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アルフレッドの憂鬱
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三学年になってから、アルフレッドの目覚めは毎朝最悪な物となっている。
「また、朝が来てしまった…」
ぼそりと呟いた言葉を、傍仕えは聞かなかった事にする。
嫌と言う程、アルフレッドの重たい心境が理解出来るのだ。
今までは頻繁に会う事もなかったのだが、週末以外は毎朝個室で二人きりになってしまうのだ。
婚約者の務めとして、マルゲリーターを公爵家へ迎えに行かなければならないこの時間が、アルフレッドは憂鬱で仕方がなかった。
公爵邸の前に馬車を止め、マルゲリーターを出迎える為に待っているのだが、何をしているのかなかなか出てこない。
使用人たちが、申し訳なさそうに右往左往しているのを、毎朝見届けるのも飽きて来た。
彼女が約束の時間を守った事等、一度もないのである。
アルフレッドは、時間に余裕を持って登園したいのだ。
しかし毎朝公爵邸で無駄な時間を過ごす為、いつも遅刻ギリギリになってしまい、御者が慌てているのも知っている。
王族を待たせるなど不敬にも程があるが、皇族の血筋だと信じて疑っていないマルゲリーターは、何をしても許されて当然だと思っているのだ。
侍女がしつこく起こすとクビにされる為、マルゲリーターを起こすのはアマンダの役目なのだが、こっちの朝も遅いのである。
オルターナ公爵がまずはアマンダを起こし、それからマルゲリーターを起こさせる。
起こすだけでは、二度寝三度寝といつまでもベッドから出て来ないので、無理やり食堂へと連れて来るのがアマンダの役目なのだ。
そしてマルゲリーターは、食べるのも遅かった。
いや、目覚めた直後からよく食べられると思うほど、次から次へと食事を口に運ぶのである。
特に甘いものが大好きなマルゲリーターは、食後のデザートだというのに何度もおかわりを要求して来るので、見かねた公爵が襟首を掴んで自室の鏡台の前に座らせるのだ。
この時点で、アルフレッドがやって来る。
王子を待たせているというのに、侍女たちの邪魔をし髪飾りが気に入らないだの、ファンデーションの色が悪いだのと文句を付けて来る。
公爵が急ぐように促しても、全く聞き入れる事が無いのだ。
そして王子を遅刻させる訳にはいかないと痺れを切らした公爵が、無理やり玄関ホールへと放り投げるのも、日課となっていた。
「酷いですわ、お父様。こんな醜い姿で、アル様の前に出たくないのに。少しくらい遅れたって構わないでしょう」
「いい加減にしなさい、マルゲリーター。殿下、お待たせして申し訳ございません。どうか、お目こぼしを」
「もう良い。行くぞ、マルゲリーター」
「アル様、おはようございます。ちょっと手直しをしたいので、待っていてね」
「ならば、私は先に行く。共に遅刻をする気は無いのでな」
「もう、せっかちなんだから」
学園に入る歳になったというのに、まともな会話も出来ない婚約者に辟易しながら、手を差し伸べた。
淑やかな令嬢ならば、そっと手を添えるだけだろうが、彼女は違った。
がっちりと握り締めて来るので、反射的に手を引っ込めたくなるのを、王族としての矜持で耐える。
馬車に乗り込むと、むせ返るような香水を纏ったマルゲリーターは、アルフレッドの隣に座り直す。
アルフレッドの腕を己の胸の中に抱え込み、うっとりとした表情でキスを強請って来る婚約者に、吐き気を催すのも日課なのだろうかと考える。
そっぽを向いても、懲りる事無く迫って来る彼女に、恐怖すら感じていた。
「アル様。二人きりなんだから、遠慮しないで。学園を卒業したら、私たちは結婚するんだもの。おはようのキス位、皆やっている事でしょう」
ネットリとした声音で、耳元で囁かれると、我慢出来ずに総毛立つ。
「マルゲリーター。たとえ婚約者だとしても、過剰な触れ合いは慎むべき事だ。離れなさい」
冷たい視線を向け、低い声で威嚇するように告げても気にする様子はない。
「恥ずかしがるアル様も可愛いけど、私は情熱的に求めてくれる方が嬉しいな。それとも、我慢出来なくなるから、冷たくするの?私は今からしても構わないのよ。このまま二人で学園をサボって…」
そう言いながらマルゲリーターは、アルフレッドの太腿を擦って股間へと手を伸ばそうとしたので、思わずその手を振り払い立ち上がって向かいの席へと移動した。
「ふざけた事を言うな。公爵令嬢という身分でありながら、補欠で一般教養科に籍を置くなど、君は恥ずかしくはないのか。私は、婚約者が基礎的な知識もないと言うだけで、俯きたくなるほど恥ずかしいのだぞ。正直、門の前に馬車を止めるのですら、屈辱だ!」
怒りでワナワナと震えながらも、拳をギュッと握りしめて、何とか冷静さを取り繕うとする。
「酷い事を言わないで、アル様。私だって好きで入ったわけじゃないのよ。何かの間違いだと何度も抗議しているのに、きちんと評価をしてくれない学園長が悪いんだからね!」
王弟でもある学園長の悪口を言うなど、この娘には常識という物が一切無いのだと、アルフレッドは再確認をした。
「口を慎みなさい。学園長は私の叔父で、王弟だ。公爵令嬢ならば、その程度の常識くらい身につけているはずだろう」
「私だって皇帝の血筋よ。この国で一番偉い女なんです」
アルフレッドは一瞬呆気に取られていたが、今に始まった事ではないので、半ば諦めてもいた。
「ルーカスに免じて、今の言葉は聞かなかった事にする。この国で一番地位の高い女性は、王妃だ。覚えておきなさい」
マルゲリーターは、その後言い訳をしていたが、怒りを通り越して無の境地に陥ったアルフレッドの耳には届かなかった。
アルフレッドは、決して一般教養科を蔑んでいるわけではない。
高等教育を幾らでも受ける事が出来る立場でありながら、権力を振りかざすだけで王妃となるべく知識を身に付けていないマルゲリーター自身を、恥じているのだ。
王立学園は、敷地が広大である。
マルゲリーターが籍を置いている一般教養科の学舎がある敷地から、アルフレッドが籍を置いている成績優秀者の学舎がある敷地は、大きな塀に囲まれているので門も別になっている。
その為毎朝送って行かなければならないアルフレッドは、王家の馬車を門前に止めるだけでも、羞恥で俯きたくなるのだった。
それなのに目の前のこの女は、さかりの付いた雌猿の様に、ふしだらな事しか考えていない。
会う度に胸を押し付けて来るのも不愉快だが、酷い時にはアルフレッドの手を掴んでスカートの中に入れようとするのだ。
初めの頃は優しく注意をしていたのだが、興奮しているのか頬を赤く染めて、迫って来るのである。
最近では相手が女性である事を知りながらも、怒り任せに声を張り上げる事も少なくは無い。
そこまでしていると言うのに、何度もファーストキスを奪われそうになっている。
馬車で二人きりになる時間が増えてからは尚の事、アルフレッドは貞操の危機まで感じる様になり、何度も公爵へ苦言を呈したのだった。
しかし公爵は「マルゲリーターを喜ばせて下さい」と、意味の分からない返事しかして来なかった。
父親でもある国王へ進言したが、何を考えているのか分からない表情で「その程度、自分で解決出来なくてどうする」と、返って叱りを受けるだけだった。
まだ立太子もしていない学生の身でありながら、狭い馬車の中で迫り来る女体をうまく交わせと言う方が無理ではないのかと、アルフレッドが思うのも頷けた。
なぜならば、甘いものをこよなく愛し動く事を好まないマルゲリーターは、アルフレッドよりも大きいのである。
横にだが…
マルゲリーターが入学して来てから、まだそれほど月日は経っていないのだが、アルフレッドは既に限界を感じている。
本来ならば学園が終わったら送って行くのも婚約者としてのマナーではあるが、いつ来るか分からないマルゲリーターの為に、一般教養科の門前で待つ事はプライドが許さなかった。
その為学園の終了時間が違うという理由を押し通し、帰宅時は別行動をしているのが唯一の救いになっている。
マルゲリーターも、アルフレッドが終わるまで学園に残るよりは、さっさと帰宅し屋敷でのんびりしたいと思い了承した。
公爵は、だらけている娘に対して、今更何かを言うつもりは無かった。
どんなに態度を改めさせたところで、マルゲリーターに皇族の血は流れてはいない。
むしろこのままの状態であれば、未来の王妃としての資格無しとして、第一王子との婚約が無くなるのではないかと期待をしているのだ。
公爵家が生き残る為には、もはやそれ以外の道は無い。
婚約が無くなれば、あの愚かな娘を他国の貴族へ嫁がせてしまおうともくろんでいる。
頭は残念だが、父親の贔屓目で見たとしても美しく育ったと思っていたのだ、顔だけは。
果たしてエレインの姿を見た後でも、同じ事を思えるのかは謎である。
余談ではあるが、アルフレッドは頑なにファーストキスを守っているが、既に王妃に奪われている事を知らずにいた。
「また、朝が来てしまった…」
ぼそりと呟いた言葉を、傍仕えは聞かなかった事にする。
嫌と言う程、アルフレッドの重たい心境が理解出来るのだ。
今までは頻繁に会う事もなかったのだが、週末以外は毎朝個室で二人きりになってしまうのだ。
婚約者の務めとして、マルゲリーターを公爵家へ迎えに行かなければならないこの時間が、アルフレッドは憂鬱で仕方がなかった。
公爵邸の前に馬車を止め、マルゲリーターを出迎える為に待っているのだが、何をしているのかなかなか出てこない。
使用人たちが、申し訳なさそうに右往左往しているのを、毎朝見届けるのも飽きて来た。
彼女が約束の時間を守った事等、一度もないのである。
アルフレッドは、時間に余裕を持って登園したいのだ。
しかし毎朝公爵邸で無駄な時間を過ごす為、いつも遅刻ギリギリになってしまい、御者が慌てているのも知っている。
王族を待たせるなど不敬にも程があるが、皇族の血筋だと信じて疑っていないマルゲリーターは、何をしても許されて当然だと思っているのだ。
侍女がしつこく起こすとクビにされる為、マルゲリーターを起こすのはアマンダの役目なのだが、こっちの朝も遅いのである。
オルターナ公爵がまずはアマンダを起こし、それからマルゲリーターを起こさせる。
起こすだけでは、二度寝三度寝といつまでもベッドから出て来ないので、無理やり食堂へと連れて来るのがアマンダの役目なのだ。
そしてマルゲリーターは、食べるのも遅かった。
いや、目覚めた直後からよく食べられると思うほど、次から次へと食事を口に運ぶのである。
特に甘いものが大好きなマルゲリーターは、食後のデザートだというのに何度もおかわりを要求して来るので、見かねた公爵が襟首を掴んで自室の鏡台の前に座らせるのだ。
この時点で、アルフレッドがやって来る。
王子を待たせているというのに、侍女たちの邪魔をし髪飾りが気に入らないだの、ファンデーションの色が悪いだのと文句を付けて来る。
公爵が急ぐように促しても、全く聞き入れる事が無いのだ。
そして王子を遅刻させる訳にはいかないと痺れを切らした公爵が、無理やり玄関ホールへと放り投げるのも、日課となっていた。
「酷いですわ、お父様。こんな醜い姿で、アル様の前に出たくないのに。少しくらい遅れたって構わないでしょう」
「いい加減にしなさい、マルゲリーター。殿下、お待たせして申し訳ございません。どうか、お目こぼしを」
「もう良い。行くぞ、マルゲリーター」
「アル様、おはようございます。ちょっと手直しをしたいので、待っていてね」
「ならば、私は先に行く。共に遅刻をする気は無いのでな」
「もう、せっかちなんだから」
学園に入る歳になったというのに、まともな会話も出来ない婚約者に辟易しながら、手を差し伸べた。
淑やかな令嬢ならば、そっと手を添えるだけだろうが、彼女は違った。
がっちりと握り締めて来るので、反射的に手を引っ込めたくなるのを、王族としての矜持で耐える。
馬車に乗り込むと、むせ返るような香水を纏ったマルゲリーターは、アルフレッドの隣に座り直す。
アルフレッドの腕を己の胸の中に抱え込み、うっとりとした表情でキスを強請って来る婚約者に、吐き気を催すのも日課なのだろうかと考える。
そっぽを向いても、懲りる事無く迫って来る彼女に、恐怖すら感じていた。
「アル様。二人きりなんだから、遠慮しないで。学園を卒業したら、私たちは結婚するんだもの。おはようのキス位、皆やっている事でしょう」
ネットリとした声音で、耳元で囁かれると、我慢出来ずに総毛立つ。
「マルゲリーター。たとえ婚約者だとしても、過剰な触れ合いは慎むべき事だ。離れなさい」
冷たい視線を向け、低い声で威嚇するように告げても気にする様子はない。
「恥ずかしがるアル様も可愛いけど、私は情熱的に求めてくれる方が嬉しいな。それとも、我慢出来なくなるから、冷たくするの?私は今からしても構わないのよ。このまま二人で学園をサボって…」
そう言いながらマルゲリーターは、アルフレッドの太腿を擦って股間へと手を伸ばそうとしたので、思わずその手を振り払い立ち上がって向かいの席へと移動した。
「ふざけた事を言うな。公爵令嬢という身分でありながら、補欠で一般教養科に籍を置くなど、君は恥ずかしくはないのか。私は、婚約者が基礎的な知識もないと言うだけで、俯きたくなるほど恥ずかしいのだぞ。正直、門の前に馬車を止めるのですら、屈辱だ!」
怒りでワナワナと震えながらも、拳をギュッと握りしめて、何とか冷静さを取り繕うとする。
「酷い事を言わないで、アル様。私だって好きで入ったわけじゃないのよ。何かの間違いだと何度も抗議しているのに、きちんと評価をしてくれない学園長が悪いんだからね!」
王弟でもある学園長の悪口を言うなど、この娘には常識という物が一切無いのだと、アルフレッドは再確認をした。
「口を慎みなさい。学園長は私の叔父で、王弟だ。公爵令嬢ならば、その程度の常識くらい身につけているはずだろう」
「私だって皇帝の血筋よ。この国で一番偉い女なんです」
アルフレッドは一瞬呆気に取られていたが、今に始まった事ではないので、半ば諦めてもいた。
「ルーカスに免じて、今の言葉は聞かなかった事にする。この国で一番地位の高い女性は、王妃だ。覚えておきなさい」
マルゲリーターは、その後言い訳をしていたが、怒りを通り越して無の境地に陥ったアルフレッドの耳には届かなかった。
アルフレッドは、決して一般教養科を蔑んでいるわけではない。
高等教育を幾らでも受ける事が出来る立場でありながら、権力を振りかざすだけで王妃となるべく知識を身に付けていないマルゲリーター自身を、恥じているのだ。
王立学園は、敷地が広大である。
マルゲリーターが籍を置いている一般教養科の学舎がある敷地から、アルフレッドが籍を置いている成績優秀者の学舎がある敷地は、大きな塀に囲まれているので門も別になっている。
その為毎朝送って行かなければならないアルフレッドは、王家の馬車を門前に止めるだけでも、羞恥で俯きたくなるのだった。
それなのに目の前のこの女は、さかりの付いた雌猿の様に、ふしだらな事しか考えていない。
会う度に胸を押し付けて来るのも不愉快だが、酷い時にはアルフレッドの手を掴んでスカートの中に入れようとするのだ。
初めの頃は優しく注意をしていたのだが、興奮しているのか頬を赤く染めて、迫って来るのである。
最近では相手が女性である事を知りながらも、怒り任せに声を張り上げる事も少なくは無い。
そこまでしていると言うのに、何度もファーストキスを奪われそうになっている。
馬車で二人きりになる時間が増えてからは尚の事、アルフレッドは貞操の危機まで感じる様になり、何度も公爵へ苦言を呈したのだった。
しかし公爵は「マルゲリーターを喜ばせて下さい」と、意味の分からない返事しかして来なかった。
父親でもある国王へ進言したが、何を考えているのか分からない表情で「その程度、自分で解決出来なくてどうする」と、返って叱りを受けるだけだった。
まだ立太子もしていない学生の身でありながら、狭い馬車の中で迫り来る女体をうまく交わせと言う方が無理ではないのかと、アルフレッドが思うのも頷けた。
なぜならば、甘いものをこよなく愛し動く事を好まないマルゲリーターは、アルフレッドよりも大きいのである。
横にだが…
マルゲリーターが入学して来てから、まだそれほど月日は経っていないのだが、アルフレッドは既に限界を感じている。
本来ならば学園が終わったら送って行くのも婚約者としてのマナーではあるが、いつ来るか分からないマルゲリーターの為に、一般教養科の門前で待つ事はプライドが許さなかった。
その為学園の終了時間が違うという理由を押し通し、帰宅時は別行動をしているのが唯一の救いになっている。
マルゲリーターも、アルフレッドが終わるまで学園に残るよりは、さっさと帰宅し屋敷でのんびりしたいと思い了承した。
公爵は、だらけている娘に対して、今更何かを言うつもりは無かった。
どんなに態度を改めさせたところで、マルゲリーターに皇族の血は流れてはいない。
むしろこのままの状態であれば、未来の王妃としての資格無しとして、第一王子との婚約が無くなるのではないかと期待をしているのだ。
公爵家が生き残る為には、もはやそれ以外の道は無い。
婚約が無くなれば、あの愚かな娘を他国の貴族へ嫁がせてしまおうともくろんでいる。
頭は残念だが、父親の贔屓目で見たとしても美しく育ったと思っていたのだ、顔だけは。
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