れている。……よかった。ちゃんと、伝わった。
葵の温かさと匂いに包まれて、僕はやっと安心して、目を閉じて息をついた。
葵の背中に腕を回して、思いっきり抱きしめながら。
僕が人生最大の幸せに浸ってうっとりしていると、葵の体が少しだけ離れて、顎に優しく手が触れた。
「……?」
その手に少し上を向かされ目を開けると、驚くほど近い距離に葵の端整な顔がある。熱のこもった真剣な瞳が、間近で僕を見つめている。
「!!」
ち、……近い。その近すぎる距離から、さらに葵の目が近づいてくる。え、目と目が触れ合っちゃわない?焦点が合わないほど葵が近くに来たので僕が思わず目を閉じると、
「…………っ?!」
唇に、温かくて柔らかい感触が……
「……………………!」
キスをされたのだと理解した途端、頭がぐらりと揺れた。信じられない……ぼく、今、あ、葵と……。大好きな、葵と……、
唇は角度を変え、何度も何度も、僕の唇に優しく押し付けられる。…気持ちいい…。高揚して頭の中にはまるで嵐が吹き荒れているみたいなのに、体中の力が抜けそうになる。僕が葵の背中に縋り付くように力を込めると、葵もさらに強く僕を抱きしめる。重ね合わせた唇を、互いにより激しく貪りあう。ふいに、口の中に柔らかい感触が入ってきて、僕は驚いて固まる。生まれて初めての感覚に混乱した。…舌が触れ合っているのだと気付いた瞬間、突然得体の知れない恐怖心のかけらのようなものがかすかに湧いてきた。僕のわずかな反応の変化を敏感に察したのか、葵の唇がそっと離れた。
「…………。」
「……。り、く…」
葵の顔も紅潮していて、息が上がっている。きっと僕はもっと真っ赤になっているのだろう。
その時、ふと、葵を見つめていた視界の端に壁の時計が飛び込んできた。
「…………あ」
「……?」
気付いたらもう0時を少し回っていた。
……年が明けてる!
僕は慌てて葵に言う。
「あ、葵!明けましておめでとう!」
「………。」
「今年も、よろしくね」
葵はしばらく僕の顔をぽかんと見つめていたけど、ふいに笑い出した。
「ふふふ…」
「?!」
「ふふ……、うん、こちらこそ、よろしく。明けましておめでとう」
何でそんなに笑っているのかはよく分からなかったけど、その笑顔は優しくて、最高に素敵すぎて……
僕は葵の笑顔を見つめながら幸せを噛みしめていた。
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