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7:意思
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レオンがマルセルの年齢を知った日。
ベッドに押し倒されたまま驚きと恐怖で固まるレオンをジッと見下ろしたかと思うと、マルセルはレオンの心情をあざ笑うかのように淡い碧い瞳を細めて笑みを浮かべた。
そして、レオンの骨張った輪郭を白い指で撫でる。
まるで心臓を撫でるられているようなゾワゾワとした感覚に、レオンが身体をビクッと震わせると。
「かわいい」
パシッ
笑みをこぼして囁くように呟いたマルセルの言葉は、乾いた音によってかき消される。
レオンに触れていたマルセルの手を振り払ったレオンの瞳は、恐怖を宿していた瞳から打って変わって、警戒心を宿した瞳でマルセルを睨み付ける。
そんなレオンにマルセルは手を振り払われたにも関わらず、柔和な笑顔を浮かべたままわずかに目を見開いた。
「俺に触るな」
「どうして触ったらダメなんですか?レオンさんは僕のモノなのに」
嫌悪感を露わにして言うレオンに、マルセルは心底分からないというような表情で首を傾げる。
さも当たり前のように言うマルセルに、レオンは顔を歪める。
「俺には俺の意思がある。これは誰にも支配することはできない」
上半身を上げたレオンは、近づいたマルセルの瞳を真っ直ぐ見つめて言った。
そうだ。俺は今まで自ら選択して自分の道を切り開いてきた。
たとえ、母親に泣かれ、兄に呆れられたとしても――。
「なるほど。レオンさんは僕のモノだけど、レオンさんの意思は僕のモノではないと……。…………分かりました。レオンさんに触りたい時はレオンさんに確認すれば触っても良いってことですね。レオンさんは僕に触りたい時はいつでも触っていいですからね」
本当に理解したのか怪しいが胸を張って言うマルセルの言葉に、レオンは拍子抜けしてしまう。
自由。
それはレオンの人生において何よりも大切なモノ。
それなのに。
自分よりも年下の男に誘拐され、身体は囚われたとしても意思は囚われないと言ったレオンに、分かりました。でも自分の身体にはいつでも触ってもいいとマルセルは言う。
貴族であるレオンを誘拐して、鎖で逃げれないようにして、僕のモノになってくださいと言ったくせに、意思は支配できないと言ったらすんなりと受け入れる。
マルセルは何を考えているのか。
訝しげにマルセルを見るレオンに、マルセルは不思議そうに見つめ返すだけ。
ベッドに押し倒されたまま驚きと恐怖で固まるレオンをジッと見下ろしたかと思うと、マルセルはレオンの心情をあざ笑うかのように淡い碧い瞳を細めて笑みを浮かべた。
そして、レオンの骨張った輪郭を白い指で撫でる。
まるで心臓を撫でるられているようなゾワゾワとした感覚に、レオンが身体をビクッと震わせると。
「かわいい」
パシッ
笑みをこぼして囁くように呟いたマルセルの言葉は、乾いた音によってかき消される。
レオンに触れていたマルセルの手を振り払ったレオンの瞳は、恐怖を宿していた瞳から打って変わって、警戒心を宿した瞳でマルセルを睨み付ける。
そんなレオンにマルセルは手を振り払われたにも関わらず、柔和な笑顔を浮かべたままわずかに目を見開いた。
「俺に触るな」
「どうして触ったらダメなんですか?レオンさんは僕のモノなのに」
嫌悪感を露わにして言うレオンに、マルセルは心底分からないというような表情で首を傾げる。
さも当たり前のように言うマルセルに、レオンは顔を歪める。
「俺には俺の意思がある。これは誰にも支配することはできない」
上半身を上げたレオンは、近づいたマルセルの瞳を真っ直ぐ見つめて言った。
そうだ。俺は今まで自ら選択して自分の道を切り開いてきた。
たとえ、母親に泣かれ、兄に呆れられたとしても――。
「なるほど。レオンさんは僕のモノだけど、レオンさんの意思は僕のモノではないと……。…………分かりました。レオンさんに触りたい時はレオンさんに確認すれば触っても良いってことですね。レオンさんは僕に触りたい時はいつでも触っていいですからね」
本当に理解したのか怪しいが胸を張って言うマルセルの言葉に、レオンは拍子抜けしてしまう。
自由。
それはレオンの人生において何よりも大切なモノ。
それなのに。
自分よりも年下の男に誘拐され、身体は囚われたとしても意思は囚われないと言ったレオンに、分かりました。でも自分の身体にはいつでも触ってもいいとマルセルは言う。
貴族であるレオンを誘拐して、鎖で逃げれないようにして、僕のモノになってくださいと言ったくせに、意思は支配できないと言ったらすんなりと受け入れる。
マルセルは何を考えているのか。
訝しげにマルセルを見るレオンに、マルセルは不思議そうに見つめ返すだけ。
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