119 / 308
由宇 17歳編
由宇 発熱
しおりを挟む
「…う…この寒気…」
うわ…これって熱?
マジ…勘弁。
翌朝、由宇はガチガチと体を震わせながら布団にくるまった。
熱のせいでぼんやりとしていると人影が見え、ひんやりしたものが額に触れた
「あかん…由宇くん、熱出とるやろ?」
周防が自分の額と由宇の額を交互に触り、心配そうに由宇に声をかけた。
「周防…さん?」
「なんで夜勤の看護師に言わんのや?昨日言われたやろ?熱っぽかったら言いって。まあええわ。熱測るで?」
「ごめん」
「謝らんでええ。それより辛いやろ?」
「寒い…」
「後で電気毛布持ってきたる」
「腹痛い…」
「痛い?熱、38度越えとんな。腹見せてや?足曲げて」
周防は由宇の腹を押した。
張り感が強い…しっこ出とらんのか?
「由宇くん、昨日検査後おしっこしたやろ?そっから何回出た?最終何時?」
「22時に1回。なんか出すときすっごい痛くて…膀胱炎みたいな感じ」
「まずい…10時間経っとるやん。ちょっと横向いてや」
「え?」
「おしり触らんから。ちょっと失礼するで?」
周防はトントンと由宇の両腰を叩いた
「う~っっぁ…」
「響く?」
「うん」
「分かった。先生、確認してくるわ」
しばらくすると瀬谷とともに電気毛布を持った周防が現れた。
「寒気とれるまであっためたるな。で、先生来てくれたから診てもらうで?さっきのトントンもう一回させてな?」
「痛い…」
「悪いね。少し我慢だよ由宇」
「う~っっ痛い」
「うん。周防の言う通り由宇、腎臓にばい菌が入ったかもしれない」
「え?医療ミス的な?」
「そういうことが言えるならある程度元気で安心したが今晩は辛いぞ。ちょっとでも楽になるように後で点滴をするから。待っていなさい」
「分かった」
「素直やん?」
「しんどい…」
・
・
「い゛っっ」
「痛いなぁ、ごめんな由宇くん」
「周防さん注射下手なわけ?なんでそんな外っかわの薄いとこ刺す?普通、肘ん中じゃね?」
「一回きりならな?これ、持続やねん。曲げても大丈夫なとこやないと。で、処置必要んなった時暴れられても弊害無いとこっちゅうとここになんねんな。それか足」
「足!?」
「せやで?あんよにする?痛いで」
「嫌です…」
「せやろ?だったら黙って待っとりぃ」
「分かった」
「よし…入ったで」
周防は立ちあがろうとしたが、つんのめった
「わっ…え?」
「…ないで」
「由宇くん?」
「行かないで」
「あかんって。これ片付けてこな」
「頼むよ。1人にしないで」
「甘えんぼやな?行ったら泣くん?」
「泣く」
「そんならおったらなあかんな?寝るまでおったる」
「先輩に怒られない?」
「俺の看護観に文句つけるやつは先輩だろうとぶっ飛ばすからええ。べったり寄り添う看護も俺はありやと思うねん。他の科やと業務に追われてそうはいかん現状やけどな?」
「周防さん強い。将来大物になりそう」
「んー…どうやろな?明日のことも分からんのに将来とか未知やわ。由宇くんかて将来言われても分からんやろ?」
「うん」
「お話しおしまいな?寝り?」
「ん…」
周防は約束どおり由宇が寝るまでそばについていた。
うわ…これって熱?
マジ…勘弁。
翌朝、由宇はガチガチと体を震わせながら布団にくるまった。
熱のせいでぼんやりとしていると人影が見え、ひんやりしたものが額に触れた
「あかん…由宇くん、熱出とるやろ?」
周防が自分の額と由宇の額を交互に触り、心配そうに由宇に声をかけた。
「周防…さん?」
「なんで夜勤の看護師に言わんのや?昨日言われたやろ?熱っぽかったら言いって。まあええわ。熱測るで?」
「ごめん」
「謝らんでええ。それより辛いやろ?」
「寒い…」
「後で電気毛布持ってきたる」
「腹痛い…」
「痛い?熱、38度越えとんな。腹見せてや?足曲げて」
周防は由宇の腹を押した。
張り感が強い…しっこ出とらんのか?
「由宇くん、昨日検査後おしっこしたやろ?そっから何回出た?最終何時?」
「22時に1回。なんか出すときすっごい痛くて…膀胱炎みたいな感じ」
「まずい…10時間経っとるやん。ちょっと横向いてや」
「え?」
「おしり触らんから。ちょっと失礼するで?」
周防はトントンと由宇の両腰を叩いた
「う~っっぁ…」
「響く?」
「うん」
「分かった。先生、確認してくるわ」
しばらくすると瀬谷とともに電気毛布を持った周防が現れた。
「寒気とれるまであっためたるな。で、先生来てくれたから診てもらうで?さっきのトントンもう一回させてな?」
「痛い…」
「悪いね。少し我慢だよ由宇」
「う~っっ痛い」
「うん。周防の言う通り由宇、腎臓にばい菌が入ったかもしれない」
「え?医療ミス的な?」
「そういうことが言えるならある程度元気で安心したが今晩は辛いぞ。ちょっとでも楽になるように後で点滴をするから。待っていなさい」
「分かった」
「素直やん?」
「しんどい…」
・
・
「い゛っっ」
「痛いなぁ、ごめんな由宇くん」
「周防さん注射下手なわけ?なんでそんな外っかわの薄いとこ刺す?普通、肘ん中じゃね?」
「一回きりならな?これ、持続やねん。曲げても大丈夫なとこやないと。で、処置必要んなった時暴れられても弊害無いとこっちゅうとここになんねんな。それか足」
「足!?」
「せやで?あんよにする?痛いで」
「嫌です…」
「せやろ?だったら黙って待っとりぃ」
「分かった」
「よし…入ったで」
周防は立ちあがろうとしたが、つんのめった
「わっ…え?」
「…ないで」
「由宇くん?」
「行かないで」
「あかんって。これ片付けてこな」
「頼むよ。1人にしないで」
「甘えんぼやな?行ったら泣くん?」
「泣く」
「そんならおったらなあかんな?寝るまでおったる」
「先輩に怒られない?」
「俺の看護観に文句つけるやつは先輩だろうとぶっ飛ばすからええ。べったり寄り添う看護も俺はありやと思うねん。他の科やと業務に追われてそうはいかん現状やけどな?」
「周防さん強い。将来大物になりそう」
「んー…どうやろな?明日のことも分からんのに将来とか未知やわ。由宇くんかて将来言われても分からんやろ?」
「うん」
「お話しおしまいな?寝り?」
「ん…」
周防は約束どおり由宇が寝るまでそばについていた。
1
お気に入りに追加
71
あなたにおすすめの小説

こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。
絶対服従執事養成所〜君に届けたいCommand〜
ひきこ
BL
少数のDomが社会を支配する世界。
Subと診断された者にはDomに仕える執事となるため英才教育が施され、衣食住が保証され幸せに暮らす……と言われているのは表向きで、その実態は特殊な措置によりDomに尽くすべき存在に作り変えられる。
Subの少年ルカも執事になるほかなかったが、当然そこには人権など存在しなかった。
やがてボロボロに使い捨てられたルカと、彼のことをずっと気にかけていた青年との初恋と溺愛とすれ違い(ハッピーエンド)。
◆Dom/Subユニバース設定の世界観をお借りしたほぼ独自設定のため、あまり詳しくなくても雰囲気で読んでいただけるかと思います。ハードなSM的描写はありません。
◆直接的な描写はありませんが、受け・攻め どちらも過去にメイン相手以外との関係があります。
◆他サイト掲載作に全話加筆修正しています。
※サブタイトルは試験的に付けており、変更の可能性があります
※表紙画像はフリー素材サイトぴよたそ様よりお借りしています

身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。



お兄ちゃんはお医者さん!?
すず。
恋愛
持病持ちの高校1年生の女の子。
如月 陽菜(きさらぎ ひな)
病院が苦手。
如月 陽菜の主治医。25歳。
高橋 翔平(たかはし しょうへい)
内科医の医師。
※このお話に出てくるものは
現実とは何の関係もございません。
※治療法、病名など
ほぼ知識なしで書かせて頂きました。
お楽しみください♪♪

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる