148 / 152
王都編50 待ち侘びた鍾愛
しおりを挟む
王都編50 待ち侘びた鍾愛
聞きたい事を聞き出した俺はオルテガに連れられて隣の部屋に戻ってきた。
締め上げた所為なのか、後半は随分しおらしくなっていたグビッシュからは色々な事が聞き出す事が出来たし、欲しかった情報も得られた。ここまで来て女王様を演じた甲斐があるというものだ。
ベッドの縁に腰掛けてぼんやりと室内を見回す。改めて見てみれば随分と豪華な部屋だ。彼方此方に飾られた人物画が妙にリアルな上に八方睨みの技法が使われているらしく、まるで見られているような感じがしてソワソワする。
「リア」
落ち着かずに視線を彷徨わせているとドアに鍵を掛けたオルテガが寄ってきた。差し出される手を取って立ち上がるとそのまま腰を乱暴に抱き寄せられてオルテガの胸に顔面から突っ込む羽目になった。
鼻をぶつけて痛い思いをしていると、顎を取られて噛み付く様に口付けられる。呼吸すら奪う様なキスは深くて激しいもので、元から媚薬の効果も残っていた俺は直ぐに腰砕けになってしまう。
「は……」
息も絶え絶えといった辺りで漸く解放されるが、酸欠と快楽とでまともに動く事すらままならない。しかし、体は既に熱くなっていた。ずっとお預けをくらっていたのだ。こんな程度では足りない。
奥まで抉って、意識が飛ぶ程激しく貪って欲しい。最奥を熱い種で満たして欲しい。
そんな浅ましい俺の心を読んだのか、オルテガが意地の悪い笑みを浮かべて俺をじっと見つめてくる。俺に言わせたいのだろう。
「意地悪……」
「俺にされるのは好きだろう?」
低い笑い声が耳元で響く。ぐう、悔しい事に言い返せない。そのまま首筋にキスをされてぴくりと体が跳ねる。焦らす様な触れ方は俺が強請るまで本格的にする気がなさそうだ。
「分かってる癖に。非道い男だ」
相手の首に腕を回して、拗ねた様に言ってみる。しかし、相手もこの程度では折れない。
「言ってくれ。誰が欲しいんだ」
今日はしつこい…というかなんだかやたらと言わせようとしてくるな。少々の違和感を覚えつつも、俺ももう我慢の限界だった。時間も有限だしな。
「……此処にフィンが欲しい」
「いい子だ」
胎を撫でながら甘い声で啼いてみせれば、満足した様に黄昏色の瞳が細くなる。その瞳にギラギラと宿る欲情の色と低い声で褒められた事に背筋にゾクゾクと快感が這い上がってきた。
やはり、支配するよりされる方が好きなのかもしれない。
鏡と向かい合うようにベッドの縁に座ったオルテガの膝に乗り上げて甘える猫みたいに体を擦り寄せる。応える様に体に触れてくれる熱い手の感触に堪らない気持ちになった。
「……そういえば、お前も私にああいう事をしてみたいと思うのか?」
すり、と指先で相手の顎を撫でれば、彼が小さく呻く。興味がなくはないんだろう。最近の嗜虐傾向を見るに、あそこまでハードではないにしろ縛るなり軽く叩くなりは興味がありそうだ。
ぶっちゃけると俺の方は興味がある。オルテガもそんな俺の心境に気が付いているんだろう。じっと見つめていれば小さく溜め息をついて俺を抱き寄せてくる。
「……あんまり煽ってくれるな。そのうち好奇心で身を滅ぼすぞ」
「お前に滅ぼされるなら本望だが?」
相手の膝に座りながら微笑めば、オルテガが俺の腰に腕を回した。密着する体の熱を感じながらうっとりする。こうやってオルテガに抱き締められるのが好きだ。
すりと鼻先を擦り寄せながら甘えて見せれば、オルテガの手が俺の後頭部に回る。何をする気なんだろうと思っていれば、纏め上げていた髪を器用に解かれた。さらりと零れてくる黒い髪を手櫛で整える手の感触を心地良く思いながら目の前にある首筋に軽く噛み付く。
俺よりずっと逞しい体をなぞりながら愛撫をして先を強請る。今日はずっと物足りなくて仕方が無かったのだ。
相手の耳を舐めようとしたところで急に視界がひっくり返り、背中が柔らかいものに追い付けられる。押し倒されたと気が付いたのはオルテガが覆い被さってからだ。
「今日はどうしてやろうか」
意地悪く耳元で囁く声に背筋がゾクゾクする。しかし、今日は少し違う趣向も試してみたい。俺ばかり余裕がないのも気に入らないからだ。
「フィン、今日は私にもさせて欲しい」
唇の横に口付けながら強請れば、オルテガは黄昏色の瞳を丸くした。それから嬉しそうに、そして艶やかに色っぽく微笑む。
「分かった」
俺の額にキスを落とすと、オルテガは体勢を入れ替えてベッドに足を投げ出す様に長座位になる。好きにしろ、という事なんだろうと解釈して嬉々としながらオルテガの足に跨がれば、彼はいっそう笑みを深くした。
オルテガに見られながら彼のシャツを寛げて露わになった肌に舌を這わせた。俺のものより浅黒い肌に残る傷跡に口付けながら時折吸い付いて痕を残していく。オルテガの肌に俺のつけた痕が増える度に何とも言えない充足感に包まれる。
彼が俺のものなのだという証。つける度に零れる甘い吐息にゾクゾクしてしまう。拙い愛撫でも感じてくれているのだろうか。既に雄は兆している様だ。
ズボンの上から掌で触れれば、布越しでもその硬さと熱が伝わってくる。同時にこれが齎す快楽を思い出してきゅうと胎の奥が切なく疼いた。
止められないので好きにしようと体を下げ、彼の下肢の間に蹲ってズボンを寛げる。待ち切れなくて性急になる手付きで下着ごとズボンを下げれば、飛び出した雄は腹につきそうな程聳り勃っていた。
俺のものよりずっとグロテスクで雄々しい姿に思わず生唾を飲み込む。相変わらず、御立派な息子だ。
鼻先を下生えに埋めながら根元の匂いを嗅げば、濃い雄の匂いがしてそれだけで胎の奥がきゅんきゅんする。これに貫かれる快楽を知っている体が勝手に先を期待してしまう。
「リア……」
熱に浮かされたようなオルテガの声に急かされるまま、亀頭に口付けて舌を這わせる。太いカリをえずきそうになりながら口に含み口の奥へと咥え込んだ。
「んっ、む……」
大きな手が髪を撫でてくれるのを感じつつ舌を動かし、音を立てながら肉棒をしゃぶっていく。フェラなんて忌避するものだと思っていたが、オルテガが相手ならば自らしたいと思ってしまう。性行為自体そこまで好きなものではなかったというのに、酷い変わり様だ。
ちらりと視線だけでオルテガの様子を見れば、呼吸を乱し、色っぽい顔で俺を見ていた。元から良い男だが、快楽を耐える顔は壮絶な色気を放っていて堪らない気持ちになる。
そして、普段は蹂躙される側だが、今はオルテガを蹂躙する立場だ。先程までグビッシュを甚振っていた時の事を思い出して少し意地悪したくなった。
根元を指できつく絞めるとオルテガの顔が軽く歪む。限界も近かったのだろう。恨みがましげな視線が寄越されるが、無視して先端を重点的に嬲っていく。彼はここが弱いから。
射精したいが、指で絞めている所為で上手くいかないのだろう。顔を顰めながら時折低く呻く姿が堪らなかった。やはりこういう趣向も悪くないかもしれないな。
「っ……。リア……」
掠れた声が俺を呼ぶのを聞きながらパンパンに張った双玉も揉みしだき、しゃぶりついて相手を追い詰めていく。唇を噛む姿に加虐心が煽られてもっと意地悪したくなるが、後が怖いからこれくらいにしておいた方がいいだろう。自分の屋敷ならいざ知らず、外出先で足も腰も立たなくなるのはまずい。
僅かに残っていた理性が留めた事で俺はオルテガの根元を戒めていた指を解き、先端に吸い付きながら鈴口を舌先で強く刺激した。途端に低い呻き声がオルテガの口から漏れてビュル、と口の中に大量の熱が吐き出される。
吐き出された精を零さぬように尿道に残る最後の一滴までしゃぶりとる様にして口を離して見上げれば、爛々とした黄昏色の瞳と視線がぶつかった。
「……リア、そのまま鏡の方に向かって口を開けてくれ」
荒い呼吸の合間に強請られて粛々とその言葉に従う。鏡に向かって座り直しながら口を開ければ、恍惚とした表情で口の中に大量の白濁を溜め込んだ俺が映っていた。我ながら酷い顔だと思いながらオルテガにこんな顔を晒しているのかと思うと羞恥心よりも悦楽が僅かに勝る。
鏡越しにこちらを見つめるオルテガに口の中に溜まっている白濁を見せながら舌で軽く弄ぶ。美味いものではないが、こうするとオルテガが喜ぶから。唾液を絡めながらこくりと飲み下してやればオルテガの瞳孔が一気に大きくなる。それだけで彼が興奮しているのが分かってしまって先を期待する体が熱くなっていく。
「……膝立ちで此方を向け」
命令口調で促され、大人しく従う。今度は立場が逆転する様だ。
腰を抱かれるまま膝を跨ぐように座らされ、対面座位の状態になると大きな手が尻を揉み始めた。
「あっ……」
堪らずに漏れた甘い嬌声に目を細めると、オルテガが俺の首筋に軽く噛み付いてくる。薄い肌に食い込む犬歯の感触はいつだって俺にこれから齎される快楽への嚆矢。
喉を逸らして急所を晒す。狼は親愛を確かめる為に相手の喉に噛み付く事があるというが、そんな行動にそっくりだ。
喉に舌が這い、熱を感じるのも束の間の事で唾液で濡れたところがひんやりする。どうやらこの建物内が涼しくしてあるのはこうして盛り上がっている連中が快適に過ごせるように、という事らしい。
あっという間に服を奪われた体に冷えた空気が少し冷たくて身を震わせれば、目敏く気が付いたオルテガが暖めるように俺を抱き締める。嗚呼、彼のこういう所が好きだ。
熱い体に腕を回して暖を取りながら与えられる快楽に溺れていく。媚薬の効果で熾火のように燻っていた体は直ぐに熱に犯され、薄らと汗ばみ始めた。触れ合う素肌が熱くて、溶けてしまいそうだ。
「は、あ……」
零れ落ちる声も嬌声混じりでどろりと甘い。
丁寧な愛撫にうっとりしながらも早く犯して欲しくて仕方が無かった。ずっとお預け状態で待っているのだ。
「フィン、早く……」
相手の耳朶に軽く噛み付きながら強請れば、そのまま体勢を変えて乱暴に押し倒される。見上げた先にいる獣を受け入れるべく、俺は足を開いて見せるのだった。
聞きたい事を聞き出した俺はオルテガに連れられて隣の部屋に戻ってきた。
締め上げた所為なのか、後半は随分しおらしくなっていたグビッシュからは色々な事が聞き出す事が出来たし、欲しかった情報も得られた。ここまで来て女王様を演じた甲斐があるというものだ。
ベッドの縁に腰掛けてぼんやりと室内を見回す。改めて見てみれば随分と豪華な部屋だ。彼方此方に飾られた人物画が妙にリアルな上に八方睨みの技法が使われているらしく、まるで見られているような感じがしてソワソワする。
「リア」
落ち着かずに視線を彷徨わせているとドアに鍵を掛けたオルテガが寄ってきた。差し出される手を取って立ち上がるとそのまま腰を乱暴に抱き寄せられてオルテガの胸に顔面から突っ込む羽目になった。
鼻をぶつけて痛い思いをしていると、顎を取られて噛み付く様に口付けられる。呼吸すら奪う様なキスは深くて激しいもので、元から媚薬の効果も残っていた俺は直ぐに腰砕けになってしまう。
「は……」
息も絶え絶えといった辺りで漸く解放されるが、酸欠と快楽とでまともに動く事すらままならない。しかし、体は既に熱くなっていた。ずっとお預けをくらっていたのだ。こんな程度では足りない。
奥まで抉って、意識が飛ぶ程激しく貪って欲しい。最奥を熱い種で満たして欲しい。
そんな浅ましい俺の心を読んだのか、オルテガが意地の悪い笑みを浮かべて俺をじっと見つめてくる。俺に言わせたいのだろう。
「意地悪……」
「俺にされるのは好きだろう?」
低い笑い声が耳元で響く。ぐう、悔しい事に言い返せない。そのまま首筋にキスをされてぴくりと体が跳ねる。焦らす様な触れ方は俺が強請るまで本格的にする気がなさそうだ。
「分かってる癖に。非道い男だ」
相手の首に腕を回して、拗ねた様に言ってみる。しかし、相手もこの程度では折れない。
「言ってくれ。誰が欲しいんだ」
今日はしつこい…というかなんだかやたらと言わせようとしてくるな。少々の違和感を覚えつつも、俺ももう我慢の限界だった。時間も有限だしな。
「……此処にフィンが欲しい」
「いい子だ」
胎を撫でながら甘い声で啼いてみせれば、満足した様に黄昏色の瞳が細くなる。その瞳にギラギラと宿る欲情の色と低い声で褒められた事に背筋にゾクゾクと快感が這い上がってきた。
やはり、支配するよりされる方が好きなのかもしれない。
鏡と向かい合うようにベッドの縁に座ったオルテガの膝に乗り上げて甘える猫みたいに体を擦り寄せる。応える様に体に触れてくれる熱い手の感触に堪らない気持ちになった。
「……そういえば、お前も私にああいう事をしてみたいと思うのか?」
すり、と指先で相手の顎を撫でれば、彼が小さく呻く。興味がなくはないんだろう。最近の嗜虐傾向を見るに、あそこまでハードではないにしろ縛るなり軽く叩くなりは興味がありそうだ。
ぶっちゃけると俺の方は興味がある。オルテガもそんな俺の心境に気が付いているんだろう。じっと見つめていれば小さく溜め息をついて俺を抱き寄せてくる。
「……あんまり煽ってくれるな。そのうち好奇心で身を滅ぼすぞ」
「お前に滅ぼされるなら本望だが?」
相手の膝に座りながら微笑めば、オルテガが俺の腰に腕を回した。密着する体の熱を感じながらうっとりする。こうやってオルテガに抱き締められるのが好きだ。
すりと鼻先を擦り寄せながら甘えて見せれば、オルテガの手が俺の後頭部に回る。何をする気なんだろうと思っていれば、纏め上げていた髪を器用に解かれた。さらりと零れてくる黒い髪を手櫛で整える手の感触を心地良く思いながら目の前にある首筋に軽く噛み付く。
俺よりずっと逞しい体をなぞりながら愛撫をして先を強請る。今日はずっと物足りなくて仕方が無かったのだ。
相手の耳を舐めようとしたところで急に視界がひっくり返り、背中が柔らかいものに追い付けられる。押し倒されたと気が付いたのはオルテガが覆い被さってからだ。
「今日はどうしてやろうか」
意地悪く耳元で囁く声に背筋がゾクゾクする。しかし、今日は少し違う趣向も試してみたい。俺ばかり余裕がないのも気に入らないからだ。
「フィン、今日は私にもさせて欲しい」
唇の横に口付けながら強請れば、オルテガは黄昏色の瞳を丸くした。それから嬉しそうに、そして艶やかに色っぽく微笑む。
「分かった」
俺の額にキスを落とすと、オルテガは体勢を入れ替えてベッドに足を投げ出す様に長座位になる。好きにしろ、という事なんだろうと解釈して嬉々としながらオルテガの足に跨がれば、彼はいっそう笑みを深くした。
オルテガに見られながら彼のシャツを寛げて露わになった肌に舌を這わせた。俺のものより浅黒い肌に残る傷跡に口付けながら時折吸い付いて痕を残していく。オルテガの肌に俺のつけた痕が増える度に何とも言えない充足感に包まれる。
彼が俺のものなのだという証。つける度に零れる甘い吐息にゾクゾクしてしまう。拙い愛撫でも感じてくれているのだろうか。既に雄は兆している様だ。
ズボンの上から掌で触れれば、布越しでもその硬さと熱が伝わってくる。同時にこれが齎す快楽を思い出してきゅうと胎の奥が切なく疼いた。
止められないので好きにしようと体を下げ、彼の下肢の間に蹲ってズボンを寛げる。待ち切れなくて性急になる手付きで下着ごとズボンを下げれば、飛び出した雄は腹につきそうな程聳り勃っていた。
俺のものよりずっとグロテスクで雄々しい姿に思わず生唾を飲み込む。相変わらず、御立派な息子だ。
鼻先を下生えに埋めながら根元の匂いを嗅げば、濃い雄の匂いがしてそれだけで胎の奥がきゅんきゅんする。これに貫かれる快楽を知っている体が勝手に先を期待してしまう。
「リア……」
熱に浮かされたようなオルテガの声に急かされるまま、亀頭に口付けて舌を這わせる。太いカリをえずきそうになりながら口に含み口の奥へと咥え込んだ。
「んっ、む……」
大きな手が髪を撫でてくれるのを感じつつ舌を動かし、音を立てながら肉棒をしゃぶっていく。フェラなんて忌避するものだと思っていたが、オルテガが相手ならば自らしたいと思ってしまう。性行為自体そこまで好きなものではなかったというのに、酷い変わり様だ。
ちらりと視線だけでオルテガの様子を見れば、呼吸を乱し、色っぽい顔で俺を見ていた。元から良い男だが、快楽を耐える顔は壮絶な色気を放っていて堪らない気持ちになる。
そして、普段は蹂躙される側だが、今はオルテガを蹂躙する立場だ。先程までグビッシュを甚振っていた時の事を思い出して少し意地悪したくなった。
根元を指できつく絞めるとオルテガの顔が軽く歪む。限界も近かったのだろう。恨みがましげな視線が寄越されるが、無視して先端を重点的に嬲っていく。彼はここが弱いから。
射精したいが、指で絞めている所為で上手くいかないのだろう。顔を顰めながら時折低く呻く姿が堪らなかった。やはりこういう趣向も悪くないかもしれないな。
「っ……。リア……」
掠れた声が俺を呼ぶのを聞きながらパンパンに張った双玉も揉みしだき、しゃぶりついて相手を追い詰めていく。唇を噛む姿に加虐心が煽られてもっと意地悪したくなるが、後が怖いからこれくらいにしておいた方がいいだろう。自分の屋敷ならいざ知らず、外出先で足も腰も立たなくなるのはまずい。
僅かに残っていた理性が留めた事で俺はオルテガの根元を戒めていた指を解き、先端に吸い付きながら鈴口を舌先で強く刺激した。途端に低い呻き声がオルテガの口から漏れてビュル、と口の中に大量の熱が吐き出される。
吐き出された精を零さぬように尿道に残る最後の一滴までしゃぶりとる様にして口を離して見上げれば、爛々とした黄昏色の瞳と視線がぶつかった。
「……リア、そのまま鏡の方に向かって口を開けてくれ」
荒い呼吸の合間に強請られて粛々とその言葉に従う。鏡に向かって座り直しながら口を開ければ、恍惚とした表情で口の中に大量の白濁を溜め込んだ俺が映っていた。我ながら酷い顔だと思いながらオルテガにこんな顔を晒しているのかと思うと羞恥心よりも悦楽が僅かに勝る。
鏡越しにこちらを見つめるオルテガに口の中に溜まっている白濁を見せながら舌で軽く弄ぶ。美味いものではないが、こうするとオルテガが喜ぶから。唾液を絡めながらこくりと飲み下してやればオルテガの瞳孔が一気に大きくなる。それだけで彼が興奮しているのが分かってしまって先を期待する体が熱くなっていく。
「……膝立ちで此方を向け」
命令口調で促され、大人しく従う。今度は立場が逆転する様だ。
腰を抱かれるまま膝を跨ぐように座らされ、対面座位の状態になると大きな手が尻を揉み始めた。
「あっ……」
堪らずに漏れた甘い嬌声に目を細めると、オルテガが俺の首筋に軽く噛み付いてくる。薄い肌に食い込む犬歯の感触はいつだって俺にこれから齎される快楽への嚆矢。
喉を逸らして急所を晒す。狼は親愛を確かめる為に相手の喉に噛み付く事があるというが、そんな行動にそっくりだ。
喉に舌が這い、熱を感じるのも束の間の事で唾液で濡れたところがひんやりする。どうやらこの建物内が涼しくしてあるのはこうして盛り上がっている連中が快適に過ごせるように、という事らしい。
あっという間に服を奪われた体に冷えた空気が少し冷たくて身を震わせれば、目敏く気が付いたオルテガが暖めるように俺を抱き締める。嗚呼、彼のこういう所が好きだ。
熱い体に腕を回して暖を取りながら与えられる快楽に溺れていく。媚薬の効果で熾火のように燻っていた体は直ぐに熱に犯され、薄らと汗ばみ始めた。触れ合う素肌が熱くて、溶けてしまいそうだ。
「は、あ……」
零れ落ちる声も嬌声混じりでどろりと甘い。
丁寧な愛撫にうっとりしながらも早く犯して欲しくて仕方が無かった。ずっとお預け状態で待っているのだ。
「フィン、早く……」
相手の耳朶に軽く噛み付きながら強請れば、そのまま体勢を変えて乱暴に押し倒される。見上げた先にいる獣を受け入れるべく、俺は足を開いて見せるのだった。
91
お気に入りに追加
331
あなたにおすすめの小説
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
突然異世界転移させられたと思ったら騎士に拾われて執事にされて愛されています
ブラフ
BL
学校からの帰宅中、突然マンホールが光って知らない場所にいた神田伊織は森の中を彷徨っていた
魔獣に襲われ通りかかった騎士に助けてもらったところ、なぜだか騎士にいたく気に入られて屋敷に連れて帰られて執事となった。
そこまではよかったがなぜだか騎士に別の意味で気に入られていたのだった。
だがその騎士にも秘密があった―――。
その秘密を知り、伊織はどう決断していくのか。
中華マフィア若頭の寵愛が重すぎて頭を抱えています
橋本しら子
BL
あの時、あの場所に近づかなければ、変わらない日常の中にいることができたのかもしれない。居酒屋でアルバイトをしながら学費を稼ぐ苦学生の桃瀬朱兎(ももせあやと)は、バイト終わりに自宅近くの裏路地で怪我をしていた一人の男を助けた。その男こそ、朱龍会日本支部を取り仕切っている中華マフィアの若頭【鼬瓏(ゆうろん)】その人。彼に関わったことから事件に巻き込まれてしまい、気づけば闇オークションで人身売買に掛けられていた。偶然居合わせた鼬瓏に買われたことにより普通の日常から一変、非日常へ身を置くことになってしまったが……
想像していたような酷い扱いなどなく、ただ鼬瓏に甘やかされながら何時も通りの生活を送っていた。
※付きのお話は18指定になります。ご注意ください。
更新は不定期です。
【書籍化進行中】契約婚ですが可愛い継子を溺愛します
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
恋愛
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
前世の記憶がうっすら残る私が転生したのは、貧乏伯爵家の長女。父親に頼まれ、公爵家の圧力と財力に負けた我が家は私を売った。
悲壮感漂う状況のようだが、契約婚は悪くない。実家の借金を返し、可愛い継子を愛でながら、旦那様は元気で留守が最高! と日常を謳歌する。旦那様に放置された妻ですが、息子や使用人と快適ライフを追求する。
逞しく生きる私に、旦那様が距離を詰めてきて? 本気の恋愛や溺愛はお断りです!!
ハッピーエンド確定
【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2024/09/07……カクヨム、恋愛週間 4位
2024/09/02……小説家になろう、総合連載 2位
2024/09/02……小説家になろう、週間恋愛 2位
2024/08/28……小説家になろう、日間恋愛連載 1位
2024/08/24……アルファポリス 女性向けHOT 8位
2024/08/16……エブリスタ 恋愛ファンタジー 1位
2024/08/14……連載開始
転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!
めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。
ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。
兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。
義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!?
このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。
※タイトル変更(2024/11/27)
主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
不良高校に転校したら溺愛されて思ってたのと違う
らる
BL
幸せな家庭ですくすくと育ち普通の高校に通い楽しく毎日を過ごしている七瀬透。
唯一普通じゃない所は人たらしなふわふわ天然男子である。
そんな透は本で見た不良に憧れ、勢いで日本一と言われる不良学園に転校。
いったいどうなる!?
[強くて怖い生徒会長]×[天然ふわふわボーイ]固定です。
※更新頻度遅め。一日一話を目標にしてます。
※誤字脱字は見つけ次第時間のある時修正します。それまではご了承ください。
どうせ全部、知ってるくせに。
楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】
親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。
飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。
※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる