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第二章
2 恋の落雷、あれはトラウマ
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※
寄せては返す波の音。今でも鮮明に蘇る。これは私、魔王デュヘルの記憶の中で、最も甘酸っぱい思い出だ。
その海は、魔王城から魔術をかけた速馬車で向かった場合、優雅なティータイム一回分ほどの距離にある。
珊瑚が砕けた白い欠片が敷き詰められた浜辺。一面の白に燦々と日差しが降り注ぎ、目に痛いほど明るい世界。波の穏やかな海は、浅瀬の緑から深瀬の青へと変化するグラデーションになっていて、紺碧の地平線で空の蒼と溶け合っている。
なんて綺麗なのだろう。幼少期の私は目を細め、輝くような光景を脳裏に焼き付けて、深呼吸をして潮風を胸いっぱいに満たした。
だが、この煌めく白と青の世界の中で、最も美しいのは浜でも海でも空でもなかった。
「デュヘル様、あちらを」
護衛がそっと耳打ちする。私は岩陰に隠れ、そろりと片目だけ覗かせて、彼が指し示した方向へと目を凝らす。そして言葉を失った。
天から舞い降りた精霊のように美しい少女が、風に飛ばされないように帽子を押さえ、海を眺めていた。長いストロベリーブロンドが潮風に揺れて、この世のどのような絹糸も敵わないほどに輝いている。どこか物憂げな横顔は完璧な曲線と直線で構成されていて、離れていてなお長い睫毛の煌めきが胸を射抜いた。
私が彼女を見つけたことを確認すると、護衛が言葉を続ける。
「あのお方が聖女リザエラ様。将来、デュヘル様の妻となられる方です」
そうか、彼女が。
聖女とは、聖族の中で最も光の精霊に愛された者。なるほど彼女はその地位に相応しい。まるで、彼女自身が光の精霊であるかのように、清らかに光を放っている。
私は見惚れ、無意識に岩陰から出て一歩少女へと近づいた。その瞬間。
海から一際強い風がやってきて、リザエラの帽子を天へと攫ってしまった。
精霊のいたずらか、それとも神の思し召しか。帽子は蒼天をひらひらと舞った後、私の方へと落ちてくる。慌てて両手で受け止めて視線を戻すと、リザエラが息を弾ませながらこちらへ駆け寄るところだった。
棒立ちになったままの私の前へとやって来ると、リザエラは息を整えてから、恥ずかしそうに上目遣いを寄越した。どうやら控えめな性格のようだ。
「あの、それ。私の帽子です」
彼女の声が鼓膜を震わせた途端、雷に打たれたかのような衝撃を覚えた。全身の隅々まで電流が走り、頭の中が沸騰する。
私は口を開けたり閉じたりしてから、結局何も言葉にできずに帽子を差し出した。
リザエラは怪訝そうに首を傾けたが、素直に受け取り、はにかむような微笑みを浮かべる。
「ありがとうございます」
「あ、い、い、いいえ。えっと、その」
再び恋の雷が落ちた。それも一発ではない。立て続けに雷に打たれた私は、とうとう魔力の制御を失った。そして、私の魔力に応えた闇の精霊が、私達の頭上に闇をもたらした。つまり、分厚い紫色の雲が突如発生したのだ。
突然のことに空を見上げたリザエラの頬に、怯えが浮かぶ。恐怖に駆られた彼女の全身から、これまた制御を失った聖力が迸るのを見た。そしてそれは天へと昇り、私の魔力とぶつかり合って。
尋常なく巨大な、本物の落雷を生んだ。
一瞬だけ、強烈な閃光のため視界が白く染まる。続いて、世にも恐ろしい轟音が鳴り響き、リザエラの悲鳴が聞こえた。
その後、世界が暗転。気づけば私は魔王城の自室で横になっていた。
訊けば、リザエラと私は雷に打たれて気絶したものの、光と闇の精霊に守られたため大した怪我はなく、護衛達に救護されてそれぞれの家に連れ帰られたのだという。
私はぼんやりとする頭で未来の妻の姿を思い出す。興奮しすぎて夜を呼んでしまうほど、魅力的な少女だった。彼女が未来の妻となるだなんて、至福。
もう一度話したい。一刻でも早く結婚の日を……。
「デュヘル様、あらあらまあ! だめですよ、魔力を抑えてくださいませ!」
悲鳴じみた声が聞こえたけれど、私は自分を抑えることができない。それから丸三日間、魔王城の上空には夜闇が訪れた。
※
「だからね、リザエラ。私は一目見た時から君のことを愛おしく思っていたのだよ」
結婚前にデートをしたというカフェでコーヒーを飲みながら、私は少し身体を引いてデュヘルから距離を置いた。
今の話が、まさかそこへ着地するだなんて。突っ込みどころ満載過ぎて、どこからどう拾って良いのか困惑する。ともかくわかったのは、デュヘルの愛が重いのは幼少期からであるのと、リザエラはきっと初対面時にトラウマを抱いただろうということだ。
「あの浜辺にも行きたいな。いっそ今から向かおうか」
「い、いいえ。この後は、慈善活動があるはずですよね。浜辺は遠いですよ。それに私、このお店が気に入ったのです。今日はここでゆっくりしたいわ」
「そうかそうか。君が望むのならば、毎日でも一緒に来よう」
「デュヘル様もお忙しいでしょうから」
「君のためであれば、時空を歪めてみせる」
「やめてください」
そもそも、魔王が街のカフェに姿を現わして騒ぎにならないのが不思議だ。
もちろん、私達の顔は広く知られている。その証拠に、お店に入った瞬間にたくさんの視線を浴びた。しかしVIPルームらしい一室に案内されてからは、とても静かだ。
この国がどれほど広いのか、あまり把握できていないのだが、どこかアットホームな印象があるので、小国なのだろうか、と勝手に想像している。
クッキーを摘まみながら、私達はその後もしばらく談笑する。というかデュヘルが一方的に楽し気に思い出を語るのを、若干引きつつ聞いた。
どうやらデュヘルとリザエラは、普通の恋人同士のように仲を育み共に育ったらしい。自害の折、『ごめんなさい、あなたのことを愛せない』と書き遺したリザエラは、デュヘルに遠慮するあまり、夫の前では心をへし曲げて仲睦まじい関係を装っていたのだろうか。若干違和感を覚えたものの、リザエラは品行方正だったそうなので、そうした気遣いができてもおかしくないのだろう。多分。
やがて、外出について来てくれていた猫耳お付きのフェールスがカフェタイム終了を告げる。
彼によれば、次の訪問地は慈善活動先の保護院とやら。後ろ髪を引かれた顔をするデュヘルを促して、私達は思い出のカフェを離れた。
寄せては返す波の音。今でも鮮明に蘇る。これは私、魔王デュヘルの記憶の中で、最も甘酸っぱい思い出だ。
その海は、魔王城から魔術をかけた速馬車で向かった場合、優雅なティータイム一回分ほどの距離にある。
珊瑚が砕けた白い欠片が敷き詰められた浜辺。一面の白に燦々と日差しが降り注ぎ、目に痛いほど明るい世界。波の穏やかな海は、浅瀬の緑から深瀬の青へと変化するグラデーションになっていて、紺碧の地平線で空の蒼と溶け合っている。
なんて綺麗なのだろう。幼少期の私は目を細め、輝くような光景を脳裏に焼き付けて、深呼吸をして潮風を胸いっぱいに満たした。
だが、この煌めく白と青の世界の中で、最も美しいのは浜でも海でも空でもなかった。
「デュヘル様、あちらを」
護衛がそっと耳打ちする。私は岩陰に隠れ、そろりと片目だけ覗かせて、彼が指し示した方向へと目を凝らす。そして言葉を失った。
天から舞い降りた精霊のように美しい少女が、風に飛ばされないように帽子を押さえ、海を眺めていた。長いストロベリーブロンドが潮風に揺れて、この世のどのような絹糸も敵わないほどに輝いている。どこか物憂げな横顔は完璧な曲線と直線で構成されていて、離れていてなお長い睫毛の煌めきが胸を射抜いた。
私が彼女を見つけたことを確認すると、護衛が言葉を続ける。
「あのお方が聖女リザエラ様。将来、デュヘル様の妻となられる方です」
そうか、彼女が。
聖女とは、聖族の中で最も光の精霊に愛された者。なるほど彼女はその地位に相応しい。まるで、彼女自身が光の精霊であるかのように、清らかに光を放っている。
私は見惚れ、無意識に岩陰から出て一歩少女へと近づいた。その瞬間。
海から一際強い風がやってきて、リザエラの帽子を天へと攫ってしまった。
精霊のいたずらか、それとも神の思し召しか。帽子は蒼天をひらひらと舞った後、私の方へと落ちてくる。慌てて両手で受け止めて視線を戻すと、リザエラが息を弾ませながらこちらへ駆け寄るところだった。
棒立ちになったままの私の前へとやって来ると、リザエラは息を整えてから、恥ずかしそうに上目遣いを寄越した。どうやら控えめな性格のようだ。
「あの、それ。私の帽子です」
彼女の声が鼓膜を震わせた途端、雷に打たれたかのような衝撃を覚えた。全身の隅々まで電流が走り、頭の中が沸騰する。
私は口を開けたり閉じたりしてから、結局何も言葉にできずに帽子を差し出した。
リザエラは怪訝そうに首を傾けたが、素直に受け取り、はにかむような微笑みを浮かべる。
「ありがとうございます」
「あ、い、い、いいえ。えっと、その」
再び恋の雷が落ちた。それも一発ではない。立て続けに雷に打たれた私は、とうとう魔力の制御を失った。そして、私の魔力に応えた闇の精霊が、私達の頭上に闇をもたらした。つまり、分厚い紫色の雲が突如発生したのだ。
突然のことに空を見上げたリザエラの頬に、怯えが浮かぶ。恐怖に駆られた彼女の全身から、これまた制御を失った聖力が迸るのを見た。そしてそれは天へと昇り、私の魔力とぶつかり合って。
尋常なく巨大な、本物の落雷を生んだ。
一瞬だけ、強烈な閃光のため視界が白く染まる。続いて、世にも恐ろしい轟音が鳴り響き、リザエラの悲鳴が聞こえた。
その後、世界が暗転。気づけば私は魔王城の自室で横になっていた。
訊けば、リザエラと私は雷に打たれて気絶したものの、光と闇の精霊に守られたため大した怪我はなく、護衛達に救護されてそれぞれの家に連れ帰られたのだという。
私はぼんやりとする頭で未来の妻の姿を思い出す。興奮しすぎて夜を呼んでしまうほど、魅力的な少女だった。彼女が未来の妻となるだなんて、至福。
もう一度話したい。一刻でも早く結婚の日を……。
「デュヘル様、あらあらまあ! だめですよ、魔力を抑えてくださいませ!」
悲鳴じみた声が聞こえたけれど、私は自分を抑えることができない。それから丸三日間、魔王城の上空には夜闇が訪れた。
※
「だからね、リザエラ。私は一目見た時から君のことを愛おしく思っていたのだよ」
結婚前にデートをしたというカフェでコーヒーを飲みながら、私は少し身体を引いてデュヘルから距離を置いた。
今の話が、まさかそこへ着地するだなんて。突っ込みどころ満載過ぎて、どこからどう拾って良いのか困惑する。ともかくわかったのは、デュヘルの愛が重いのは幼少期からであるのと、リザエラはきっと初対面時にトラウマを抱いただろうということだ。
「あの浜辺にも行きたいな。いっそ今から向かおうか」
「い、いいえ。この後は、慈善活動があるはずですよね。浜辺は遠いですよ。それに私、このお店が気に入ったのです。今日はここでゆっくりしたいわ」
「そうかそうか。君が望むのならば、毎日でも一緒に来よう」
「デュヘル様もお忙しいでしょうから」
「君のためであれば、時空を歪めてみせる」
「やめてください」
そもそも、魔王が街のカフェに姿を現わして騒ぎにならないのが不思議だ。
もちろん、私達の顔は広く知られている。その証拠に、お店に入った瞬間にたくさんの視線を浴びた。しかしVIPルームらしい一室に案内されてからは、とても静かだ。
この国がどれほど広いのか、あまり把握できていないのだが、どこかアットホームな印象があるので、小国なのだろうか、と勝手に想像している。
クッキーを摘まみながら、私達はその後もしばらく談笑する。というかデュヘルが一方的に楽し気に思い出を語るのを、若干引きつつ聞いた。
どうやらデュヘルとリザエラは、普通の恋人同士のように仲を育み共に育ったらしい。自害の折、『ごめんなさい、あなたのことを愛せない』と書き遺したリザエラは、デュヘルに遠慮するあまり、夫の前では心をへし曲げて仲睦まじい関係を装っていたのだろうか。若干違和感を覚えたものの、リザエラは品行方正だったそうなので、そうした気遣いができてもおかしくないのだろう。多分。
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