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王都編17 夕餉
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王都編17 夕餉
少しばかり二人で部屋でイチャイチャ過ごしているとマカリオが俺達を呼びに来た。
少々物足りなく思いながらも連れ立って食堂に向かえば、そこには先程出迎えてくれたセレドニオとエルカンナシオンが既に席に着いている。二人は俺の姿を見ると嬉しそうに招き寄せてくれた。
「今日はリア君の好物ばかり用意したのよ。気に入って貰えると嬉しいけれど」
エルカンナシオンに言われてテーブルの上に並ぶ料理を見遣れば、セイアッドの好む物ばかりだ。昨日オルテガと飲んだ果実酒も用意されているのが嬉しい。
「ありがとうございます。本当に……好きなものばかりだ」
ガーランド領はスペインをイメージしている為か、並んでいる料理もスペイン料理に似た物が多いようだ。供されているのはガスパチョのような冷製スープだろうか。アヒージョの食欲を唆るにんにくの匂いが堪らない。
何より目を引くのは大鍋にたっぷり炊き込まれたパエリアだ。ふんだんに海鮮や肉を散りばめたパエリアはセイアッドがガーランド領の料理で最も好んだ物。
好きな物を覚えていてくれた事を嬉しく思いながらオルテガに促されるままに席に着くと直ぐに食事が始まる。ガーランド家では家族だけやレヴォネ家が一緒の時はコース式にはせずにある程度料理が先に用意されてしゃべりながらゆっくり食べていた。スペインの気風から影響を受けているのか食事は堅苦しいマナーはあまりなく会話と食事を楽しむのがガーランド流だ。
使用人が取り分けてくれた料理と酒に舌鼓を打ちながらエルカンナシオンやセレドニオを交えて話すのは酷く懐かしい光景だった。両親を亡くし、宰相になってからはずっと独りでがむしゃらに足掻いてきたからこうやって親しい人と穏やかに過ごす時間は殆どなかった。
談笑しつつも感慨に耽りながら食事を摂っていると不意に隣から腕が伸びてくる。何だろうと思っているとオルテガの手が優しく目元を撫でてくれた。
「……もっと早く、無理矢理にでも連れて来るべきだった」
すり、と優しく目元を撫でる手とは裏腹にオルテガの表情は優れない。どうやら彼はセイアッドが追い詰められている事に気が付けなかった事を未だに気に病んでいるようだ。だが、あの追放劇が切っ掛けになってセオドアとセイアッドの悲願は大きく前進している。それに、セイアッドとオルテガの関係が変わる切っ掛けにもなった。
「お前が気に病む事じゃない。丁度いい機会だったんだ。お陰で私は父の宿願を叶えられそうだし、お前とこうして触れ合えるようになった」
オルテガの手に自分の手を重ねながら頬を擦り寄せる。以前ならばきっと考えもしなかったのだろう。
ずっと焦がれていた大好きな人。傍にいるのに誰よりも遠くて、こうやって想い合う事すら諦めてきたのだから。
胸の内に想いを秘めて、自分に与えられた使命の為に命を燃やして尽くす。それが「私」だった。
「フィン、私の為にレヴォネ領に駆け付けてくれてありがとう」
俺には言わないが、様々なものを犠牲にしたに違いない。総騎士団長という立場も彼自身が築いてきた周囲の信頼も侵害する事になってしまった。
「……私のせいでお前の立場が悪くなったりしていないか? ガーランド家に御迷惑を掛けていないだろうか」
今更そんな事に気が付いてオルテガに訊ねる。しかし、彼は優しく笑って俺を抱き締めるだけだ。
「この程度で揺らぐものじゃないから安心しろ」
そう言いながら俺の頭や額にキスを落とすオルテガとは対照的にセレドニオは苦い笑みを浮かべている。その表情に若干嫌な予感がするんだが…!
「全く、退団すると言って聞かなかった者の台詞とは思えないな」
「えっ!?」
セレドニオの発言に驚いてオルテガを見ればサッと目を逸らされた。何だその話は。誰からも聞いてない!
「おい、どういう事なのか説明をしろ」
がしっと胸倉を掴みながら尋ねれば、オルテガが諦めたように溜め息を零した。
「……お前を追ってレヴォネ領に発つのと同時に王都に手紙を出していたんだ。総騎士団長を退き、騎士の身分も返上して退団すると」
今更の告白に血の気が引く。なんて事だ。彼にそこまでさせていたなんて。
「陛下と兄上に留められたし、辞意についての手紙は葬られている」
俺の様子にオルテガが慌てて言い訳するが、ショックが大きくてあんまり話が入ってこない。
オルテガは幼い頃から立派な騎士になる事を目指して研鑽を積んできた人間だ。そんな男が俺の為にその矜持を全て投げ捨てようとしたのだ。
「何故……何故そんな愚かな事をした! そうまでして寄り添われて私が喜ぶと思ったのか!?」
思わず声を上げれば、オルテガが叱られた犬のようにしょんぼりと肩を落とす。
オルテガが悪い訳ではない。気持ちは嬉しいのだ。だが、その為に彼の誇りや築き上げてきたものを捨ててしまうのは違う。
「リア君」
エルカンナシオンに名を呼ばれてそちらを向くと彼女は優しく微笑んでいた。
「この大馬鹿息子は私とロイとアルトゥロとでたっぷり叱ってやったから程々にしてやってちょうだい」
成程、父母兄にもう散々搾られた後か。ガーランド家の面々に詰められたなら余程効いているだろう。
少しばかり冷静になって考えを改める。オルテガの好意に甘えて何も訊ねずに滞在を引き延ばさせたのは俺の落ち度でもあるのだ。
自分を落ち着かせる為にふぅと小さく息を吐いてからオルテガの頬をむにっと摘む。おお、思ったよりも良く伸びるな。
「私の為にお前自身の矜持を投げ捨てるなんて真似は二度とするなよ。したら、絶交だ」
「……分かった。絶対にしない」
フガフガと拙い発音でだが、オルテガが誓いの言葉を口にする。それを聞いて頬を解放してやれば、黙っていてすまなかったと呟きながらオルテガが俺に鼻先を擦り寄せてきた。ぐう、こういう事をされるとこれ以上怒れなくなる。
ふと気が付けば、セレドニオとエルカンナシオンが優しい視線を俺達に向けていて顔が熱くなった。うっかりしていたが、ここは相手の実家だ。
「二人が仲良しで嬉しいわ! ライラもカミレも嘸かし喜んでいるでしょうね」
亡き両親の名前まで出されて余計に恥ずかしくなる。そっと視線で窺えば室内にいた使用人達も似たような目で微笑ましそうに俺達を見ていた。
地球ではその昔、王族は確実にまぐわったかどうか確認する為に家人が閨事を見る、なんて文化があったような気がする。そこまでではないにせよ、貴族という身分がある以上家の中でも他の人から見られるというのは極々自然な事な訳で。されど、一般庶民感覚の抜けない「俺」はどうしても他人から注目を浴びる事がストレスになっている。
いつかこれが日常になるんだろうけれど、果たして慣れる日は来るんだろうか…。
軽い絶望感を覚えつつも、この場では諦めた俺は現実逃避するようにオルテガの腕に頬を擦り寄せた。
その後は思い出話を交えながらゆっくりと食事を摂った。
久方振りのガーランド料理を懐かしみながら食べ終わるとデザートには懐かしい物が出された。ナティジャスというスイーツで、緩めのカスタードクリームにビスケットを乗せて食べる物だ。素朴で優しい甘さのクリームが美味しい、これまたセイアッドの好物だった。
ガーランド家の面々がここまで自分の事を思いやってくれていた事に今更気が付いて申し訳ない気持ちになる。もっと早くに頼っていればもう少し違う未来になっていたかもしれない。
「美味しかったです。ナティジャスも懐かしい」
「昔は良くライラと四人で食べていたものね」
懐かしそうに呟くエルカンナシオンの顔は寂しそうだ。
セイアッドの母親、リュンヌ・ライラ・レヴォネとエルカンナシオンは学生時代からの親友だった。幼い記憶にある母とエルカンナシオンはいつも仲良さそうに話していて、ナティジャスはガーランド家でお茶をした時に良く出される思い出のお菓子。
上手く食器を使えなくて、柔らかなクリームで口元を汚しながらオルテガと食べていて、困ったようなされど優しい笑みを母に口元を拭ってもらうのが好きだった。
「そうだ、久々にお庭を見せて頂きたいのですが」
込み上げる懐かしさのままにお願いしてみた。
ガーランド家の庭は母との思い出の場所でもある。宰相として、また侯爵家当主として激務に追われていた父の不在の寂しさを埋めるように、セイアッドと母は良くガーランド家に遊びに来ていた。そして、オルテガとエルカンナシオンと共にお茶やおやつを楽しんだり遊んでいたものだ。
「確認なんてしなくても貴方ならいつでも見にきてもらって構わないわ」
「ありがとうございます」
食後の腹ごなしに少しばかり散歩させてもらおう。新たな楽しみが出来た事を嬉しく思っていればセレドニオがちらりとオルテガを見遣る。
「フィン、リアにアレを披露したのか?」
「いいえ。これからです」
父と息子の会話を聞きながら軽く首を傾げる。どうやら俺に見せていない物がまだ何かあるようだ。思い当たるのは庭のど真ん中にあるガラスで出来たドーム型のアレ。
「ガーランド家からリア君に贈り物よ。喜んでくれると嬉しいわ」
楽しそうに告げるエルカンナシオンに、同意を示すように何度も頷くセレドニオ。何を用意してくれたのか楽しみな反面、若干の不安がだな…! 近頃のオルテガの貢ぎっぷりを見るに、何が飛び出してくるのか予想も出来ない。
一抹の不安を抱えながらもガーランド家での食事会は終わりを告げたのだった。
少しばかり二人で部屋でイチャイチャ過ごしているとマカリオが俺達を呼びに来た。
少々物足りなく思いながらも連れ立って食堂に向かえば、そこには先程出迎えてくれたセレドニオとエルカンナシオンが既に席に着いている。二人は俺の姿を見ると嬉しそうに招き寄せてくれた。
「今日はリア君の好物ばかり用意したのよ。気に入って貰えると嬉しいけれど」
エルカンナシオンに言われてテーブルの上に並ぶ料理を見遣れば、セイアッドの好む物ばかりだ。昨日オルテガと飲んだ果実酒も用意されているのが嬉しい。
「ありがとうございます。本当に……好きなものばかりだ」
ガーランド領はスペインをイメージしている為か、並んでいる料理もスペイン料理に似た物が多いようだ。供されているのはガスパチョのような冷製スープだろうか。アヒージョの食欲を唆るにんにくの匂いが堪らない。
何より目を引くのは大鍋にたっぷり炊き込まれたパエリアだ。ふんだんに海鮮や肉を散りばめたパエリアはセイアッドがガーランド領の料理で最も好んだ物。
好きな物を覚えていてくれた事を嬉しく思いながらオルテガに促されるままに席に着くと直ぐに食事が始まる。ガーランド家では家族だけやレヴォネ家が一緒の時はコース式にはせずにある程度料理が先に用意されてしゃべりながらゆっくり食べていた。スペインの気風から影響を受けているのか食事は堅苦しいマナーはあまりなく会話と食事を楽しむのがガーランド流だ。
使用人が取り分けてくれた料理と酒に舌鼓を打ちながらエルカンナシオンやセレドニオを交えて話すのは酷く懐かしい光景だった。両親を亡くし、宰相になってからはずっと独りでがむしゃらに足掻いてきたからこうやって親しい人と穏やかに過ごす時間は殆どなかった。
談笑しつつも感慨に耽りながら食事を摂っていると不意に隣から腕が伸びてくる。何だろうと思っているとオルテガの手が優しく目元を撫でてくれた。
「……もっと早く、無理矢理にでも連れて来るべきだった」
すり、と優しく目元を撫でる手とは裏腹にオルテガの表情は優れない。どうやら彼はセイアッドが追い詰められている事に気が付けなかった事を未だに気に病んでいるようだ。だが、あの追放劇が切っ掛けになってセオドアとセイアッドの悲願は大きく前進している。それに、セイアッドとオルテガの関係が変わる切っ掛けにもなった。
「お前が気に病む事じゃない。丁度いい機会だったんだ。お陰で私は父の宿願を叶えられそうだし、お前とこうして触れ合えるようになった」
オルテガの手に自分の手を重ねながら頬を擦り寄せる。以前ならばきっと考えもしなかったのだろう。
ずっと焦がれていた大好きな人。傍にいるのに誰よりも遠くて、こうやって想い合う事すら諦めてきたのだから。
胸の内に想いを秘めて、自分に与えられた使命の為に命を燃やして尽くす。それが「私」だった。
「フィン、私の為にレヴォネ領に駆け付けてくれてありがとう」
俺には言わないが、様々なものを犠牲にしたに違いない。総騎士団長という立場も彼自身が築いてきた周囲の信頼も侵害する事になってしまった。
「……私のせいでお前の立場が悪くなったりしていないか? ガーランド家に御迷惑を掛けていないだろうか」
今更そんな事に気が付いてオルテガに訊ねる。しかし、彼は優しく笑って俺を抱き締めるだけだ。
「この程度で揺らぐものじゃないから安心しろ」
そう言いながら俺の頭や額にキスを落とすオルテガとは対照的にセレドニオは苦い笑みを浮かべている。その表情に若干嫌な予感がするんだが…!
「全く、退団すると言って聞かなかった者の台詞とは思えないな」
「えっ!?」
セレドニオの発言に驚いてオルテガを見ればサッと目を逸らされた。何だその話は。誰からも聞いてない!
「おい、どういう事なのか説明をしろ」
がしっと胸倉を掴みながら尋ねれば、オルテガが諦めたように溜め息を零した。
「……お前を追ってレヴォネ領に発つのと同時に王都に手紙を出していたんだ。総騎士団長を退き、騎士の身分も返上して退団すると」
今更の告白に血の気が引く。なんて事だ。彼にそこまでさせていたなんて。
「陛下と兄上に留められたし、辞意についての手紙は葬られている」
俺の様子にオルテガが慌てて言い訳するが、ショックが大きくてあんまり話が入ってこない。
オルテガは幼い頃から立派な騎士になる事を目指して研鑽を積んできた人間だ。そんな男が俺の為にその矜持を全て投げ捨てようとしたのだ。
「何故……何故そんな愚かな事をした! そうまでして寄り添われて私が喜ぶと思ったのか!?」
思わず声を上げれば、オルテガが叱られた犬のようにしょんぼりと肩を落とす。
オルテガが悪い訳ではない。気持ちは嬉しいのだ。だが、その為に彼の誇りや築き上げてきたものを捨ててしまうのは違う。
「リア君」
エルカンナシオンに名を呼ばれてそちらを向くと彼女は優しく微笑んでいた。
「この大馬鹿息子は私とロイとアルトゥロとでたっぷり叱ってやったから程々にしてやってちょうだい」
成程、父母兄にもう散々搾られた後か。ガーランド家の面々に詰められたなら余程効いているだろう。
少しばかり冷静になって考えを改める。オルテガの好意に甘えて何も訊ねずに滞在を引き延ばさせたのは俺の落ち度でもあるのだ。
自分を落ち着かせる為にふぅと小さく息を吐いてからオルテガの頬をむにっと摘む。おお、思ったよりも良く伸びるな。
「私の為にお前自身の矜持を投げ捨てるなんて真似は二度とするなよ。したら、絶交だ」
「……分かった。絶対にしない」
フガフガと拙い発音でだが、オルテガが誓いの言葉を口にする。それを聞いて頬を解放してやれば、黙っていてすまなかったと呟きながらオルテガが俺に鼻先を擦り寄せてきた。ぐう、こういう事をされるとこれ以上怒れなくなる。
ふと気が付けば、セレドニオとエルカンナシオンが優しい視線を俺達に向けていて顔が熱くなった。うっかりしていたが、ここは相手の実家だ。
「二人が仲良しで嬉しいわ! ライラもカミレも嘸かし喜んでいるでしょうね」
亡き両親の名前まで出されて余計に恥ずかしくなる。そっと視線で窺えば室内にいた使用人達も似たような目で微笑ましそうに俺達を見ていた。
地球ではその昔、王族は確実にまぐわったかどうか確認する為に家人が閨事を見る、なんて文化があったような気がする。そこまでではないにせよ、貴族という身分がある以上家の中でも他の人から見られるというのは極々自然な事な訳で。されど、一般庶民感覚の抜けない「俺」はどうしても他人から注目を浴びる事がストレスになっている。
いつかこれが日常になるんだろうけれど、果たして慣れる日は来るんだろうか…。
軽い絶望感を覚えつつも、この場では諦めた俺は現実逃避するようにオルテガの腕に頬を擦り寄せた。
その後は思い出話を交えながらゆっくりと食事を摂った。
久方振りのガーランド料理を懐かしみながら食べ終わるとデザートには懐かしい物が出された。ナティジャスというスイーツで、緩めのカスタードクリームにビスケットを乗せて食べる物だ。素朴で優しい甘さのクリームが美味しい、これまたセイアッドの好物だった。
ガーランド家の面々がここまで自分の事を思いやってくれていた事に今更気が付いて申し訳ない気持ちになる。もっと早くに頼っていればもう少し違う未来になっていたかもしれない。
「美味しかったです。ナティジャスも懐かしい」
「昔は良くライラと四人で食べていたものね」
懐かしそうに呟くエルカンナシオンの顔は寂しそうだ。
セイアッドの母親、リュンヌ・ライラ・レヴォネとエルカンナシオンは学生時代からの親友だった。幼い記憶にある母とエルカンナシオンはいつも仲良さそうに話していて、ナティジャスはガーランド家でお茶をした時に良く出される思い出のお菓子。
上手く食器を使えなくて、柔らかなクリームで口元を汚しながらオルテガと食べていて、困ったようなされど優しい笑みを母に口元を拭ってもらうのが好きだった。
「そうだ、久々にお庭を見せて頂きたいのですが」
込み上げる懐かしさのままにお願いしてみた。
ガーランド家の庭は母との思い出の場所でもある。宰相として、また侯爵家当主として激務に追われていた父の不在の寂しさを埋めるように、セイアッドと母は良くガーランド家に遊びに来ていた。そして、オルテガとエルカンナシオンと共にお茶やおやつを楽しんだり遊んでいたものだ。
「確認なんてしなくても貴方ならいつでも見にきてもらって構わないわ」
「ありがとうございます」
食後の腹ごなしに少しばかり散歩させてもらおう。新たな楽しみが出来た事を嬉しく思っていればセレドニオがちらりとオルテガを見遣る。
「フィン、リアにアレを披露したのか?」
「いいえ。これからです」
父と息子の会話を聞きながら軽く首を傾げる。どうやら俺に見せていない物がまだ何かあるようだ。思い当たるのは庭のど真ん中にあるガラスで出来たドーム型のアレ。
「ガーランド家からリア君に贈り物よ。喜んでくれると嬉しいわ」
楽しそうに告げるエルカンナシオンに、同意を示すように何度も頷くセレドニオ。何を用意してくれたのか楽しみな反面、若干の不安がだな…! 近頃のオルテガの貢ぎっぷりを見るに、何が飛び出してくるのか予想も出来ない。
一抹の不安を抱えながらもガーランド家での食事会は終わりを告げたのだった。
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