58 / 159
51 不躾な賓
しおりを挟む
51 不躾な賓
屋敷に戻ったが、結局ダーランはこの日帰らなかった。代わりに先触れの男が来て、明日には戻るとの事だった。
帰ってきたら説教してやると思いながら夕食を摂り、自室へと引っ込めば襲ってくるのは寂寥だ。オルテガの荷物は置きっぱなしになっていて、彼の気配を感じるから余計に。
広い部屋の中、弱々しい月明かりの落ちる窓辺のテーブルにはレインから貰った香水が並んでいる。寄り添うようなその瓶の、藍色の方へと手を伸ばして蓋を開けた。
途端に押し寄せてくるのはあの香りだ。だが、それもオルテガが身に付けていた時ほど魅力を感じられない。
香水というものはその人が持つ匂いと混ざる事でより魅力的になると聞いた事がある。この香水だけでは物足りなく感じるのはきっとオルテガの匂いがないからだろう。
なんて言いつつも、人間というのは存外単純な生き物なのかもしれない。
記憶の底にある香りを思い出して、背筋にぞくりと甘い痺れが奔る。
『リア』
耳元で低く甘い声が響いた気がして一気に体が熱くなっていく。毎日抱き合っていたのに、この三日程は寂しさを誤魔化す為に早々に眠りに就いていたせいか、なかなかおさまる気配もない。
戻って来たらまた気絶する程抱いてもらおう。そう思いながら気を紛らわせるためにベッドサイドに置いていた本へと手を伸ばす。この間ダーランが置いていった王都で流行っていたというライドハルトとステラをモデルにした小説だ。まだ半分くらいしか目を通していないが、既に読むのに飽きて来て全然進まないんだなぁ、これが。
ありがちな展開にこういうの言わせときゃお前ら萌えるだろと言わんばかりのくさいセリフの数々。なんでこんなのが流行るのか理解出来ない。オルテガの方が何倍もかっこいいだろうが!
作中ではオルテガをモデルにしていると思しきキャラクターが当て馬としてちらっと出ているのも腹立たしい。作者はどこのどいつだ。見つけたらオルテガの魅力について一晩でも二晩でも語ってやるのに。
そういえば、何の音沙汰もないが、ダーランが言っていた本の話はどうなっているんだろうか。流石に出版したら一言くらい声を掛けてくるかと放置していたんだが、アイツが帰ったら確かめてみるか。一応目を通してから世に出したい。
世間に自分の恋愛事情を読まれるのなんか御免蒙りたかったが、今はそれよりもオルテガの魅力を世に知らしめたい方が大きい。頭空っぽのバカ王子より、誠実な騎士の方が良いに決まっているだろう。
くだらない文章を流し読みしているうちにやってくるのは睡魔だ。今夜も大して進まなかったが、そのまま眠ってしまおうと本を閉じ、ランプを消した時だった。部屋のドアが控えめにノックされた。
「旦那様、お休みのところ申し訳ありません。来客が……」
気のせいかと思ったところで聞こえてきたのは執事のアルバートの声だ。折角眠れそうだったのにと思いながら体を起こす。
「客? こんな時間に誰だ?」
眠気で気怠くなった声を御しながら尋ねれば、ドアの向こうにいるアルバートが言い淀む。何か喫緊の用事ならばこの場で手短に用件を話すだろうが、どうやら説明に困っているらしい。
仕方がないと小さく溜め息をついてからナイトガウンを羽織ってドアを開ければ、同じくガウン姿のアルバートが魔石ランプを手に立っていた。
「夜分に申し訳ございません。私では対応に困りましたので旦那様のご判断を」
「わかった。それで、先触れも出さずにやって来た無礼者は誰なんだ?」
「ヤロミール・マレク・アスフール侯爵令息様です」
アスフールの名に、思わず思い切り顔を顰めてしまった。ダーランの言う通り嫌な予感が当たったようだ。こんな夜分の訪問とは穏やかではない。
ヤロミールは先日ダーランと話をしたアスフール侯爵家の次男に当たる。セイアッドとの接点はないし、敵対勢力だというのに何をしに来たのか。それもこんな夜に、先触れもないなんて不躾もいいところだ。
憤慨しながら階段を降りて待たせているというリビングに向かう。くだらない用件だったら叩き出してやる。
「リア!!」
そう思いながらリビングのドアを開けたところで、突然聞き覚えのない声に挨拶も無しに真名を呼び捨てにされた。
前にも話したが、この国の貴族にはファーストネームが二つある。一番目の名前は一つ名と呼ばれる普段使いにする名前で、二番目の名前は真名と呼ばれ、家族や婚約者、親しい者にだけ呼ぶ事が許されるものだ。当然、当人の許可なくその名を呼ぶのは無礼にあたる。
「……夜分に先触れもなく訊ねて来た上に許していない真名を呼び捨てにするとは良い度胸だな」
ちょうど気持ち良くうとうとしていた所を叩き起こされた上にいきなり真名を呼び捨てにされた俺は不機嫌マックスだ。ただでさえオルテガ不足で落ち込んでいたところに厄介事が来やがって。相手の顔も碌に見ないままつい威嚇してしまった。
俺の声音から不機嫌な事を察したのだろう。立ち上がり掛けていた青年は中途半端な体勢のまま、困惑したように俺を見ている。蒲公英のような濃い金色の髪に深い紫色の瞳をした青年の顔に見覚えはないが、その色味はまさしくアスフール家の血縁者だと示していた。
「何故そんなことを言うんだ、リア。迎えに来るのが遅れたことに怒っているのかい?」
「はぁ?」
困惑した様子で意味不明な事を言い出す相手に思わず素っ頓狂な声が出た。迎えに来るとは一体何の話だ。
「話が読めないんだが。第一、私と貴殿は初対面だろう。許しも得ずに真名を呼ぶな」
次はない、と睨み付けてやれば漸く相手も何かおかしいと思ったらしい。とりあえず、ソファーに座らせて改めて相手を見る。
確かヤロミールは今年で20歳くらいじゃなかっただろうか。学園で在学期間は被ったかもしれないが、学園でも宰相になった後も会話をした記憶は一切無い。
「その、何故怒っているんだ? 先触れは出しただろう」
「そんな覚えは……」
ないと言い掛けた所でふと思い出すのはダーランと話したあの怪文書だ。あれの印璽は星と小鳥だったが、どうやらあの手紙の事を言っているらしい。
「まさかとは思うが、近く迎えに行くというアレか?」
「そうだ。ちゃんと出しているだろう」
得意げにするヤロミールの態度に唖然とする。先触れというのは相手に訪問する予定の日時を知らせ、受け入れの準備などの時間を作る役割もあるというのに。そもそも名前を書きもせずに一方的に内容もあやふやな先触れを送り付けた上に夜遅くの訪問なんて非常識にも程がある。思わず零れた深い溜め息を誰が責められようか。
「あれでいいと思っているならアスフール家の教育に苦言を呈したいところだ。差出人の名前も書けないのか」
「俺達は結婚するんだから俺の印璽くらい知っているだろう?」
嫌味を言えば、斜め上の言葉が返って来た。
やばい、さっきからコイツの言っている事が一切理解出来ないんだが。
屋敷に戻ったが、結局ダーランはこの日帰らなかった。代わりに先触れの男が来て、明日には戻るとの事だった。
帰ってきたら説教してやると思いながら夕食を摂り、自室へと引っ込めば襲ってくるのは寂寥だ。オルテガの荷物は置きっぱなしになっていて、彼の気配を感じるから余計に。
広い部屋の中、弱々しい月明かりの落ちる窓辺のテーブルにはレインから貰った香水が並んでいる。寄り添うようなその瓶の、藍色の方へと手を伸ばして蓋を開けた。
途端に押し寄せてくるのはあの香りだ。だが、それもオルテガが身に付けていた時ほど魅力を感じられない。
香水というものはその人が持つ匂いと混ざる事でより魅力的になると聞いた事がある。この香水だけでは物足りなく感じるのはきっとオルテガの匂いがないからだろう。
なんて言いつつも、人間というのは存外単純な生き物なのかもしれない。
記憶の底にある香りを思い出して、背筋にぞくりと甘い痺れが奔る。
『リア』
耳元で低く甘い声が響いた気がして一気に体が熱くなっていく。毎日抱き合っていたのに、この三日程は寂しさを誤魔化す為に早々に眠りに就いていたせいか、なかなかおさまる気配もない。
戻って来たらまた気絶する程抱いてもらおう。そう思いながら気を紛らわせるためにベッドサイドに置いていた本へと手を伸ばす。この間ダーランが置いていった王都で流行っていたというライドハルトとステラをモデルにした小説だ。まだ半分くらいしか目を通していないが、既に読むのに飽きて来て全然進まないんだなぁ、これが。
ありがちな展開にこういうの言わせときゃお前ら萌えるだろと言わんばかりのくさいセリフの数々。なんでこんなのが流行るのか理解出来ない。オルテガの方が何倍もかっこいいだろうが!
作中ではオルテガをモデルにしていると思しきキャラクターが当て馬としてちらっと出ているのも腹立たしい。作者はどこのどいつだ。見つけたらオルテガの魅力について一晩でも二晩でも語ってやるのに。
そういえば、何の音沙汰もないが、ダーランが言っていた本の話はどうなっているんだろうか。流石に出版したら一言くらい声を掛けてくるかと放置していたんだが、アイツが帰ったら確かめてみるか。一応目を通してから世に出したい。
世間に自分の恋愛事情を読まれるのなんか御免蒙りたかったが、今はそれよりもオルテガの魅力を世に知らしめたい方が大きい。頭空っぽのバカ王子より、誠実な騎士の方が良いに決まっているだろう。
くだらない文章を流し読みしているうちにやってくるのは睡魔だ。今夜も大して進まなかったが、そのまま眠ってしまおうと本を閉じ、ランプを消した時だった。部屋のドアが控えめにノックされた。
「旦那様、お休みのところ申し訳ありません。来客が……」
気のせいかと思ったところで聞こえてきたのは執事のアルバートの声だ。折角眠れそうだったのにと思いながら体を起こす。
「客? こんな時間に誰だ?」
眠気で気怠くなった声を御しながら尋ねれば、ドアの向こうにいるアルバートが言い淀む。何か喫緊の用事ならばこの場で手短に用件を話すだろうが、どうやら説明に困っているらしい。
仕方がないと小さく溜め息をついてからナイトガウンを羽織ってドアを開ければ、同じくガウン姿のアルバートが魔石ランプを手に立っていた。
「夜分に申し訳ございません。私では対応に困りましたので旦那様のご判断を」
「わかった。それで、先触れも出さずにやって来た無礼者は誰なんだ?」
「ヤロミール・マレク・アスフール侯爵令息様です」
アスフールの名に、思わず思い切り顔を顰めてしまった。ダーランの言う通り嫌な予感が当たったようだ。こんな夜分の訪問とは穏やかではない。
ヤロミールは先日ダーランと話をしたアスフール侯爵家の次男に当たる。セイアッドとの接点はないし、敵対勢力だというのに何をしに来たのか。それもこんな夜に、先触れもないなんて不躾もいいところだ。
憤慨しながら階段を降りて待たせているというリビングに向かう。くだらない用件だったら叩き出してやる。
「リア!!」
そう思いながらリビングのドアを開けたところで、突然聞き覚えのない声に挨拶も無しに真名を呼び捨てにされた。
前にも話したが、この国の貴族にはファーストネームが二つある。一番目の名前は一つ名と呼ばれる普段使いにする名前で、二番目の名前は真名と呼ばれ、家族や婚約者、親しい者にだけ呼ぶ事が許されるものだ。当然、当人の許可なくその名を呼ぶのは無礼にあたる。
「……夜分に先触れもなく訊ねて来た上に許していない真名を呼び捨てにするとは良い度胸だな」
ちょうど気持ち良くうとうとしていた所を叩き起こされた上にいきなり真名を呼び捨てにされた俺は不機嫌マックスだ。ただでさえオルテガ不足で落ち込んでいたところに厄介事が来やがって。相手の顔も碌に見ないままつい威嚇してしまった。
俺の声音から不機嫌な事を察したのだろう。立ち上がり掛けていた青年は中途半端な体勢のまま、困惑したように俺を見ている。蒲公英のような濃い金色の髪に深い紫色の瞳をした青年の顔に見覚えはないが、その色味はまさしくアスフール家の血縁者だと示していた。
「何故そんなことを言うんだ、リア。迎えに来るのが遅れたことに怒っているのかい?」
「はぁ?」
困惑した様子で意味不明な事を言い出す相手に思わず素っ頓狂な声が出た。迎えに来るとは一体何の話だ。
「話が読めないんだが。第一、私と貴殿は初対面だろう。許しも得ずに真名を呼ぶな」
次はない、と睨み付けてやれば漸く相手も何かおかしいと思ったらしい。とりあえず、ソファーに座らせて改めて相手を見る。
確かヤロミールは今年で20歳くらいじゃなかっただろうか。学園で在学期間は被ったかもしれないが、学園でも宰相になった後も会話をした記憶は一切無い。
「その、何故怒っているんだ? 先触れは出しただろう」
「そんな覚えは……」
ないと言い掛けた所でふと思い出すのはダーランと話したあの怪文書だ。あれの印璽は星と小鳥だったが、どうやらあの手紙の事を言っているらしい。
「まさかとは思うが、近く迎えに行くというアレか?」
「そうだ。ちゃんと出しているだろう」
得意げにするヤロミールの態度に唖然とする。先触れというのは相手に訪問する予定の日時を知らせ、受け入れの準備などの時間を作る役割もあるというのに。そもそも名前を書きもせずに一方的に内容もあやふやな先触れを送り付けた上に夜遅くの訪問なんて非常識にも程がある。思わず零れた深い溜め息を誰が責められようか。
「あれでいいと思っているならアスフール家の教育に苦言を呈したいところだ。差出人の名前も書けないのか」
「俺達は結婚するんだから俺の印璽くらい知っているだろう?」
嫌味を言えば、斜め上の言葉が返って来た。
やばい、さっきからコイツの言っている事が一切理解出来ないんだが。
63
お気に入りに追加
352
あなたにおすすめの小説
【BL】どうやら精霊術師として召喚されたようですが5分でクビになりましたので、最高級クラスの精霊獣と駆け落ちしようと思います。
riy
BL
風呂でまったりしている時に突如異世界へ召喚された千颯(ちはや)。
召喚されたのはいいが、本物の聖女が現れたからもう必要ないと5分も経たない内にお役御免になってしまう。
しかも元の世界へも帰れず、あろう事か風呂のお湯で流されてしまった魔法陣を描ける人物を探して直せと無茶振りされる始末。
別邸へと通されたのはいいが、いかにも出そうな趣のありすぎる館であまりの待遇の悪さに愕然とする。
そんな時に一匹のホワイトタイガーが現れ?
最高級クラスの精霊獣(人型にもなれる)×精霊術師(本人は凡人だと思ってる)
※コメディよりのラブコメ。時にシリアス。
【完結】相談する相手を、間違えました
ryon*
BL
長い間片想いしていた幼なじみの結婚を知らされ、30歳の誕生日前日に失恋した大晴。
自棄になり訪れた結婚相談所で、高校時代の同級生にして学内のカースト最上位に君臨していた男、早乙女 遼河と再会して・・・
***
執着系美形攻めに、あっさりカラダから堕とされる自称平凡地味陰キャ受けを書きたかった。
ただ、それだけです。
***
他サイトにも、掲載しています。
てんぱる1様の、フリー素材を表紙にお借りしています。
***
エブリスタで2022/5/6~5/11、BLトレンドランキング1位を獲得しました。
ありがとうございました。
***
閲覧への感謝の気持ちをこめて、5/8 遼河視点のSSを追加しました。
ちょっと闇深い感じですが、楽しんで頂けたら幸いです(*´ω`*)
***
2022/5/14 エブリスタで保存したデータが飛ぶという不具合が出ているみたいで、ちょっとこわいのであちらに置いていたSSを念のためこちらにも転載しておきます。
中華マフィア若頭の寵愛が重すぎて頭を抱えています
橋本しら子
BL
あの時、あの場所に近づかなければ、変わらない日常の中にいることができたのかもしれない。居酒屋でアルバイトをしながら学費を稼ぐ苦学生の桃瀬朱兎(ももせあやと)は、バイト終わりに自宅近くの裏路地で怪我をしていた一人の男を助けた。その男こそ、朱龍会日本支部を取り仕切っている中華マフィアの若頭【鼬瓏(ゆうろん)】その人。彼に関わったことから事件に巻き込まれてしまい、気づけば闇オークションで人身売買に掛けられていた。偶然居合わせた鼬瓏に買われたことにより普通の日常から一変、非日常へ身を置くことになってしまったが……
想像していたような酷い扱いなどなく、ただ鼬瓏に甘やかされながら何時も通りの生活を送っていた。
※付きのお話は18指定になります。ご注意ください。
更新は不定期です。
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。
平凡な俺が双子美形御曹司に溺愛されてます
ふくやまぴーす
BL
旧題:平凡な俺が双子美形御曹司に溺愛されてます〜利害一致の契約結婚じゃなかったの?〜
名前も見た目もザ・平凡な19歳佐藤翔はある日突然初対面の美形双子御曹司に「自分たちを助けると思って結婚して欲しい」と頼まれる。
愛のない形だけの結婚だと高を括ってOKしたら思ってたのと違う展開に…
「二人は別に俺のこと好きじゃないですよねっ?なんでいきなりこんなこと……!」
美形双子御曹司×健気、お人好し、ちょっぴり貧乏な愛され主人公のラブコメBLです。
🐶2024.2.15 アンダルシュノベルズ様より書籍発売🐶
応援していただいたみなさまのおかげです。
本当にありがとうございました!

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…
国を救った英雄と一つ屋根の下とか聞いてない!
古森きり
BL
第8回BL小説大賞、奨励賞ありがとうございます!
7/15よりレンタル切り替えとなります。
紙書籍版もよろしくお願いします!
妾の子であり、『Ω型』として生まれてきて風当たりが強く、居心地の悪い思いをして生きてきた第五王子のシオン。
成人年齢である十八歳の誕生日に王位継承権を破棄して、王都で念願の冒険者酒場宿を開店させた!
これからはお城に呼び出されていびられる事もない、幸せな生活が待っている……はずだった。
「なんで国の英雄と一緒に酒場宿をやらなきゃいけないの!」
「それはもちろん『Ω型』のシオン様お一人で生活出来るはずもない、と国王陛下よりお世話を仰せつかったからです」
「んもおおおっ!」
どうなる、俺の一人暮らし!
いや、従業員もいるから元々一人暮らしじゃないけど!
※読み直しナッシング書き溜め。
※飛び飛びで書いてるから矛盾点とか出ても見逃して欲しい。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる