未分化少年特殊治療棟

紗くら

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27歳未羽 再発 2

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「えと…ちょっとこれってなんの冗談?ねぇ冗談ですよね?」
未羽は残る3人に取り囲まれ逃げられない雰囲気を悟るもいまだ信じられず佐渡を見た
「冗談じゃないのは分かるよな?。自分でデータ見てみろ」
視線をパソコンに移すと〝L〝の表示が目に入り、未羽はじりじりと後ずさった
「局長…うぅ。逃げちゃダメ?」
「ダメ。紫藤が怖くないか?」
「怖い…です」
「じゃ、行くか」
佐久間が未羽の肩を叩き
「みぃ、職場は心配するな?それより治療の大事さは説明したろ?体をまずは治せ」
「そうそう、未羽なら頑張れる」
相馬がそっと未羽の肩を抱き励ましつつ逃げ道を塞ぎ医局から処置2へと向かい、一行は処置2の扉の前で止まった
「着いたよ」
優しい相馬の声が聞こえるが、処置2の表示が見えて未羽は立ちすくみ動けない
「う…」
「みぃ行くぞ」
佐久間が扉を開けると紫藤は控え室にいるようで姿が見えず、声だけが聞こえた
「モニター着けてバイタルチェックお願いします」
「了解。未羽モニターつけるぞ」
「だ、大丈夫だよっ。子どもじゃないんだからパニック起こさないって」
「まあまあ病衣着せてやるから脱げみぃ」
カラカラと音を立てて相馬がモニターの準備を進め、佐渡と佐久間とで未羽の着替えを手伝いベッドに乗せるとペタペタと赤青黄のコードを取りつけ、足に血圧計を巻いた
ピッピと規則的な音が鳴り心電図を示し、血圧を測りはじめた
「未羽、指出して?spo2もつけるよ」
「相馬先生…助けて」
「ごめん、未羽。後で慰めてあげる。紫藤先生、バイタルチェックOK」
紫藤はトレーを抱えて控え室から出てきた
「はい。それでは未羽はそのまま横を向いて。相馬、未羽はあなたに懐いている様子なので未羽の正面に来て手でも繋いであげててください。局長と佐久間は未羽の押さえを」
「はい」
「えっちょ…」
「問答無用です未羽。諦めなさい」
未羽はまだ納得していないにも関わらずどんどん進められていく治療に驚き、体をねじり抵抗を示した
「佐久間押さえが甘いっ未羽が動いてます!」
「はい」
佐久間により体勢を整えられて未羽は固まり、身体を震わせた。
尻に冷やっとした感触があったかと思ったらすぐさまチクリと注射が突き刺され、ビクッと身体を揺らした。
「う~…なんで…もう必要ないって」
紫藤は内筒をひき血液のあがりがないか確かめ薬液をゆっくり注入していった
「っいぃたぁ~っ…やめっ」
「我慢」
「無理…ぃ」
紫藤は針を抜き、酒精綿で未羽の尻を撫で針を捨て絆創膏を貼ると、涙を浮かべる未羽と目が合い
「おや?子どもじゃないと言いながら泣いてしまいましたか?後は任せますよ相馬。我々は退室します。行きましょう、局長、佐久間」
お決まりのパターンで紫藤は佐渡と佐久間を引きつれ退室していった
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