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ダンジョン編
第9話 奴隷市
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ハーレム
酒池肉林の宴
それは男の夢と言っていい。
シオン、超絶なる美少女だ。
髪の毛は、一面に覆われた雪の大地が、大空の星々に照らされているような、夜の輝きを放つ銀髪。
瞳は、そっと伏された黒いまつ毛から覗く紅玉色。
肌は、まるで雪で出来ているかのようで、触ったら解けてなくなってしまうのではないかと思うほどに白い。
胸は、お椀型の大きすぎず小さすぎない手のひらにフィットする美乳。
すべてが完ぺきだ。
シオンさえいればいい。
そう思っている。
だが、
ハーレム
酒池肉林の宴
その響きは、男の夢と言っていい。
時に、高級料理ではなくジャンクフードが食べたくなるような暴飲暴食の衝動があるのもまた事実だ。
二人目の奴隷・・・・・・考えたこともなかったとは、正直言えない。頭の片隅にはあった。
シオンは至高だ。それは絶対。
でも、二つのおっぱいより4つのおっぱいもまた心理。
数は正義だ。
どう説得しようと思ったが、シオンから申し出てくれるなんて。
本当にシオンは最高だな!!
「旦那様」とのシオンの声でハッと我に返る。
「謝肉祭と比べると数は少ないですが、そこそこ数は出ておりますね。よい出会いがあるといいのですが」
謝肉祭というシオン曰くなんちゃらって神を祀るお祝い、いわゆる祭りで生贄を捧げていたのを改宗していつしか、1年に1度の奴隷市の祭りとなったとのだという。
祭りは1週間は続けられ、連日連夜各国の主賓が来たりもする帝国最大の祭りであり、奴隷オークションが神事であり、見せ場であるのだとか。
つまり奴隷の数も質も桁違いで奴隷を買うのなら、そこに集中する。
だから、謝肉祭近くになってくると奴隷商もとっておきは隠し持つことが多く、よっぽどほ上客でないといい奴隷は買えないそうだ。
次の謝肉祭は半年先らしく、当然そんなことを待ってられないと毎週ある奴隷市に顔を出しているのだ。
この日に顔を出すために、午前中は馬車馬の如く働いた。
とある薬屋では、
「ハイポーション? エルフの秘薬なんて置いてあるわけないでしょう。冷やかしなら帰っていただきたい」
金貨ジャララララ、
「ポーション、全部」
「お客様、次回からは使いをお出しいただければ直接お届けさしていただきます」
机に額をつけながら頭を下げる店主をしり目に店を出る。
とある冒険者ギルドでは、
「おいおい、奴隷の女を連れて。冒険者登録だ。どこぞの貴族様だぁ、ああっ?」
と筋骨隆々のモヒカンがテンプレ展開のごとく絡んできたのを、
「ほい」と黄金卿からの推薦状を受付嬢に渡す。
「・・・・・・お、黄金卿からの推薦状?! たたたた只今、すぐに手配させていただきます!!」
ちらりと、モヒカンは見ればすでに視界にはなくキョロキョロと周りを見渡せば下から声が聞こえた。
「へっへへ、だ、旦那。靴に埃がついてやしたぜ」と服の裾で靴を磨いていた。
そんな感じで時に金、時に権力を使いながら高速で仕事を終わらせてここに来たのだ。
「ぐぉおおお!!!!」
「うぉお!」
ガン!と真横で鉄格子の鉄がわななく、中を見れば羽の生えたライオンのような動物、モンスターだろうが凶悪な爪を打ちつている。
どうやら奴隷市に着いたようだ。
人だけでなくモンスターも見世物ように並べられているんだな。
獣を入れておくような鉄格子の檻が無数に並べられてひとつの通路になっている。
どことなく動物園の匂いがする。
当然、獣に興味はない。
足早に抜けて、人がいるエリアへと入った。
「おっおおお」
ここが、奴隷市か。
檻に入っている人もいれば、数珠つなぎのように鎖でつながれて一列に並べられている人もいる。
「こいつは亜人族の戦士長だったやつだ!!」
見れば、台の上でつばの広い帽子をかぶった豪奢な恰好の男が叫んでいる。
ちらりと見たが、褐色の肌にガチムチマッチョなムエタイの選手みたいなやつがつながれていた。
・・・・・・男だったのでスルーだ。
だが、
「戦士長」とシオンが反応する。
足をとめ、
「旦那様」
「だめ」
シオンの言葉を即座に否定する。
「・・・・・・」
「や、約束」
「承知致しました」とシオンの諦めの嘆息を聞きながら、手を引いて奥へと行く。
シオンとの約束、それはシオンは奴隷に男を希望したのだ。
ダンジョンに潜るなら強いほうがいいと。
もちろん、全否定だ。野郎の奴隷なんて絶対に買うものか。
買うのは、女の子。それも美女or美少女だ。
俺のハーレムにいっていいのは、女の子だけだ!
という絶対の意思のもと、その代わりにシオンの意見もちゃんと聞くと言うことで話し合いは落ち着いたというか納得させた。
ふぅ~苦労した午前中だったぜ。
と思っていると、テント群が見えてくる。
かなりの人で賑わっていて異様な熱気がある。
それもそのはず・・・・・・「ウホッ」と思わず声と笑みが漏れてしまう。
色とりどりの髪、体格から背格好、年齢、種族がどうみても違う大小さまざまな女の子たちがいた。
共通するのはシオンと同じく黒光りする首輪をハメられているということだろうか。
あの娘、乳でけぇ!
うひょひょ、いいケツしてやがるぜ!
まさに選り取り見取りだ。
全員買いたいぐらいだが、それは出来ない。
なぜなら、
【帝国市民は、月に1人までしか奴隷の購入が出来ない】という帝国法という悪法があるそうだ。
誰だ、そんな余計な法を作った奴は!!言いたいが法で決まっているなら仕方がない。
シオンは先月買ったという括りになるらしいのが不幸中の幸いだった。
それでも今月は1人しか買えないのだ。
慎重に選らばないとならない。
シオンとともに女の子の奴隷が集まったところをくまなく見回ることにした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ど、どう?」
ひとしきりテント群を見て回わりシオンに行くと、
「うーん」とシオンは微妙そうな反応だ。
どうやらシオンの御眼鏡にかなう子はいなかったようだ。
それに比べ、こちらは上々だ。
どの娘にしようか迷ってしまうほどだ。
なにせ、ここの世界は顔面偏差値が高い。
どの娘も可愛い。
さすがにシオンクラスに匹敵する子はいなかったが、十分合格点だ。
「あ、あのケモ耳、は?」
どこぞの国の元冒険者らしくギャンブルで身を崩して、奴隷になったとかいうケモ耳少女だ。
元冒険者なら戦闘もダンジョンも出来るだろう。
「・・・・・・少々落ち着きと協調性に欠けるかと」
それがいいんだけどな。是非腹の上で暴れて欲しい。
それに僕のチンポでちゃんと調教するよ。
「じゃ、あああの、牛ちゃんは?」
牛人族。その種族の名に負けることもない、その胸はでかくホルスタインと見まごうばかりだ。
あの乳は、男として一度揉みしだいておきたい。
「・・・・・・愚鈍で戦闘能力に疑いがあります」
それを言われてしまうとあれなのだが、店主のこの胸を使っての搾乳プレイ。へっへへ、ミルクを搾るのも出すのも得意なんですぜ。という下衆な笑いが頭から離れない。
「あのテントで最後のようです」とシオンが指さす。
赤を基調としており、まるで絨毯で出来たテントのような豪華さでひと際目立つ。
そのせいか、列が出来ているほどだったが、並び暫く立つと通された。
「お客様大変申し訳ございませんが、お並びの方も多くオークションまで時間がありませんので、検分はこの砂時計が終わるまでとさしていただきます」
テントに入ると開口一番にヒゲ面の店主にそう告げられる。
「奴隷市ではすべての奴隷はオークションでのみの売買となっているんです」とシオンが小声で補則してくれた。
鼓膜にかかるシオンの声が最高で、ゾクゾクとしてしまう。
よし、今日買った子合わせて、3Pだなと期待に股間が膨らむ。
「ふんっ、ゴブリンみたいに醜悪な顔。いやその体つきからしてオークね!」
テントの絨毯の上にちょっこんと座る少女。
黒い髪と額の境目に左右対称に小さい角が見て取れる。
まん丸の目を薄緑の瞳を反抗的に細めてこちらをにらんでいる。
そして何より特徴的なのが、腰のあたりから伸びるだらんとした黒い一房の髪の毛・・・・・・いや毛先もとい尻尾の先がクルリと回りこちらを見るように向く。
猫の尻尾というよりも悪魔の尻尾といったほうがイメージ的にはあってそうだ。
悪魔っ子のロリか・・・・・・顔はなかなかに可愛い。
全体的に小さく黒髪のあいまって日本人形のような趣がある。
目は薄緑色だけど。
キッ!とこちらをにらんで反抗的な態度をとっているようだが、よく見れば足が震えていて、虚勢を張っているのが分かる。
そうしてみるとこの態度も可愛いものだ。
うーん、確かにいじめたくなる感じで、加虐心をそそられるな。
「もしかして」とシオンが膝を下ろして悪魔ロリと目線を合わせて話し出した。
うんうん可愛い子同士がしゃべっているだけで絵になる。
やはり奴隷は多いにこしたことがないな。
「あなたって幽鬼族じゃないかしら」
「――――っ! し、知らない」
幽鬼族? なんだそれ??
「失礼、あなた様はもしやシュッサク様では?」
シオンの質問を気にしていると店主から話しかけられた。
「えっあふぁはい」
おっさんが急に話しかけてくるな!どもっちまったじゃないか。
店主のおっさんはニッコリとほほ笑む気にした風もなく「やはりそうでしたか!」と目を輝かした。
「帝国のコロセウム史上最大に勝たれたギャンブラーであるシュッサク様に起こしいただけるとは奴隷商としてこれ以上に名誉なことはございません」
わたくしは、しがない奴隷商ソングスぜひ、お見知り置きをと頭を下げる。
「どうでしょう。本日の奴隷市でも一番の目玉になることになるでしょう。希少な魔鬼族でして、名前はリルと申します」
魔鬼族? でもさっきシオンは幽鬼族って聞いてた気がしたけど。
店主は、こちらを上客であると思っているのだろう。
リルという少女の希少性や売りポイントを説明してきた。
長いので省力すると、
ようは魔法が使えるということだ。
そして僕にとってこれは有益だが、処女であるらしい。
ただこの世界で処女とは別にセールスポイントでもなんでもなく、むしろ面倒なら優秀な調教師を紹介するとまでも言われた。
もちろんお断りだ!
調教は、僕がじっくりねっとりとやる。
「おい、リル。シュッサク様に魔法をお見せしろ!」
「ちっ・・・・・・もう魔力がない」
「うるさい! 口答えするな絞り出せ!!」
「そんなこと言った――――っ」
くぅっ!とリルが倒れる。どうやら店主に尻尾を捕まれているようだ。
「や、やめろ。乱暴にするな!このくそ人間どもがっ!」
「おらっ!!だったらさっさと魔法を使わないか」と尻尾をグイグイと引っ張られる。
クゥ~とリルが情けない声を出して、瞳に涙を貯めながら店主をにらみつけている。
「そ、そんなにやるなら食らわしてやるよ!!」
リルが右手を掲げて、もやのような白い何が出現して、それが煙が渦を巻くように集まり、ぼんっと解き放たれる。
放たれたそれは、炎を渦巻き、火球となってテントの屋根へと直撃する。
熱風がこちらまで届いてきて、かなりの熱量だ。
これが直撃したらかなりのダメージや火傷を負うことになるだろう。
ダンジョンでも使えそうだ。
「どうでしょうか? シュッサク様。この威力、このようにあたりに爆散して近くに可燃物があったらこのようにその後も燃え続けるので―――――お前たち、水を持ってこい。すぐに火を消せ!!」
リルが放った火球はすごい勢いでテントを燃え広げている。
僕たちも慌ててテントを飛び出し、並んでいる客も一目散に逃げだす。
その後、テントの消火活動に当てられて検分どろろではなくなった。
まぁ見るものは見れたからよしとしよう。
あとは適当にシオンとお茶でもしながら、オークションが開始されるのを待とう。
うーん、最後のリルって子も魔法使いというのは魅力的だな。
ロリっ子枠としてもいい。
ただやんちゃそうな猫耳の娘もケモ耳枠として悪くない。
いやでも牛乳の娘の搾乳プレイも捨てがたいんだよな・・・・・・。
「し、シオン」
テントのほうへと目を向けているシオンを呼ぶと、紅玉の瞳がこちらをまっすぐ見る。
「旦那様・・・・・・あの子がいいと思います」
「な、なんで」
誰?とは聞かない。たぶん最後にあったリルという少女だろ。唯一話を聞いていたしな。
「否定しましたが、幽鬼族でしょう。それも魔法使いの。幽鬼族は大変希少でそれ一人でお城が一つ買えるとも言われています」
うそ、だって。店主は、魔鬼族だって言ってなかったか。
言葉にしない疑問にシオンは答える。
「恐らく幽鬼族と気づいてないでしょう。それに万が一違ったら大問題になります」
旦那様と、シオンが僕の腕を強く掴む。
「ダンジョンを攻略するなら絶対に必要な人材です。ぜひオークションで買いましょう」
シオンはかなり真摯だ。
「うーん」と唸ってしまう。
あの店主とのやりとりや態度を見る限り、なかなか強情そうだしな。
ロリっ子も嫌いじゃないが、どちらかというとおっぱいが大きい子のほうが・・・・・・。
「ひゃあ」
そっとシオンの吐息が耳にかかる。
甘くキレイ、琴のように繊細な声色でシオンが囁く。
「調教は私も手伝いますので、なにとぞ、旦那様」と耳カプしてきた!
電流が背筋を通る。
シオン、なんて魔性の女の子になってしまったんだ!
「リノに、しよう・・・・・・」
そう言うしかなかった。
「そそそ、そしたら、」
「はい、3人で楽しみましょう、旦那様」とシオンが紅玉の瞳が怪しい光を放ちながら、耳元でそう囁くのだった。
酒池肉林の宴
それは男の夢と言っていい。
シオン、超絶なる美少女だ。
髪の毛は、一面に覆われた雪の大地が、大空の星々に照らされているような、夜の輝きを放つ銀髪。
瞳は、そっと伏された黒いまつ毛から覗く紅玉色。
肌は、まるで雪で出来ているかのようで、触ったら解けてなくなってしまうのではないかと思うほどに白い。
胸は、お椀型の大きすぎず小さすぎない手のひらにフィットする美乳。
すべてが完ぺきだ。
シオンさえいればいい。
そう思っている。
だが、
ハーレム
酒池肉林の宴
その響きは、男の夢と言っていい。
時に、高級料理ではなくジャンクフードが食べたくなるような暴飲暴食の衝動があるのもまた事実だ。
二人目の奴隷・・・・・・考えたこともなかったとは、正直言えない。頭の片隅にはあった。
シオンは至高だ。それは絶対。
でも、二つのおっぱいより4つのおっぱいもまた心理。
数は正義だ。
どう説得しようと思ったが、シオンから申し出てくれるなんて。
本当にシオンは最高だな!!
「旦那様」とのシオンの声でハッと我に返る。
「謝肉祭と比べると数は少ないですが、そこそこ数は出ておりますね。よい出会いがあるといいのですが」
謝肉祭というシオン曰くなんちゃらって神を祀るお祝い、いわゆる祭りで生贄を捧げていたのを改宗していつしか、1年に1度の奴隷市の祭りとなったとのだという。
祭りは1週間は続けられ、連日連夜各国の主賓が来たりもする帝国最大の祭りであり、奴隷オークションが神事であり、見せ場であるのだとか。
つまり奴隷の数も質も桁違いで奴隷を買うのなら、そこに集中する。
だから、謝肉祭近くになってくると奴隷商もとっておきは隠し持つことが多く、よっぽどほ上客でないといい奴隷は買えないそうだ。
次の謝肉祭は半年先らしく、当然そんなことを待ってられないと毎週ある奴隷市に顔を出しているのだ。
この日に顔を出すために、午前中は馬車馬の如く働いた。
とある薬屋では、
「ハイポーション? エルフの秘薬なんて置いてあるわけないでしょう。冷やかしなら帰っていただきたい」
金貨ジャララララ、
「ポーション、全部」
「お客様、次回からは使いをお出しいただければ直接お届けさしていただきます」
机に額をつけながら頭を下げる店主をしり目に店を出る。
とある冒険者ギルドでは、
「おいおい、奴隷の女を連れて。冒険者登録だ。どこぞの貴族様だぁ、ああっ?」
と筋骨隆々のモヒカンがテンプレ展開のごとく絡んできたのを、
「ほい」と黄金卿からの推薦状を受付嬢に渡す。
「・・・・・・お、黄金卿からの推薦状?! たたたた只今、すぐに手配させていただきます!!」
ちらりと、モヒカンは見ればすでに視界にはなくキョロキョロと周りを見渡せば下から声が聞こえた。
「へっへへ、だ、旦那。靴に埃がついてやしたぜ」と服の裾で靴を磨いていた。
そんな感じで時に金、時に権力を使いながら高速で仕事を終わらせてここに来たのだ。
「ぐぉおおお!!!!」
「うぉお!」
ガン!と真横で鉄格子の鉄がわななく、中を見れば羽の生えたライオンのような動物、モンスターだろうが凶悪な爪を打ちつている。
どうやら奴隷市に着いたようだ。
人だけでなくモンスターも見世物ように並べられているんだな。
獣を入れておくような鉄格子の檻が無数に並べられてひとつの通路になっている。
どことなく動物園の匂いがする。
当然、獣に興味はない。
足早に抜けて、人がいるエリアへと入った。
「おっおおお」
ここが、奴隷市か。
檻に入っている人もいれば、数珠つなぎのように鎖でつながれて一列に並べられている人もいる。
「こいつは亜人族の戦士長だったやつだ!!」
見れば、台の上でつばの広い帽子をかぶった豪奢な恰好の男が叫んでいる。
ちらりと見たが、褐色の肌にガチムチマッチョなムエタイの選手みたいなやつがつながれていた。
・・・・・・男だったのでスルーだ。
だが、
「戦士長」とシオンが反応する。
足をとめ、
「旦那様」
「だめ」
シオンの言葉を即座に否定する。
「・・・・・・」
「や、約束」
「承知致しました」とシオンの諦めの嘆息を聞きながら、手を引いて奥へと行く。
シオンとの約束、それはシオンは奴隷に男を希望したのだ。
ダンジョンに潜るなら強いほうがいいと。
もちろん、全否定だ。野郎の奴隷なんて絶対に買うものか。
買うのは、女の子。それも美女or美少女だ。
俺のハーレムにいっていいのは、女の子だけだ!
という絶対の意思のもと、その代わりにシオンの意見もちゃんと聞くと言うことで話し合いは落ち着いたというか納得させた。
ふぅ~苦労した午前中だったぜ。
と思っていると、テント群が見えてくる。
かなりの人で賑わっていて異様な熱気がある。
それもそのはず・・・・・・「ウホッ」と思わず声と笑みが漏れてしまう。
色とりどりの髪、体格から背格好、年齢、種族がどうみても違う大小さまざまな女の子たちがいた。
共通するのはシオンと同じく黒光りする首輪をハメられているということだろうか。
あの娘、乳でけぇ!
うひょひょ、いいケツしてやがるぜ!
まさに選り取り見取りだ。
全員買いたいぐらいだが、それは出来ない。
なぜなら、
【帝国市民は、月に1人までしか奴隷の購入が出来ない】という帝国法という悪法があるそうだ。
誰だ、そんな余計な法を作った奴は!!言いたいが法で決まっているなら仕方がない。
シオンは先月買ったという括りになるらしいのが不幸中の幸いだった。
それでも今月は1人しか買えないのだ。
慎重に選らばないとならない。
シオンとともに女の子の奴隷が集まったところをくまなく見回ることにした。
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「ど、どう?」
ひとしきりテント群を見て回わりシオンに行くと、
「うーん」とシオンは微妙そうな反応だ。
どうやらシオンの御眼鏡にかなう子はいなかったようだ。
それに比べ、こちらは上々だ。
どの娘にしようか迷ってしまうほどだ。
なにせ、ここの世界は顔面偏差値が高い。
どの娘も可愛い。
さすがにシオンクラスに匹敵する子はいなかったが、十分合格点だ。
「あ、あのケモ耳、は?」
どこぞの国の元冒険者らしくギャンブルで身を崩して、奴隷になったとかいうケモ耳少女だ。
元冒険者なら戦闘もダンジョンも出来るだろう。
「・・・・・・少々落ち着きと協調性に欠けるかと」
それがいいんだけどな。是非腹の上で暴れて欲しい。
それに僕のチンポでちゃんと調教するよ。
「じゃ、あああの、牛ちゃんは?」
牛人族。その種族の名に負けることもない、その胸はでかくホルスタインと見まごうばかりだ。
あの乳は、男として一度揉みしだいておきたい。
「・・・・・・愚鈍で戦闘能力に疑いがあります」
それを言われてしまうとあれなのだが、店主のこの胸を使っての搾乳プレイ。へっへへ、ミルクを搾るのも出すのも得意なんですぜ。という下衆な笑いが頭から離れない。
「あのテントで最後のようです」とシオンが指さす。
赤を基調としており、まるで絨毯で出来たテントのような豪華さでひと際目立つ。
そのせいか、列が出来ているほどだったが、並び暫く立つと通された。
「お客様大変申し訳ございませんが、お並びの方も多くオークションまで時間がありませんので、検分はこの砂時計が終わるまでとさしていただきます」
テントに入ると開口一番にヒゲ面の店主にそう告げられる。
「奴隷市ではすべての奴隷はオークションでのみの売買となっているんです」とシオンが小声で補則してくれた。
鼓膜にかかるシオンの声が最高で、ゾクゾクとしてしまう。
よし、今日買った子合わせて、3Pだなと期待に股間が膨らむ。
「ふんっ、ゴブリンみたいに醜悪な顔。いやその体つきからしてオークね!」
テントの絨毯の上にちょっこんと座る少女。
黒い髪と額の境目に左右対称に小さい角が見て取れる。
まん丸の目を薄緑の瞳を反抗的に細めてこちらをにらんでいる。
そして何より特徴的なのが、腰のあたりから伸びるだらんとした黒い一房の髪の毛・・・・・・いや毛先もとい尻尾の先がクルリと回りこちらを見るように向く。
猫の尻尾というよりも悪魔の尻尾といったほうがイメージ的にはあってそうだ。
悪魔っ子のロリか・・・・・・顔はなかなかに可愛い。
全体的に小さく黒髪のあいまって日本人形のような趣がある。
目は薄緑色だけど。
キッ!とこちらをにらんで反抗的な態度をとっているようだが、よく見れば足が震えていて、虚勢を張っているのが分かる。
そうしてみるとこの態度も可愛いものだ。
うーん、確かにいじめたくなる感じで、加虐心をそそられるな。
「もしかして」とシオンが膝を下ろして悪魔ロリと目線を合わせて話し出した。
うんうん可愛い子同士がしゃべっているだけで絵になる。
やはり奴隷は多いにこしたことがないな。
「あなたって幽鬼族じゃないかしら」
「――――っ! し、知らない」
幽鬼族? なんだそれ??
「失礼、あなた様はもしやシュッサク様では?」
シオンの質問を気にしていると店主から話しかけられた。
「えっあふぁはい」
おっさんが急に話しかけてくるな!どもっちまったじゃないか。
店主のおっさんはニッコリとほほ笑む気にした風もなく「やはりそうでしたか!」と目を輝かした。
「帝国のコロセウム史上最大に勝たれたギャンブラーであるシュッサク様に起こしいただけるとは奴隷商としてこれ以上に名誉なことはございません」
わたくしは、しがない奴隷商ソングスぜひ、お見知り置きをと頭を下げる。
「どうでしょう。本日の奴隷市でも一番の目玉になることになるでしょう。希少な魔鬼族でして、名前はリルと申します」
魔鬼族? でもさっきシオンは幽鬼族って聞いてた気がしたけど。
店主は、こちらを上客であると思っているのだろう。
リルという少女の希少性や売りポイントを説明してきた。
長いので省力すると、
ようは魔法が使えるということだ。
そして僕にとってこれは有益だが、処女であるらしい。
ただこの世界で処女とは別にセールスポイントでもなんでもなく、むしろ面倒なら優秀な調教師を紹介するとまでも言われた。
もちろんお断りだ!
調教は、僕がじっくりねっとりとやる。
「おい、リル。シュッサク様に魔法をお見せしろ!」
「ちっ・・・・・・もう魔力がない」
「うるさい! 口答えするな絞り出せ!!」
「そんなこと言った――――っ」
くぅっ!とリルが倒れる。どうやら店主に尻尾を捕まれているようだ。
「や、やめろ。乱暴にするな!このくそ人間どもがっ!」
「おらっ!!だったらさっさと魔法を使わないか」と尻尾をグイグイと引っ張られる。
クゥ~とリルが情けない声を出して、瞳に涙を貯めながら店主をにらみつけている。
「そ、そんなにやるなら食らわしてやるよ!!」
リルが右手を掲げて、もやのような白い何が出現して、それが煙が渦を巻くように集まり、ぼんっと解き放たれる。
放たれたそれは、炎を渦巻き、火球となってテントの屋根へと直撃する。
熱風がこちらまで届いてきて、かなりの熱量だ。
これが直撃したらかなりのダメージや火傷を負うことになるだろう。
ダンジョンでも使えそうだ。
「どうでしょうか? シュッサク様。この威力、このようにあたりに爆散して近くに可燃物があったらこのようにその後も燃え続けるので―――――お前たち、水を持ってこい。すぐに火を消せ!!」
リルが放った火球はすごい勢いでテントを燃え広げている。
僕たちも慌ててテントを飛び出し、並んでいる客も一目散に逃げだす。
その後、テントの消火活動に当てられて検分どろろではなくなった。
まぁ見るものは見れたからよしとしよう。
あとは適当にシオンとお茶でもしながら、オークションが開始されるのを待とう。
うーん、最後のリルって子も魔法使いというのは魅力的だな。
ロリっ子枠としてもいい。
ただやんちゃそうな猫耳の娘もケモ耳枠として悪くない。
いやでも牛乳の娘の搾乳プレイも捨てがたいんだよな・・・・・・。
「し、シオン」
テントのほうへと目を向けているシオンを呼ぶと、紅玉の瞳がこちらをまっすぐ見る。
「旦那様・・・・・・あの子がいいと思います」
「な、なんで」
誰?とは聞かない。たぶん最後にあったリルという少女だろ。唯一話を聞いていたしな。
「否定しましたが、幽鬼族でしょう。それも魔法使いの。幽鬼族は大変希少でそれ一人でお城が一つ買えるとも言われています」
うそ、だって。店主は、魔鬼族だって言ってなかったか。
言葉にしない疑問にシオンは答える。
「恐らく幽鬼族と気づいてないでしょう。それに万が一違ったら大問題になります」
旦那様と、シオンが僕の腕を強く掴む。
「ダンジョンを攻略するなら絶対に必要な人材です。ぜひオークションで買いましょう」
シオンはかなり真摯だ。
「うーん」と唸ってしまう。
あの店主とのやりとりや態度を見る限り、なかなか強情そうだしな。
ロリっ子も嫌いじゃないが、どちらかというとおっぱいが大きい子のほうが・・・・・・。
「ひゃあ」
そっとシオンの吐息が耳にかかる。
甘くキレイ、琴のように繊細な声色でシオンが囁く。
「調教は私も手伝いますので、なにとぞ、旦那様」と耳カプしてきた!
電流が背筋を通る。
シオン、なんて魔性の女の子になってしまったんだ!
「リノに、しよう・・・・・・」
そう言うしかなかった。
「そそそ、そしたら、」
「はい、3人で楽しみましょう、旦那様」とシオンが紅玉の瞳が怪しい光を放ちながら、耳元でそう囁くのだった。
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さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。
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