学園の王子に気に入られたようですが、この関係って王子と侍女ですよね？－六花の恋３ー【完】

四 なゆの名前は当然のように母さんとお揃い。

side那也２２

う？

急に腕を引っ張り上げられた。

「今日の那也は俺のだから、また今度那也と話してね」

はい？

意味がわからない私と、ぽかんとする友達に構わず、由羽くんは私の腕を引いて映画館を出てしまった。

「さ、てっと。メシ食いに行くか。ってか俺が泣いてたせいで随分タイムロスしちゃったね」

……ふつーだ。

「あ、うん、そうだね……？」

さっき……怒っているように見えたのは、私の気のせい……？

「……一口食べる？」

「いいの！？」

目が――――！　すっごくいい笑顔……！　キラキラ度が増しまくり……！

ふつーに戻った（？）由羽くんと喫茶店でお昼なのですが、由羽くんが、私が注文したモンブランケーキをじーっと見ているのです。

自分はチーズケーキ注文しているし、甘いのすきなのかな？

「はい」

「……へ？」

お皿を渡そうとしたら、何故か軽く身を乗り出してきた。

「えー、っと？」

「一口くれるんでしょ？　待ってるからちょうだい？」