37 / 38
35話 ヨハクと小百合
しおりを挟む
「誰か、誰かいないか!?」
かつて共に過ごしたイベントスペース、ステージのカーテンは破かれ、柱や床にはところどころ血痕が見れる。ミリオが叫ぶように生存者を探していると、柱の陰からすっと一人出来た。
ミリオは反射的にナイフを構えるが、すぐに下に向ける。
「馬鹿なんですか?叫ぶなんて害虫(ペスター)を呼ぶ自殺行為ですよ」
最初に見えたのは黄金と見まがうばかりの黄金色の鱗を持つ蛇、ついでそれが5つ四肢から巻き付いて伸びている。黄金の蛇を纏う少女、小豆だった。
「良かった。生きてたんだな」
「こんな雑居ビルでなんか死ねませんからね。…………一人、ですか?」
「ああ、一人だ」
「………そうですか」
その一言だけで小豆は大体の事情を察した。まぁこんな状況だ。致し方ないのだろう。
「で、この後はどうする気ですか?」
「ああっ、上に行こうと思う」
「上…ですか?」
見上げるミリオに合わせて小豆も見上げる。当然ながら薄汚れた天井しか見えない。しかし二人にはその先の光景が分かるようだった。
上には小百合にヨハク、アイリスもいるだろう。
「これ以上、目の前にいる人を助けられないのは嫌だからな。……それに下には逃げられん」
ペッタン、ペッタン、ペッタンと階段にモップを叩きつけるような湿り気を含んだ足音、ミリオと小豆の視線は上から下に階段へと移った。
そこに害虫(ペスター)がのそりと現れる。ゆらゆらと上体が揺れ、おぼつかない足取りにも関わらず器用に階段を一段一段昇ってくる。
それを見て小豆ははぁーと嘆息する。
「下は害虫(ペスター)でいっぱいですからね。でも上は無理ですよ、あの炎が見えます?触れるとああなります」
小豆が指さした先には今井の頭が転がっていた。炎に包まれてはいるが、別段燃えているというわけではないようだ。
それを見て、ミリオは大きく頷いた。
「そうか、じゃあやることは一つだな!」
「な、何かアイデアがあるんですか?」
ミリオの自信ありがな発言に小豆が色めき立つ。
それを受けてミリオがニッと笑い、息を吸い込み、―――。
「―――ヨハク! 聞こえてるか! 聞こえているのならなんとかしろ!!」
大音量で叫んだ。
「ば、馬鹿なんですか!音を立てたら、害虫(ペスター)が寄ってくるっていってるでしょ!びーちゃん!」
5体の中で一番太いびーちゃんと言われた蛇が害虫(ペスター)の首元へとかみつき、そのまま持ち上げ階段下へとたたきつける。それで害虫(ペスター)は動けなくなった。
どういうつもりだ!と睨む小豆にミリオは言った。
「この炎はたぶん朝霞のだろ」
「…………どうして分かるんですか?」
「灰原が隣のビルに移ったのは見たからな、あとは消去法だ。ほかにはいないだろう」
「たけ、…………そうですか、それでなんでヨハク先輩の名前を叫ぶんですか?」
竹内先輩とかは小豆は言いかけてやめた、ミリオはここに一人で来たのだ、他に消去法でいないということは、…………そういうことなのだろうと察したのだ。
「怒れるお姫様を静ませられるのは、王子様しかいないだろう」
「…………ヨハク先輩が生きているってどうして分かるんですか?」
「死んでるのか?」
そんな可能性などちっぽけも考えていない癖にそんな質問するミリオに、ついっとそっぽを向きながら小豆は答えた。
「死んではないと思いますよ。でも体温からしてそれに近いか、寝ている感じはしますね」
「だろ? だったら、叫んで起こすまでさ。ヨハク!お姫様を呼んでるぞ!起きろ!!」
喜々としてミリオは叫び始めた。それを聞きつけたのか、遠くから害虫(ペスター)の唸り声も届いてきた
そんな状況に小豆は頭を抱え、もう、ああっと!銀髪の髪をぐしゃぐしゃとかき乱し、
「ヨハク先輩、助けてくださいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」
ミリオと等しく、いやそれ以上の声量をもって叫んだ。
「なかなか、いい声だ。だが、大声を出すのはだめなんじゃないのか?」というミリオの意地悪な質問を、
「ふんっ!」と小鼻を鳴らして小豆は一蹴する。
「こうなったら、破れかぶれですよ。どうせじり貧で死ぬだけです。だったら、自分がやれることだけはやります!」
叫んだおかげか、頭が、気持ちがスッキリした。こうなればやけくそだ。
「どっちがヨハクを起こすか競争だな」
そんなミリオの言葉に、小豆はぐしゃぐしゃになった銀髪を後ろに流し、眉を吊り上げ長髪的に見上げる。
負けるもんかと、という意思がその瞳からミリオは読み取れた。
「ヨハク、起きろ!俺だぁ!!」
こっちは声優だぞ、毎日ボイストレーニングを積んでるんだ、声優の声量なめるなよ!
「ヨハク先輩ぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」
そう力を込めて、叫ぶ。
二人は、ときに害虫(ペスター)を倒しながら、ヨハクが目覚めるのを信じて叫び続けた。
それは火であって、火ではない。
闇が揺らめく、というべきか、黒い色の炎が風に揺らめきながら、屋上全体に広がり、光を通さない漆黒が屋上のすべてを塗りつぶしていた。
一点を除いて。
青紫の髪、前髪だが黄色くそこから覗く、瞳もまた黄色。幼女とおもしき小さな肢体をコンクリートの床に眠る少年を抱えるよう精いっぱいに伸ばして抱き着いている。
妖精を名乗る少女アイリスとヨハクだ。
背が丸出しの若草色のワンピース、覗く可愛らしい肩甲骨からは光の加減をうけて七色に変わる2対の虹色の翅を出している。
二人は夜空に浮かぶ満月の月のように、白く輝きを放っていた。
しかし、それも
「うっぐぅううう」
アイリスから苦悶の声が漏れる。額には玉のような汗が浮かび、しずくとなって落ちる。
あとどれだけこうしていればいいのか、黒炎は一向に消える気配は感じない。
そんな時、どこからかヨハクを呼ぶ声が聞こえた。
それは次第に大きくはっきりと聞こえるようになる。
「ヨハク、俺だ!起きろ!!」
「ヨハク先輩、助けてください!」
ミリオと小豆の声だ。二人が下の階からだろう、精一杯叫んでいるのだ。
「ふっふふ、私の可愛いスノードロップ、ほらあなたを呼ぶ声が聞こえる。みんながあなたを必要としている。やっぱり天使に至る私にふさわしい花だわ」
だから、ここで枯れさせはしない!
わが子守る母のようにアイリスは自身の存在が削られていく、そう感じるほどに力を振り絞り、ヨハクを黒炎から守った。
ヨハク、ヨハクと声が聞こえる。
朦朧とした。
黒い。
自分の唯一白い部分(ユリのハナ)でさえ、黒く染まった意識の中で、憎悪が炎を形どって噴き出る。
小百合がこれが悲しみなのか怒りなのか、それすらも分からなっていた。
ただこの心の黒さのままに、この世界のすべてを黒で染めよう。そうすれば分別などはないのだ。みな、すべからく黒なのだから、ああ、それはどんなに素晴らしいのか。
すべてを黒く染め上げよう。この私(クロユリ)のように。
黒い炎が大気にゆらめき、炭のような火花が散る。そんな光景の中で、そこだけは白い。
白くて、清くて、美しい。
だから、それゆえに禍々しい。
これはなんだ、これはなんだ、黒い炎で包んでもけして染まることがなく、触れた部分から、炎が消えていく。
どこからか、声が聞こえる。
ヨハクと。
そうか、これは余白か。黒く染め上がった黒い私に唯一の残る余分な白さ。
染め上げよう、これを消せば私は完全な黒になれる。
小百合は薄く笑い。体から憎悪を拭きあがらせた。
「うぅううう」
「スノード、ヨハク!」
「ア、アイリス!」
「良かった、ヨハク。目覚めたのね」
いつものふてぶてしさはなく、穏やかに聖母ように愛おしそうに笑うアイリスの笑顔は、いつになく弱弱しそうだった。
まっすぐ天を仰ぐように経っている翅も心なしかしおれているように感じる。
それに、
「うわっ!なにこの炎は、火事?!」
すっとんきょなことを言うヨハクにアイリスは、今の状況を手短に説明する。
「この炎を、朝霞さんが…………」
すべてを遮る闇が揺らめくような漆黒の炎が屋上を埋め尽くし、小百合がどこにいるかは分からない。それに居たところでこの炎を納められるかもわからない。
ヨハクはそれでもよったと立ち上がる。地についた足がしっかりとコンクリートの床を感じる。
「行こう。朝霞さんのところに」
きっと自分を守るために力を出し続けてくれたのだろう。ぺたんと床にしりもちをついたアイリスをヨハクは抱える。
「リリィを止まられるの?」
それにヨハクは頭を振る。
「分からないよ。でも、約束したんだよ」
「約束?」
「うん、ゴンドラに乗った小さな女の子が最後にどうなったか教えてもらう約束」
かつて共に過ごしたイベントスペース、ステージのカーテンは破かれ、柱や床にはところどころ血痕が見れる。ミリオが叫ぶように生存者を探していると、柱の陰からすっと一人出来た。
ミリオは反射的にナイフを構えるが、すぐに下に向ける。
「馬鹿なんですか?叫ぶなんて害虫(ペスター)を呼ぶ自殺行為ですよ」
最初に見えたのは黄金と見まがうばかりの黄金色の鱗を持つ蛇、ついでそれが5つ四肢から巻き付いて伸びている。黄金の蛇を纏う少女、小豆だった。
「良かった。生きてたんだな」
「こんな雑居ビルでなんか死ねませんからね。…………一人、ですか?」
「ああ、一人だ」
「………そうですか」
その一言だけで小豆は大体の事情を察した。まぁこんな状況だ。致し方ないのだろう。
「で、この後はどうする気ですか?」
「ああっ、上に行こうと思う」
「上…ですか?」
見上げるミリオに合わせて小豆も見上げる。当然ながら薄汚れた天井しか見えない。しかし二人にはその先の光景が分かるようだった。
上には小百合にヨハク、アイリスもいるだろう。
「これ以上、目の前にいる人を助けられないのは嫌だからな。……それに下には逃げられん」
ペッタン、ペッタン、ペッタンと階段にモップを叩きつけるような湿り気を含んだ足音、ミリオと小豆の視線は上から下に階段へと移った。
そこに害虫(ペスター)がのそりと現れる。ゆらゆらと上体が揺れ、おぼつかない足取りにも関わらず器用に階段を一段一段昇ってくる。
それを見て小豆ははぁーと嘆息する。
「下は害虫(ペスター)でいっぱいですからね。でも上は無理ですよ、あの炎が見えます?触れるとああなります」
小豆が指さした先には今井の頭が転がっていた。炎に包まれてはいるが、別段燃えているというわけではないようだ。
それを見て、ミリオは大きく頷いた。
「そうか、じゃあやることは一つだな!」
「な、何かアイデアがあるんですか?」
ミリオの自信ありがな発言に小豆が色めき立つ。
それを受けてミリオがニッと笑い、息を吸い込み、―――。
「―――ヨハク! 聞こえてるか! 聞こえているのならなんとかしろ!!」
大音量で叫んだ。
「ば、馬鹿なんですか!音を立てたら、害虫(ペスター)が寄ってくるっていってるでしょ!びーちゃん!」
5体の中で一番太いびーちゃんと言われた蛇が害虫(ペスター)の首元へとかみつき、そのまま持ち上げ階段下へとたたきつける。それで害虫(ペスター)は動けなくなった。
どういうつもりだ!と睨む小豆にミリオは言った。
「この炎はたぶん朝霞のだろ」
「…………どうして分かるんですか?」
「灰原が隣のビルに移ったのは見たからな、あとは消去法だ。ほかにはいないだろう」
「たけ、…………そうですか、それでなんでヨハク先輩の名前を叫ぶんですか?」
竹内先輩とかは小豆は言いかけてやめた、ミリオはここに一人で来たのだ、他に消去法でいないということは、…………そういうことなのだろうと察したのだ。
「怒れるお姫様を静ませられるのは、王子様しかいないだろう」
「…………ヨハク先輩が生きているってどうして分かるんですか?」
「死んでるのか?」
そんな可能性などちっぽけも考えていない癖にそんな質問するミリオに、ついっとそっぽを向きながら小豆は答えた。
「死んではないと思いますよ。でも体温からしてそれに近いか、寝ている感じはしますね」
「だろ? だったら、叫んで起こすまでさ。ヨハク!お姫様を呼んでるぞ!起きろ!!」
喜々としてミリオは叫び始めた。それを聞きつけたのか、遠くから害虫(ペスター)の唸り声も届いてきた
そんな状況に小豆は頭を抱え、もう、ああっと!銀髪の髪をぐしゃぐしゃとかき乱し、
「ヨハク先輩、助けてくださいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」
ミリオと等しく、いやそれ以上の声量をもって叫んだ。
「なかなか、いい声だ。だが、大声を出すのはだめなんじゃないのか?」というミリオの意地悪な質問を、
「ふんっ!」と小鼻を鳴らして小豆は一蹴する。
「こうなったら、破れかぶれですよ。どうせじり貧で死ぬだけです。だったら、自分がやれることだけはやります!」
叫んだおかげか、頭が、気持ちがスッキリした。こうなればやけくそだ。
「どっちがヨハクを起こすか競争だな」
そんなミリオの言葉に、小豆はぐしゃぐしゃになった銀髪を後ろに流し、眉を吊り上げ長髪的に見上げる。
負けるもんかと、という意思がその瞳からミリオは読み取れた。
「ヨハク、起きろ!俺だぁ!!」
こっちは声優だぞ、毎日ボイストレーニングを積んでるんだ、声優の声量なめるなよ!
「ヨハク先輩ぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」
そう力を込めて、叫ぶ。
二人は、ときに害虫(ペスター)を倒しながら、ヨハクが目覚めるのを信じて叫び続けた。
それは火であって、火ではない。
闇が揺らめく、というべきか、黒い色の炎が風に揺らめきながら、屋上全体に広がり、光を通さない漆黒が屋上のすべてを塗りつぶしていた。
一点を除いて。
青紫の髪、前髪だが黄色くそこから覗く、瞳もまた黄色。幼女とおもしき小さな肢体をコンクリートの床に眠る少年を抱えるよう精いっぱいに伸ばして抱き着いている。
妖精を名乗る少女アイリスとヨハクだ。
背が丸出しの若草色のワンピース、覗く可愛らしい肩甲骨からは光の加減をうけて七色に変わる2対の虹色の翅を出している。
二人は夜空に浮かぶ満月の月のように、白く輝きを放っていた。
しかし、それも
「うっぐぅううう」
アイリスから苦悶の声が漏れる。額には玉のような汗が浮かび、しずくとなって落ちる。
あとどれだけこうしていればいいのか、黒炎は一向に消える気配は感じない。
そんな時、どこからかヨハクを呼ぶ声が聞こえた。
それは次第に大きくはっきりと聞こえるようになる。
「ヨハク、俺だ!起きろ!!」
「ヨハク先輩、助けてください!」
ミリオと小豆の声だ。二人が下の階からだろう、精一杯叫んでいるのだ。
「ふっふふ、私の可愛いスノードロップ、ほらあなたを呼ぶ声が聞こえる。みんながあなたを必要としている。やっぱり天使に至る私にふさわしい花だわ」
だから、ここで枯れさせはしない!
わが子守る母のようにアイリスは自身の存在が削られていく、そう感じるほどに力を振り絞り、ヨハクを黒炎から守った。
ヨハク、ヨハクと声が聞こえる。
朦朧とした。
黒い。
自分の唯一白い部分(ユリのハナ)でさえ、黒く染まった意識の中で、憎悪が炎を形どって噴き出る。
小百合がこれが悲しみなのか怒りなのか、それすらも分からなっていた。
ただこの心の黒さのままに、この世界のすべてを黒で染めよう。そうすれば分別などはないのだ。みな、すべからく黒なのだから、ああ、それはどんなに素晴らしいのか。
すべてを黒く染め上げよう。この私(クロユリ)のように。
黒い炎が大気にゆらめき、炭のような火花が散る。そんな光景の中で、そこだけは白い。
白くて、清くて、美しい。
だから、それゆえに禍々しい。
これはなんだ、これはなんだ、黒い炎で包んでもけして染まることがなく、触れた部分から、炎が消えていく。
どこからか、声が聞こえる。
ヨハクと。
そうか、これは余白か。黒く染め上がった黒い私に唯一の残る余分な白さ。
染め上げよう、これを消せば私は完全な黒になれる。
小百合は薄く笑い。体から憎悪を拭きあがらせた。
「うぅううう」
「スノード、ヨハク!」
「ア、アイリス!」
「良かった、ヨハク。目覚めたのね」
いつものふてぶてしさはなく、穏やかに聖母ように愛おしそうに笑うアイリスの笑顔は、いつになく弱弱しそうだった。
まっすぐ天を仰ぐように経っている翅も心なしかしおれているように感じる。
それに、
「うわっ!なにこの炎は、火事?!」
すっとんきょなことを言うヨハクにアイリスは、今の状況を手短に説明する。
「この炎を、朝霞さんが…………」
すべてを遮る闇が揺らめくような漆黒の炎が屋上を埋め尽くし、小百合がどこにいるかは分からない。それに居たところでこの炎を納められるかもわからない。
ヨハクはそれでもよったと立ち上がる。地についた足がしっかりとコンクリートの床を感じる。
「行こう。朝霞さんのところに」
きっと自分を守るために力を出し続けてくれたのだろう。ぺたんと床にしりもちをついたアイリスをヨハクは抱える。
「リリィを止まられるの?」
それにヨハクは頭を振る。
「分からないよ。でも、約束したんだよ」
「約束?」
「うん、ゴンドラに乗った小さな女の子が最後にどうなったか教えてもらう約束」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説


会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる