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五 羽咲の名前をつけたの俺らしいけど……憶えてないな。
side那也2
しおりを挟む「い、いや待って学。あの由羽くんだよ? 私と由羽くんの関係って王子と侍女だよ? 誰も納得するわけないでしょ」
「王子と侍女? なにそれ。誰かに言われたの?」
「言われたわけじゃないけど……由羽くんと仲良くしてて誰にも嫌がらせされないのって、みんなそう思ってるからでしょ?」
……学が平坦な目をした。
「那也ってなんでそう自己評価低いんだよ」
「え? いやいや、当然の評価でしょ」
反論した私を見て、学は長―くため息をついた。
「那也、そもそものこと訊いていい?」
「そもそも?」
「なんで那也、由羽のこと諦めるって決めてたの?」
「え……それ、は……」
「那也、由羽に告白される前から、由羽のこと好きな自覚あったんだよね?」
「う、うん……」
「由羽が誰かと付き合ってるとか思ってたの?」
「……違う」
「じゃあなんで? 告白もしないうちに諦めたの」
「…………」
あれ? なんで、だっけ……? 確か、………あれ、思い出せない……。
「由羽には自分は不釣り合いとか、そう思った?」
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