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第25話 シュガルト国王の番 ③
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その後も成婚行列は粛々と進み、さしたる問題もなく王都へ入ることが出来た。
「国王陛下、おめでとうございます!!」
「王妃様、おめでとうございます!!」
王都でもそう声援が飛び交っていた。
ローズは何度目かの衣装直しを終えた姿で馬車から手を振った。
途端に歓声がひときわ大きくなった。
(何だか逆に実感が沸かないわね)
歓迎してくれるのは嬉しいのだが、まだローズにはピンとこなかった。
つい先日自分の運命を受け入れたばかりなのだ。
ベリルによると王族はそれほど『運命の番』に拘らないらしく、政略結婚をする者もいるとのことだった。
「だから最初は政略結婚のようなものだとでも思っていてくれればいい」
ベリルがそうあまり気負わないように、と告げるがこれはこれで却って気になってしまう。
(運命の番、って一体どんな感じなのかしら)
とにかく王城に着いたら周りの様子をよく見ておかなくては。
そして当然この婚姻は急に決まったことなので、簡略化した式を終えた後はローズには王妃教育が待っている。
本来であれば王族――それも王の婚姻である。
年単位での準備期間が設けられるところを強引に捻じ込んだのである。
(大丈夫なのかしら)
マトアニア王国ではあまり考えられないことだった。
会場の警備は勿論、賓客の接待、参列者の選別、そして参列する側はその支度に見栄を張るため、通いの商人達に取っても大いに稼ぎ時となるとても重要な行事なのである。
勿論こちらでも大掛かりなものはローズの王妃教育が完了してから行うらしいが。
(何というか柔軟な考えね)
そしてローズのその感想はあながち外れていないことがそれから暫くして証明されることとなる。
「義兄さま!!」
王城へ入るなり、そう叫んで一人の少女がベリルに駆け寄った。
(え?)
ローズが戸惑いともう一つの名前を付け難い感情に苛まれていると、その勢いのまま抱き上げたベリルがにこやかに話し掛ける。
「アンジェ。出迎えとは嬉しいな。だが、走るのはダメだぞ」
「だってお義兄さまってば突然いなくなるんだもの」
白いピンと張った耳からこの少女――恐らく十二歳程だろう――が猫の獣人だと推測される。
金髪碧眼の美少女はどこか勝気そうな視線をローズへ向けたように見えた。
「ああ。悪かったな。ローズ。この娘はアンジェだ。俺の弟フェルナンドの婚約者でもある。アンジェ。ローズだ」
ごく簡単に紹介されたが、それだけこの娘とは気安い間柄だということが分かる。
「お初にお目に掛けます。ローズ・ファラントになります」
ベリルの弟の婚約者、ということは未来の王族であり、また将来の義妹でもある。
礼を失さないようにローズが挨拶する。
「アンジェ・シーベルドです」
どこか険のあるような空気を感じたがそれはすぐに霧散したため、気のせいかと思われた。
「アンジェお嬢様!! 奥の部屋にて待機しているはずでしょう!?」
慌てた様に侍女がアンジェ嬢に詰め寄り、非礼を詫びた。
「申し訳ございません。私どもの管理不行き届きにございまいます」
「いい。いつものことだ」
「あの国王陛下。アンジェ様を――」
「このまま連れて行く」
どうやら本当にいつものことらしく、周囲からは生温かい視線が注がれている。
(私も慣れた方がいいかしら)
そうローズが思った時、ベリルに縦抱きにされたアンジェ嬢と目があった。
何故か優越感の籠った眼差しを向けられたような気がした。
(気のせい、よね?)
アンジェ嬢はベリルの弟の婚約者だと紹介され、年も離れている。
「どうした?」
「いえ、何でもありません」
小さな蟠りはローズの内からなかなか消えようとしなかった。
「シュガルト国へようこそ。王宮にて文官を務めますマチルダ・ルトワークにございます」
案内された一室にてローズ達を出迎えてくれたのは、灰色の髪を総髪にした獣人の女性だった。
「マチルダ? どうしてここに? ここはメリダの担当じゃなかったんじゃ……」
ピンと張った灰色の耳は犬だろうかそれとも猫だろうか、と考えていたローズの後方でリヨンの困惑したような声がし。
「ええ。本来ならそうね。だけれどもう限界だそうよ」
「――は?」
「アレンがね。いろいろと限界みたいだから行ってあげてね」
「なんっ、」
その名を聞いたリヨンが気色ばむ。
「申し訳ありません。陛下。番休暇を所望致したく」
「ああ。行って来い」
「……引き継ぎはして行きますよ」
慌ただしく一礼するとリヨンが退出して行く。
「発情期でも来たか」
ベリルの言葉をマチルダが否定した。
「いえ。時期が違うので違うかと。恐らく番の不在期間が長すぎたのかと思われます」
(そんなことで……)
「ほら、降りるぞ」
「えー。やっと帰ってきたのに!!」
ぶつぶつ言うアンジェ嬢が上等な布張りの椅子に降ろされた。
「全く。手が焼けるとはこのことだな」
文句を言っているように聞こえるがその眼差しは優しかった。
(仲がいいみたい)
つきん、と何かがローズの胸に刺さった。
(……え、)
次に起きた事は一瞬すぎてすぐにはローズは理解できなかった。
「それで儀式のことだ、が」
ローズの方を振り返ったベリルの目の焦点がブレ、床へ倒れて行った。
「国王陛下!! サントワール先生を!!」
マチルダの叫びと殆ど同時に控えていた侍従が廊下へ飛び出して行く。
「お義兄さま!!」
マチルダが叫ぶのと時を同じくしてアンジェ嬢が倒れたベリルの体に縋りついた。
自分の内に生まれた感情と向き合おうとしていたローズは出遅れた。
固まっているローズに何と思ったのか、アンジェ嬢が叫ぶ。
「どうなってるの!? 貴女、お義兄さまの番じゃないの!? どうしてお義兄さまが倒れるのよ!?」
「国王陛下、おめでとうございます!!」
「王妃様、おめでとうございます!!」
王都でもそう声援が飛び交っていた。
ローズは何度目かの衣装直しを終えた姿で馬車から手を振った。
途端に歓声がひときわ大きくなった。
(何だか逆に実感が沸かないわね)
歓迎してくれるのは嬉しいのだが、まだローズにはピンとこなかった。
つい先日自分の運命を受け入れたばかりなのだ。
ベリルによると王族はそれほど『運命の番』に拘らないらしく、政略結婚をする者もいるとのことだった。
「だから最初は政略結婚のようなものだとでも思っていてくれればいい」
ベリルがそうあまり気負わないように、と告げるがこれはこれで却って気になってしまう。
(運命の番、って一体どんな感じなのかしら)
とにかく王城に着いたら周りの様子をよく見ておかなくては。
そして当然この婚姻は急に決まったことなので、簡略化した式を終えた後はローズには王妃教育が待っている。
本来であれば王族――それも王の婚姻である。
年単位での準備期間が設けられるところを強引に捻じ込んだのである。
(大丈夫なのかしら)
マトアニア王国ではあまり考えられないことだった。
会場の警備は勿論、賓客の接待、参列者の選別、そして参列する側はその支度に見栄を張るため、通いの商人達に取っても大いに稼ぎ時となるとても重要な行事なのである。
勿論こちらでも大掛かりなものはローズの王妃教育が完了してから行うらしいが。
(何というか柔軟な考えね)
そしてローズのその感想はあながち外れていないことがそれから暫くして証明されることとなる。
「義兄さま!!」
王城へ入るなり、そう叫んで一人の少女がベリルに駆け寄った。
(え?)
ローズが戸惑いともう一つの名前を付け難い感情に苛まれていると、その勢いのまま抱き上げたベリルがにこやかに話し掛ける。
「アンジェ。出迎えとは嬉しいな。だが、走るのはダメだぞ」
「だってお義兄さまってば突然いなくなるんだもの」
白いピンと張った耳からこの少女――恐らく十二歳程だろう――が猫の獣人だと推測される。
金髪碧眼の美少女はどこか勝気そうな視線をローズへ向けたように見えた。
「ああ。悪かったな。ローズ。この娘はアンジェだ。俺の弟フェルナンドの婚約者でもある。アンジェ。ローズだ」
ごく簡単に紹介されたが、それだけこの娘とは気安い間柄だということが分かる。
「お初にお目に掛けます。ローズ・ファラントになります」
ベリルの弟の婚約者、ということは未来の王族であり、また将来の義妹でもある。
礼を失さないようにローズが挨拶する。
「アンジェ・シーベルドです」
どこか険のあるような空気を感じたがそれはすぐに霧散したため、気のせいかと思われた。
「アンジェお嬢様!! 奥の部屋にて待機しているはずでしょう!?」
慌てた様に侍女がアンジェ嬢に詰め寄り、非礼を詫びた。
「申し訳ございません。私どもの管理不行き届きにございまいます」
「いい。いつものことだ」
「あの国王陛下。アンジェ様を――」
「このまま連れて行く」
どうやら本当にいつものことらしく、周囲からは生温かい視線が注がれている。
(私も慣れた方がいいかしら)
そうローズが思った時、ベリルに縦抱きにされたアンジェ嬢と目があった。
何故か優越感の籠った眼差しを向けられたような気がした。
(気のせい、よね?)
アンジェ嬢はベリルの弟の婚約者だと紹介され、年も離れている。
「どうした?」
「いえ、何でもありません」
小さな蟠りはローズの内からなかなか消えようとしなかった。
「シュガルト国へようこそ。王宮にて文官を務めますマチルダ・ルトワークにございます」
案内された一室にてローズ達を出迎えてくれたのは、灰色の髪を総髪にした獣人の女性だった。
「マチルダ? どうしてここに? ここはメリダの担当じゃなかったんじゃ……」
ピンと張った灰色の耳は犬だろうかそれとも猫だろうか、と考えていたローズの後方でリヨンの困惑したような声がし。
「ええ。本来ならそうね。だけれどもう限界だそうよ」
「――は?」
「アレンがね。いろいろと限界みたいだから行ってあげてね」
「なんっ、」
その名を聞いたリヨンが気色ばむ。
「申し訳ありません。陛下。番休暇を所望致したく」
「ああ。行って来い」
「……引き継ぎはして行きますよ」
慌ただしく一礼するとリヨンが退出して行く。
「発情期でも来たか」
ベリルの言葉をマチルダが否定した。
「いえ。時期が違うので違うかと。恐らく番の不在期間が長すぎたのかと思われます」
(そんなことで……)
「ほら、降りるぞ」
「えー。やっと帰ってきたのに!!」
ぶつぶつ言うアンジェ嬢が上等な布張りの椅子に降ろされた。
「全く。手が焼けるとはこのことだな」
文句を言っているように聞こえるがその眼差しは優しかった。
(仲がいいみたい)
つきん、と何かがローズの胸に刺さった。
(……え、)
次に起きた事は一瞬すぎてすぐにはローズは理解できなかった。
「それで儀式のことだ、が」
ローズの方を振り返ったベリルの目の焦点がブレ、床へ倒れて行った。
「国王陛下!! サントワール先生を!!」
マチルダの叫びと殆ど同時に控えていた侍従が廊下へ飛び出して行く。
「お義兄さま!!」
マチルダが叫ぶのと時を同じくしてアンジェ嬢が倒れたベリルの体に縋りついた。
自分の内に生まれた感情と向き合おうとしていたローズは出遅れた。
固まっているローズに何と思ったのか、アンジェ嬢が叫ぶ。
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