神を呪う ~3章:スマホアプリでゲーム内の自分を育てると、現実世界の自分もレベルアップするようです?~

矢口

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1章 〜非公式ランキング〜

幕間1 ~真白の影って全身ペロペロなんだよね?~

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 とある日の休日。

 現在私は、ソファに座り『7人の化け物』というタイトルの本を読んでいる。
 いつ買ったのか全く覚えていないけど、家にあったのでなんとなく読んでいた。

 黒江は私の横に座り、現代っ子らしくスマートフォンでネットサーフィンをしている。
 でも、それも終了したのか、こちらを向いて私に話しかけてきた。

「ま~しろっ! 聞きたいことがあるんだけど」

「なに? 読書中だから邪魔しないでほしいけど……」

 私の言葉は意味をなさず、彼女はそのまま話を続ける。

「真白の神からの贈り物ギフトって、影の手を操る能力だったよね?」

「そうね。正確には影の世界に干渉するものだけど、メインは影の手を操っているのだからその認識で正しいわ」

 私の能力は、影の世界から黒い手を引き出したり、逆に私が影の世界に入ったり……。

 まぁ、そんな感じ。

「うん。いっつもは私の念動力で浮いているじゃん? たまには真白の能力で移動したいなぁ~って思っているけどさ。どう?」

 黒江はキラキラした目でこっちを見ていた。

 ん?
 この話、以前にもしたような気がするけど……。

 読書を続けたまま、その時と同じように答える。

「無理ね。影の中に入れるのは私だけだもん。それに、黒い手のことキモいと思っているんでしょ? 向こうの世界は黒い手で溢れかえっていて、入った瞬間全身を舐められる感覚に襲われるから、黒江には合わないと思うけどね……」

「ん~」
 と顎に手を当てて、何かを考えるようにしている。
 でも、その内から溢れ出ている笑みを隠せていない。
「ってことは~。真白を全身をペロペロされたことあるの?」

「は?」

 何を言っているのか意味が分からない。

~、って実際に舐められたことないと比較できなくない?」

「確かに……」

 なんでそんな例えをしたんだろう……。

「今から比較してみる?」

 黒江はそう言うと、ソファの上で私を押し倒す。
 イタズラ好きのネコのような表情で見ていた。

 私は顔の温度が急激に上がるのを感じる。
 黒江はその反応を見てニヤニヤしていた。

「バカ言ってんじゃないの! 読書に集中したいから邪魔しないで!」

 読んでいる本を胸元まで持ってきて、黒江の顔を押し、上から退けようとする。

 しかし、黒江は私の手をとり、指先を舐め始めた。

「真白は本読んでていいよ、私は勝手にペロペロしているから!」

「ちがっ! そういういみじゃな……」

 くすぐったい。
 脇腹や太ももを触られているわけではないけれど、なんだかもぞもぞする。
 本を読むどころではなかった。

「やめてよ……」

「ん~? どうしたの~?」

 わかっているくせに……。

 背中を指でなぞられるようなゾクゾクや、指先から伝わって耳の奥まで響くようなものが襲ってくる。

「だから……、舐めるの、やめてよ」

「どうしてぇ~? どうしてか言ってくれないと分かんないなぁ」

「だって……」

「そんなにエッチぃ顔されても分かんな~い!」

 とても楽しそうだった。

 黒江の顔しか見られなかった。
 目を背けられない。

「ほらほら! 早く言わないと――」
 黒江は私の耳元まで口を近づける。 
「――次は耳……ペロペロしちゃおっかなぁ~」

 全身がゾクゾクして鳥肌が立つ。
 目や口や耳からが溢れ出しそうだった。

 でも、これ以上好き勝手させるわけにはいかない。
 
「い、いい加減にしなさい!」

 影から黒い手を大量に出して、後ろから拘束し、私から離した。
 黒江は影の腕に纏わりつかれて、触手に捕まれているようになっている。

「あれ?」

 状況を理解できていないかのように一瞬キョトンをする。
 しかし次の瞬間、顔を一気に綻ばせた。

「あはははははは! 真白! 離して!」

 耳、首筋、脇腹、お腹、太もも、足の裏。
 それら全部を一斉にくすぐった。

 黒江は吹き出したように笑い出す。

「まし、ろっ! はは、はなぁ、っして……」

 腕から逃れようと抵抗を見せるけど、それでも女の子1人分の力では、大量の腕達から逃れられない。
 影の手で手足を拘束され、全身をくすぐられ、若干力が抜けかかっている黒江の耳元に口を近づける。

 さっきのやり返し!

「黒江、ごめんなさいは? 読書の邪魔したんだよ?」

 耳元で、吐息まじりの声でそう呟いた。
 黒江の身体はヒクヒクと痙攣し、力が抜けるようにして影に全身を委ねている。

 目はトロンとし、よだれが口から出かかっている。
 この先、黒江は「ごめんなさい。もう離して!」と言うだろう。



 私が楽しみにしていると

「もっとぉ、もっとこしょこしょしてぇ~」

「えっ!?」

「ましろぉ……」

 こちらを見て頰を紅潮させ、目には涙を溜めている。

「ほ、本当にして欲しいの?」

 私は半信半疑で黒江に尋ねる。

「はやくぅ……」

「…………」

 影を操作して、くすぐりを再開した。




 この部屋には「やめて!」や「もう離して!」などの嬌声とともに、「あはは!」という笑い声が響いている。

 新しい扉を開けてしまったかもしれない……。


 結局そっちが気になって、読書をできずに終えることになった。
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