スパダリヤクザ(α)とママになり溺愛されたオレ(Ω)

いりや

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2nd

青葉ママご懐妊

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 紅葉の運転で車は針葉医院へと走り出した。

 後部座席では蒼炎にしがみつくようにして青葉が蒼炎に抱きつき、青ざめた顔で荒く呼吸を繰り返していた。

「はぁっ…はぁ…そ…蒼炎さん…おなか痛い…っ」
「青葉。頑張れ…。変わってやれなくて申し訳ない」
「ふふ…。腹痛を交代しようとするの…蒼炎さんくらいかも…う~…いたい。どうしよう、樹せんせの車が血で汚れちゃう」
「大丈夫ですよ、青葉さん。車はクリーニングでどうとでもできますから。それより医院まで後少しです。辛いでしょうけど頑張りましょう」
 ミラーに映る青葉と蒼炎を見つめながら樹医師は優しく微笑みを浮かべた。

 数分して針葉医院の駐車場に入ると、救急出入り口の前にふたばは車を横付けし
「到着です。先に降りてください」
「ふたば、ご苦労さま。2人ともすぐに診察室へ行きましょう」
「青葉、行くぞ」
「蒼炎さんも一緒にですか?」
「嫌か?青葉」
「イヤ…じゃない。いてほしい。樹せんせ、蒼炎さんも一緒でも構わない?」
「もちろんです。ご夫婦なんですから」

 樹医師は診察室の扉を開けると内診台を指差し
「蒼炎さん、青葉さんをそちらにおろしてください」
「分かった」

 そっと青葉を台におろすと蒼炎は青葉の手を握り、握られた青葉は目を潤ませて蒼炎を見上げ
「離さないでいて?」
「大丈夫だ。終わるまで握っていてやる」
「…ん」

 台が変形すると青葉は怯えて足を震わせ

「青葉さん、そんなに緊張しないでくださいね?何度もやってきたことのある検査だから怖くないですよ」
「怖いよ。きみもやられてみたらいい」
「それはちょっとできないですね。私はαなので…。さぁ、エコーを挿れますよ。深く長く息を吐いてください」
「ま、待って。樹センセ、ちゃんとジェルを付けてくれた?僕、痛いのはイヤです」
「あー…えーと……その。龍臣さんのお産、よく乗り切りましたね?青葉さん」
「思い出したくない…。陣痛の八つ当たりで先代のせんせを僕は蹴ってしまったもの」
「なるほど…。優しく診ますから頑張りましょうね」
「う…ん……。んっっ!」

エコーが体内に侵入してくると青葉は眉を寄せ
「んぅーっやぁあ」
本当にコレ、きらい。蒼炎さんのたくましいモノはあんなに気持ちいいがいいのに、どうしてコレときたらこんなにも不愉快なの?
早く、終わって~…っ

「え…これは……」
樹医師の独り言が聞こえ、蒼炎は血相を変えて心配し
「樹っ!青葉の体に何かあったかっ」
「あ…いえ。あの…お2人とも画面を見てください。おめでとうございます」
「これって…あ、赤ちゃん?」

画面に映る、小さな頭と体のシルエットに青葉と蒼炎は目を見開いて驚き、お互いの顔を見合った。
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