上 下
3 / 16

しおりを挟む
高校でも、学校帰りや休日は春輝と一緒に過ごしていた。
親同士が仲いいので、晩ご飯を食べに行ったり、買い物しに行ったりもしていた。

その日も、春輝と服を買いにでかけた。
「この服可愛いな!絶対、優に似合う!」
「そうかな?」

僕はあまり興味がないが、春輝は服が好きなのだろう。よく僕にも、少しフリルがある服をくれる。
外で着るのは恥ずかしいので、もったいないが家で着るようにしている。
無料で服をもらっておいて悪いが、春輝のファッションセンスの無さを感じる。自分が着る服は普通だが、僕にくれる服はなんとも言えない…

「優!はい!これ」
袋の中には先程のフリルな服が入っていた。
「ありがとう。大切に着るね」

今日も貰ってしまった。これで何着目だろうか?
もうすでに50着はもらったんじゃないかな。
ありがたく貰っておく。

そんなふうに、いつものように買い物をしていた。

だが、一緒に買い物しているところをたまたま見たのだろう。
次の日学校に行くと、僕の下駄箱には手紙が入っていた。

 陰キャが春輝様と出かけてんじゃねぇw
 身の程をわきまえろ!
 調子にのるな……

「…。」
僕はくだらなすぎて言葉も出なかった。
その手紙を無視して教室へ行った。

そんな僕の態度が気に入らなかったのだろう。

いじめとは些細な出来事がきっかけに、どんどん悪化する。
机の落書き。偽りの噂。暴力。…

僕はあの時、傷ついた演技でもしてればな良かったのだろうか。
意味がわからない。
何が正解なのやら

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

さよならの合図は、

15
BL
君の声。

風邪ひいた社会人がおねしょする話

こじらせた処女
BL
恋人の咲耶(さくや)が出張に行っている間、日翔(にちか)は風邪をひいてしまう。 一年前に風邪をひいたときには、咲耶にお粥を食べさせてもらったり、寝かしつけてもらったりと甘やかされたことを思い出して、寂しくなってしまう。一緒の気分を味わいたくて咲耶の部屋のベッドで寝るけれど…?

咳が苦しくておしっこが言えなかった同居人

こじらせた処女
BL
 過労が祟った菖(あやめ)は、風邪をひいてしまった。症状の中で咳が最もひどく、夜も寝苦しくて起きてしまうほど。 それなのに、元々がリモートワークだったこともあってか、休むことはせず、ベッドの上でパソコンを叩いていた。それに怒った同居人の楓(かえで)はその日一日有給を取り、菖を監視する。咳が止まらない菖にホットレモンを作ったり、背中をさすったりと献身的な世話のお陰で一度長い眠りにつくことができた。 しかし、1時間ほどで目を覚ましてしまう。それは水分をたくさんとったことによる尿意なのだが、咳のせいでなかなか言うことが出来ず、限界に近づいていき…?

体調不良

トウモロコシ
BL
しばらく離れていた自覚はあるのですが前回投稿から1年半以上経ってるとは思っておらずびっくりですΣ(゚д゚;) はじめ、ここに本文を書こうとするという忘れっぷりw 以前までも体調不良を題材にした投稿多めだったかと思います。例に漏れず今回も体調不良を題材としたお話ですので、苦手な方はご注意ください。 医療系の知識はありませんので、私の頭の中の妄想でしかないことをご理解の上読んでいただければと思います。

浮気性のクズ【完結】

REN
BL
クズで浮気性(本人は浮気と思ってない)の暁斗にブチ切れた律樹が浮気宣言するおはなしです。 暁斗(アキト/攻め) 大学2年 御曹司、子供の頃からワガママし放題のため倫理観とかそういうの全部母のお腹に置いてきた、女とSEXするのはただの性処理で愛してるのはリツキだけだから浮気と思ってないバカ。 律樹(リツキ/受け) 大学1年 一般人、暁斗に惚れて自分から告白して付き合いはじめたものの浮気性のクズだった、何度言ってもやめない彼についにブチ切れた。 綾斗(アヤト) 大学2年 暁斗の親友、一般人、律樹の浮気相手のフリをする、温厚で紳士。 3人は高校の時からの先輩後輩の間柄です。 綾斗と暁斗は幼なじみ、暁斗は無自覚ながらも本当は律樹のことが大好きという前提があります。 執筆済み、全7話、予約投稿済み

熱のせい

yoyo
BL
体調不良で漏らしてしまう、サラリーマンカップルの話です。

友達が僕の股間を枕にしてくるので困る

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
僕の股間枕、キンタマクラ。なんか人をダメにする枕で気持ちいいらしい。

薬師は語る、その・・・

香野ジャスミン
BL
微かに香る薬草の匂い、息が乱れ、体の奥が熱くなる。人は死が近づくとこのようになるのだと、頭のどこかで理解しそのまま、身体の力は抜け、もう、なにもできなくなっていました。 目を閉じ、かすかに聞こえる兄の声、母の声、 そして多くの民の怒号。 最後に映るものが美しいものであったなら、最後に聞こえるものが、心を動かす音ならば・・・ 私の人生は幸せだったのかもしれません。※「ムーンライトノベルズ」で公開中

処理中です...