スパダリヤクザ(α)とママになり溺愛されたオレ(Ω)

いりや

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案じる蒼炎

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「龍臣、聞くがまだその小僧はおまえの番じゃないんだな?と言うより番に出逢えば本能的に噛みたい衝動にかられるものだが…」
「運命かどうかなんて分かんねーよ。けど、セックスの気持ちよさは誠哉の母親以上なのは確かだ。相性は悪くない」
「そうか…だが、早いうちに処理しろ。残り香ですらかなり強烈なフェロモンをそいつから感じる」
蒼炎は扇子で鼻を覆い、苦い顔をし
「抑制剤を使っていなきゃαの俺はとっくにそいつを襲っている。龍臣、そいつが次のヒートを迎えるとココじゃ何かと厄介だ。ココの連中はβとはいえそれなりの猛者ばかりだからフェロモンに触発されてあっという間に襲われるぞ?そういったこともきちんと考えろ」
蒼炎は龍臣を鋭い目つきで見据え、注意を促した。
「このまんま何もしなけりゃ親父の言う通りになるのは目に見えてるな。でもまだ次の発情期までに3ヶ月あるし2人でよく話し合う。あずさにとっては番になるっていうのは取り返しのつかねーことだし」
「お前は本当に極道にしては根が優しいな、龍臣。じゃなきゃその子を連れ帰っていないだろうが…」
「うるせーよ親父。俺には俺の考えがあんだよ」
蒼炎は龍臣からあずさに視線を移し、あずさに尋ねた
「あずさと言ったか?お前はどうなんだ?龍臣とつがうのか?」
その強い蒼炎の目力にあずさは恐怖でひるみ、視線をそらして小声で答えた
「オレもまだ考えたい…です。その…龍臣さんしか知らないけど、エッチは気持ちよかったし…もっと一緒にいてみたい。でも…えと、ココに来たばかりですぐには答えが出ないです。いろいろと心の整理が…2人だけの問題じゃないし…」
ポツポツしどろもどろではあるが、あずさの答えに蒼炎は頷き
「あい、分かった。番うかどうするかはお前らの判断に任せるが誠哉に母親が必要だ。それと…龍臣、誰ぞに手篭めにされてからでは遅い。俺も含めてな。よく考えるように」
扇子をパンと開いて2人を扇子で蒼炎は指し、龍臣とあずさは蒼炎の目を真っ直ぐに見つめ頷いた
「分かった。考える。な?あずさ」
「はい」

蒼炎との話も終わるころ、居間には料理が出揃った。
「あずさ、誠哉のメシ代わるからお前先に食え」
「え…いいの?」

龍臣があずさに声をかけている中、蒼炎が1番先に箸を取り食べ始めた。
それを皮切りに他の者たちも一斉に箸を取り料理を食べ始めた。
「あずさねーさん、早くしねーとなくなるよ?」
「あずささん、だし巻き卵がおすすめっす」
手下の1人が皿に乗せた卵3切れと箸をあずさに差し出すとあずさはそれを受け取り、一口頬張った
「おいしいっ。龍臣さん!」
あずさは卵を一口大に切り龍臣の前に差し出し
「龍臣さん、はい、あーん」
「え?なっ…あずさ、お前天然か?恥ずかしいことしやがる…けど、ありがとな」
照れる龍臣に卵焼きを食べさした
「兄貴、こうして見てると2人なんだか夫婦みたいっすね」
「若も機嫌良さそうだしなかなかいいな」
「ヤクザの食卓と思えないほどほのぼのだな」
手下たちは口々に話し、ニヤつきながら仲睦まじい3人を見、その温かな雰囲気に独りぼっちだったあずさは心が安らいでいくのを感じた

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