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2nd
青葉、不安
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診察台が元の椅子の形に戻ると、蒼炎は青葉の願い通りに青葉の体をきつく抱きしめ青葉をねぎらった。
「青葉、嫌なことなのによく頑張った」
蒼炎に褒められしっかりと抱き止められると、青葉はすがるように蒼炎にしがみつき力なく弱音をはいた
「ねぇ蒼炎さん…僕、怖いよ」
その弱々しい青葉の様子に愛しさを感じた蒼炎は幼子に話すようにゆっくりと優しい声音で青葉に話しかけ
「よしよし。よく頑張った青葉。何をそんなに怖がる?」
「分かんない…。僕はどうしたらいい?」
「妊娠、嬉しくないのか?俺は今、最高に幸せな気分だが…。もし、青葉の負担になるというのなら…その、今回はなかったことに…」
青葉を第一に考えての発言だったが蒼炎の言葉を聞いて青葉は取り乱し
「違う!違うのっ。蒼炎さん、たとえ僕を想ってだとしてもそんなことは言わないで!この子に聞こえちゃうっ」
取り乱す青葉を落ち着けようとそっと蒼炎は青葉の背を撫で
「すまない…。青葉、何を不安に感じている?腹の子が男だった場合の跡目争いの心配か?それとも、また数年旅に出れなくなるのが不満か?」
「どちらも正しくないよ」
「?。青葉。俺に分かるように説明してくれるか?お前と分かち合いたい。不安を1人で抱えるな」
「ありがとう、蒼炎さん。今回のこと、龍臣たちになんて告げよう?前回の僕の妊娠期、出産時の醜態を考えるととても話す勇気がない」
「腹に子がいた。ありのまま話せばいいだろう?」
「僕をいくつだと思っているの?43だよ?本来なら嫁であるあずさを支えなければいけないのに、支えるはずの僕がつわりとストレスでボロボロになっていたら誰があの子を支えるの?誠哉だっているのに」
「下の者たちを使えばいい。あずさに関しては龍臣がいる。みんな家族だ。龍臣はさらに言えばあずさの伴侶だ。何も案ずることはない。俺もいる。甘えろ。甘えるのは得意だろう?」
「です…ね。本気で甘えますよ?後からそんなこと言っていないなんて言うのはなしですからね?」
「もちろんだ。言わない。約束する」
2人の仲睦まじい雰囲気に樹は微笑みを浮かべ、2人の抱擁をあたたかく見守った。
「青葉、嫌なことなのによく頑張った」
蒼炎に褒められしっかりと抱き止められると、青葉はすがるように蒼炎にしがみつき力なく弱音をはいた
「ねぇ蒼炎さん…僕、怖いよ」
その弱々しい青葉の様子に愛しさを感じた蒼炎は幼子に話すようにゆっくりと優しい声音で青葉に話しかけ
「よしよし。よく頑張った青葉。何をそんなに怖がる?」
「分かんない…。僕はどうしたらいい?」
「妊娠、嬉しくないのか?俺は今、最高に幸せな気分だが…。もし、青葉の負担になるというのなら…その、今回はなかったことに…」
青葉を第一に考えての発言だったが蒼炎の言葉を聞いて青葉は取り乱し
「違う!違うのっ。蒼炎さん、たとえ僕を想ってだとしてもそんなことは言わないで!この子に聞こえちゃうっ」
取り乱す青葉を落ち着けようとそっと蒼炎は青葉の背を撫で
「すまない…。青葉、何を不安に感じている?腹の子が男だった場合の跡目争いの心配か?それとも、また数年旅に出れなくなるのが不満か?」
「どちらも正しくないよ」
「?。青葉。俺に分かるように説明してくれるか?お前と分かち合いたい。不安を1人で抱えるな」
「ありがとう、蒼炎さん。今回のこと、龍臣たちになんて告げよう?前回の僕の妊娠期、出産時の醜態を考えるととても話す勇気がない」
「腹に子がいた。ありのまま話せばいいだろう?」
「僕をいくつだと思っているの?43だよ?本来なら嫁であるあずさを支えなければいけないのに、支えるはずの僕がつわりとストレスでボロボロになっていたら誰があの子を支えるの?誠哉だっているのに」
「下の者たちを使えばいい。あずさに関しては龍臣がいる。みんな家族だ。龍臣はさらに言えばあずさの伴侶だ。何も案ずることはない。俺もいる。甘えろ。甘えるのは得意だろう?」
「です…ね。本気で甘えますよ?後からそんなこと言っていないなんて言うのはなしですからね?」
「もちろんだ。言わない。約束する」
2人の仲睦まじい雰囲気に樹は微笑みを浮かべ、2人の抱擁をあたたかく見守った。
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