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四 なゆの名前は当然のように母さんとお揃い。
side那也25
しおりを挟む……由羽くんの視線が痛い。こんなこと言う子、もう可愛いなんて思うわけない――
「カッコいいよ」
「……へ?」
「那也のこと、ずっと可愛いって思ってたけど、カッコいいも追加された。那也は可愛くてカッコいい」
由羽くん……スーパーポジティヴ過ぎる……。
あれ? でも私、そんなことを思ったってことは、由羽くんに可愛いって思ってほしかったってこと?
なんで? こんな簡単に可愛いを無料配布する人の可愛いがほしかったの?
「恥ずかしい、なんて思わないよ」
そう言って、極上の笑顔を見せてくれた。
「あ、ありがとう……」
って返事であってるのかわからなかったけど、由羽くんの言葉は笑顔は、確かに嬉しかった。
「あ。那也、これ景となゆにどうかな。みやげ」
カフェの並びにあった雑貨屋さんの前で店頭に出されていたストラップを指す由羽くん。
チョイス可愛い。なんだかほっこりしてしまう。
「おみやげ買っていくなんて本当に仲いいんだね」
「ん? あー、実は付き合いだしたんだ、あいつら。祝いって言うのはヘンだけど、揃いもいいかなーって」
「そうだったの!? な、菜雪ちゃんにおめでとうって言わないと!」
さらっとすごい事実を知ってしまった! 泡を喰う私に、由羽くんは優しい顔をする。
「今度言ってやって」
「うん! あ、妹さんには?」
「羽咲は食い物の方が喜ぶから、なんか菓子でも買って行こうかな」
妹さん、まだ色気より食い気ってことかな? 妹さんのことも大事にしてるんだなあ。
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