未分化少年特殊治療棟

紗くら

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祖父江の診察(on all fours)

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トントン

その日の夜、忙しさから剃れていない口髭をはやしたひとりの背の高い男が由宇の部屋を訪ねた。
「こんばんは。きみが佐久間由宇くんかな?俺は祖父江。今日の診察は俺がするからそのつもりで」

祖父江は由宇のベッドを通り過ぎカーテンをしめ、由宇の腕を掴み鋭い眼光で由宇を見下ろし、由宇ははじめて見る医者とその目の力強さにうろたえた。
「な、何?」
「ネームバンドの確認」
「何されるの?俺」
「そう怖がらなくていい。少しの辛抱だから」

由宇に繋がっている尿の管に祖父江は目を移し
「記録の通り、尿に血が混じってるし結晶が浮いてるね?それにまだ熱で辛そうだ。今、何度?」
祖父江は体温計を由宇に手渡し、由宇は受け取った体温計を脇に挟んだ。
「今夜は体調を考慮して優しくいくが、体調が回復したら本気でいくからそのつもりでね」

ピピピピ…
「貸して」
「はい」

この先生、逆らうとまずい人だ…

瞬時に由宇は悟り素直に体温計を差し出した。
「38.6…微妙だな」
体温計をポケットにしまい、由宇の左側の腹を押した
「ひっ…」
「痛む?」
「だ…大丈夫です。びっくりしただけで」
「そ?下着ついてる?」
「えと…なんかふんどしみたいのが…」
「T字帯か。解くぞ」

祖父江は紐を解き、由宇の股間を露出させた
「え…ちょ…」
「これか?事故の痕は?」
「は、はい」
「綺麗に縫合されてるな…。さすが瀬谷先生といったところだ」

剥き出しになった陰茎を祖父江は掴み視診すると
「由宇、今日陰部洗浄はしてもらったか?」
「分かんない…」
「後で注意したほうがいいな…あいつら」
「え…してもらったかも」
「嘘はよくない」
「い゛っっ」

祖父江は由宇の陰茎を強く握り、皮の部分を下げた
「:恥垢(ちこう)が溜まってる。不衛生だ」
「痛い先生っ、離して」
由宇の声を聞き、祖父江は手を離し、
「さて、どうするかな…摘便の経験はあるようだけど…とりあえずon all foursいくか?でも…点滴が」
「何させる?」
「四つん這いになろうか?」
「四つん這いって…」
「all foursだ。手足四つともベッドにつけて尻をこちらに向けて」
「な…なんで?」
「直腸診」
「直腸!?や、やだっ」
「摘便ができたなら大丈夫だ」
「嫌っ。食べてないから溜まってない」
「今日は掻き出しが目的じゃない」

部屋備え付けの引き出しに収納されているローションボトルを祖父江は手にとり、両袖をまくると右手にたっぷりとローションをとった。
「なんで…そんなとこにそんないかがわしいもんが」
「何かは知っているんだ?由宇はマセてるね。これはきみらのhomework用だよ」
「は?宿題って…」
「処置室なりなんなりで俺たちがするだけじゃ意味がないから宿題を与えているんだよ。由宇にもそのうちしてもらうから。さぁ、早く」
「う~…」

由宇は熱でやや力の入らない身体を無理矢理奮いたたせて起きあがり両手両足で体を支え、祖父江に秘部を晒した。
「まだ…何も知らない感じだな…」

祖父江は由宇が逃げられないように、左手で由宇の下腹部を支えた。
その無駄のない筋肉質な腕に由宇は恐怖を覚え、膝を震わせその時を待った。
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