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三 景の名前は勿論父さんとお揃い。
side由羽24
しおりを挟む『学、昔っから女の子みたいな顔立ちで、背も低めで、性格も世渡り上手なのね。ニコニコしてたらあっという間にアイドルくん扱い。そういう意味で、学を恋愛対象ではなくて芸能人みたいな扱いで騒ぐ子が多くて』
「へー。そんな松永を認識してないかもってヤツなんだ」
『うん。桑折日菜(こおり ひな)ちゃんって言うんだけど、知らないかな? アイスドールって呼ばれてる、いつ
も手帳で会話してる子』
「……待って。今情報が洪水起こしてるから」
『? うん』
……なんでうちの学校は通り名をつけるのが好きなんだ……。そして微妙にイタい。
「ごめん、わかんないわ」
手帳で会話、とか特徴的なワード出て来たけど、思い当らなかった。
『そっか、まだ四月だもんね。学、初恋だからさあ。母としては応援したいんだ』
「自ら母を名乗るのか」
『姉でもいいんだけど、気分的には母』
「すげーな」
――と、俺が返したところで。
「お兄ちゃん―。奏子さんと光司さん帰るってー」
羽咲の声に邪魔されてしまった。
『あっ、由羽くん誰か来たみたいだね。じゃ、私そろそろ失礼するねっ』
「えっ、ああ、うん」
那也の方から電話を切られてしまった。
「………」
ぶすくれてもいいだろ。
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