79 / 93
お迎え
しおりを挟む
龍臣は針葉医院の駐車場に入ると手下を車に残して車から降り立ち
「お前たちはここに控えていろ」
「はい、若」
ひとり、病棟へと向かっていった。
病棟へ辿り着くとあずさをはじめ、ビデオ通話で見たふたば少年、樹医師、紅葉が龍臣を出迎えた。
あずさは龍臣の姿を見るなり、走り出し
「龍臣さんおかえりっ!オレ…オレっお願いがあるっ」
龍臣に抱きつき、お願いをした。
あずさの行動に龍臣は首を傾げ
「どうした?あずさ」
体を少し離してあずさの顔をのぞきこんだ。
すると、あずさは真剣な表情をして叫んだ。
「赤ちゃんが欲しいっ!」
「え…赤ちゃんって…誠哉は?」
「誠哉くんももちろん可愛いけど、そうじゃなくて!!オレ…龍臣さんの子を産みたい!」
「なんか…この3日でたくましくなってないか?おまえ」
「龍臣さん、オレが欲しくなったら種付けしてくれるんだよね?俺の子、孕めって言ってたよね?オレ、龍臣さんと番になる!」
「言ったな。覚悟、できたのか?」
「うん。まだ怖いし、痛いのはイヤだ。でも、龍臣さんとオレの子に会ってみたい」
「分かった」
パチパチ
樹医師は手を打ち、祝福した。
「よかったですね?あずさくん」
「先生!?」
驚いてあずさが振り返ると樹医師は微笑み
「逆プロポーズですね?」
「えっ!逆プロポーズって…っうわ…そう言われたらそうだ。なんか恥ずかしいっ」
「愛し合っているのはいいことです。来月が楽しみですね」
「来月?」
「はい。順調にいけば6週目には見えますから」
「何が?」
「あずさちゃんっ!楽しみだねっ」
「え?」
「赤ちゃんだよ、あずさちゃん」
「で。でも…まだシテもない」
「シたらすぐだよ。そうしたらボクも治療、頑張る!」
「診察に来るのを待ってますね、あずさくん」
それまで様子をうかがっていた紅葉は龍臣のそばに寄り
「龍臣くん、あずささんを泣かせたらだめだよ?」
龍臣に釘を刺した。
「うるさいな、紅葉」
「照れてる照れてる」
「ほ、ほら、あずさ行くぞ。誠哉が屋敷で待ってる」
「うんっ」
あずさは3人に見送られ、龍臣の腕に腕を絡めて龍臣の車へと歩いていった
「お前たちはここに控えていろ」
「はい、若」
ひとり、病棟へと向かっていった。
病棟へ辿り着くとあずさをはじめ、ビデオ通話で見たふたば少年、樹医師、紅葉が龍臣を出迎えた。
あずさは龍臣の姿を見るなり、走り出し
「龍臣さんおかえりっ!オレ…オレっお願いがあるっ」
龍臣に抱きつき、お願いをした。
あずさの行動に龍臣は首を傾げ
「どうした?あずさ」
体を少し離してあずさの顔をのぞきこんだ。
すると、あずさは真剣な表情をして叫んだ。
「赤ちゃんが欲しいっ!」
「え…赤ちゃんって…誠哉は?」
「誠哉くんももちろん可愛いけど、そうじゃなくて!!オレ…龍臣さんの子を産みたい!」
「なんか…この3日でたくましくなってないか?おまえ」
「龍臣さん、オレが欲しくなったら種付けしてくれるんだよね?俺の子、孕めって言ってたよね?オレ、龍臣さんと番になる!」
「言ったな。覚悟、できたのか?」
「うん。まだ怖いし、痛いのはイヤだ。でも、龍臣さんとオレの子に会ってみたい」
「分かった」
パチパチ
樹医師は手を打ち、祝福した。
「よかったですね?あずさくん」
「先生!?」
驚いてあずさが振り返ると樹医師は微笑み
「逆プロポーズですね?」
「えっ!逆プロポーズって…っうわ…そう言われたらそうだ。なんか恥ずかしいっ」
「愛し合っているのはいいことです。来月が楽しみですね」
「来月?」
「はい。順調にいけば6週目には見えますから」
「何が?」
「あずさちゃんっ!楽しみだねっ」
「え?」
「赤ちゃんだよ、あずさちゃん」
「で。でも…まだシテもない」
「シたらすぐだよ。そうしたらボクも治療、頑張る!」
「診察に来るのを待ってますね、あずさくん」
それまで様子をうかがっていた紅葉は龍臣のそばに寄り
「龍臣くん、あずささんを泣かせたらだめだよ?」
龍臣に釘を刺した。
「うるさいな、紅葉」
「照れてる照れてる」
「ほ、ほら、あずさ行くぞ。誠哉が屋敷で待ってる」
「うんっ」
あずさは3人に見送られ、龍臣の腕に腕を絡めて龍臣の車へと歩いていった
2
お気に入りに追加
416
あなたにおすすめの小説

身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。





ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる