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ダンジョン編
第25話 女王蜂
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食事も終わり、BOSS部屋を目指していざゆかん。
僕たちはダンジョンを下っていった。
ビージェネラルとかいう一周り大きいのから、ハーニービーという可愛らしい名前のミツバチ(可愛いのは名前だけで、こいつら体に纏わりついて体内の蜜を燃料にして燃やし一緒に燃え死ぬとかいう自爆バチなのだ)モンスターを倒しつつ、BOSS部屋前まで到達していた。
ここまで100匹近くは戦ってきたと思うが、毒針が10本、蜂蜜1個というドロップ率で、ダンジョンのドロップ率の悪さに異議を申し立てたいほどだ。
顎って何かに使えないの?と聞くと装飾品としての使われることはあるそうだが、二束三文過ぎてバッグの容量が勿体ないほどだという。
残念だが、ほとんど捨ててきた。
そんな戦いの数々を思い出しながら、僕は腰を振る。
パンッパンッパンッパンッと肉を打つ音が軽快にダンジョンに響き渡る。
おかげで蜂のモンスターが引き寄せられるように来るのだが、シオンとレナールが上手く対処しているようだ。
だから安心して、「出すぞ!」とリルの膣内に射精出来るというものだ。
ドピュルルルルと抜かずの3連発目だが勢いよくリルに注がれていく。
「あっああああああ」とびくびくしながら、リルがぱぁっーと輝く。
ふぅー今日もいい輝きだ。
リルをペカらせて満足してちんこを引き抜く。
腰を打ちつけまくったせいでで赤くなったケツに精子を擦り付けてリルのローブでチンコを拭いていく。
「なんか異常の光景のはずなのに、うち慣れてもーて来てるわ」
「ふんっ。シオン姉様、補給終わりました」と魔力の欠乏が収まって幾分と顔色がよくなったリルがキリっという。
「先までアヘ顔しとって、ようすぐそんなキメ顔出来んなー」
「うるさいっ!」
「二人とも静かにしなさい」
というリルとレナールのやり取りに嘆息するシオンという定着したリアクションが終わり、ボス部屋へと向かった。
第五階層 レイド推奨ボス
レイドとは、2つ以上のパーティが組むことだ。
パーティとは本来、6人1組(神より勇者がそう宣告されたそうだ)だが、BOSS部屋によってはレイドと呼ばれる複数パーティが入れる仕様のところがある。
今回がそれでここには、最大3パーティ入れるそうだ。
複数パーティで挑んだ方がいい所以それが。
ぶぅーんぶぅーんぶぅーん、という無数の羽音が織りなす重低音。
数百匹はいようかという蜂の群れが上空を旋回している。
。
他にも見慣れない種類がたくさんいるが、それぞれ特徴があるのだろう。
推奨攻略方法は、殺虫剤や撒き餌を使って戦闘を極力避けながら、女王蜂を最速で倒す。
だが、当然女王蜂は一番デカい。
つまり強い。
さらに近衛蜂とかいう真っ黒なスズメバチみたいのが6体も守っているという仕様だ
当然上でブンブン飛び回ってるのも襲ってくるのだろう。
これ4人とかで挑んでいいボスじゃないでしょ。
分かっていると思うが、僕は戦力にはならない。
実質3人なのだーーうっぶ!
「上様、動かんといてー。虫除けの香水たっぷりとつけてるさかい」
やるなら、やると言え!
辛い感じの何かが目に入った!
「ファーストアッタクから猛攻が来ます。私が全力で蜂を喰い止めて、リルの魔法で女王蜂を狙います、レナールは」
「わっーてる。上様とリルはウチが守る」
フォーメーションは決まった。
僕も一応レナール製のバット武器を持つ。
「@#@&gg#&_#a」
リルが魔力を練り始める。
数百匹の蜂とそれを束ねる女王蜂の複眼こちらの動きを警戒して羽をせわしく動かしている。
決戦だ。
「@#@&gg#&_#a$%#”%&”&%$#&”%$#&%”$#%&”$#&%”$#&”’%&’”%#&’”$#%”$#’”$#%’”$#’&”$#’%&”$#%’”$#’”%$#’”$#’”$#%”’$#’%”$#’”%””&”&%%|」
いつもより入念の詠唱だ。
リルの体がぱあんと足元から輝き、魔力の流れで風がおこり、ふわりと前髪がたなびく。
魔力など欠片もない僕でも魔が満ちているのが分かる。
「累積」
リルの頭の上に馬鹿でかい火の玉が浮かび上がる。
「累積」
さらにもう一つ追加。
「累積」
さらにもう1個と合計
3つの火の玉がリルの頭上に浮かんでいる。
てかっ、あんなこと出来たんだ。
「トリプルやって!!」とレナールもびっくりとしている。
比較対象がリルしかいないから、それがどれくらいすごいことなのか分からないけど、レナールの反応を見るにすごいことみたいだ。
「いや~、こりゃぁリル姉様呼ぶしかないかもしれんな」とレナールが頭をボリボリと掻いている。
だが、リルは集中しているのか振りむこうともしない。
レナールがそう言うからにはすごいことなんだろうな。
「行きます!!」
リルの叫びに合わして、すぐに動けるように腰を落とす。
「火球」
リルがそう唱えると、4つ目の火球が現れ、ゴォオオオオオという空気を焼く音を奏でながら、一直線に女王蜂へと向かっていく。
ビビビビビビイという盛大な羽音を立てて、近衛蜂が女王の前へと躍り出て、火球を受け止める。
直撃を受けた近衛が羽を焼かれ、煙を吹き出しながら、地面に落下して、ビクビクと痙攣している。
さすがに近衛クラスになるとリルの魔法でも一撃といかないようだ。それでもほぼ瀕死になるようだが。
リルの魔法を皮切りに、ぶぅうううううううううううううううううううううううううんと弾丸のようにハーニービーやビーソルジャーが次々と振ってくる。
20~30匹はいるんじゃないだろうか。
「上様、来るでうちの後ろに隠れてきぃ!」
はい、もちろん。
僕はレナールの後ろに回り、バットを構える。
「火球」
蜂の軍団に火球が直撃して、爆散。
さらに、それがハニービーの蜜に引火して連鎖的な爆発を起こし、一種の花火のようにダンジョンを照らす。
「リル、レナール、来てるわよ!」
近衛蜂の一匹と戦っているシオンが叫ぶ、近衛蜂が3体ほどリルに突進しているところだった。
「おっと、させるかいな!!」
レナールが槌を振り上げて、近衛蜂の一体を堰き止める。
が、2体がすり抜ける!
「ちっ、累積開放」
リルの背中に浮かぶ。火球の一つが放たれ、近衛蜂に直撃する。
累積ってああいう風に使うのか。
ああっ!
爆散し、燃える炎の中、黒煙から黒焦げの近衛蜂が飛び出してきた。
「ふん、これでス、累積――――」
―――間に合わない。
弾丸のように一直線に飛び込んできて、蜂の複眼にリルが写り込みその凶悪な顎が大きく開かれる。
「う、うわぁあああああああああああああああああああああ」
気づいたときには勝手に体が動いていた。
走りながら、目を瞑り思いきりバットを振り下ろした。
地面を叩きつけたようなしびれるような衝撃、歯を食いしばってバットを握り込み。
吹き飛ばされそうな体を、足を踏ん張って耐える。
そのまま、体重を生かして前へ前へと押し込んでバットを振りおろしきった!!
ぐっしゃん!!という何かを潰す感触。
「はぁはぁははぁ」
心臓が痛い。息が苦しい。
体が燃えるんじゃないかというほど熱い。
すごいアドレナリンが出ているのだろう。
恐る恐る目を開けると、近衛蜂の黒い蜂の頭が半分ひしゃげていて、四肢をピンと伸ばして、ビクンビクンと痙攣している。
蜂の目、その複眼がそれぞれ肩で息をする僕を映す。
太っていて、憎い顔、頬が真っ赤になっていてあまり好きじゃない顔だ。
だけど僕は、「――――上様、ナイスやで。トドメを指してーな!!」
レナールの声でハッとする。
そして、四肢をビクンビクンとさせて動けない近衛蜂の頭を「うわぁあああああああああああああああああああああ」とバットをひたすら振りおろす。
びちゃ!びちゃ!びちゃ!と振りおろすたびに青黒く生臭い液体が飛び散る。
いつもなら、うげぇ気持ち悪い。と思っていたんだろうが、興奮しているのか。
躊躇なくバットを振りおろし、都度10回目だろうが。
ついに近衛蜂は光の粒子になって消えた。
後に残ったのは、まるで1本の剣。
近衛蜂の黒くまっすぐな針が落ちていた。
輝きもしない。のっぺりとした漆黒、所謂マッドブラックの質感。
導かれるように手にする。
三角錐のように手元から太く先に細くなるレイピアのような形状。
1.2mくらいで、授業で持ったことがある竹刀ぐらいの大きさの感覚。
手元の太さがちょうどよく握り込むとなじんだ。
「うわぁ!上様、近衛蜂の黒針やんか!!激レアドロップやん!」
「バカ! よそ見しないの!累積開放」
レナールが目を輝かせている間に、再び舞い落ちてきた蜂たちがリルの放った火球に吹き飛ばされる。
「おわっ、あんがとリル姉様も、気をつきぃ!」
レナールが何を投げつけてきた。
リルの背後に迫っていた蜂に直撃、ぶわっと目が痛くなるような香りが漂ってきた。
僕にかけてくれた虫除けの香水と同じ香りだ。
ぶぅんぶぅん!と蜂がまさに八の字を描いて嫌がっている。
僕はそれに、「えええい!」と先ほど手に入れた近衛蜂のドロップアイテム【黒針】を突き立てる。
複眼の間、脳天を一直線に突き刺さり、ちからをいれるとそのまま突き破った。
膜のような何かを破る感触、そしてぱあんと軽快に光の粒子となって消えた。
えっ、一撃?!
「わぁお!」
「えっ、マジですか?」
僕が驚いていると、レナールとリルも同じ反応をする。
「さすがですね、旦那様」とシオンが振り返り様にほほ笑んでくれた。
胸がかっと熱くなる。
すると不思議と体に力が沸き上がり、蜂への恐怖心が減ってきた。
「うぉおおおおおお!」と近くに舞い降りてきた蜂を同じように【黒針】で脳天貫いてやると光の粒子へと消えていった。
この【黒針】で突き立てれば、やはりノーマルの蜂ぐらいなら一撃のようだ。
これなら僕も戦える!!
僕は、【黒針】を装備した。
僕たちはダンジョンを下っていった。
ビージェネラルとかいう一周り大きいのから、ハーニービーという可愛らしい名前のミツバチ(可愛いのは名前だけで、こいつら体に纏わりついて体内の蜜を燃料にして燃やし一緒に燃え死ぬとかいう自爆バチなのだ)モンスターを倒しつつ、BOSS部屋前まで到達していた。
ここまで100匹近くは戦ってきたと思うが、毒針が10本、蜂蜜1個というドロップ率で、ダンジョンのドロップ率の悪さに異議を申し立てたいほどだ。
顎って何かに使えないの?と聞くと装飾品としての使われることはあるそうだが、二束三文過ぎてバッグの容量が勿体ないほどだという。
残念だが、ほとんど捨ててきた。
そんな戦いの数々を思い出しながら、僕は腰を振る。
パンッパンッパンッパンッと肉を打つ音が軽快にダンジョンに響き渡る。
おかげで蜂のモンスターが引き寄せられるように来るのだが、シオンとレナールが上手く対処しているようだ。
だから安心して、「出すぞ!」とリルの膣内に射精出来るというものだ。
ドピュルルルルと抜かずの3連発目だが勢いよくリルに注がれていく。
「あっああああああ」とびくびくしながら、リルがぱぁっーと輝く。
ふぅー今日もいい輝きだ。
リルをペカらせて満足してちんこを引き抜く。
腰を打ちつけまくったせいでで赤くなったケツに精子を擦り付けてリルのローブでチンコを拭いていく。
「なんか異常の光景のはずなのに、うち慣れてもーて来てるわ」
「ふんっ。シオン姉様、補給終わりました」と魔力の欠乏が収まって幾分と顔色がよくなったリルがキリっという。
「先までアヘ顔しとって、ようすぐそんなキメ顔出来んなー」
「うるさいっ!」
「二人とも静かにしなさい」
というリルとレナールのやり取りに嘆息するシオンという定着したリアクションが終わり、ボス部屋へと向かった。
第五階層 レイド推奨ボス
レイドとは、2つ以上のパーティが組むことだ。
パーティとは本来、6人1組(神より勇者がそう宣告されたそうだ)だが、BOSS部屋によってはレイドと呼ばれる複数パーティが入れる仕様のところがある。
今回がそれでここには、最大3パーティ入れるそうだ。
複数パーティで挑んだ方がいい所以それが。
ぶぅーんぶぅーんぶぅーん、という無数の羽音が織りなす重低音。
数百匹はいようかという蜂の群れが上空を旋回している。
。
他にも見慣れない種類がたくさんいるが、それぞれ特徴があるのだろう。
推奨攻略方法は、殺虫剤や撒き餌を使って戦闘を極力避けながら、女王蜂を最速で倒す。
だが、当然女王蜂は一番デカい。
つまり強い。
さらに近衛蜂とかいう真っ黒なスズメバチみたいのが6体も守っているという仕様だ
当然上でブンブン飛び回ってるのも襲ってくるのだろう。
これ4人とかで挑んでいいボスじゃないでしょ。
分かっていると思うが、僕は戦力にはならない。
実質3人なのだーーうっぶ!
「上様、動かんといてー。虫除けの香水たっぷりとつけてるさかい」
やるなら、やると言え!
辛い感じの何かが目に入った!
「ファーストアッタクから猛攻が来ます。私が全力で蜂を喰い止めて、リルの魔法で女王蜂を狙います、レナールは」
「わっーてる。上様とリルはウチが守る」
フォーメーションは決まった。
僕も一応レナール製のバット武器を持つ。
「@#@&gg#&_#a」
リルが魔力を練り始める。
数百匹の蜂とそれを束ねる女王蜂の複眼こちらの動きを警戒して羽をせわしく動かしている。
決戦だ。
「@#@&gg#&_#a$%#”%&”&%$#&”%$#&%”$#%&”$#&%”$#&”’%&’”%#&’”$#%”$#’”$#%’”$#’&”$#’%&”$#%’”$#’”%$#’”$#’”$#%”’$#’%”$#’”%””&”&%%|」
いつもより入念の詠唱だ。
リルの体がぱあんと足元から輝き、魔力の流れで風がおこり、ふわりと前髪がたなびく。
魔力など欠片もない僕でも魔が満ちているのが分かる。
「累積」
リルの頭の上に馬鹿でかい火の玉が浮かび上がる。
「累積」
さらにもう一つ追加。
「累積」
さらにもう1個と合計
3つの火の玉がリルの頭上に浮かんでいる。
てかっ、あんなこと出来たんだ。
「トリプルやって!!」とレナールもびっくりとしている。
比較対象がリルしかいないから、それがどれくらいすごいことなのか分からないけど、レナールの反応を見るにすごいことみたいだ。
「いや~、こりゃぁリル姉様呼ぶしかないかもしれんな」とレナールが頭をボリボリと掻いている。
だが、リルは集中しているのか振りむこうともしない。
レナールがそう言うからにはすごいことなんだろうな。
「行きます!!」
リルの叫びに合わして、すぐに動けるように腰を落とす。
「火球」
リルがそう唱えると、4つ目の火球が現れ、ゴォオオオオオという空気を焼く音を奏でながら、一直線に女王蜂へと向かっていく。
ビビビビビビイという盛大な羽音を立てて、近衛蜂が女王の前へと躍り出て、火球を受け止める。
直撃を受けた近衛が羽を焼かれ、煙を吹き出しながら、地面に落下して、ビクビクと痙攣している。
さすがに近衛クラスになるとリルの魔法でも一撃といかないようだ。それでもほぼ瀕死になるようだが。
リルの魔法を皮切りに、ぶぅうううううううううううううううううううううううううんと弾丸のようにハーニービーやビーソルジャーが次々と振ってくる。
20~30匹はいるんじゃないだろうか。
「上様、来るでうちの後ろに隠れてきぃ!」
はい、もちろん。
僕はレナールの後ろに回り、バットを構える。
「火球」
蜂の軍団に火球が直撃して、爆散。
さらに、それがハニービーの蜜に引火して連鎖的な爆発を起こし、一種の花火のようにダンジョンを照らす。
「リル、レナール、来てるわよ!」
近衛蜂の一匹と戦っているシオンが叫ぶ、近衛蜂が3体ほどリルに突進しているところだった。
「おっと、させるかいな!!」
レナールが槌を振り上げて、近衛蜂の一体を堰き止める。
が、2体がすり抜ける!
「ちっ、累積開放」
リルの背中に浮かぶ。火球の一つが放たれ、近衛蜂に直撃する。
累積ってああいう風に使うのか。
ああっ!
爆散し、燃える炎の中、黒煙から黒焦げの近衛蜂が飛び出してきた。
「ふん、これでス、累積――――」
―――間に合わない。
弾丸のように一直線に飛び込んできて、蜂の複眼にリルが写り込みその凶悪な顎が大きく開かれる。
「う、うわぁあああああああああああああああああああああ」
気づいたときには勝手に体が動いていた。
走りながら、目を瞑り思いきりバットを振り下ろした。
地面を叩きつけたようなしびれるような衝撃、歯を食いしばってバットを握り込み。
吹き飛ばされそうな体を、足を踏ん張って耐える。
そのまま、体重を生かして前へ前へと押し込んでバットを振りおろしきった!!
ぐっしゃん!!という何かを潰す感触。
「はぁはぁははぁ」
心臓が痛い。息が苦しい。
体が燃えるんじゃないかというほど熱い。
すごいアドレナリンが出ているのだろう。
恐る恐る目を開けると、近衛蜂の黒い蜂の頭が半分ひしゃげていて、四肢をピンと伸ばして、ビクンビクンと痙攣している。
蜂の目、その複眼がそれぞれ肩で息をする僕を映す。
太っていて、憎い顔、頬が真っ赤になっていてあまり好きじゃない顔だ。
だけど僕は、「――――上様、ナイスやで。トドメを指してーな!!」
レナールの声でハッとする。
そして、四肢をビクンビクンとさせて動けない近衛蜂の頭を「うわぁあああああああああああああああああああああ」とバットをひたすら振りおろす。
びちゃ!びちゃ!びちゃ!と振りおろすたびに青黒く生臭い液体が飛び散る。
いつもなら、うげぇ気持ち悪い。と思っていたんだろうが、興奮しているのか。
躊躇なくバットを振りおろし、都度10回目だろうが。
ついに近衛蜂は光の粒子になって消えた。
後に残ったのは、まるで1本の剣。
近衛蜂の黒くまっすぐな針が落ちていた。
輝きもしない。のっぺりとした漆黒、所謂マッドブラックの質感。
導かれるように手にする。
三角錐のように手元から太く先に細くなるレイピアのような形状。
1.2mくらいで、授業で持ったことがある竹刀ぐらいの大きさの感覚。
手元の太さがちょうどよく握り込むとなじんだ。
「うわぁ!上様、近衛蜂の黒針やんか!!激レアドロップやん!」
「バカ! よそ見しないの!累積開放」
レナールが目を輝かせている間に、再び舞い落ちてきた蜂たちがリルの放った火球に吹き飛ばされる。
「おわっ、あんがとリル姉様も、気をつきぃ!」
レナールが何を投げつけてきた。
リルの背後に迫っていた蜂に直撃、ぶわっと目が痛くなるような香りが漂ってきた。
僕にかけてくれた虫除けの香水と同じ香りだ。
ぶぅんぶぅん!と蜂がまさに八の字を描いて嫌がっている。
僕はそれに、「えええい!」と先ほど手に入れた近衛蜂のドロップアイテム【黒針】を突き立てる。
複眼の間、脳天を一直線に突き刺さり、ちからをいれるとそのまま突き破った。
膜のような何かを破る感触、そしてぱあんと軽快に光の粒子となって消えた。
えっ、一撃?!
「わぁお!」
「えっ、マジですか?」
僕が驚いていると、レナールとリルも同じ反応をする。
「さすがですね、旦那様」とシオンが振り返り様にほほ笑んでくれた。
胸がかっと熱くなる。
すると不思議と体に力が沸き上がり、蜂への恐怖心が減ってきた。
「うぉおおおおおお!」と近くに舞い降りてきた蜂を同じように【黒針】で脳天貫いてやると光の粒子へと消えていった。
この【黒針】で突き立てれば、やはりノーマルの蜂ぐらいなら一撃のようだ。
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