スパダリヤクザ(α)とママになり溺愛されたオレ(Ω)

いりや

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一家団欒

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衣服を整えたあずさと龍臣は居間へと向かい、あずさの手に抱かれた誠哉はしっかりとあずさの服を握りその顔をあずさの胸元へとうずめていた。
「まだ会って数分なのにあずさのことをもうママ認定してやがるなこいつ」
「龍臣さんだって似たようなもんじゃない。俺の子孕めってさ」
「んじゃ親譲りって訳だ」
ガヤガヤとした声が聞こえるその襖を開けると、先刻龍臣を出迎えた男らがずらりと机を取り囲んで並びギロリと一斉にあずさを睨んだ
「ひっ」
「おいおいお前ら睨むな。あずさがビビってる」
「若。マジにそいつ色にするんです?」
「いや…いずれ番にするつもり。誠哉のママだ」
「龍臣」
低く渋い声が部屋に響いた。
一番奥の上座に座る白髪の男が片あぐらをかき、扇子で自分の膝を打った
「その少年は?」
「萌葱あずさ。保証人で督促にいったところヒートを起こして拾った。思った以上に相性がいいからこのまま囲う」
「お前が肩代わりするつもりか?」
「ああ。そのかわりこいつには誠哉のママになってもらうことした。番にするつもりだからそのつもりでいてほしい」
「分かった。少年、異論はないのか?」
「え?文句言える立場じゃないし、誠哉くん懐いてくれそうだし大丈夫と思う」
あずさは龍臣の袖を引っ張り小さな声で
「誰?」
尋ねた。
「俺の親父…竜胆組の組長、蒼炎そうえんって名前」
「誠哉が懐いているのはいいことだ。大事な跡目だからな」
「失礼します。誠哉さまの離乳食をお待ちしました」
料理人と思わしき1人が小さな器を持ってあらわれ
「あずさ、座れ。誠哉はこども椅子に。じきに大人の食事もくるからある程度食わせちまえ」
龍臣の合図であずさは誠哉と龍臣の間に座り器を受け取った
「これ…オレがあげていいんだよね?なんか緊張する」
スプーンにてんこもりに乗せて誠哉の前に出すと、誠哉は困った表情をし首を傾げた
「うー?」
「あれ?口開けない」
「そりゃそうだろ。てんこもりすぎだ。その半分でいい」
「そっか」
言われた通り減らすと誠哉は大きく口を開けてテーブルを叩いた
「口、開けてくれた!はい、誠哉くんどうぞ」
食べ始めた誠哉を見てあずさは目を輝かせ
「わ~かわいいっ。ちゃんと食べてる」
ニコニコと誠哉を眺めた
「自分の子ならますますかわいいぞ。やっぱり孕んどくか?ナカには出していないが可能性は0じゃないぞ?」
「いっ…いいよ!早く避妊薬ちょうだい。妊娠とか怖すぎだし、出産とか気絶するって」
「次のヒートまでに考えとけ。欲しきゃ種付けしてやる。おい武下、あずさに薬をやれ」
「分かりました。あずささんこれを」
武下は薬と水を差し出し、あずさは離乳食の器を一旦机に置きそれを受け取るとためらわずに一気に飲んだ
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