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3章 ~ギフトタブー~
第21話:経験値……フヒヒ
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(4月19日 18時30分 水曜日)
ここは異能者開発島1区
商店街やスーパーなど、様々な日用品を買うことができる地区。
その中のブライトンスーパーへ私達はやってきていた。
本日隣にいるのは月詠黒江ではなく、コレット・バリエール。
黒江は基本的に引きこもりな性格なので、私達で買い物へ来ていた。
「これくらいで十分かな?」
ドサリと音を立てて、私はいっぱい購入品が入ったビニール袋を置く。
スーパーの入り口付近のベンチに座った。
「真白さん……いくらなんでも買い過ぎですよ。8袋も買うなんて……」
私達の2袋分と、バリエール姉妹家の6袋分。
これから生活を始めるのだから、たくさん買っておいて損はないだろう!
そう思い、あれもこれもとカゴの中へ入れていったけど、2人では持ち切れないくらいの量となっていた。
コレットちゃんは腕をプルプルと震わせて2袋ずつ右手と左手で持っていた。
さて、タクシー呼ぶか……。
スマホでタクシーの電話番号を検索して、無人タクシーへかける。
無人タクシーというのはその名の通り、完全自動式のタクシーである。
日本本土では、おそらく事故や交通ルール的な関係でこの先10数年は実現不可能と言われているけど、こちらの島ではすでに実現している。
7割が学生であり、公共交通機関や道路は子どもをメイン層として作られているため、道路には自動車は少ない。
バスや電車も完全に時刻制で動いているため、無人タクシーも時間を見て、事故を起こさないようなセンサーさえつけていれば、ほぼ100%事故はないという判断で実装されている。
異能者開発島ならではのタクシーだ。
専用の電話番号へかけると、そこからは女性の録音音声が聞こえてきた。
『こちら異能者開発島無人タクシーセンターです。現在地とあなたのお名前入力してください』
耳からスマホを離し、フリック操作で入力していく。
1区 ブライトンスーパー 本城真白
『異能者開発島1区 ブライトンスーパー 登録者名 本城真白 でよろしいですか? よろしければ1を変更したい場合は2を入力してください』
1を押してスマホの画面をoffにした。
無人タクシーの操作はこれで終わり。
15分くらいでタクシーはやってくるだろう。
「あの……真白さん? 今……何を呼んだのですか?」
コレットちゃんは私の顔色を伺うようにして尋ねてくる。
スーパーで大量購入していた時よりも、驚いている様子で若干引いている風に。
「何って無人タクシーだけど? コレットちゃんって無人タクシーのこと知らない人?」
「知ってますよ! フランスにもありましたもの。ですが……料金が……」
当然、有人タクシーよりも料金は割高になっている。
衛生管理やバスの時間管理、そして対物センサーも実装されているけど、それでも事故を0%にすることはできない。
どこかで事故を起こすことはあり得る。
そのため保険料も込みで多くの金額を払わないといけない。
このスーパーから自宅まで歩いて10kmくらい。
行きはバスや電車で乗り継いできたけど、さすがに8袋も持てない。
タクシーで自宅まで帰れば約2万円ほど。
でも、2万円は腕の疲れよりも優先されるものではない。
「2万円がどうかしたの?」
私は首を傾げて、コレットちゃんへ疑問を投げた。
「いえ……。私の方が金銭感覚ズレているんですかね……。日本ではお金を貯金するという考えがないんでしょうか? すごくもったいないことをしている気が……」
「そうかな? お金は使わないと意味ないし、有り余っているのだからこういうときくらいは使わないと」
『本城真白』と『月詠黒江』の銀行口座は色々と訳あって共通のものを使用している。
その訳は後日話すとして、私達はかなりのお金を持っている……と思う。
実際に確認し回ったわけではないから確信はないけど、テレビを見ている限り、一般人の生涯年収くらいはすでに稼ぎ終えているはずだ。
私達は中学生をすることなく高校生になったのだけど、その間の3年間は緑ヶ丘研究所で色々とデータ調査に協力したりしていた。
国から直々に島へお金が出て、回り回って私達に報酬として払われていた。
2年間くらいは研究所に住んでいたし、お金を消費することがなくて余りまくっている。
だからこういう時くらいはお金を使わないと意味がない。
お金は消費してこそ価値を発揮するのだから……
でも、コレットちゃんは煮え切らないように表情を曇らせている。
「しかし……これ以上お二人に迷惑をかけるわけには……」
「いいのいいの。気にしないで! 日本とフランスじゃ性格様式が違うと思うし、この島での生活に慣れるまでは、存分に私達を頼ってくれて構わないから!」
「ありがとうございます」
コレットちゃんは申し訳なさそうに頭を下げた。
―――――――――――
無人タクシーを待つこと10分。
こちらの方へタクシーがやってくるのが見えた。
でも……
「タクシーの上に誰か乗ってませんか?」
タクシーの上には中学生くらいの男の子が乗っていた。
乗っているというよりは、手足が磁石のようになってタクシーの天井に張り付いている。
男の子は私達を見て、歯をむき出して威嚇するように唸っていた。
「何しているんだろうね? 一緒に乗って行きたいのかな?」
「呑気ですか!? そんなわけないじゃないですか!」
コレットちゃんは私の手を引いて、スーパーの中へ戻ろうとする。
そんなに焦らなくていいのに……。
タクシーが駐車場に止まり、私のスマホがバイブレーションしだした。
これはタクシーが到着した合図。
それでも男の子は車から降りてこずに、私達の方を睨み付けている。
「行くよ。コレットちゃん」
私はビニール袋を持ってタクシーの方へ歩いていった。
「ちょっと真白さん!」
とコレットちゃんが言っているけど、気にせずに進む。
みんな周りを警戒しすぎなんだよ……。
黒江もコレットちゃんも……。
疑うことから始めたら何も進まないんだよ?
タクシーへ近づき、天井の上にいる彼へ話しかけた。
「ねぇ。君も一緒に乗っていく? 私達は2区にあるマンションまで帰るつもりだけど、一緒の方面なら乗って行っていいよ」
無人タクシーは4人乗り。
通常のタクシーでは運転席には乗ることが出来ないけど、無人だから最大4人まで乗ることが出来る。
買い物袋を含めてもあと1人分くらいのスペースはある。
だからこの子も相乗りできるのだけど……
彼はこちらをじっと見たまま、徐々に目を大きく開いていった。
「本城……真白……!!」
目を血走らせ、飢えたライオンのように私を見ていた。
どうしたのんだろう?
「お~い。大丈夫?」
すると、いきなりポケットから小さいパチンコ玉を取り出した。
タクシーの上に乗ったまま彼はそのパチンコ玉を私へ投げる。
「本城真白……特大経験値……フヒヒ!」
彼の手から離れた瞬間、何かに弾かれたかのように急加速する。
ヒュンッと音を立てて接近してきた。
躱せ……ない!!
目ではギリギリ追えたけど身体が追いつかなかった。
しかし、急に視界が変わった。
私の目の前をパチンコ玉が通り過ぎる。
見ると背中には影の腕が張り付いていて、私の服を引っ張っていた。
「真白さん! 大丈夫ですか!?」
コレットちゃんが駆け寄ってくる。
「うん。まぁ、大丈夫だけどね……」
あーびっくりした……。
黒江と一緒にこなくて正解だったかもね。
黒江がいたらこの子の身体が30mくらい吹っ飛んだかもしれないし……。
こんな危ないことをしてきた彼に話しかける。
「君、少しいいかな? 賞金首リストのサイトは閉鎖されて研究所も無くなっちゃったんだよ? 私を捕まえてもお金はもらえないと思うけど……」
多分、この子はあのサイトを見て、私を襲ってきたのだろう。
それ以外で私が何か襲われるようなことした覚えはないし……たぶん。
「お前を殺して……僕はレベル5まで上がってやる!!」
この子は再度ポケットから鉄球を取り出して、投げようとしてきた。
でも、さすがに同じ手は通用しない。
影の手をタクシーの下のから出現させて、この子の関節を捕まえて拘束した。
「!!」
男の子は一瞬だけ驚いて力を抜いた。
しかし、目をこちらへ向けたまま拘束されている。
彼は鉄球を持った手をこちらへ向けた。
すると手首の動きから鉄球がはじき出されるように放出された。
「わッ!」
影の手でそれをキャッチし、この子の手もグルグル巻きで拘束した。
タクシーの上に張り付いていたことも加味して、この子の神からの贈り物は磁力操作系なのかもしれない。
「真白さん! この人を拘束したまま地面に降ろしてください。私が操作しますので!」
男の子を車から降ろし、コレットちゃんの目の前まで持っていく。
すると、コレットちゃんは彼の額に手を当てて精神操作をしだした。
数秒。
「これでひとまずは安心です」
コレットちゃんが彼の額から手を離し「ふぅ……」と一息ため息を吐いた。
もう……拘束を外しても大丈夫かな?
私は恐る恐る影を緩めていく。
すると、男の子は虚ろな目をしてどこかへトボトボと歩いていった。
「彼には自首するように精神操作をしておきました」
「おおすごい! それであの子はなんで私を襲ってきたの?」
「そこまでは分かりませんけど、何か別の強制力が働いているような感じでしたね」
「強制力……?」
「真白さんへ襲い掛かってきたのは間違いなく彼の意志なのですけど……。何か心の中を操作されているような雰囲気でしたね……」
確かに、車の天上に乗ってまで私を襲ってくるのはおかしい……。
けれど、自分の意思で私を襲ってきた……?
彼は私に対して『経験値』を言っていたけど、それが関係しているのかな?
ん~~~~~~~~~~
「ま、いっか!」
「えっ!?」
コレットちゃんが驚いた顔でこちらを見た。
「だって原因解明できないもの。また誰かが私に襲いかかってきたとしても影を使えばなんてことないし、特別気にすることじゃないかな~って」
「気にしなさすぎですよ。そんなだから黒江さんがオンラインでの買い物が大好きになるんですよ……。「真白さんを外に出さないように!」って風に……」
「結果的に無事だったんだし大丈夫だよ?」
みんな心配しすぎだ。
私もコレットちゃんもあの男の子も無事に何事もなく終わったのだから、特別心に留めることでもないのに……。
「しかし……ですね」
「いいのいいの!」
私はそう言いながら、車にビニール袋を乗っけていった。
そして、カーナビで『本城真白』という名前と自宅の住所を入力する。
「コレットちゃん! 早くこっちにこないと置いていっちゃうよ~」
そんなこんなで私達の買い物は終了した。
ここは異能者開発島1区
商店街やスーパーなど、様々な日用品を買うことができる地区。
その中のブライトンスーパーへ私達はやってきていた。
本日隣にいるのは月詠黒江ではなく、コレット・バリエール。
黒江は基本的に引きこもりな性格なので、私達で買い物へ来ていた。
「これくらいで十分かな?」
ドサリと音を立てて、私はいっぱい購入品が入ったビニール袋を置く。
スーパーの入り口付近のベンチに座った。
「真白さん……いくらなんでも買い過ぎですよ。8袋も買うなんて……」
私達の2袋分と、バリエール姉妹家の6袋分。
これから生活を始めるのだから、たくさん買っておいて損はないだろう!
そう思い、あれもこれもとカゴの中へ入れていったけど、2人では持ち切れないくらいの量となっていた。
コレットちゃんは腕をプルプルと震わせて2袋ずつ右手と左手で持っていた。
さて、タクシー呼ぶか……。
スマホでタクシーの電話番号を検索して、無人タクシーへかける。
無人タクシーというのはその名の通り、完全自動式のタクシーである。
日本本土では、おそらく事故や交通ルール的な関係でこの先10数年は実現不可能と言われているけど、こちらの島ではすでに実現している。
7割が学生であり、公共交通機関や道路は子どもをメイン層として作られているため、道路には自動車は少ない。
バスや電車も完全に時刻制で動いているため、無人タクシーも時間を見て、事故を起こさないようなセンサーさえつけていれば、ほぼ100%事故はないという判断で実装されている。
異能者開発島ならではのタクシーだ。
専用の電話番号へかけると、そこからは女性の録音音声が聞こえてきた。
『こちら異能者開発島無人タクシーセンターです。現在地とあなたのお名前入力してください』
耳からスマホを離し、フリック操作で入力していく。
1区 ブライトンスーパー 本城真白
『異能者開発島1区 ブライトンスーパー 登録者名 本城真白 でよろしいですか? よろしければ1を変更したい場合は2を入力してください』
1を押してスマホの画面をoffにした。
無人タクシーの操作はこれで終わり。
15分くらいでタクシーはやってくるだろう。
「あの……真白さん? 今……何を呼んだのですか?」
コレットちゃんは私の顔色を伺うようにして尋ねてくる。
スーパーで大量購入していた時よりも、驚いている様子で若干引いている風に。
「何って無人タクシーだけど? コレットちゃんって無人タクシーのこと知らない人?」
「知ってますよ! フランスにもありましたもの。ですが……料金が……」
当然、有人タクシーよりも料金は割高になっている。
衛生管理やバスの時間管理、そして対物センサーも実装されているけど、それでも事故を0%にすることはできない。
どこかで事故を起こすことはあり得る。
そのため保険料も込みで多くの金額を払わないといけない。
このスーパーから自宅まで歩いて10kmくらい。
行きはバスや電車で乗り継いできたけど、さすがに8袋も持てない。
タクシーで自宅まで帰れば約2万円ほど。
でも、2万円は腕の疲れよりも優先されるものではない。
「2万円がどうかしたの?」
私は首を傾げて、コレットちゃんへ疑問を投げた。
「いえ……。私の方が金銭感覚ズレているんですかね……。日本ではお金を貯金するという考えがないんでしょうか? すごくもったいないことをしている気が……」
「そうかな? お金は使わないと意味ないし、有り余っているのだからこういうときくらいは使わないと」
『本城真白』と『月詠黒江』の銀行口座は色々と訳あって共通のものを使用している。
その訳は後日話すとして、私達はかなりのお金を持っている……と思う。
実際に確認し回ったわけではないから確信はないけど、テレビを見ている限り、一般人の生涯年収くらいはすでに稼ぎ終えているはずだ。
私達は中学生をすることなく高校生になったのだけど、その間の3年間は緑ヶ丘研究所で色々とデータ調査に協力したりしていた。
国から直々に島へお金が出て、回り回って私達に報酬として払われていた。
2年間くらいは研究所に住んでいたし、お金を消費することがなくて余りまくっている。
だからこういう時くらいはお金を使わないと意味がない。
お金は消費してこそ価値を発揮するのだから……
でも、コレットちゃんは煮え切らないように表情を曇らせている。
「しかし……これ以上お二人に迷惑をかけるわけには……」
「いいのいいの。気にしないで! 日本とフランスじゃ性格様式が違うと思うし、この島での生活に慣れるまでは、存分に私達を頼ってくれて構わないから!」
「ありがとうございます」
コレットちゃんは申し訳なさそうに頭を下げた。
―――――――――――
無人タクシーを待つこと10分。
こちらの方へタクシーがやってくるのが見えた。
でも……
「タクシーの上に誰か乗ってませんか?」
タクシーの上には中学生くらいの男の子が乗っていた。
乗っているというよりは、手足が磁石のようになってタクシーの天井に張り付いている。
男の子は私達を見て、歯をむき出して威嚇するように唸っていた。
「何しているんだろうね? 一緒に乗って行きたいのかな?」
「呑気ですか!? そんなわけないじゃないですか!」
コレットちゃんは私の手を引いて、スーパーの中へ戻ろうとする。
そんなに焦らなくていいのに……。
タクシーが駐車場に止まり、私のスマホがバイブレーションしだした。
これはタクシーが到着した合図。
それでも男の子は車から降りてこずに、私達の方を睨み付けている。
「行くよ。コレットちゃん」
私はビニール袋を持ってタクシーの方へ歩いていった。
「ちょっと真白さん!」
とコレットちゃんが言っているけど、気にせずに進む。
みんな周りを警戒しすぎなんだよ……。
黒江もコレットちゃんも……。
疑うことから始めたら何も進まないんだよ?
タクシーへ近づき、天井の上にいる彼へ話しかけた。
「ねぇ。君も一緒に乗っていく? 私達は2区にあるマンションまで帰るつもりだけど、一緒の方面なら乗って行っていいよ」
無人タクシーは4人乗り。
通常のタクシーでは運転席には乗ることが出来ないけど、無人だから最大4人まで乗ることが出来る。
買い物袋を含めてもあと1人分くらいのスペースはある。
だからこの子も相乗りできるのだけど……
彼はこちらをじっと見たまま、徐々に目を大きく開いていった。
「本城……真白……!!」
目を血走らせ、飢えたライオンのように私を見ていた。
どうしたのんだろう?
「お~い。大丈夫?」
すると、いきなりポケットから小さいパチンコ玉を取り出した。
タクシーの上に乗ったまま彼はそのパチンコ玉を私へ投げる。
「本城真白……特大経験値……フヒヒ!」
彼の手から離れた瞬間、何かに弾かれたかのように急加速する。
ヒュンッと音を立てて接近してきた。
躱せ……ない!!
目ではギリギリ追えたけど身体が追いつかなかった。
しかし、急に視界が変わった。
私の目の前をパチンコ玉が通り過ぎる。
見ると背中には影の腕が張り付いていて、私の服を引っ張っていた。
「真白さん! 大丈夫ですか!?」
コレットちゃんが駆け寄ってくる。
「うん。まぁ、大丈夫だけどね……」
あーびっくりした……。
黒江と一緒にこなくて正解だったかもね。
黒江がいたらこの子の身体が30mくらい吹っ飛んだかもしれないし……。
こんな危ないことをしてきた彼に話しかける。
「君、少しいいかな? 賞金首リストのサイトは閉鎖されて研究所も無くなっちゃったんだよ? 私を捕まえてもお金はもらえないと思うけど……」
多分、この子はあのサイトを見て、私を襲ってきたのだろう。
それ以外で私が何か襲われるようなことした覚えはないし……たぶん。
「お前を殺して……僕はレベル5まで上がってやる!!」
この子は再度ポケットから鉄球を取り出して、投げようとしてきた。
でも、さすがに同じ手は通用しない。
影の手をタクシーの下のから出現させて、この子の関節を捕まえて拘束した。
「!!」
男の子は一瞬だけ驚いて力を抜いた。
しかし、目をこちらへ向けたまま拘束されている。
彼は鉄球を持った手をこちらへ向けた。
すると手首の動きから鉄球がはじき出されるように放出された。
「わッ!」
影の手でそれをキャッチし、この子の手もグルグル巻きで拘束した。
タクシーの上に張り付いていたことも加味して、この子の神からの贈り物は磁力操作系なのかもしれない。
「真白さん! この人を拘束したまま地面に降ろしてください。私が操作しますので!」
男の子を車から降ろし、コレットちゃんの目の前まで持っていく。
すると、コレットちゃんは彼の額に手を当てて精神操作をしだした。
数秒。
「これでひとまずは安心です」
コレットちゃんが彼の額から手を離し「ふぅ……」と一息ため息を吐いた。
もう……拘束を外しても大丈夫かな?
私は恐る恐る影を緩めていく。
すると、男の子は虚ろな目をしてどこかへトボトボと歩いていった。
「彼には自首するように精神操作をしておきました」
「おおすごい! それであの子はなんで私を襲ってきたの?」
「そこまでは分かりませんけど、何か別の強制力が働いているような感じでしたね」
「強制力……?」
「真白さんへ襲い掛かってきたのは間違いなく彼の意志なのですけど……。何か心の中を操作されているような雰囲気でしたね……」
確かに、車の天上に乗ってまで私を襲ってくるのはおかしい……。
けれど、自分の意思で私を襲ってきた……?
彼は私に対して『経験値』を言っていたけど、それが関係しているのかな?
ん~~~~~~~~~~
「ま、いっか!」
「えっ!?」
コレットちゃんが驚いた顔でこちらを見た。
「だって原因解明できないもの。また誰かが私に襲いかかってきたとしても影を使えばなんてことないし、特別気にすることじゃないかな~って」
「気にしなさすぎですよ。そんなだから黒江さんがオンラインでの買い物が大好きになるんですよ……。「真白さんを外に出さないように!」って風に……」
「結果的に無事だったんだし大丈夫だよ?」
みんな心配しすぎだ。
私もコレットちゃんもあの男の子も無事に何事もなく終わったのだから、特別心に留めることでもないのに……。
「しかし……ですね」
「いいのいいの!」
私はそう言いながら、車にビニール袋を乗っけていった。
そして、カーナビで『本城真白』という名前と自宅の住所を入力する。
「コレットちゃん! 早くこっちにこないと置いていっちゃうよ~」
そんなこんなで私達の買い物は終了した。
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