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vs竜王

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「ど、どうして?」
震える声で訪ねた。

「あたちの国は、竜の国。力こそ全て。愛や友情はゴミ以下だ。
もしこのあたちにお願いがあるのなら、力で挑め! 力づくで相手をねじふせろ! 
願いとは、叶うものではなく叶えるものだ!」

俺はどうやら竜王の機嫌を損ねたようだ。

一世一代の命がけの交渉は失敗した。

竜王からは殺意の香りがほのかに香りはじめた。

おそらく最初の一言目の時点で俺の失敗は確定していたのだろう。俺は、『俺に力をよこせ!』とでも言うべきだったのだ。だがもう遅い。時間は巻き返せない。

質量を持った殺気が空気と共に、肺に流れ込んでくる。ピリピリ焼け付いて、俺を内部から焦がす。

俺は水でできた剣を精製。
「アリシア。アル。剣を抜け! やるしかないみたいだ」

「私たちで勝てるのか?」

「わからないっ!」

竜王は、
「奇跡は起こるものじゃない。待っているだけの弱いやつに奇跡なんて一生起こらない! 力づくで捻じ曲げた不可能を、人は奇跡と呼ぶのだ!」
と叫ぶ。

俺はアルとアリシアに、
「ここで俺たちが力を示さないとどの道終わりだ!」

竜王は両手を宣教師のように広げて、
「さあ! このあたちに証明しろ! ハイデルキアが守るに値しないゴミではないことを!」


交渉は力一杯決裂した。そして、最強の竜王との戦闘が始まった。
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