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始めての戦闘
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「ここに新たなる慈悲を与える。スライムレーダー、スライムパシー」
おっ、今回はアップグレードではなく新規スキルのようだ。
スライムレーダーは、なんとなく効果が想像つくが、スライムパシーとはなんだろうか。
「スライムパシー」
考えてもしょうがない、物は試しとタイチはスキルを使ってみた。
するとジッーと耳鳴りのような雑音を感じた。
ただ、それだけだ。他には何も起こらなかった。
もしかしたら使用条件があるのかもしれないが、……………今は侵襲者だ!
タイチは、仕方なく次のスキルを試す。
「スライムレーダー」
自分を中心とした池に上から水滴が落ちてくる。
それが波紋となり、知覚が円状に広がっていく不思議な感覚がした。
「なるほど」とタイチは自分の想像があたっていたことに頷く。
自分を中心として大凡半径20mぐらいの中にいるスライムを把握できるようだ。
イメージは映画出てくるようなレーダーと一緒だ。
点滅する点のようにスライムがそこにいるのが分かる。
知覚として分かるだけでも全部で数は20、いや19、う~ん18か。
これは減っている?
ギャアギャア!と不快なかな切り声が鍾乳洞にこだまする。
その声に反応してタイチが振り返った先には、
あれは?!
タイチの腰ぐらいまでしかない小柄な体、イボが沢山ついた汚らしい緑色の肌色、先が尖った妙に細長い舌からは、見るからに臭そうな粘着したな唾液が垂れ下がっていた。
それは紛うことなき、スライムとともにRPGゲームの序盤で出てくる雑魚キャラの一角。
ゴブリンだ!それが3体も現れていた。
ギラッと鈍い光がゴブリンから走る。
短剣だ。――――見るからにボロボロで切れ味の悪そうなそれを見て、タイチは心臓が鐘を打ったようにその鼓動が早まっていくのを感じた。
ゴブリンの、白目は黄ばみんでいるのに、赤い瞳と目が合う。
瞬間、嫌悪と醜悪さをそのまま形にしたような醜い小鬼が身を低くして、飛ぶように迫ってきた!
肌寒い鍾乳洞だというのにブワッと汗が毛穴から吹き出して来たのを感じた。
その間も一足二足とゴブリンは獣のように身を低くして迫ってくる。
体は緊張しているのに、タイチの頭は妙に冴えていた。
ゴブリンたちが走ってるのがスローモーションのようによく分かった。
一体が転ぶ。
二体目がそれに巻き込まれる。
やはり、ゴブリンはアホだなと思う。
その二体を踏み台にして三体目のゴブリンが一際大きく跳躍してきた、まるでワイヤーアクションのようにきれいに弧を描き、叫びながら腕を振り上げる。
鍾乳洞の青白いに光に当てられて鈍い光が走った。
ぞっわと毛が逆立つ。
―――――まずい、ヤバイ、死ぬ。
毛穴から汗が吹き上がって来るのが分かる。
それでも足がまるで固められているかのように動かない。
もう手を伸ばせ届くほどに醜悪なゴブリンがこちらに斬りかかろうとしているのに―――――タイチは叫んだ。
それでも声は出ない。
体が動かない。
スラオ、守ってくれ!
叫ぶ、心の中で思い切りに。
ゴブリンが腕を振り下げ体ごと降ってきた。
声なき命令――――スラオ、石だ!石になれ。
眼と眼が合う、黄ばんだ白目と赤い瞳がにぃ~と醜悪に笑う。
――――それが突然に遮られる。
続いてガキィンという金属が石を叩く音ともに、上から何かが降ってきた衝撃にタイチの足がぐらつくいて眼の前にはあるそれに思わず手をついてしまう。
ひんやりとした石の感触、それに下から吹き上げるような肌寒い冷気をタイチは、肌で感じた。
それがタイチを再び冷静にさせた。
スラオが覆っていた上半身はいつの間にかハダカになっていた。下半身にブニブニとしたスラオがいるところにゴツゴツとした石が張り付いていた。
それから伸びて眼の前に石の壁に繋がっていた。
つまり、これは石ではなく、
「スラオ!」
タイチの呼び掛けに応えるように石の壁がズッズッーと振動する。
やはりこれはスラオのようだ!
口には出さずとも、タイチの意思を感じとり、石に変化するとは。
やっぱり友情は過ごした年月じゃねーな。
へっへへ、目に汗が入っちまったよ。
ギャアギャア!
タイチが感動する暇もなく、足元の、先程石の壁に体当たりする事となって倒れたゴブリンが叫び声をあげる。
頭からダラダラと汚らしい緑色の血を流しながら、起き上がろうとしていた。
ゴブリンの手にまだ歯のかけた短剣がみぎられているのをみて、タイチは慌ててスラ鬼命じる。
「スラオ、そのままゴブリンを押しつぶせぇええ!――――てっうおっ!」
瞬間体が浮いたような感覚に見舞われ、ジェットコースターで降るようなGを感じた。
すぐに重量感のある衝撃が走り、そしてまるでスイカを割るよう生々しい感触。
うわっなんかかかった!
頬に生暖かい何かがかかり、慌ててタイチは手で拭った。
見れば緑色のネバネバした汚らしい液体が付いていた。
そして、それが振り下ろされた石の壁の隙間から染みるように広がっていた!
ひぃいい!
慌てて飛び退いたタイチであったが、足の裏には無残にも緑の液体が絵の具のように付着していた。
最悪だ。
そこにペタッとした生暖かい感触が体に伝わる。
半透明となったスラオだった。石化を解いたのだろう。
おかげで石の壁で見えなかった。
頭が潰されて四肢をピクピクとさせているゴブリンがいた。
グロい。あまり見たくないと目を背けるとスラオの青い半透明ボディにゴブリンを潰した時に付いたのだろう、緑の液体が付着していた。
汚いな。
「スラオ、吸収スキルで、―――おいっ!やめろ!!」
吸収スキルで血を吸い取るんだ!と命じようとした時、それは起こった。
ぶるぶるぶるぶるぶるぶるぶるぶるぶるっと、犬のポチが泥水を弾き飛ばすように体の毛を、スラオの場合は表面だがを震わせる。
つまり、四方八方に汚物を撒き散らしのだった。
当然、近くにいたタイチが被害を被ることになった。
体、おもに露出した顔は緑色の液体まみれだ。
はぁーもうマヂ無理。プールに飛び込もう!
飲み水の一つだが、しょうがない。
ギャアギャア!
タイチは飛び込み態勢を作ったとき、先程転んでいたゴブリン立ち上がり、何事かを叫んでいた。
そうか、まだ2体いたんだった。
1体は木の棒に無理やり刃物を取り付けたような粗暴な槍をこちらに向けている。
もう1体は石斧を携えていた。
うーん、これ以上汚れたくない。
あれを試すか。
「スラオ、ストーンバレットだ!」
ストーンスライムが持っていたスキル、ストーンバレット。
直訳するなら、石の弾丸。
普通に考えたら、遠距離系のスキルだ。
はたして、タイチのその考えは当たっていた。
スラオの周りに落ちていた石が次々と浮かび上がる。
それがまるで弓を引くように後ろに下がり、――――弾丸のように発射された!
弾丸と化した石が、磁石を合わせるようにゴブリンへと吸い込まれていき、
眉間にヘッドショット、ゴブリンはグヘっ!とくぐもった声を上げながら、ゆっくりと倒れていった。
残った1体、ゴブリンは、こちらを見て倒れた仲間をみて、――――槍を捨てて一目散に駆け出した!
「に、逃がけやがった!スラオ追撃だ!」
タイチの言葉にスラオが次々とストーンバレットをゴブリンへとお見舞いする。
肩や腕にあたり、悲痛な叫びをあげよろけながらも走るゴブリンであったが、鍾乳洞という滑りやすい足場、足止めとばかりに周りにスライムたちが退路を塞ぎ、背中や足に石が当たりとうとう倒れこんだ。
そんなゴブリンにタイチは容赦なくストーンバレットを放つように命令する。
一つ、ギャアギャア!
もういっちょ、ギャアギャア!
まだまだ! ギャアギャア!
と最初は叫び、だんだんと……………ゴブリンは四肢を痙攣させるだけになっていき、やがて動かなくなった。
「……………スラオ、最後にもう一発」
飛んで行った石がゴブリンに当たる……………反応はないただの屍のようだ。
いや、別に死人に鞭打つをしたかったわけじゃないよ?ほら、Gとかにゴキ〇ットしたとき、動かなくなかった後もう一度噴射するじゃん?あれと一緒だよ、あれととタイチは誰にともなく心の中で言い訳をした。
こうしてタイチは初めての戦闘を終えたのだった。
どうやら、この世界は戦闘終了のファンファーレが鳴るわけでも経験値が入りました!みたいな神の声的なものはないようだ。
戦闘終了を感じさせるのは、グロテスクに転がるゴブリンの死体だけだ。
これ……………どうしよう。
臭くなるよなーとタイチが頭を悩ましていると、洞窟に入りついていたスライムたちがゴブリンの死体へと集まり始めた。
そしてゴブリンの死体に乗っかるように埋め尽くす。
……………消化している、みたいだ。
これで死体の処理は問題なさそうだな、……………スライムってもしかしたら、完全犯罪に使えるんじゃないか?みたいなどうでもいいことを思いつつ、タイチは「よしっ」と掛け声をして。
「洗うか!」
水が溜まっている鍾乳石のプールへと飛び込んだ。
「つめっ、たぁ!」
針を刺すほどに冷たい水だった。
しかし、それが戦闘の熱を冷ませ、ゴブリンの血で汚れた体が洗われていくのは心地よかった。
それに、スラオがいればゴブリンぐらいなら相手にならないと知れてたのも今後を考えれば心強い。
新種スライムを見つければさらに強くなるしな!
まさに心と体が現れ、
「超、気持ちいい!」というタイチの叫びが鍾乳洞にこだまするのだった。
スラオ保持スキル
・スライム喰極
・擬態(砂、石、皮、葉)・形成(砂、石)限界+突破
・吸収
・ストーンバレット
・スライムポケット
スライム図鑑 5/151
美少女ちゃん封印解除まであと146種。
おっ、今回はアップグレードではなく新規スキルのようだ。
スライムレーダーは、なんとなく効果が想像つくが、スライムパシーとはなんだろうか。
「スライムパシー」
考えてもしょうがない、物は試しとタイチはスキルを使ってみた。
するとジッーと耳鳴りのような雑音を感じた。
ただ、それだけだ。他には何も起こらなかった。
もしかしたら使用条件があるのかもしれないが、……………今は侵襲者だ!
タイチは、仕方なく次のスキルを試す。
「スライムレーダー」
自分を中心とした池に上から水滴が落ちてくる。
それが波紋となり、知覚が円状に広がっていく不思議な感覚がした。
「なるほど」とタイチは自分の想像があたっていたことに頷く。
自分を中心として大凡半径20mぐらいの中にいるスライムを把握できるようだ。
イメージは映画出てくるようなレーダーと一緒だ。
点滅する点のようにスライムがそこにいるのが分かる。
知覚として分かるだけでも全部で数は20、いや19、う~ん18か。
これは減っている?
ギャアギャア!と不快なかな切り声が鍾乳洞にこだまする。
その声に反応してタイチが振り返った先には、
あれは?!
タイチの腰ぐらいまでしかない小柄な体、イボが沢山ついた汚らしい緑色の肌色、先が尖った妙に細長い舌からは、見るからに臭そうな粘着したな唾液が垂れ下がっていた。
それは紛うことなき、スライムとともにRPGゲームの序盤で出てくる雑魚キャラの一角。
ゴブリンだ!それが3体も現れていた。
ギラッと鈍い光がゴブリンから走る。
短剣だ。――――見るからにボロボロで切れ味の悪そうなそれを見て、タイチは心臓が鐘を打ったようにその鼓動が早まっていくのを感じた。
ゴブリンの、白目は黄ばみんでいるのに、赤い瞳と目が合う。
瞬間、嫌悪と醜悪さをそのまま形にしたような醜い小鬼が身を低くして、飛ぶように迫ってきた!
肌寒い鍾乳洞だというのにブワッと汗が毛穴から吹き出して来たのを感じた。
その間も一足二足とゴブリンは獣のように身を低くして迫ってくる。
体は緊張しているのに、タイチの頭は妙に冴えていた。
ゴブリンたちが走ってるのがスローモーションのようによく分かった。
一体が転ぶ。
二体目がそれに巻き込まれる。
やはり、ゴブリンはアホだなと思う。
その二体を踏み台にして三体目のゴブリンが一際大きく跳躍してきた、まるでワイヤーアクションのようにきれいに弧を描き、叫びながら腕を振り上げる。
鍾乳洞の青白いに光に当てられて鈍い光が走った。
ぞっわと毛が逆立つ。
―――――まずい、ヤバイ、死ぬ。
毛穴から汗が吹き上がって来るのが分かる。
それでも足がまるで固められているかのように動かない。
もう手を伸ばせ届くほどに醜悪なゴブリンがこちらに斬りかかろうとしているのに―――――タイチは叫んだ。
それでも声は出ない。
体が動かない。
スラオ、守ってくれ!
叫ぶ、心の中で思い切りに。
ゴブリンが腕を振り下げ体ごと降ってきた。
声なき命令――――スラオ、石だ!石になれ。
眼と眼が合う、黄ばんだ白目と赤い瞳がにぃ~と醜悪に笑う。
――――それが突然に遮られる。
続いてガキィンという金属が石を叩く音ともに、上から何かが降ってきた衝撃にタイチの足がぐらつくいて眼の前にはあるそれに思わず手をついてしまう。
ひんやりとした石の感触、それに下から吹き上げるような肌寒い冷気をタイチは、肌で感じた。
それがタイチを再び冷静にさせた。
スラオが覆っていた上半身はいつの間にかハダカになっていた。下半身にブニブニとしたスラオがいるところにゴツゴツとした石が張り付いていた。
それから伸びて眼の前に石の壁に繋がっていた。
つまり、これは石ではなく、
「スラオ!」
タイチの呼び掛けに応えるように石の壁がズッズッーと振動する。
やはりこれはスラオのようだ!
口には出さずとも、タイチの意思を感じとり、石に変化するとは。
やっぱり友情は過ごした年月じゃねーな。
へっへへ、目に汗が入っちまったよ。
ギャアギャア!
タイチが感動する暇もなく、足元の、先程石の壁に体当たりする事となって倒れたゴブリンが叫び声をあげる。
頭からダラダラと汚らしい緑色の血を流しながら、起き上がろうとしていた。
ゴブリンの手にまだ歯のかけた短剣がみぎられているのをみて、タイチは慌ててスラ鬼命じる。
「スラオ、そのままゴブリンを押しつぶせぇええ!――――てっうおっ!」
瞬間体が浮いたような感覚に見舞われ、ジェットコースターで降るようなGを感じた。
すぐに重量感のある衝撃が走り、そしてまるでスイカを割るよう生々しい感触。
うわっなんかかかった!
頬に生暖かい何かがかかり、慌ててタイチは手で拭った。
見れば緑色のネバネバした汚らしい液体が付いていた。
そして、それが振り下ろされた石の壁の隙間から染みるように広がっていた!
ひぃいい!
慌てて飛び退いたタイチであったが、足の裏には無残にも緑の液体が絵の具のように付着していた。
最悪だ。
そこにペタッとした生暖かい感触が体に伝わる。
半透明となったスラオだった。石化を解いたのだろう。
おかげで石の壁で見えなかった。
頭が潰されて四肢をピクピクとさせているゴブリンがいた。
グロい。あまり見たくないと目を背けるとスラオの青い半透明ボディにゴブリンを潰した時に付いたのだろう、緑の液体が付着していた。
汚いな。
「スラオ、吸収スキルで、―――おいっ!やめろ!!」
吸収スキルで血を吸い取るんだ!と命じようとした時、それは起こった。
ぶるぶるぶるぶるぶるぶるぶるぶるぶるっと、犬のポチが泥水を弾き飛ばすように体の毛を、スラオの場合は表面だがを震わせる。
つまり、四方八方に汚物を撒き散らしのだった。
当然、近くにいたタイチが被害を被ることになった。
体、おもに露出した顔は緑色の液体まみれだ。
はぁーもうマヂ無理。プールに飛び込もう!
飲み水の一つだが、しょうがない。
ギャアギャア!
タイチは飛び込み態勢を作ったとき、先程転んでいたゴブリン立ち上がり、何事かを叫んでいた。
そうか、まだ2体いたんだった。
1体は木の棒に無理やり刃物を取り付けたような粗暴な槍をこちらに向けている。
もう1体は石斧を携えていた。
うーん、これ以上汚れたくない。
あれを試すか。
「スラオ、ストーンバレットだ!」
ストーンスライムが持っていたスキル、ストーンバレット。
直訳するなら、石の弾丸。
普通に考えたら、遠距離系のスキルだ。
はたして、タイチのその考えは当たっていた。
スラオの周りに落ちていた石が次々と浮かび上がる。
それがまるで弓を引くように後ろに下がり、――――弾丸のように発射された!
弾丸と化した石が、磁石を合わせるようにゴブリンへと吸い込まれていき、
眉間にヘッドショット、ゴブリンはグヘっ!とくぐもった声を上げながら、ゆっくりと倒れていった。
残った1体、ゴブリンは、こちらを見て倒れた仲間をみて、――――槍を捨てて一目散に駆け出した!
「に、逃がけやがった!スラオ追撃だ!」
タイチの言葉にスラオが次々とストーンバレットをゴブリンへとお見舞いする。
肩や腕にあたり、悲痛な叫びをあげよろけながらも走るゴブリンであったが、鍾乳洞という滑りやすい足場、足止めとばかりに周りにスライムたちが退路を塞ぎ、背中や足に石が当たりとうとう倒れこんだ。
そんなゴブリンにタイチは容赦なくストーンバレットを放つように命令する。
一つ、ギャアギャア!
もういっちょ、ギャアギャア!
まだまだ! ギャアギャア!
と最初は叫び、だんだんと……………ゴブリンは四肢を痙攣させるだけになっていき、やがて動かなくなった。
「……………スラオ、最後にもう一発」
飛んで行った石がゴブリンに当たる……………反応はないただの屍のようだ。
いや、別に死人に鞭打つをしたかったわけじゃないよ?ほら、Gとかにゴキ〇ットしたとき、動かなくなかった後もう一度噴射するじゃん?あれと一緒だよ、あれととタイチは誰にともなく心の中で言い訳をした。
こうしてタイチは初めての戦闘を終えたのだった。
どうやら、この世界は戦闘終了のファンファーレが鳴るわけでも経験値が入りました!みたいな神の声的なものはないようだ。
戦闘終了を感じさせるのは、グロテスクに転がるゴブリンの死体だけだ。
これ……………どうしよう。
臭くなるよなーとタイチが頭を悩ましていると、洞窟に入りついていたスライムたちがゴブリンの死体へと集まり始めた。
そしてゴブリンの死体に乗っかるように埋め尽くす。
……………消化している、みたいだ。
これで死体の処理は問題なさそうだな、……………スライムってもしかしたら、完全犯罪に使えるんじゃないか?みたいなどうでもいいことを思いつつ、タイチは「よしっ」と掛け声をして。
「洗うか!」
水が溜まっている鍾乳石のプールへと飛び込んだ。
「つめっ、たぁ!」
針を刺すほどに冷たい水だった。
しかし、それが戦闘の熱を冷ませ、ゴブリンの血で汚れた体が洗われていくのは心地よかった。
それに、スラオがいればゴブリンぐらいなら相手にならないと知れてたのも今後を考えれば心強い。
新種スライムを見つければさらに強くなるしな!
まさに心と体が現れ、
「超、気持ちいい!」というタイチの叫びが鍾乳洞にこだまするのだった。
スラオ保持スキル
・スライム喰極
・擬態(砂、石、皮、葉)・形成(砂、石)限界+突破
・吸収
・ストーンバレット
・スライムポケット
スライム図鑑 5/151
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