2 / 69
プロローグ
プロローグ② ファブラの賭け
しおりを挟む
「是非、じっくりとご覧ください。当方の選りすぐりの娘たちとなっております」
おっぱいが大きい子、小さい子、というか年齢的にあの猫耳の子はなんかはアウトなんじゃないか。
いや異世界というとなんでも許された世界なのか。淫行条例などお構いなしだ。
まったく異世界。いけない子だ。
女性から少女にそれ未満な子まで見ていく中でやはり目がとまるのは彼女一人だ。
気だるそうにする子から、恥ずかしそうにもじもじと裾を抑えている子、積極的にウィンクなんて飛ばしてくる子もいる。
そんななかで彼女だけは背筋をピンと伸ばしこちらの胸辺りで視線を固定して立っている。
訓練されたメイドみたいだ。メイドなんてアニメぐらいでしか見たことないけど。
「ふっふふ」
僕が彼女を熱心に観察していると、ファブラが小さく笑ったのが見えた。
な、なにがおかしいんだこの野郎。
「ドモン、シオンを残して。1~12をだしていい」
ドモンと呼ばれた、先ほど入ってきた禿げた男が女の子たちを出していく。
そしてシオンと呼ばれた、さきほどの少女だけが残った。
「さすがはシュサック様、お目が高い。彼女はかなりレア者。当方の用意できる奴隷のなかで一番の上物でございます。ご挨拶を」
「ハーフヴァンパイアのシオンと申します」
彼女がそう名乗るとビキっと音がしそうなほどに緊張が走った。
心臓が高鳴る。な、なにが起きたのだろうか。
「シオン」とファブラが呼ぶ。
気にせずシオンは「シュサック様。よい出会いになることを」と優雅に頭を下げる。
するとパラパラと雪が舞い散るように細く繊細な銀髪が流れるように落ちる。
ゴクリと溜まった唾を飲み込む。
彼女を買えるのか。そのことで頭がいっぱいで場の空気などどうでもよかった。
「こちらのシオンは、実は貴族の出でございます。色々とあり当方の扱う奴隷となりました。そのため礼儀作法も心得ておりますのでメイドとしても使えます。さらに彼女はハーフヴァンパイアということもあり、高い身体能力、再生力、魔法適正があり、ダンジョン探索される際や護衛などもこなせる戦闘隷奴としても活躍することが出来ます」
ハーフヴァンパイアというのか。通りであどけなさがどことなく残るのに完成された美があるような人間離れした美しさがあるわけだ。
彼女になら血を吸われてもいいかも、なんて。
「ダンジョンでしたら、以前の旦那様にも連れて行ってもらいました。おまかせください」
「シオン…………黙っていろ」
シオンはそう言われると綺麗な紅玉色の瞳を閉じ、小さく頭を下げ一歩下がった。
「失礼致しました。続けましょう」
朗らかにファブラはそう言ったが、さすがに今のやりとりでこちらも気が付いた。
どうやら、シオンはこちらにとってマイナス情報を言っているようだ。
意図は分からないが、…………まさか僕に買われたくないのだろうか。
ショックだ。それに前の旦那様ということはきっと…………。
ああっ、なんだろう一気に冷めてきてしまった。
「ええ、確かに一度奴隷として買われ、転売されております」
ああ、ほらそういうことね。ヤリ捨てってやつだ。
「誰とはもしあげられませんが、さる貴族のお方です。つまりメイドとしての教育が必要ないということも言えますね。ほかにも」
ファブラは一生懸命にシオンのセールスポイントを説明してくるが、先程のことの件が脳裏をよぎりなかなか入って来ない。
それに!とファブラの一際大きな声でようやく我にかえった。
「シオンは、処女でございます」
耳を疑った。
そしてシオンを見る、均整のとれた目鼻、大きすぎ、小さすぎない程よい胸、全体的にさらりとした肢体だが、くびれた腰回りに、上に築き上げたお尻。
「嘘でしょ?」
「嘘ではございません。私共は一切手を出しておりませんし、前の主人も特殊な趣味により手を、いや性交など一切しておりません」
ありえるのかそんなこと。僕なんかじゃ我慢できそうないな。男色の趣味でもあったのだろううか。
「シオン、シュサック様はお疑いのようだ。証拠をお見せしなさい」
えっ!証拠だとっ?!
「かしこまりました」
小さく頭を下げ、シオンが僕の前に立つ。
上から見下げる瞳と目が合う。
ルビーのような綺麗な瞳からは特に感情は感じなかったが、それが無機質的な印象が人形めいていてそれはそれで美しかった。
どう証拠をお見せしてくれるのか?!それを楽しみにドキドキしていると、シオンはくるりと後ろを向いた。
つまり形の良い尻がこちらを向く。
めくって確認してもいいのだろうか。
粗相のないように手汗で濡れる手のひらをズボンの膝でさりげなくふく。
すると、シオンは失礼しますと静かにいい、足を肩幅ほどに広げ、そのまま礼をするように深々と頭を下げた。
所謂、前屈運動である。
裾が短いワンピースの女の子の。
それも奴隷だ。下着などという高級品など身につけているわけでもない。
つまり、ノーパンである。
ノーパンである。
大事なことだ。
目の前に広がる雪原のような白い肌、うっすら輝く銀の煌きは毛だろう。あそこの毛は髪の毛と同じ色みたいだ。
そこにクレパスがあった。
きれいに閉じられたスジマンというやつだろう。
「シオン、そのまま開いてお見せして」
ブァブラ!おまえというやつは!!
いい奴やな。さっきは怖そうとか思ってたけどそんなことなかったんだ。
シオンは命じられたまま白魚のように白く細くきれいな指を伸ばす。
こ、これが、あそこか。
宝箱が開き、なかから目が絡むほどの黄金の輝き、すくなくとも僕にはそのエフェクトが見えた。
ピタリと閉じたクレパスが、一枚一枚花弁を取るように二本の指をV字にして広げられていく。
ピンク色の綺麗なナカ。
これがシオンちゃんのアソコ。
それは神域のように清らかで穢すことを憚れる神聖さを持っていた。
しかし、それ故に清いものを汚してみたいという征服欲が浮かんできた。
「シュサック様、具合を確かめてよろしいですが、万が一傷でもついた場合は即お買い上げいただきます」
それで、ハッとしたどうやらいつのまにか手を伸ばしていたらしい。
慌てて引っ込めると逆にシオンの腕がもう一本伸びてくる。そして、お尻の割れ目へと向かい、そのままこちらも開かれる。
綺麗なアヌスが顔を出し、動かぬ無垢なアソコとは違い、こっちだよとヒクヒクと誘うように蠢いている。
香水でも付けているのか淫靡な香りが鼻腔を誘うようにくすぐってきた。
無垢なるものを汚したいという征服欲とは違う、どこまで一緒に落ちていきたいという怠惰で堕落した欲が駆け巡る。
まさにアソコとアヌスで聖魔一体の身体だ。
「どうでしょう?綺麗なもんでしょ」
はい、大変綺麗です。買います。
僕、シオンちゃん買います。
お金いりません。全額使います。
「シオン、もういい。下がれ。交渉が終わるまで別室にいろ」
ブァブラの命令でシオンちゃんの前屈は終わり、薄汚れたワンピースが前に来るが、それでも形がいいお尻というのは分かる。
今すぐむしゃぶりつきたいぐらいだ。
シオンは頭を下げ、何事もなかったかのような退室していった。
「では早速シオンの値段ですが、先程も言った通り貴族の出であり、紛れで高貴!正直大変お高くなっております」
うるせーよ、幾らでもいいから言いやがれ!
言い値で買うたるわ!
「でで、いいい、いくら?」
「1千万リーゲル」
なんだ、買えるじゃん。いいよと口を開こうとした時、
「と、言いたいところですが、シュサック様は大切なお客様こちらも勉強させて頂きます。ズバリ、500万リーゲル。ハーフだけに半額にさせていただきます。・・・・・・ここ笑いどころなんですがね。はっははは」
はっははは、じゃね!
いきなり半額も減りやがった!
正直、奴隷の相場なんて分からないけど。
これたぶん、相当ぼられてるぞ!!
それだけはわかる。
だがどう下げるか、値引き交渉したいが、喋りには自信がない。
どうしたものか。悩んでいるとブァブラが分かりやすいぐらいのため息をついた。
「こちらもかなり勉強したんですがね。迷われるというのなら・・・・・・」と虚空を見つめる。
なんだ?とみていると、わざとらしいぐらいに、いいことを思いつきました!と手を叩いた。
「では、どうでしょう?ここはギャンブルの最高峰、コロセウム。ゲームで決めるというのは?」
ゲーム?
「トランプカードを使った簡単な二者択一の簡単なゲームです。シュサック様が勝てば、シオンをタダでお渡しいたします。そのかわりシュサック様が外した場合は、勝ち金を置いていて頂くということで」
どす黒い笑顔だ。思わず怯みそうになるが、
「ややや、やるよ」と答えた。
「おおっ、流石はシュサック様!早速準備いたします」
どうせやらないと帰れないのだろう。あっちはどうあっても勝ち金を帳消しにしたいらしい。
まぁ、すぐに殺されないだけマシと思うべきだろう。
しかしな、こちらはスキルがあるんだ。1分間の出来事がわかるんだ。こんな単純なゲームで負けるわけがないというのもある。
「ではまずカードは……おお、ラッキー7ですか」
「あ、ああああの」
「なんでございましょう? 何か私どもに不手際が?」
ひぃいいい、睨まないでよ。怖いじゃないか
「そそそうじゃ、ない。ひひひ引き分け、とか、ジョーカー」
「ああ、そういうことでしたか。その心配はございません。カードはこの2枚」
そう言ってファブラは7のカードの横に2枚のカードを置いた。
「どちかが7より下か上でございます。シュサック様にはそうですね、…………上のカードを選んでいただきましょう。どうぞ」
そういうことか。それなら引き分けはないということか。
確率は50%。
まぁスキルがあるから、100%勝てるけどね。
World after 1 minute発動、まずは右のカード。
右のカードは、5だった。そして朗らかな笑顔を浮かべるファブラに見送られるように部屋出ていく、悲壮感漂う僕の背中。
はずれだ。一応、左のカードも見ておくか。
World after 1 minute発動。
左のカードは、3だった。同じように朗らかな笑顔を浮かべるファブラに見送られるように部屋出ていく、悲壮感漂う僕の背中。
スキルが切れシミュレーションが終わる。
こいつ、はめやがった。最初からはずれしかないんだ。
あまりの理不尽さに頭にかぁーと血が上っていくのを感じた。
体中が熱い。
さきほどまで無事に帰れればそれでいい。
そう思っていたのに。
絶対にシオンは手に入れる。
その想いが体を駆け巡り、あふれる思いそのままに両手で左右のカードをたたきつけるように僕は抑えた。
おっぱいが大きい子、小さい子、というか年齢的にあの猫耳の子はなんかはアウトなんじゃないか。
いや異世界というとなんでも許された世界なのか。淫行条例などお構いなしだ。
まったく異世界。いけない子だ。
女性から少女にそれ未満な子まで見ていく中でやはり目がとまるのは彼女一人だ。
気だるそうにする子から、恥ずかしそうにもじもじと裾を抑えている子、積極的にウィンクなんて飛ばしてくる子もいる。
そんななかで彼女だけは背筋をピンと伸ばしこちらの胸辺りで視線を固定して立っている。
訓練されたメイドみたいだ。メイドなんてアニメぐらいでしか見たことないけど。
「ふっふふ」
僕が彼女を熱心に観察していると、ファブラが小さく笑ったのが見えた。
な、なにがおかしいんだこの野郎。
「ドモン、シオンを残して。1~12をだしていい」
ドモンと呼ばれた、先ほど入ってきた禿げた男が女の子たちを出していく。
そしてシオンと呼ばれた、さきほどの少女だけが残った。
「さすがはシュサック様、お目が高い。彼女はかなりレア者。当方の用意できる奴隷のなかで一番の上物でございます。ご挨拶を」
「ハーフヴァンパイアのシオンと申します」
彼女がそう名乗るとビキっと音がしそうなほどに緊張が走った。
心臓が高鳴る。な、なにが起きたのだろうか。
「シオン」とファブラが呼ぶ。
気にせずシオンは「シュサック様。よい出会いになることを」と優雅に頭を下げる。
するとパラパラと雪が舞い散るように細く繊細な銀髪が流れるように落ちる。
ゴクリと溜まった唾を飲み込む。
彼女を買えるのか。そのことで頭がいっぱいで場の空気などどうでもよかった。
「こちらのシオンは、実は貴族の出でございます。色々とあり当方の扱う奴隷となりました。そのため礼儀作法も心得ておりますのでメイドとしても使えます。さらに彼女はハーフヴァンパイアということもあり、高い身体能力、再生力、魔法適正があり、ダンジョン探索される際や護衛などもこなせる戦闘隷奴としても活躍することが出来ます」
ハーフヴァンパイアというのか。通りであどけなさがどことなく残るのに完成された美があるような人間離れした美しさがあるわけだ。
彼女になら血を吸われてもいいかも、なんて。
「ダンジョンでしたら、以前の旦那様にも連れて行ってもらいました。おまかせください」
「シオン…………黙っていろ」
シオンはそう言われると綺麗な紅玉色の瞳を閉じ、小さく頭を下げ一歩下がった。
「失礼致しました。続けましょう」
朗らかにファブラはそう言ったが、さすがに今のやりとりでこちらも気が付いた。
どうやら、シオンはこちらにとってマイナス情報を言っているようだ。
意図は分からないが、…………まさか僕に買われたくないのだろうか。
ショックだ。それに前の旦那様ということはきっと…………。
ああっ、なんだろう一気に冷めてきてしまった。
「ええ、確かに一度奴隷として買われ、転売されております」
ああ、ほらそういうことね。ヤリ捨てってやつだ。
「誰とはもしあげられませんが、さる貴族のお方です。つまりメイドとしての教育が必要ないということも言えますね。ほかにも」
ファブラは一生懸命にシオンのセールスポイントを説明してくるが、先程のことの件が脳裏をよぎりなかなか入って来ない。
それに!とファブラの一際大きな声でようやく我にかえった。
「シオンは、処女でございます」
耳を疑った。
そしてシオンを見る、均整のとれた目鼻、大きすぎ、小さすぎない程よい胸、全体的にさらりとした肢体だが、くびれた腰回りに、上に築き上げたお尻。
「嘘でしょ?」
「嘘ではございません。私共は一切手を出しておりませんし、前の主人も特殊な趣味により手を、いや性交など一切しておりません」
ありえるのかそんなこと。僕なんかじゃ我慢できそうないな。男色の趣味でもあったのだろううか。
「シオン、シュサック様はお疑いのようだ。証拠をお見せしなさい」
えっ!証拠だとっ?!
「かしこまりました」
小さく頭を下げ、シオンが僕の前に立つ。
上から見下げる瞳と目が合う。
ルビーのような綺麗な瞳からは特に感情は感じなかったが、それが無機質的な印象が人形めいていてそれはそれで美しかった。
どう証拠をお見せしてくれるのか?!それを楽しみにドキドキしていると、シオンはくるりと後ろを向いた。
つまり形の良い尻がこちらを向く。
めくって確認してもいいのだろうか。
粗相のないように手汗で濡れる手のひらをズボンの膝でさりげなくふく。
すると、シオンは失礼しますと静かにいい、足を肩幅ほどに広げ、そのまま礼をするように深々と頭を下げた。
所謂、前屈運動である。
裾が短いワンピースの女の子の。
それも奴隷だ。下着などという高級品など身につけているわけでもない。
つまり、ノーパンである。
ノーパンである。
大事なことだ。
目の前に広がる雪原のような白い肌、うっすら輝く銀の煌きは毛だろう。あそこの毛は髪の毛と同じ色みたいだ。
そこにクレパスがあった。
きれいに閉じられたスジマンというやつだろう。
「シオン、そのまま開いてお見せして」
ブァブラ!おまえというやつは!!
いい奴やな。さっきは怖そうとか思ってたけどそんなことなかったんだ。
シオンは命じられたまま白魚のように白く細くきれいな指を伸ばす。
こ、これが、あそこか。
宝箱が開き、なかから目が絡むほどの黄金の輝き、すくなくとも僕にはそのエフェクトが見えた。
ピタリと閉じたクレパスが、一枚一枚花弁を取るように二本の指をV字にして広げられていく。
ピンク色の綺麗なナカ。
これがシオンちゃんのアソコ。
それは神域のように清らかで穢すことを憚れる神聖さを持っていた。
しかし、それ故に清いものを汚してみたいという征服欲が浮かんできた。
「シュサック様、具合を確かめてよろしいですが、万が一傷でもついた場合は即お買い上げいただきます」
それで、ハッとしたどうやらいつのまにか手を伸ばしていたらしい。
慌てて引っ込めると逆にシオンの腕がもう一本伸びてくる。そして、お尻の割れ目へと向かい、そのままこちらも開かれる。
綺麗なアヌスが顔を出し、動かぬ無垢なアソコとは違い、こっちだよとヒクヒクと誘うように蠢いている。
香水でも付けているのか淫靡な香りが鼻腔を誘うようにくすぐってきた。
無垢なるものを汚したいという征服欲とは違う、どこまで一緒に落ちていきたいという怠惰で堕落した欲が駆け巡る。
まさにアソコとアヌスで聖魔一体の身体だ。
「どうでしょう?綺麗なもんでしょ」
はい、大変綺麗です。買います。
僕、シオンちゃん買います。
お金いりません。全額使います。
「シオン、もういい。下がれ。交渉が終わるまで別室にいろ」
ブァブラの命令でシオンちゃんの前屈は終わり、薄汚れたワンピースが前に来るが、それでも形がいいお尻というのは分かる。
今すぐむしゃぶりつきたいぐらいだ。
シオンは頭を下げ、何事もなかったかのような退室していった。
「では早速シオンの値段ですが、先程も言った通り貴族の出であり、紛れで高貴!正直大変お高くなっております」
うるせーよ、幾らでもいいから言いやがれ!
言い値で買うたるわ!
「でで、いいい、いくら?」
「1千万リーゲル」
なんだ、買えるじゃん。いいよと口を開こうとした時、
「と、言いたいところですが、シュサック様は大切なお客様こちらも勉強させて頂きます。ズバリ、500万リーゲル。ハーフだけに半額にさせていただきます。・・・・・・ここ笑いどころなんですがね。はっははは」
はっははは、じゃね!
いきなり半額も減りやがった!
正直、奴隷の相場なんて分からないけど。
これたぶん、相当ぼられてるぞ!!
それだけはわかる。
だがどう下げるか、値引き交渉したいが、喋りには自信がない。
どうしたものか。悩んでいるとブァブラが分かりやすいぐらいのため息をついた。
「こちらもかなり勉強したんですがね。迷われるというのなら・・・・・・」と虚空を見つめる。
なんだ?とみていると、わざとらしいぐらいに、いいことを思いつきました!と手を叩いた。
「では、どうでしょう?ここはギャンブルの最高峰、コロセウム。ゲームで決めるというのは?」
ゲーム?
「トランプカードを使った簡単な二者択一の簡単なゲームです。シュサック様が勝てば、シオンをタダでお渡しいたします。そのかわりシュサック様が外した場合は、勝ち金を置いていて頂くということで」
どす黒い笑顔だ。思わず怯みそうになるが、
「ややや、やるよ」と答えた。
「おおっ、流石はシュサック様!早速準備いたします」
どうせやらないと帰れないのだろう。あっちはどうあっても勝ち金を帳消しにしたいらしい。
まぁ、すぐに殺されないだけマシと思うべきだろう。
しかしな、こちらはスキルがあるんだ。1分間の出来事がわかるんだ。こんな単純なゲームで負けるわけがないというのもある。
「ではまずカードは……おお、ラッキー7ですか」
「あ、ああああの」
「なんでございましょう? 何か私どもに不手際が?」
ひぃいいい、睨まないでよ。怖いじゃないか
「そそそうじゃ、ない。ひひひ引き分け、とか、ジョーカー」
「ああ、そういうことでしたか。その心配はございません。カードはこの2枚」
そう言ってファブラは7のカードの横に2枚のカードを置いた。
「どちかが7より下か上でございます。シュサック様にはそうですね、…………上のカードを選んでいただきましょう。どうぞ」
そういうことか。それなら引き分けはないということか。
確率は50%。
まぁスキルがあるから、100%勝てるけどね。
World after 1 minute発動、まずは右のカード。
右のカードは、5だった。そして朗らかな笑顔を浮かべるファブラに見送られるように部屋出ていく、悲壮感漂う僕の背中。
はずれだ。一応、左のカードも見ておくか。
World after 1 minute発動。
左のカードは、3だった。同じように朗らかな笑顔を浮かべるファブラに見送られるように部屋出ていく、悲壮感漂う僕の背中。
スキルが切れシミュレーションが終わる。
こいつ、はめやがった。最初からはずれしかないんだ。
あまりの理不尽さに頭にかぁーと血が上っていくのを感じた。
体中が熱い。
さきほどまで無事に帰れればそれでいい。
そう思っていたのに。
絶対にシオンは手に入れる。
その想いが体を駆け巡り、あふれる思いそのままに両手で左右のカードをたたきつけるように僕は抑えた。
1
お気に入りに追加
328
あなたにおすすめの小説

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます
neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。
松本は新しい世界で会社員となり働くこととなる。
ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。
PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる