【R18】World after 1 minute 1分後の先読み能力で金貨100万枚稼いだ僕は異世界で奴隷ハーレムを築きます

ロータス

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プロローグ

プロローグ① やりすぎてしまった男。

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ああ、やりすぎてしまった。

本当にやりすぎてしまったなんでこう調子に乗ってしまうんだろう僕は。

地上からは、鼓膜が破裂しそうなほどの歓声が聞こえてくる。

いや、それは阿鼻叫喚であり、狂乱の類の叫びだ。

それもここの地下室では、多少の振動と遠く行われている祭り程度の音量でしかない。

あるものを雄たけびをあげ、武器を手にする。あるものは泣き叫びながらそれに挑む。

円形上のステージに、それを囲むように作られた観客席、殺し合いのショーにして、ギャンブルの祭典、コロセウム。

そのコロセウムのVIP用の地下室の一つに、僕こと小川 秀作はいた。

いた、というよりも連れてこられたという表現のほうが正しいが。

窓もない部屋、入り口には鉄製のドアが一つだけあって、そこには筋骨隆々の男がむさくるしくも二人も立っている。

「はじめまして、私がとうコロセウムの管理を任されております、ファブラと申します。わざわざお越しいただきありがとうございます。えーとお名前はなんとおっしゃいましたでしょうか? お客様」

体面に座るファブラと名乗った男は、ビシっとしたタキシードを着こなし、眼鏡の奥に満面の偽笑を張り付かせ、どうぞと椅子に座るように促してきた。

とりあえず座る。

どうするべきか。どうしたいのかを考える。

そしてそれは考える前から決まっている。

ここから一刻も早く出たいだ。

この世界にしては高級なのだろう。革張りの中には柔らかい何かが詰まっている椅子から少し腰を浮かす。

軋む音はならなかった。

ここは異世界だ。世界の名前は知らない。

気づいたら、この世界に、この町の路上に立っていた。

転生ではないのだろう。滑舌も顔も、体型もダメダメなままだ。

言葉は通じるようだが、文字は読めない。典型的な設定。

アドバイスくれる女神様もいなければ、ステ振りどころか魔法を使えない。

ステータスも見れなければ鑑定も使えない。

そんな僕でも唯一使えるスキルがあるのが不幸中の幸いだった。

World after 1 minute(1分後の世界)

先読み、未来予知、言い方はなんでもいい。

重要なことは、1分後の世界をシミュレーション出来るということだ。

試しみにこのまま、立ち上がり、唯一の扉へと走り出してみる。

すると、筋骨隆々の男に抑えれ、床に叩きつかれる。

そのまま押さえつけられ、意識が・・・・・・。

1分ただずにシミュレーションが終わった。

どうやら意識を失ったか、それとも・・・。

逃げ出す算段は諦めて椅子に腰を戻す。やはり軋む音は聞こえない。



「どうかされましたか?」

「あっ、だ……イスいい」

「椅子……?ああ、お気に入りいただきなによりでございます。帝都の有名な仕立て屋にて作らせました。高級品になっておりますゆえ、さすがはお客様お目が高くございます」

噛んでしまった。どうも初対面の人……というか人と話すときにどもってしまう。



「…………」

「…………」



そこから互いに沈黙だ。

対面のファブラはにこやかとしているが、周りの男たちは威圧するように見下げてくる。


思わずひるんでしまう。
クラスの奴らが僕を蔑んできた目とは大違いだ。

そこには嘲笑ではない、完全なる敵意、殺気といってもいいかもしれない。

その目に込めた力はクラスの奴らとは次元が違う。

これなら、バカにされ、ごみを頭に投げつけられていたほうがよっぽどマシだ。

肌がピリピリとする。ああ、一刻も早く抜け出したい。受け取るものを受けとって早く出よう。



「あっ」

「はい?」

「お金を…………ヒィ」



ファブラは笑顔のままだ。だというのに禍々しさが増した気がした。

前で組まれた手にリンゴを渡したら、握りつぶせるんじゃないかという圧力を感じる。



「てめぇえええええ、ボスが名前を聞いてるんだろうが!金とはなんだ、金とはよ、おっわぁ!」



一瞬の出来事だった。



「ぶっふふぁしゅぅすあえあ」



後ろにいたタキシードを着た男が突如僕の胸倉をつかんで立ち上がらせたと思ったら、次の瞬間にはその男の顔がひしゃげ、今は床に横たわり意味不明な何かを呟いている。



「ボスじゃなく店長だろうが。・・・・・・大変失礼いたしました。お見苦しいところを」


そう言われて視線をファブラへと戻すと、ハンカチで拳を拭いているところだった。

どうやらファブラが男を殴ったようだ。まったく見えなかったが。



「どうぞ、おかけください。えーとなんと申されましたかね?」

「あああ、えええあ、おががおがが、小川です!」

「オガガワ?」

「はいぃい、小川 秀作」

「ふーむ。変わったお名前ですね。ではシュサック様お座りください」



発音が悪いのが、どもったのが悪いのかは分からなかったが、この際シュサックでもいい。

素直に座った。

「シュサック様、この部屋は本来貴族様がお忍びでいらっしゃった際のまぁ控室のようなものでしてね。本来なら村人や町人など庶民などが入ることは出来ないのですよ」


そうなんだ。それなら早く帰して欲しいのだけど。


「つまり、我々にとってシュサック様は特別なお客様ということです」


ファブラの偽笑がさらに増してた。

何が特別なお客様だ。だったらなんで胸倉なんて掴んで来たんだよ。


「…………」

「…………ふぅ。シュサック様はせっかちな方のようですね」


何がだよ!ただ黙って聞いていただけなのに


「今回、シュサック様が当コロセウムで、勝たれたのは金額にして1億2千万リーゲル。つまり金貨にして100万枚近くになります。これは当方のコロセウムの売上金1年分に相当します」


つぅーと僕の額から汗が伝わったのが分かった。

そう、僕は勝すぎてしまったのだ。



なにせ World after 1 minuteがあればギャンブルに勝つなんてどうってこない。

1分で試合が終わらないような場合は賭けなければいいのだ。



そうやって全額を賭け続けった結果、このコロセウムの観客への還元を目的とした出来レースである。

有名な神話だが、なんだかの話をモチーフにしているらしくなんでも勇者が凶悪な怪物に挑む際、勇者が挑む前にひとりの男が立ち向かった。男は無残に殺されたが、それで人を弱いと怪物は侮り勇者に倒されてしまうというお話だ。

ようは、死ねということだ。

怪物役のオークに、哀れな奴隷。

ギャンブルというよりももはや殺戮ショーだ。

そしてこれのためにギャンブルせずに入場料だけ払って見に来る客がいるほどだ。

そんなオーク側の倍率0.00001倍に対して奴隷側100,000倍という10万倍馬券。

そこで誰もが予想しないコロセウム史上初の奴隷側が勝ってしまうという誰も望まない番狂わせが起こってしまう。

それを知るのは、1分後の未来が見える僕だけだった。

ありえないはずの最後の大穴にも当然勝った。いや勝ってしまったところで。

タキシードを着た上品な男たちに、任意同行というなの強制を受けてここに来たのだった。


「奴は勝過ぎた。こういうこともある」


近くにいた訳知り顔をしているおっさんの声が後ろ手に聞こえた。

奴は知りすぎたみたいに言ってんじゃねー!と心の中で叫んだのは記憶に新しい。



「当コロセウムは帝国の民のための善良な娯楽施設。毎年税を納めておりますすれば、そのような巨額な資金が手元にあるはずもございませんし。払えたとしてもコロセウムの経営が出来なくなってしまいます」



少女たちをレイプさせたり、人を殺し合わせたり、獣に食わせたりしている施設が善良ねー。
それにようは金は払いたくねーってことか。こちらの賭け金はちゃっかり取ってるくせに。



あまりの理不尽さに心がざわついたが、どうしようもない。

命あっての物種だ。ここは最後の10万倍馬券の賭け金だけを返してもらうで手を打とうか。



それで…………殺されないよね?



「そこでシュサック様」

「はぁはい!」

「当方にその勝ち金額を取り返すチャンスを頂けないでしょうか」



そらきた。

取り返すチャンスというのは、またギャンブルをするということだろうか。

それならゲームによってはかなりこちらに分があるのだが。



「ドモン、入れ」



こちらが返事をする前にファブラがそういうと扉が開く。

ずんぐりとした腹を惜しげもなくだした禿げたおっさんが入ってきた。



そのあとに薄汚れたワンピースを着た女性の集団が着いてきた。



ゴクリと喉がなってしまう。



上は肩口まででており、胸元は伸びているのか胸がかなり露になっている。

裾も短く、薄暗い室内で太ももが眩しく光っているように見える。



そしてさすがは異世界だ。



亜人を思わせる幾人かがおり、猫耳、犬耳、そして人たりえないピンクの髪の子までいる。

髪の毛がピンクだとあそこの毛もピンクなんだろうかとゲスなことを考えてしまう。



そんなある意味で奇抜でセンセーショナルな出会いの中で僕は確かに彼女を見つけた。



一番最後に入ってきた娘、一面に覆われた雪の大地が、大空の星々に照らされているような、夜の輝きを放つ銀髪の髪、そっと伏された黒いまつ毛から覗く紅玉色の瞳。肌はまるで雪で出来ているかのようで、触ったら解けてなくなってしまうのではないかと思うほどに白い。



「様。…………シュサック様、よろしいでしょうか?」



一瞬にして彼女に目を奪われてしまったようだ。

穴が空くほど見つめていたいが、頑張って目を逸らす。



「どうでしょうか? 当方自慢の子達ですよ。いかがでしょうか」



いかがでしょうもなにも最高ですよ。特に彼女。



「気に入った子がいれば是非買われませんか?」



僕は言葉にならなかった。



なんだよ、異世界最高かよ。



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