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番外編 デイジー視点
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パーティで見かけた、お姉様の婚約者になる予定だと聞いたアーノルド様は、素敵な方だった。
貴族令嬢達が群がって、一生懸命アピールしている姿も滑稽に見える。
お姉様には勿体ないわ、私が貰ってあげる。
お母様もそのつもりで、何時も私だけをパーティに連れて来ているのですもの。
私は知っているのよ、公爵夫人は刺繍が好きなの、サロンも開いていると聞いたわ。
だからお姉様を利用して、沢山刺繍をさせたのよ。
私が刺繍の得意な令嬢だと噂が広まれば、自然と婚約の話しも私に来る筈だもの。
毎回パーティで沢山の刺繍を頼まれている所を、態と見て貰える位置に立っているだけでいいなんて、簡単な事だと思ったわ。
そして侯爵夫人から、お声を掛けて貰えるようになったの。
アーノルド様のブラウスに刺繍をして欲しいと頼まれた時は、婚約者の選定をしているのだと、確信したわ。
お姉様はお人好しで、私の言う事は直ぐ信用するの。
だから友達の為のプレゼントだと言えば、喜んで刺繍をしていた。
普段請け追っている物よりも、ずっと手の込んだ刺繍をする事は分かっていたのよ。
案の定刺繍を気に入った侯爵夫人が、私を婚約者に指名したと聞いた時は、笑いが止まらなかった。
執務なんて出来ないけれど、アーノルド様は優秀な方だと聞いているもの、彼に任せておけばいいのよ。
なのにお父様は、直ぐに世継ぎを決めないで、一年も先延ばしにしたわ。
侯爵夫人だって、しつこい位にサロンへの招待状を送って来るのよ。
刺繍なんて刺した事もないのに、出来る訳ないじゃない!
作品を見せ合うくらいなら問題はないのだけれど、実際に刺繍をしながらお茶会しているのだもの、毎回誤魔化すのにどれ程苦労したか…
それでも籍を入れてしまえば関係無いと思っていたのに、まさかお姉様が領地に引き籠ってしまうなんて、想定外だったわ。
アーノルド様を慕っているのは直ぐに分かったから、お母様に伝えると脅しをかけていたのが悪かったのかしら?
何度手紙を出しても、頼まれた刺繍用の布を送っても、返事すら来ないのだもの。
「デイジー様。最近パーティでお見掛けしませんので、心配しておりましたのよ。以前お願いしていたハンカチへの刺繍は、どうなったでしょうか?」
「ごめんなさいね。順番があるものですから、仕上がり次第お屋敷にお送りしますわ」
「デイジー様、以前頂いた刺繍の評判が良いのです。私達も素敵な刺繍が施せる様に、是非教えて頂けないでしょうか」
「ごめんなさいね。お姉様が世継ぎにならなくなってしまったので、忙しいのですわ」
「デイジー。まだマーガレット様が世継ぎから外されるとは、決まっていないのですよ。折角なのですから、教えて差し上げては如何ですか?」
「え?あ、アーノルド様。私喉が渇きましたわ」
「分かりました。では、飲み物を持って来ますね」
「い、一緒に行きます。皆様ごきげんよう」
もう、余計な事を!
彼の婚約者なった事で、周りからの羨望の眼差しは気分が良いけれど、いちいち口煩いのよね。
パーティだって制限されちゃったし、他の令息と親しくしていたら怒られるし、正直鬱陶しいわ。
ただ愛でてくれるだけで良いのに、いちいち行動を監視されるのって嫌なのよ。
侯爵家の世継ぎじゃないし、お姉様の苦しむ顔も見れないのですもの、飽きちゃった。
もっとお金持ちで、爵位の高い令息と親しくしたいのに、アーノルドって邪魔だわ。
こんな事なら、婚約なんてしなきゃ良かった。
でも、侯爵家の息子に変わりは無いもの、上手く甘えておけば問題ないかしら?
こんな素敵なドレスを贈ってくれるのですもの、籍をいれたらもっと豪華なドレスを仕立てて貰えるわよね。
「もう!毎日毎日催促の手紙ばっかり、そんなに刺繍小物が欲しかったら、自分で刺せばいいじゃない!」
「デイジー。何度もノックしたのだけれど…どうかしたのですか?」
「あっ。いえ、何でもないです。お茶の時間ですわね、直ぐに支度させますわ」
「デイジー。刺繍が出来ないのでしたら、きちんと断ったらどうですか?」
「いっ、忙しいのです。アーノルド様へのハンカチは、もう直ぐ出来ますわよ」
「無理しなくても良いのですよ。前回頂いたクラバットは、デイジーの刺繍ではありませんでしたよね」
「そっそんな筈ありませんわ」
「責めている訳ではありません。ただ、他人が刺した物を、自分の物だと言うのは良くないと思いますよ」
何よ!責めているじゃない。
そんな事より、どうして分かるのよ、刺繍なんて皆同じじゃない!
それもこれも、勝手に領地へ行ってしまったお姉様が悪いのだわ。
私はなんとか逃げ回って、上手く誤魔化せていると思っていたのに…
何もかも滅茶苦茶だわ、どうしてこんな事になったの?
世継ぎを決めると言っていた日、お母様は修道院へ連れて行かれた。
何時もパーティでは一人でいなくなり、戻って来た時には変な香水の香りがしていたの。
まさか不貞をしていただなんて、私が不貞の子だなんて考えてもいなかった。
世継ぎを先延ばしにしていたのも、私が成人するのを待っていたなんて、考えてもいなかった。
それに、上手く誤魔化せていたと思ってた事が、全部筒抜けだったなんて…
お父様は私が本当の娘じゃないから、使用人の真似事をさせるのよ。
冗談じゃないわ!
「どうして私がこき使われなくちゃならないの!お父様の子じゃなくても、公爵家の娘なのよ!そうよ、私はお父様より偉いのよ!」
「キャア。お許し下さいデイジー様、私共は仕事の仕方をお教えするようにと、ご主人様から申し付けられたのです」
「何を騒いでいるのですか。デイジー様、旦那様の言い付けをお守り頂けないのでしたら、伯爵家から籍を抜かれてしまいますよ。平民になるおつもりですか?」
「煩いわね、口答えしないで!」
私はお姉様にしている様に、メイド長に平手打ちをして部屋に戻ったわ。
その後は、お父様に謹慎しているように言われたけれど、私は公爵の娘なのでしょう?
「こんな屋敷、こっちから出て行ってやるわ!」
その日開かれていた夜会へ、私は一人で出かけて行った。
公爵は何処かしら?パーティに来ていなくても、高位貴族の子息に声をかければ問題ないわね。
「皆様ごきげんよう」
私が声をかけてあげたのに、誰も言葉を返してくれなかったわ。
でも良いわ、面倒くさい事を押し付けられるだけだもの。
「あの~私と踊ってくれませんか?」
「すみません。婚約者がおりますので、失礼します」
「あの~私と…」
「失礼。今日は足の調子が悪いのです」
もう!なんなのよ、誰も踊ってくれないなんて。
せっかくアーノルドから解放されたのに、これじゃ新しい婚約者が見つからないじゃない。
『聞きました?デイジー様が施していた刺繍。本当はお姉様が刺した物だそうですわ』
『アーノルド様のお母様を騙して、婚約者になったのでしょう?でも嘘は直ぐにバレましたわね。最初からおかしいと思っていたのよ』
『マーガレット様がパーティに姿を見せないのに、どうしてデイジー様ばかりパーティに来ているのでしょうね』
『殿方に色目を使っているのよ。ほら、今も高位令息にばかり声を掛けていたわ』
『嫌ですわ…なんてふしだらなのかしら』
『不貞の子は、不貞の子ですわね。汚らわしい』
「なっ。貴方達!全部聞こえているのよ」
私の周りに居た人達が、一斉に離れていった所為で、一人ポツンと取り残されてしまった。
こんな筈じゃなかったのに!
どうして、私の何がいけなかったのよ。
「お母様が不貞したから悪いんじゃない!私だって、好きで不貞の子として産まれた訳じゃないのよ!」
悔しくて、大声で叫んだら、余計に白い目で見られたわ。
泣いてる私に、声を掛けてくれる人は誰も居なかった。
目を腫らして帰って来た私を出迎えてくれたのは、お姉様だった。
「デイジー。何処へ行っていたの?勝手に外出するなんて、お父様がお怒りになるわ。貴方、泣いていたの?大丈夫、今…」
「煩い!何時も何時も何時も、小言ばっかり。お姉様なんて、大嫌いよ!」
「デイジー…」
部屋に戻った私を呼び止める声が聞こえたけれど、もうどうだっていいわ。
ひと月後、お父様から呼び出されて修道院行きが決まったと言われたけれど、特に悲しくもなかったわ。
社交界にも、この屋敷にも、私の居場所なんて無いのだもの。
お姉様は泣いて引き留めたけれど、正直顔も見たくない。
お母様に会ったら、文句を言ってやろうと思っていたけれど、話に聞いていた場所とは
違う修道院だったみたい。
朝早くから、夜遅く迄監視されているのは腹が立つけれど、お父様が面会に来てくれる時間だけは自由に出来た。
「何か御用ですか?」
「………」
お父様は、何時も無言で小一時間程一緒にお茶を飲むと、帰って行った。
「別に…来なくてもいいのに…」
おしまい。
番外編 デイジー視点に迄お付き合い下さり、ありがとうございました<(_ _)>
厳しい修道院生活で、少しは家族の有難みを理解してくれるといいなぁと思って書きました。
貴族令嬢達が群がって、一生懸命アピールしている姿も滑稽に見える。
お姉様には勿体ないわ、私が貰ってあげる。
お母様もそのつもりで、何時も私だけをパーティに連れて来ているのですもの。
私は知っているのよ、公爵夫人は刺繍が好きなの、サロンも開いていると聞いたわ。
だからお姉様を利用して、沢山刺繍をさせたのよ。
私が刺繍の得意な令嬢だと噂が広まれば、自然と婚約の話しも私に来る筈だもの。
毎回パーティで沢山の刺繍を頼まれている所を、態と見て貰える位置に立っているだけでいいなんて、簡単な事だと思ったわ。
そして侯爵夫人から、お声を掛けて貰えるようになったの。
アーノルド様のブラウスに刺繍をして欲しいと頼まれた時は、婚約者の選定をしているのだと、確信したわ。
お姉様はお人好しで、私の言う事は直ぐ信用するの。
だから友達の為のプレゼントだと言えば、喜んで刺繍をしていた。
普段請け追っている物よりも、ずっと手の込んだ刺繍をする事は分かっていたのよ。
案の定刺繍を気に入った侯爵夫人が、私を婚約者に指名したと聞いた時は、笑いが止まらなかった。
執務なんて出来ないけれど、アーノルド様は優秀な方だと聞いているもの、彼に任せておけばいいのよ。
なのにお父様は、直ぐに世継ぎを決めないで、一年も先延ばしにしたわ。
侯爵夫人だって、しつこい位にサロンへの招待状を送って来るのよ。
刺繍なんて刺した事もないのに、出来る訳ないじゃない!
作品を見せ合うくらいなら問題はないのだけれど、実際に刺繍をしながらお茶会しているのだもの、毎回誤魔化すのにどれ程苦労したか…
それでも籍を入れてしまえば関係無いと思っていたのに、まさかお姉様が領地に引き籠ってしまうなんて、想定外だったわ。
アーノルド様を慕っているのは直ぐに分かったから、お母様に伝えると脅しをかけていたのが悪かったのかしら?
何度手紙を出しても、頼まれた刺繍用の布を送っても、返事すら来ないのだもの。
「デイジー様。最近パーティでお見掛けしませんので、心配しておりましたのよ。以前お願いしていたハンカチへの刺繍は、どうなったでしょうか?」
「ごめんなさいね。順番があるものですから、仕上がり次第お屋敷にお送りしますわ」
「デイジー様、以前頂いた刺繍の評判が良いのです。私達も素敵な刺繍が施せる様に、是非教えて頂けないでしょうか」
「ごめんなさいね。お姉様が世継ぎにならなくなってしまったので、忙しいのですわ」
「デイジー。まだマーガレット様が世継ぎから外されるとは、決まっていないのですよ。折角なのですから、教えて差し上げては如何ですか?」
「え?あ、アーノルド様。私喉が渇きましたわ」
「分かりました。では、飲み物を持って来ますね」
「い、一緒に行きます。皆様ごきげんよう」
もう、余計な事を!
彼の婚約者なった事で、周りからの羨望の眼差しは気分が良いけれど、いちいち口煩いのよね。
パーティだって制限されちゃったし、他の令息と親しくしていたら怒られるし、正直鬱陶しいわ。
ただ愛でてくれるだけで良いのに、いちいち行動を監視されるのって嫌なのよ。
侯爵家の世継ぎじゃないし、お姉様の苦しむ顔も見れないのですもの、飽きちゃった。
もっとお金持ちで、爵位の高い令息と親しくしたいのに、アーノルドって邪魔だわ。
こんな事なら、婚約なんてしなきゃ良かった。
でも、侯爵家の息子に変わりは無いもの、上手く甘えておけば問題ないかしら?
こんな素敵なドレスを贈ってくれるのですもの、籍をいれたらもっと豪華なドレスを仕立てて貰えるわよね。
「もう!毎日毎日催促の手紙ばっかり、そんなに刺繍小物が欲しかったら、自分で刺せばいいじゃない!」
「デイジー。何度もノックしたのだけれど…どうかしたのですか?」
「あっ。いえ、何でもないです。お茶の時間ですわね、直ぐに支度させますわ」
「デイジー。刺繍が出来ないのでしたら、きちんと断ったらどうですか?」
「いっ、忙しいのです。アーノルド様へのハンカチは、もう直ぐ出来ますわよ」
「無理しなくても良いのですよ。前回頂いたクラバットは、デイジーの刺繍ではありませんでしたよね」
「そっそんな筈ありませんわ」
「責めている訳ではありません。ただ、他人が刺した物を、自分の物だと言うのは良くないと思いますよ」
何よ!責めているじゃない。
そんな事より、どうして分かるのよ、刺繍なんて皆同じじゃない!
それもこれも、勝手に領地へ行ってしまったお姉様が悪いのだわ。
私はなんとか逃げ回って、上手く誤魔化せていると思っていたのに…
何もかも滅茶苦茶だわ、どうしてこんな事になったの?
世継ぎを決めると言っていた日、お母様は修道院へ連れて行かれた。
何時もパーティでは一人でいなくなり、戻って来た時には変な香水の香りがしていたの。
まさか不貞をしていただなんて、私が不貞の子だなんて考えてもいなかった。
世継ぎを先延ばしにしていたのも、私が成人するのを待っていたなんて、考えてもいなかった。
それに、上手く誤魔化せていたと思ってた事が、全部筒抜けだったなんて…
お父様は私が本当の娘じゃないから、使用人の真似事をさせるのよ。
冗談じゃないわ!
「どうして私がこき使われなくちゃならないの!お父様の子じゃなくても、公爵家の娘なのよ!そうよ、私はお父様より偉いのよ!」
「キャア。お許し下さいデイジー様、私共は仕事の仕方をお教えするようにと、ご主人様から申し付けられたのです」
「何を騒いでいるのですか。デイジー様、旦那様の言い付けをお守り頂けないのでしたら、伯爵家から籍を抜かれてしまいますよ。平民になるおつもりですか?」
「煩いわね、口答えしないで!」
私はお姉様にしている様に、メイド長に平手打ちをして部屋に戻ったわ。
その後は、お父様に謹慎しているように言われたけれど、私は公爵の娘なのでしょう?
「こんな屋敷、こっちから出て行ってやるわ!」
その日開かれていた夜会へ、私は一人で出かけて行った。
公爵は何処かしら?パーティに来ていなくても、高位貴族の子息に声をかければ問題ないわね。
「皆様ごきげんよう」
私が声をかけてあげたのに、誰も言葉を返してくれなかったわ。
でも良いわ、面倒くさい事を押し付けられるだけだもの。
「あの~私と踊ってくれませんか?」
「すみません。婚約者がおりますので、失礼します」
「あの~私と…」
「失礼。今日は足の調子が悪いのです」
もう!なんなのよ、誰も踊ってくれないなんて。
せっかくアーノルドから解放されたのに、これじゃ新しい婚約者が見つからないじゃない。
『聞きました?デイジー様が施していた刺繍。本当はお姉様が刺した物だそうですわ』
『アーノルド様のお母様を騙して、婚約者になったのでしょう?でも嘘は直ぐにバレましたわね。最初からおかしいと思っていたのよ』
『マーガレット様がパーティに姿を見せないのに、どうしてデイジー様ばかりパーティに来ているのでしょうね』
『殿方に色目を使っているのよ。ほら、今も高位令息にばかり声を掛けていたわ』
『嫌ですわ…なんてふしだらなのかしら』
『不貞の子は、不貞の子ですわね。汚らわしい』
「なっ。貴方達!全部聞こえているのよ」
私の周りに居た人達が、一斉に離れていった所為で、一人ポツンと取り残されてしまった。
こんな筈じゃなかったのに!
どうして、私の何がいけなかったのよ。
「お母様が不貞したから悪いんじゃない!私だって、好きで不貞の子として産まれた訳じゃないのよ!」
悔しくて、大声で叫んだら、余計に白い目で見られたわ。
泣いてる私に、声を掛けてくれる人は誰も居なかった。
目を腫らして帰って来た私を出迎えてくれたのは、お姉様だった。
「デイジー。何処へ行っていたの?勝手に外出するなんて、お父様がお怒りになるわ。貴方、泣いていたの?大丈夫、今…」
「煩い!何時も何時も何時も、小言ばっかり。お姉様なんて、大嫌いよ!」
「デイジー…」
部屋に戻った私を呼び止める声が聞こえたけれど、もうどうだっていいわ。
ひと月後、お父様から呼び出されて修道院行きが決まったと言われたけれど、特に悲しくもなかったわ。
社交界にも、この屋敷にも、私の居場所なんて無いのだもの。
お姉様は泣いて引き留めたけれど、正直顔も見たくない。
お母様に会ったら、文句を言ってやろうと思っていたけれど、話に聞いていた場所とは
違う修道院だったみたい。
朝早くから、夜遅く迄監視されているのは腹が立つけれど、お父様が面会に来てくれる時間だけは自由に出来た。
「何か御用ですか?」
「………」
お父様は、何時も無言で小一時間程一緒にお茶を飲むと、帰って行った。
「別に…来なくてもいいのに…」
おしまい。
番外編 デイジー視点に迄お付き合い下さり、ありがとうございました<(_ _)>
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