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19.お勉強の時間です(白目)
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就寝のころになって、ラインの寝室を借りることになってしまい(別に納屋とかでもよかったんだけど)そう言ったら怒られた。
恐縮するあたしに、
「明日には君の部屋も用意するから」
そうです、結局しばらく御厄介になることに決まってしまいました。
原因はあたしの一般知識の欠如。
『え!? トレニア国の国王だよっ!? 本当に知らないのっ!?』
『……すみません。知らないです』
『うん。明日からしばらくお勉強だね』
『え!?』
『え、じゃないよっ!? こんなまっさらな娘が知り合いもいない国へ行くなんて、こっちの良心の呵責ってのがね――』
(やっぱりいい人やん)
そういう訳でしばらく居候させて貰うことになったのだけど、宿賃は貰ってくれなかった。
『こんな子供から貰えないよ』
『あたし、十六なんですけど』
『あ、そうなのかい? ごめんよ』
どうやらトレニア国ではリリアンヌの容姿は幼く見えるみたいだった。
(ん? ってことはラインってトレニアの人なのかな?)
疑問が次々と浮かぶが流石にこの状況では聞きづらい。
(何て言っても恩人だしね)
「本当に何から何まで申し訳ありません」
「いいよ。明日は早起きしてもらうからね」
「はいっ!! 日の出と共に起きます!!」
張り切って答えるとラインは微妙な表情になった。
「うん。それより早いかな」
(なんですと)
ラインの言ったとおり、日の出前から起こされた(起きられなくてゴメンナサイ)あたしは、水汲みや薬草園の手入れ、結界周辺の雑草取りなど、できる限りの雑事を手伝った。
もくもくとこなしていると、
「ありがとう。だいぶ捗ったよ」
ラインの計らいで、食後や休憩時間を利用して周辺の国のことなどを教えて貰えることになった。
「まず君が目指しているトレニア国だけど、あの国を治めているのはレキシコン王で第二十一代目になる。ここまではいい?」
「はい。先生」
ラインは小さくため息をつくと、
「もうそこに突っ込むときりがないから続けるね。トレニア国は他の国の例に漏れず、数多ある小国をそのときのトレニア王が統一してできた国なんだ。で、フリント王国の現在の王様は何代目かな?」
「ザクラフィート王で第二十八代目になります」
「よかった。流石にそこは分かるんだね。さてレキシコン王は二年前から王位に就いたんだけど、減税を施し、先の内戦で使えなくなった施設を修復したりしてるんだ。民からの評判はいいよ。……庶子だけどね」
(へ!? それってお母さんが平民ってことだよね。それより)
「あの、内戦って……」
「うん。どこから話そうか」
その眼差しは遠く何かを探しているようにも見えた。
(ラインって……)
あたしの中で何かがまとまる前に、
「レキシコン王の御生母は、前王の側室ミラルカ様の側仕えをしていてね」
(うわぁ。何かドロッドロッの予感)
だってこれって、自分が仕えている方の夫君を取っちゃったってことじゃない?
(いやこの世界だと王様に言われたら断れないし)
イロイロと想像して遠い目になっているあたしに、
「だからね、御生母のリーマ様は懐妊が分かると同時に暇乞いをして故郷へ引っ込んだんだ。もちろん、子を身籠ったことは誰にも言わなかったらしいよ」
(そのままそこで暮らす、って訳には行かなかったんだね)
ラインは軽く頷くと話を続けた。
「故郷へ戻ったリーマ様はレキシコン王を産んだ。そのままいけばよかったんだけどね」
「詳しいんですね」
「まあね。この辺の話は吟遊詩人がこぞって詩にしているからね。トレニア国では。そちらには届いてないかな?」
そういった記憶はかなり曖昧なので、
「そうですね」
内心冷や汗で頷いておく。
恐縮するあたしに、
「明日には君の部屋も用意するから」
そうです、結局しばらく御厄介になることに決まってしまいました。
原因はあたしの一般知識の欠如。
『え!? トレニア国の国王だよっ!? 本当に知らないのっ!?』
『……すみません。知らないです』
『うん。明日からしばらくお勉強だね』
『え!?』
『え、じゃないよっ!? こんなまっさらな娘が知り合いもいない国へ行くなんて、こっちの良心の呵責ってのがね――』
(やっぱりいい人やん)
そういう訳でしばらく居候させて貰うことになったのだけど、宿賃は貰ってくれなかった。
『こんな子供から貰えないよ』
『あたし、十六なんですけど』
『あ、そうなのかい? ごめんよ』
どうやらトレニア国ではリリアンヌの容姿は幼く見えるみたいだった。
(ん? ってことはラインってトレニアの人なのかな?)
疑問が次々と浮かぶが流石にこの状況では聞きづらい。
(何て言っても恩人だしね)
「本当に何から何まで申し訳ありません」
「いいよ。明日は早起きしてもらうからね」
「はいっ!! 日の出と共に起きます!!」
張り切って答えるとラインは微妙な表情になった。
「うん。それより早いかな」
(なんですと)
ラインの言ったとおり、日の出前から起こされた(起きられなくてゴメンナサイ)あたしは、水汲みや薬草園の手入れ、結界周辺の雑草取りなど、できる限りの雑事を手伝った。
もくもくとこなしていると、
「ありがとう。だいぶ捗ったよ」
ラインの計らいで、食後や休憩時間を利用して周辺の国のことなどを教えて貰えることになった。
「まず君が目指しているトレニア国だけど、あの国を治めているのはレキシコン王で第二十一代目になる。ここまではいい?」
「はい。先生」
ラインは小さくため息をつくと、
「もうそこに突っ込むときりがないから続けるね。トレニア国は他の国の例に漏れず、数多ある小国をそのときのトレニア王が統一してできた国なんだ。で、フリント王国の現在の王様は何代目かな?」
「ザクラフィート王で第二十八代目になります」
「よかった。流石にそこは分かるんだね。さてレキシコン王は二年前から王位に就いたんだけど、減税を施し、先の内戦で使えなくなった施設を修復したりしてるんだ。民からの評判はいいよ。……庶子だけどね」
(へ!? それってお母さんが平民ってことだよね。それより)
「あの、内戦って……」
「うん。どこから話そうか」
その眼差しは遠く何かを探しているようにも見えた。
(ラインって……)
あたしの中で何かがまとまる前に、
「レキシコン王の御生母は、前王の側室ミラルカ様の側仕えをしていてね」
(うわぁ。何かドロッドロッの予感)
だってこれって、自分が仕えている方の夫君を取っちゃったってことじゃない?
(いやこの世界だと王様に言われたら断れないし)
イロイロと想像して遠い目になっているあたしに、
「だからね、御生母のリーマ様は懐妊が分かると同時に暇乞いをして故郷へ引っ込んだんだ。もちろん、子を身籠ったことは誰にも言わなかったらしいよ」
(そのままそこで暮らす、って訳には行かなかったんだね)
ラインは軽く頷くと話を続けた。
「故郷へ戻ったリーマ様はレキシコン王を産んだ。そのままいけばよかったんだけどね」
「詳しいんですね」
「まあね。この辺の話は吟遊詩人がこぞって詩にしているからね。トレニア国では。そちらには届いてないかな?」
そういった記憶はかなり曖昧なので、
「そうですね」
内心冷や汗で頷いておく。
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