スパダリヤクザ(α)とママになり溺愛されたオレ(Ω)

いりや

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柊木組

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総会が始まるやいなや昔馴染みの|柊木ひいらぎ》組の若頭が龍臣の側に寄ってきた。
部下が龍臣を守ろうと身を乗り出すが、龍臣が手を広げて制止し
「問題ない。下がっていろ」
「うす」
「よぉ、竜胆りんどう
「柊木」
「久方ぶりだな?調子はどうだ?」
「別に可もなく不可もなくだ」
「おまえ…Ωでも飼いはじめたか?」
「なっ…何を言って」
「いや、おまえからΩの匂いを感じてな」
「匂いって…まだ番ってないからそこまでじゃないはずだが…」
「発情期が近いΩなら匂いが移るほどフェロモンを発する。俺が飼っているΩたちも同じような匂いを出す」
「相変わらず下衆げすいな。今、何人飼っている?」
「3人…かな。どの子も平等に可愛がっているから問題はないよ」
「同時に発情したらどうする気だよ」
「そのためのクスリだろ?きちんと調整しているから気にすることはない」
「それより、龍臣。おまえ、ガキの母親はαだったろ?Ωとどうこうなる気なんてないし、そもそももうめとらないんじゃなかったのか?Ωを拾っても全部、高値で売っていたろ?おまえ」
「ああ。これからもそれは変わらないが気が変わった。あれは別格だ。誠哉には母親が必要だしな」
「なのにまだ番じゃない?変なの。他人に食われる前に噛んじまえよ?」
「分かってる。この総会が終わったらそうするさ。おまえこそ3人も囲っていないでどれかを番にすればいい」
「どの子も愛しているから難しい話だな。番わずとも絆はあるから大丈夫だ」
「そういうものか?」
「ああ。それに今さら誰か1人に絞ったら残りの2人が何をしでかすか分からない。今のままが平和だ」
「まあ柊木。おまえがそれで幸せな
ら問題は無いよな」
「ああ、問題無い。じゃあ待たな?竜胆」
「ああ柊木。またいずれ」

総会は滞りなく進み、龍臣は誠哉の待つ部屋へと真っ直ぐ帰ってきた。
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