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第一章
2 こんにちは、異世界
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※
「リザエラ様、私のこともお忘れですか?」
蒲原リサ改めリザエラとなったらしい私は、目の前で仏頂面を向けてくる小柄な男性に曖昧な笑みを返した。
「ええ、まあそんなところかしら……」
困りに困り、思わず口元に指をやる。視界の中に突如として現れた形の良い爪。本当に私の身体の一部なのかしらと、じっくり眺めてしまう。
マニキュアなど塗っていないにもかかわらず、生来の桃色を帯びている。縦にも横にも醜い線など入っていない滑らかな爪は、豪奢なシャンデリアの明かりを反射してぴかぴかと光っている。
「あの、リザエラ様? お爪に何か?」
「あ、ううん、何でもないの。ちょっと見惚れちゃって。あ、そういえば私のこの髪って染めているんだっけ?」
視界の端でちらつく見事なストロベリーブロンドを指先で摘んで問いかければ、男性は怪訝そうな表情で眉根を寄せて首を傾ける。
目つきが悪い男だ。無理もない。多分彼は猫か何かなのだろう。日本の住宅街を屯する鋭い目付きをしたドラ猫。それが一番しっくりくる。
いったい何を言っているのかと思われるだろうけれど、目の前にいる男性はどう見ても黒猫なのだ。
黒い頭髪は人間と同じ。けれど人の耳があるべき場所には何もなく、代わりに動物の猫と同じあたりに三角形の黒い耳がぴょこんと立っている。何なら、感情に合わせてちょっと動く。
双眸は金色で、前述のとおり、目つきがすこぶる悪い。
「ねえ、私の瞳って何色? やっぱり黒?」
猫君はいっそう表情をきつくしてから、諦めたように答えをくれた。
「リザエラ様がこの城に来られて五年になりますが、お髪は最初からお美しいブロンドでしたよ。瞳の色は新緑の緑。毎日鏡でご覧になっているのでは?」
「覚えていないの」
私は唸って虚空を見上げ記憶を呼び覚ます。
今やケモ耳にかしずかれながらリザエラ様と呼ばれている私だが、つい先ほどまでは会社のビル前を歩く、ただの平社員だったのだ。
耳を楽しませてくれたアニソンの音色も鮮明に思い出せる。ついでに、トラックの運転手さんの、今にも叫びだしそうな表情もフラッシュバックする。多分あの人は私のことを撥ねてしまったのだろう。私がぼんやり歩いていたばっかりに。
死んだつもりはないし、痛みも全くない。だけど私は気づけばリザエラになっていて、つい先ほど、鮮烈で馨しい香りを放つ純白の花の中で目覚めた。そこは花々が溢れる天国、ではなく棺桶だった。
リザエラは、服毒自殺をしたのだという。葬儀で突然目覚めた私――リザエラの姿を見た参列者は、死者の復活に驚愕し、絶叫し、ある者は気絶した。
その後、辛うじて平静を保った喪主のおかげで事態はひとまず丸く収まり、今は城の一室で、目の前の猫君やその他半獣人の皆さんと現状整理を行っているのだ。
「記憶がないというのは本当なのですか?」
猫君の隣で項垂れていたメイド姿の若い女の子が、しゅんと肩を落とす。茶色の長い耳が垂れている。多分垂れ耳兎さんだ。
本気で寂しそうなので、もしかしたらリザエラを慕っている子なのかもしれない。
「薬のせいでしょうね、記憶を失ったのは」
猫君が忌々し気に言い、兎さんが胸元で手を揉み今にも泣き出しそうな目をしている。
彼らが言う薬とはきっと、リザエラが自死のために呷ったという毒のことだろう。肉体を蝕むような毒を飲み、凄まじい死に方をしたような痕跡はこの身体にはないので、睡眠薬か何かだと思う。むしろ、トラックに弾き飛ばされたと思われるリサの身体の方が……いや、あれもこれもきっと。
「全部夢だわ」
ぴくり、と猫君の耳が動く。
「リザエラ様、ともかく陛下に状況をご報告しなければなりません。夢ではないので」
そう、夢ではないのか。我ながら原始的だが、とりあえず自分の頬をつねってみた。痛い。ついでに、猫君と兎さんの視線も痛い。
なんだか居心地が悪くなり、私はわざとらしく咳払いをした。
「とにかく、ごめんなさい。私、ほとんど何も覚えていないの。だから報告なんて」
言いかけた時、ノックもなしに扉が開いた。突然響いた大きな音に、兎さんがびくりと肩を震わせ、猫君が耳を倒したが、すぐに頭を垂れた。
それにしても、室内に入るのなら、一言かけてから扉を開けるのが礼儀というものだろう。無遠慮な闖入者に頬が引きつりそうになるが、そこはさすが八方美人で通っていた私。意識してにこやかに振り返り……絶句した。
欧州貴族風の装いをした超絶イケメンが、モフモフの子犬を抱えて立っていた。確か彼は、リザエラの国葬式典で喪主を務めていた男性だ。
首元が若干フリフリしているものの、概ねシンプルなシャツの上には黒い上着を羽織っている。銀色の髪がさらりと柔らかそうで、切れ長の目は赤みを帯びた紫色に煌めいている。彼は猫君や兎さんとは異なり、ケモ耳を持っていない。見える限りの場所には獣要素が皆無だ。
いや、この際モフモフは不要。まるで、腐女子受けを真っ向から狙いに行ったアニメキャラのような美形なのだから、尻尾も翼も何もなかったとしても推せる。推せる、のだけれど。
もちろんイケメンは好きなのだが、私が一番惹かれるのは、可愛らしいものなのだ。つまり私の目は、イケメンの腕の中で警戒を露わにこちらを睨む、茶色いモフモフ子犬に釘付けだ。
子犬さんの、赤い宝石のような円らな瞳がこちらを睨んでいる。手足は短め。ミニチュアダックスフントのような体躯だが、耳はピンと立っていて、赤い瞳と相まって幻想生物感が強い。
私の熱い視線を一身に浴びた子犬さんは、照れてしまったのかプイと顔を背け、鼻面をイケメンの腕と胸の間に押し込んだ。あまりの可愛らしさに、私は眩暈を覚える。
親愛の情など一欠片もなく敵意だけが浮かぶ茶色い背中。若干逆立ったその毛並みを、なでなですりすりしてあげたい衝動が全身を駆け抜ける。これは、この感覚は。
「推せる!」
私は思わず呟いて、両腕を広げてモフモフ子犬に歩み寄る。近づいて初めて、茶色い背中が小刻みに震えていることに気づいた。可哀想に、何が悲しいのだろう。
あの子の心はわからないけれど、もう大丈夫。私が全身全霊をかけて愛でて、あなたを怯えさせる全てのものから守ってあげる……。
「うぐっ!?」
不意に視界が暗転した。全身が硬いものに包まれて、きつく拘束されてしまった。おかしい。私はモフモフを撫でようとしたのに、どうしてこんなにゴツゴツしたものに覆われているのだろうか。
「リザエラ……!」
「ひいっ」
甘い声で耳朶を撫でられて、私の喉から上ずった声が漏れた。反射的に両手を突っ張ると、ふにっとした何かに触れる。モフモフ子犬だ。
「リザエラ、無事で良かった」
「は、はひ?」
あまりの混乱に、脳みそがぐるぐると回転しているかのような気分になる。無意識に腕を振り回して藻掻くと、モフモフ子犬が「ぐえっ」と呻いた。
「陛下、ナーリス様が潰れてしまいます」
背後から、猫君の控え目な声がした。続いて、私を拘束する力が緩み、視界に光が戻って来る。
その段階になり、やっと理解する。私は、アニメキャラ風超絶イケメンの腕の中に抱きすくめられていたらしい。そして私の胸の辺りには、至高のモフモフ子犬。なぜこんなことに。奇跡過ぎる。夢か、夢なのか。
「リザエラ、なぜあんなことを」
「あんなこと?」
見れば、イケメンの切れ長の目が苦し気に歪んでいた。ものすごい色気だ。
「地下室に隠れ、睡眠薬を一気に飲み干したのだろう。何か辛かったのか? 私は君に全てを捧げたつもりだったのに、何が足りなかったというのだ」
「あ、あの」
本当に申し訳ないのだが、何の記憶もない。
「私に至らない部分があったのならば、何でも改善しよう。だからもう二度と、自分を傷つけようとはしないでくれ。聖女リザエラ、私の愛おしい妻」
「聖女。つ、妻……!」
がん、と頭に衝撃が走る。もちろん、物理的な攻撃を受けたわけではない。心的な原因によるものだ。
聖女となり、イケメンに妻と呼ばれる『なりきりサービス』でも受けたのだっただろうか。生粋の日本人リサとして過ごしていた最期の瞬間を思い起こす。
いつも通り会社を出た私は、ぼんやりとしたまま横断歩道を渡り、トラックに撥ねられた。多分。
事故に遭い、気づけば異世界にいる。撥ねられ、異世界に……まるで王道転生ファンタジーのような展開ではないか。無論、大好物だ。愛読書の中にも同じような筋書きの物語は幾つもある。つまりこれは。
「あの、私はリザエラと言う名前の聖女で、あなたの妻なんですか? 転生モノなんですか?」
イケメンの目が、驚愕に見開かれる。次いで彼は、ああと呻き、よろよろと後退った。
「リザエラ、なんてことだ。本当に全て忘れてしまったというのか……。そうだ、君は魔王である私デュヘルの愛しい妻。そして彼は」
イケメンは腕の中に抱いたモフモフ子犬を撫でる。
「私達の愛の結晶。息子のナーリスだ」
理解が及ばないのだが、どうやら私は、聖女(夫子持ち)に転生してしまったらしい。
「リザエラ様、私のこともお忘れですか?」
蒲原リサ改めリザエラとなったらしい私は、目の前で仏頂面を向けてくる小柄な男性に曖昧な笑みを返した。
「ええ、まあそんなところかしら……」
困りに困り、思わず口元に指をやる。視界の中に突如として現れた形の良い爪。本当に私の身体の一部なのかしらと、じっくり眺めてしまう。
マニキュアなど塗っていないにもかかわらず、生来の桃色を帯びている。縦にも横にも醜い線など入っていない滑らかな爪は、豪奢なシャンデリアの明かりを反射してぴかぴかと光っている。
「あの、リザエラ様? お爪に何か?」
「あ、ううん、何でもないの。ちょっと見惚れちゃって。あ、そういえば私のこの髪って染めているんだっけ?」
視界の端でちらつく見事なストロベリーブロンドを指先で摘んで問いかければ、男性は怪訝そうな表情で眉根を寄せて首を傾ける。
目つきが悪い男だ。無理もない。多分彼は猫か何かなのだろう。日本の住宅街を屯する鋭い目付きをしたドラ猫。それが一番しっくりくる。
いったい何を言っているのかと思われるだろうけれど、目の前にいる男性はどう見ても黒猫なのだ。
黒い頭髪は人間と同じ。けれど人の耳があるべき場所には何もなく、代わりに動物の猫と同じあたりに三角形の黒い耳がぴょこんと立っている。何なら、感情に合わせてちょっと動く。
双眸は金色で、前述のとおり、目つきがすこぶる悪い。
「ねえ、私の瞳って何色? やっぱり黒?」
猫君はいっそう表情をきつくしてから、諦めたように答えをくれた。
「リザエラ様がこの城に来られて五年になりますが、お髪は最初からお美しいブロンドでしたよ。瞳の色は新緑の緑。毎日鏡でご覧になっているのでは?」
「覚えていないの」
私は唸って虚空を見上げ記憶を呼び覚ます。
今やケモ耳にかしずかれながらリザエラ様と呼ばれている私だが、つい先ほどまでは会社のビル前を歩く、ただの平社員だったのだ。
耳を楽しませてくれたアニソンの音色も鮮明に思い出せる。ついでに、トラックの運転手さんの、今にも叫びだしそうな表情もフラッシュバックする。多分あの人は私のことを撥ねてしまったのだろう。私がぼんやり歩いていたばっかりに。
死んだつもりはないし、痛みも全くない。だけど私は気づけばリザエラになっていて、つい先ほど、鮮烈で馨しい香りを放つ純白の花の中で目覚めた。そこは花々が溢れる天国、ではなく棺桶だった。
リザエラは、服毒自殺をしたのだという。葬儀で突然目覚めた私――リザエラの姿を見た参列者は、死者の復活に驚愕し、絶叫し、ある者は気絶した。
その後、辛うじて平静を保った喪主のおかげで事態はひとまず丸く収まり、今は城の一室で、目の前の猫君やその他半獣人の皆さんと現状整理を行っているのだ。
「記憶がないというのは本当なのですか?」
猫君の隣で項垂れていたメイド姿の若い女の子が、しゅんと肩を落とす。茶色の長い耳が垂れている。多分垂れ耳兎さんだ。
本気で寂しそうなので、もしかしたらリザエラを慕っている子なのかもしれない。
「薬のせいでしょうね、記憶を失ったのは」
猫君が忌々し気に言い、兎さんが胸元で手を揉み今にも泣き出しそうな目をしている。
彼らが言う薬とはきっと、リザエラが自死のために呷ったという毒のことだろう。肉体を蝕むような毒を飲み、凄まじい死に方をしたような痕跡はこの身体にはないので、睡眠薬か何かだと思う。むしろ、トラックに弾き飛ばされたと思われるリサの身体の方が……いや、あれもこれもきっと。
「全部夢だわ」
ぴくり、と猫君の耳が動く。
「リザエラ様、ともかく陛下に状況をご報告しなければなりません。夢ではないので」
そう、夢ではないのか。我ながら原始的だが、とりあえず自分の頬をつねってみた。痛い。ついでに、猫君と兎さんの視線も痛い。
なんだか居心地が悪くなり、私はわざとらしく咳払いをした。
「とにかく、ごめんなさい。私、ほとんど何も覚えていないの。だから報告なんて」
言いかけた時、ノックもなしに扉が開いた。突然響いた大きな音に、兎さんがびくりと肩を震わせ、猫君が耳を倒したが、すぐに頭を垂れた。
それにしても、室内に入るのなら、一言かけてから扉を開けるのが礼儀というものだろう。無遠慮な闖入者に頬が引きつりそうになるが、そこはさすが八方美人で通っていた私。意識してにこやかに振り返り……絶句した。
欧州貴族風の装いをした超絶イケメンが、モフモフの子犬を抱えて立っていた。確か彼は、リザエラの国葬式典で喪主を務めていた男性だ。
首元が若干フリフリしているものの、概ねシンプルなシャツの上には黒い上着を羽織っている。銀色の髪がさらりと柔らかそうで、切れ長の目は赤みを帯びた紫色に煌めいている。彼は猫君や兎さんとは異なり、ケモ耳を持っていない。見える限りの場所には獣要素が皆無だ。
いや、この際モフモフは不要。まるで、腐女子受けを真っ向から狙いに行ったアニメキャラのような美形なのだから、尻尾も翼も何もなかったとしても推せる。推せる、のだけれど。
もちろんイケメンは好きなのだが、私が一番惹かれるのは、可愛らしいものなのだ。つまり私の目は、イケメンの腕の中で警戒を露わにこちらを睨む、茶色いモフモフ子犬に釘付けだ。
子犬さんの、赤い宝石のような円らな瞳がこちらを睨んでいる。手足は短め。ミニチュアダックスフントのような体躯だが、耳はピンと立っていて、赤い瞳と相まって幻想生物感が強い。
私の熱い視線を一身に浴びた子犬さんは、照れてしまったのかプイと顔を背け、鼻面をイケメンの腕と胸の間に押し込んだ。あまりの可愛らしさに、私は眩暈を覚える。
親愛の情など一欠片もなく敵意だけが浮かぶ茶色い背中。若干逆立ったその毛並みを、なでなですりすりしてあげたい衝動が全身を駆け抜ける。これは、この感覚は。
「推せる!」
私は思わず呟いて、両腕を広げてモフモフ子犬に歩み寄る。近づいて初めて、茶色い背中が小刻みに震えていることに気づいた。可哀想に、何が悲しいのだろう。
あの子の心はわからないけれど、もう大丈夫。私が全身全霊をかけて愛でて、あなたを怯えさせる全てのものから守ってあげる……。
「うぐっ!?」
不意に視界が暗転した。全身が硬いものに包まれて、きつく拘束されてしまった。おかしい。私はモフモフを撫でようとしたのに、どうしてこんなにゴツゴツしたものに覆われているのだろうか。
「リザエラ……!」
「ひいっ」
甘い声で耳朶を撫でられて、私の喉から上ずった声が漏れた。反射的に両手を突っ張ると、ふにっとした何かに触れる。モフモフ子犬だ。
「リザエラ、無事で良かった」
「は、はひ?」
あまりの混乱に、脳みそがぐるぐると回転しているかのような気分になる。無意識に腕を振り回して藻掻くと、モフモフ子犬が「ぐえっ」と呻いた。
「陛下、ナーリス様が潰れてしまいます」
背後から、猫君の控え目な声がした。続いて、私を拘束する力が緩み、視界に光が戻って来る。
その段階になり、やっと理解する。私は、アニメキャラ風超絶イケメンの腕の中に抱きすくめられていたらしい。そして私の胸の辺りには、至高のモフモフ子犬。なぜこんなことに。奇跡過ぎる。夢か、夢なのか。
「リザエラ、なぜあんなことを」
「あんなこと?」
見れば、イケメンの切れ長の目が苦し気に歪んでいた。ものすごい色気だ。
「地下室に隠れ、睡眠薬を一気に飲み干したのだろう。何か辛かったのか? 私は君に全てを捧げたつもりだったのに、何が足りなかったというのだ」
「あ、あの」
本当に申し訳ないのだが、何の記憶もない。
「私に至らない部分があったのならば、何でも改善しよう。だからもう二度と、自分を傷つけようとはしないでくれ。聖女リザエラ、私の愛おしい妻」
「聖女。つ、妻……!」
がん、と頭に衝撃が走る。もちろん、物理的な攻撃を受けたわけではない。心的な原因によるものだ。
聖女となり、イケメンに妻と呼ばれる『なりきりサービス』でも受けたのだっただろうか。生粋の日本人リサとして過ごしていた最期の瞬間を思い起こす。
いつも通り会社を出た私は、ぼんやりとしたまま横断歩道を渡り、トラックに撥ねられた。多分。
事故に遭い、気づけば異世界にいる。撥ねられ、異世界に……まるで王道転生ファンタジーのような展開ではないか。無論、大好物だ。愛読書の中にも同じような筋書きの物語は幾つもある。つまりこれは。
「あの、私はリザエラと言う名前の聖女で、あなたの妻なんですか? 転生モノなんですか?」
イケメンの目が、驚愕に見開かれる。次いで彼は、ああと呻き、よろよろと後退った。
「リザエラ、なんてことだ。本当に全て忘れてしまったというのか……。そうだ、君は魔王である私デュヘルの愛しい妻。そして彼は」
イケメンは腕の中に抱いたモフモフ子犬を撫でる。
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