スパダリヤクザ(α)とママになり溺愛されたオレ(Ω)

いりや

文字の大きさ
上 下
30 / 93

診察台

しおりを挟む
座り込んでしまったあずさを樹医師は軽々と抱きあげ、内診台様の椅子に座らせた。
「嘘っ!なんでっ、オレそんなに軽い?」
「いや、平均並みだと思いますよ。日々いろいろな患者さんが来ますからね。陣痛を迎えて動けなくなっちゃってる子をここに乗せたりね。抱え慣れているだけです。」
「ね、ねぇ。先生。妊娠したら陣痛…。あるの?」
「何を言っているのかな?きみは。あって当然です。じゃなきゃ赤ちゃんが出てこれないでしょう?」
「出産、怖っ」
あずさは想像もできないような世界に怯えて震えた。
あずさのその様子に樹医師は首を傾げ
「蒼炎さん、彼は龍臣さんの番になるんですよね?」
「そうだ。すでに情も何度も交わしている」
「つまりは将来的に子どもを授かることになりますよね?」
「そうだな。まだ本人にその覚悟が無いようだがな。まあまだ、誠哉に手がかかる時期だ。子は授かりもんだ。焦って作るものじゃない。少し手が離れれば誠哉に兄弟を作ってやりたくなるはずだ」
「んー…その前にいろいろとお勉強をしておいた方が良さそうですね?あまりにも知識が無さすぎて先に妊娠してしまうと理解が追いつかないまま出産を迎えてしまうかもしれない。そうなればパニック状態になって少々…いや、かなり?面倒なことになりそうですから」
「そのあたりの教育は樹に任せるよ。やはり餅は餅屋だ」
「ご安心を。この20年裏稼業の皆さまの大事なΩくんたちの妊娠•出産を何千人と見守ってきましたから」
あずさは樹医師をマジマジと見
「先生って…産科医なの?」
「いかにも。ちゃんと医師免許も持っていますよ。さて、長話をしていても仕方ないので進めましょうか?蒼炎さん、ついでにブライダルチェックもしていきますか?」
「任せる」
「かしこまりました。まずはこの溢れでているフェロモンをなんとかしましょうか」
樹医師は長い髪の毛を頭のてっぺん近くでポニーテールに結び、あずさの体を診察台へと固定していった
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

こども病院の日常

moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。 18歳以下の子供が通う病院、 診療科はたくさんあります。 内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc… ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。 恋愛要素などは一切ありません。 密着病院24時!的な感じです。 人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。 ※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。 歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

モルモットの生活

麒麟
BL
ある施設でモルモットとして飼われている僕。 日々あらゆる実験が行われている僕の生活の話です。 痛い実験から気持ち良くなる実験、いろんな実験をしています。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

処理中です...