【R18】World after 1 minute 1分後の先読み能力で金貨100万枚稼いだ僕は異世界で奴隷ハーレムを築きます

ロータス

文字の大きさ
上 下
11 / 69
ダンジョン編

第7話 黄金の意思

しおりを挟む
マッチョなボディに剃り上がった金髪、色黒の肌は健康そうで、どこぞのお笑い芸人を彷彿させる風態だ。

齢は 60を超えてそうだが、漲る気力が年齢の衰えを感じさせない。

その象徴たる、いきりたった逸物。

その極太で凶悪なそれがシオンの可憐で繊細な花弁のようなアソコにあてがわられる。

一枚一枚、丁寧に纏った花弁を剥がすような愛撫もなく、花壇の花を掻き毟るように一気に貫かれる。

「ーーーっ!」

シオンの眉根にシワがよる。苦悶の声が漏れる。

そんなのお構いなしだ。

「おらっおらっおらっ」と黄金卿は、シオンが浮くほどに腰を打ち付けている。

「がっはははは、どうだ俺のあんなガキのよりいいだろう」と黄金卿の品のない笑い声が響く。

それを僕は見ていることしか出来ない。

「シオンとか言ったか。どうだ、俺のほうがいいだろう!そう言ってみろ!!」

パンパンパン、と蹂躙の音が聞こえる。

「・・・・・・」
答えず、喘がず、シオンの瞳には、何の感情も読み取れない。

そんなシオンに黄金卿は、追い討ちをかける。

「いいから、そう言え!」

シオンの紅玉の瞳と目が合う。薄い唇がそっと開き

「旦那様のより、」


視界が真っ赤に染まる。

握り締めた掌から汗とは違う液体のぬめりを感じた、血が流れているようだ。

それをみて僕は、妄想の世界から帰ってくる。

だめだ。ありえない。

シオンを渡すことは出来ない。

「俺たちも暇じゃないんだ。そろそろ決めてもらおうか」

「旦那様」と今まで黙っていた。シオンが口を開く。

誰もそれを咎めない。シオンの言葉に耳を傾ける。

「私は別に構いません。黄金卿の派閥に入るのは帝国ではとても優位に働きますし。なにより私などよりもはるかにお綺麗な方々をお抱きになれるのです。旦那様にデメリットはありません」

と朗々とシオンが言う。僕の後ろにいてシオンの表情は分からない。

声色からは読み取れることが出来なかった。

淡々とシオンは語る。黄金卿の提案を受けることのメリットを延々と。

それを垂れ流してぎゅっと目を瞑る。この選択が正しいかは分からない。

スキルで確かめることもできない。でも、この選択を正解にするしかない。


「・・・・・・シオン、もういい」

目を瞑り、下を向く。人の顔を見ない。どもり癖を防ぐコツだ。
上手く発声出来た。

「出過ぎた真似を致しました」とシオンは一歩下がるのが気配で分かった。

本当に出過ぎた真似だ。奴隷如きが、これはオシオキをしなくてはならない。

たっぷりと、ねっちこく、激しくとな。

そうシオンにオシオキが出来るのは僕だけだ!!

「断る・・・・・・シオンは渡せない」

「・・・・・・それがどういう意味か分かってるんだろうな、坊主」

ピキピキという漫画の表現が聞こえてきそうなほどの怒気が壁のように迫ってきて押しつぶされそうだ。

それに負けない。
シオンを渡さないために。

「分かっているさ」
「いい度胸じゃねーかっ、ぶち殺し―――」
「―――交渉できるってことが」
「・・・・・・なに? この期に及んで何を言ってるんだ」

5感のひとつである視覚を封じることによってかなのか気配を敏感に感じ取る。黄金卿の気配が変わった。興を削がれたような感じだ。

いける!

「交渉の余地がある」
「ないな。俺がお前をぶちのめした後に、そのシオンとかいうのを目の前で犯して二人ともども殺して終わりだ」
「やっぱりな、それこそが交渉の余地なんだよ」
「なんだと?」

なら、最初からそうすればいいからさ」

さらに畳みかける。反論の余地を与えない。

「こんなまどろこしい選択肢なんていらないんだ。殺せば危険な可能性もないし、もし仮に僕の能力が必要ならこの場で殺すことは出来ない」

「はんっ!おまえの能力なんていらねーよ。その気になれば1分あれば都市の一つでもぶち壊せるぜ」

「じゃあ。なぜ殺さない? 僕の能力が必要ないなら、仲間に引き込むメリットもないはずだ!」

よし、いい感じに話が進んでいる。ここらで譲歩の条件を、

「お前、勘違いしてないか」

――――っ!

一瞬にして体が持ちあがる。首を持ちあがられているようだ。

がっあああああ。


息が苦しい。体の重さに、頭が引き縮れそうだ。

反射的に握った腕は太く、とても振りほどけそうにない。

「俺がお前を殺せないと高を括ってるのか?」

ぐぅうううう、力が強まり、首がへし折れるんじゃないかと思う。


バタバタと足を振り、黄金卿を蹴り上げるがビクともしない。

怒らせてすぎたか。くそっ、バカ力が!

「まずはよう~人様と話すときは目をみて話さんかい!!」

つばが顔面に飛び散って臭い。最悪だ。

「・・・・・・俺の目を見ろ、じゃないと今すぐのこの場でそこのハゲネズミにその女を犯させるぞ」

その言葉に、僕はしぶしぶ目を開け、

「ヒィイ!」

黄金卿と目が合う。

捕食者を思わせる獰猛な黄色の瞳が、小動物である自分を見据えていた。

「確かに、お前の言う通り最初から殺していればこんな面倒なことはないな。そこに気づいたことに褒めてやる」

「あっ・・・・・・は、はいぃい」

「だがらよ、お前の言う通りテストしてやる」

いや、これはテストなんだなんて一言も言ってないんですけど。

「俺の、黄金の拳に耐えてみろ。それをもって結社に特別に入れてやる」

老害特有の無茶苦茶な理論でもって、黄金卿は拳を握る。

指と指との間から、黄金の光が漏れる。

まさにそれは黄金の拳で、何らかのスキルが使われている。
つまり、あれをまともに食らったら無事じゃすまないのは、World after 1 minuteを使うまでもなく分かる。

だけど、それを防ぐスキルも魔法もない。

詰んだ状況だ。

それが分かっているのだろう。黄金卿は獰猛な肉食獣のように笑う。

「もう一度だけ聞いてやる。俺と穴兄弟の契りを交わすと言え」

あまりの恐怖に股間が温かい何かが染み出すのを感じた。
息苦しさに鼻水がたれ、目には涙が溢れてきた。

視界がぼける。黄金卿が霞む。

「嫌だ」そのおかげか、はっきりと言葉が出た。

「死ぬぞ」

「死にたくない。でもシオンは渡せない。・・・・・・殴れよ、来いよ!!」

「意思は変わらないんだな・・・・・・この分からず屋がぁあああ!!!」

黄金卿の拳が迫る、太陽のような強烈な光に包まれた拳でも、僕は目を背けない。

「シオンは僕の者だぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」


叫ぶ、心の慟哭。

一秒が、一分に、一分が、1時間に、時間が引き延ばされていく感覚。

シオンとの思い出が出会った時から読みあがる。これが走馬燈というやつなのだろうか。

シオンごめん。

やっぱりWorld after 1 minuteがないとダメダメだな。僕は今までの人生同様間違った選択肢を選んで――――


万力のように絞められていた首の拘束が外れる。

そして、床に投げ出される。

「げほっげほっ」
「旦那様!!」

シオンが駆け寄ってきてくれた。
ハンカチで僕の汚い顔を拭いてくれた。

シオンの顔は心配そうにこちらをのぞき込んでくれている。


「ふん、ションベンチビって、泣きべそかいて、情けなねぇーな。それでも日本男児か!」

と黄金卿が罵ってくる。だが、と続いた。

「無謀と知りながら、立ち向かおうとしてくる姿勢は悪くかねぇ。特別に契りを交わさずに結社に入れてやる。ありがたく思え」

「へっ・・・・・・」とあまりの展開に思考が追い付かず変な声が漏れる。

「へじゃないだろう」

「な、なんで?」そ素朴に聞くと、黄金卿はそっぽを向いて鼻を掻く。

「俺はよう、見ての通り黄金が好きなんだ。だからよ、さっき見た、お前の変わらぬ意思オウゴン悪かったなったかぜ」

「ど、どど、どういうこと?」

「くっくくくくく」という笑い声で振り返るとサーベル男が笑っていた。

「ああっ~失礼。つまり黄金卿はきみを気に入ったということですよ。よかったですね」

まじかっ。

そう思い黄金卿を見ると、ふんっとばつが悪そうに口をへの字にする。

そしてそれを誤魔化すようにまた大声を上げる。

「うるせー。だがよ、秀作! 変わらぬ意思オウゴンも力がなきゃメッキと変わらねぇ。お前には少なくともそのお嬢ちゃんを守れるだけの力がいるんだよ。分かるか!!」

「あっはい・・・・・・」

「もっと、ちゃんと返事をしろ!」

「はぃ!」

「よし、まずは今日から体を鍛えろ!ぶくぶく太りやがって」

「はぃ!」

「それと冒険者登録しろ!」

「はい!」

「今日から明日から10日間猶予を与える。冒険者になって近場のダンジョン10階層までいけるようになれ」

「は、えっ・・・・・・」

「返事はどうした!」

「はぃいいいい」

老害はうんうんと満足げにうなづく。どうやらこれで当面はしのげそうだ。

「いいか、10日間だぞ。それまでに10階層に行けなかったら、今度こそのそこの銀髪の嬢ちゃんを犯して、腹ますからな」

無茶苦茶だ。

ダンジョンの10階層を目指す。それも10日間しかないなんて。

こっちはお前らみたいなチートスキルはないんだぞ!


僕の心の慟哭は、分かったかぁ!!と怒鳴り声を唾が飛ばしながら上げる老害にかき消され、「はぁいいいいい!!」と返事をするようにほかなかった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。 その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。 危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。 彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。 初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。 そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。 警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。 これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~

味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。 しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。 彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。 故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。 そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。 これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。

処理中です...