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3.家族
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「おはようございます。お父様、お母様、セドリックお兄様」
「おはよう。セシリア、早く席に着きなさい」
「はい」
私が席に着いたのを確認した父は「18歳の誕生日おめでとう」と言った。
父の言葉に続いて母、兄が「「誕生日おめでとう」」と言う。
「ありがとうございます」
「セシリアへのプレゼントを用意したから後で部屋に持って行くね」
と言う兄に「嬉しい。どんな物か楽しみです」と話す私達を微笑ましく両親が見る。
「さぁ、冷めない内に早く食べなさい。今日はセシリアの好きな物だけを用意させたんだ」
「そうよ。誕生日は始まったばかりなんだから、お楽しみはこれからよ」
母の言葉と共にコップにお茶が注がれ朝食が始まった。
アルチェン家は貿易商を営んでおり、衣服、飲食、金融まで幅広く手掛け、国内随一の富豪一家だ。
食事をする部屋も豪華な装飾品が並び、母のセンスによって飾り付けられている。
「そう言えば、ステンフォレスト家に新当主がついたらしい。セドリックと年が近いから仲良くしなさい」
「分かりました、お父様」
「あなた、今日はセシリアの誕生日なのよ」
そう言って父を注意する母に「そうだったな、すまない」と父が謝る。
「セシリアには、ニコラス様がいるんだから。他の殿方の話はやめてください」
「そう言えば、ニコラス君とは上手くやっているか?」
ニコラスの話題に食事をしていた手が止まる。
過去に戻る前のこの時期はニコラス様との関係は良好だった。
私自身も優しいニコラス様に少なからず好意を抱いていた。
だけど、毒殺され、過去に戻った私はニコラス様への好意など何処かに消え去り、婚約者を毒殺した血も涙もない卑劣な男としか思えない。
それに、また毒殺されないように、何かを変えなければいけない……
「もしかしてニコラス君と何かあったのか?」
答えない私に不思議に思ったのか兄が聞いてくる。
「何かされたならお兄様に言いなさい。僕が懲らしめてやるから」
「そうよ。何かあったら直ぐに言いなさいね」
そう言って胸を張る兄に笑ってしまう。
兄も母もいつも私を心配してくれる。だけど「婚約者であるニコラス様に毒殺された」なんてまだ起こっていない事を言って混乱させたくない。
私自身、毒殺され過去に戻った状況に混乱してるいるのに、両親や兄に言う勇気がなかった。
「ロマンス小説を読んでいたらニコラス様との関係に思うところがあって…」
未来を変える為にはニコラス様との婚約を破棄をして、毒殺された理由を調べないと。
だけど、いきなり「婚約破棄をしたい」なんて言うと、反対されてしまうかもしれないから遠回しに婚約に不満があると伝える。
「まぁ!そうなのね。私もお父様と大恋愛の末結婚したから、セシリアにも同じような経験をしてほしいと思っていたの」
両親がどんな反応をするか緊張して待っていると、母は嬉しそうに微笑んでいた。
「そうか……セシリアがニコラス君の事をよく思っていると思って結んだ婚約だが、セシリアがそう思っているのなら、セシリアの思うようにしなさい。家同士の事については気にしなくて大丈夫だ」
気にしなくていいと言うが、貴族の婚姻関係は複雑だ。アルチェン家の方がメイナード家と比べて、地位も財力も上だからといっても、簡単に婚約破棄出来るものではない。
「ありがとうございます…。お父様」
両親の優しい言葉と愛されている事に涙が出そうになるのを我慢して、私は心からの感謝を口にした。
こんなにも優しい両親を悲しませない為にも、どうして毒殺されたのか、なぜ過去に戻ったのか調べないと……。
そうしたら、婚約破棄する大義名分が見つかるかもしれない。
その後、和やかに進んだ朝食が終わり、父が私に声を掛ける。
「セシリア、渡したい物があるから後で書斎に来なさい」
「分かりました」
過去に戻る前と変わらなければ、朝食後、私は父から誕生日プレゼントとしてネックレスを貰う事になる。
毒殺された時に男がネックレスが必要だと言っていたから、ネックレスに何か手掛かりがあるのかもしれない。
「おはよう。セシリア、早く席に着きなさい」
「はい」
私が席に着いたのを確認した父は「18歳の誕生日おめでとう」と言った。
父の言葉に続いて母、兄が「「誕生日おめでとう」」と言う。
「ありがとうございます」
「セシリアへのプレゼントを用意したから後で部屋に持って行くね」
と言う兄に「嬉しい。どんな物か楽しみです」と話す私達を微笑ましく両親が見る。
「さぁ、冷めない内に早く食べなさい。今日はセシリアの好きな物だけを用意させたんだ」
「そうよ。誕生日は始まったばかりなんだから、お楽しみはこれからよ」
母の言葉と共にコップにお茶が注がれ朝食が始まった。
アルチェン家は貿易商を営んでおり、衣服、飲食、金融まで幅広く手掛け、国内随一の富豪一家だ。
食事をする部屋も豪華な装飾品が並び、母のセンスによって飾り付けられている。
「そう言えば、ステンフォレスト家に新当主がついたらしい。セドリックと年が近いから仲良くしなさい」
「分かりました、お父様」
「あなた、今日はセシリアの誕生日なのよ」
そう言って父を注意する母に「そうだったな、すまない」と父が謝る。
「セシリアには、ニコラス様がいるんだから。他の殿方の話はやめてください」
「そう言えば、ニコラス君とは上手くやっているか?」
ニコラスの話題に食事をしていた手が止まる。
過去に戻る前のこの時期はニコラス様との関係は良好だった。
私自身も優しいニコラス様に少なからず好意を抱いていた。
だけど、毒殺され、過去に戻った私はニコラス様への好意など何処かに消え去り、婚約者を毒殺した血も涙もない卑劣な男としか思えない。
それに、また毒殺されないように、何かを変えなければいけない……
「もしかしてニコラス君と何かあったのか?」
答えない私に不思議に思ったのか兄が聞いてくる。
「何かされたならお兄様に言いなさい。僕が懲らしめてやるから」
「そうよ。何かあったら直ぐに言いなさいね」
そう言って胸を張る兄に笑ってしまう。
兄も母もいつも私を心配してくれる。だけど「婚約者であるニコラス様に毒殺された」なんてまだ起こっていない事を言って混乱させたくない。
私自身、毒殺され過去に戻った状況に混乱してるいるのに、両親や兄に言う勇気がなかった。
「ロマンス小説を読んでいたらニコラス様との関係に思うところがあって…」
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だけど、いきなり「婚約破棄をしたい」なんて言うと、反対されてしまうかもしれないから遠回しに婚約に不満があると伝える。
「まぁ!そうなのね。私もお父様と大恋愛の末結婚したから、セシリアにも同じような経験をしてほしいと思っていたの」
両親がどんな反応をするか緊張して待っていると、母は嬉しそうに微笑んでいた。
「そうか……セシリアがニコラス君の事をよく思っていると思って結んだ婚約だが、セシリアがそう思っているのなら、セシリアの思うようにしなさい。家同士の事については気にしなくて大丈夫だ」
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「分かりました」
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