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九 たまにでいいから、こうしてもいいか?
side流夜6
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「だーめ」
「だって……どうしようもないじゃん……。私がたくさんの人の幸せ、壊してるのは本当なんだから」
在義父さんの幸せを、夜々さんの幸せを、桃子母さんの幸せを――。
そう、呟く咲桜。
……咲桜は、壊したと思っているのか。その上でいつも、あんな笑顔を振りまいて……。
「それも、責任か?」
「……うん。でも、こればっかりはどうすれば責任とれるか、わかんない……」
そういうところに引け目を、負い目を感じているのか。
「なら咲桜、俺に対しての責任もとってもらおうか」
「また!? 私、流夜くんにほんとなにしたの!?」
「あ、いや。昨日のは責任取るのは俺の方だから。そこは混同しなくていい」
「流夜くんはなにしたの⁉」
「うん、だからそのうちまたしてやるから」
「今してよ! じゃないと考え込んで眠れないよ!」
「あー、今は無理だなー。朝間先生の瞳が光ってる」
「なんで夜々さん!? てか――今度は私なにした!?」
「俺を幸せにした」
「お――え?」
一度言われただけでは理解出来なかったようで、咲桜は見開いた目でこちらを見上げてきた。
なんだって? 驚きにあふれたその眼差しが問いかけてくる。
「だから、俺を幸せにした。誰かの幸せを壊したから責任があるって言うんなら、俺を幸せにした責任が発生してもいいんじゃないか?」
「え……流夜くん、幸せ、なの?」
「幸せだよ。『咲桜』と逢った時から、色々違ってしまった。俺も、家族を亡くした理由が理由なだけに、その犯人が捕まっていないだけに、自分が幸せになることを赦せないでいたかもな。そんな俺を幸せだなんて感じさせちまうんだから、お前はすごいよ。……お前は誰の幸せも奪ってない。誰かを幸せにしているだけだ」
「―――」
咲桜のおかげで、俺の生活も思考も、かなり変わった。
陽だまりのような、月明かりのようなあたたかさに、触れてしまった。もっと、触れていたくなった。
「だって……どうしようもないじゃん……。私がたくさんの人の幸せ、壊してるのは本当なんだから」
在義父さんの幸せを、夜々さんの幸せを、桃子母さんの幸せを――。
そう、呟く咲桜。
……咲桜は、壊したと思っているのか。その上でいつも、あんな笑顔を振りまいて……。
「それも、責任か?」
「……うん。でも、こればっかりはどうすれば責任とれるか、わかんない……」
そういうところに引け目を、負い目を感じているのか。
「なら咲桜、俺に対しての責任もとってもらおうか」
「また!? 私、流夜くんにほんとなにしたの!?」
「あ、いや。昨日のは責任取るのは俺の方だから。そこは混同しなくていい」
「流夜くんはなにしたの⁉」
「うん、だからそのうちまたしてやるから」
「今してよ! じゃないと考え込んで眠れないよ!」
「あー、今は無理だなー。朝間先生の瞳が光ってる」
「なんで夜々さん!? てか――今度は私なにした!?」
「俺を幸せにした」
「お――え?」
一度言われただけでは理解出来なかったようで、咲桜は見開いた目でこちらを見上げてきた。
なんだって? 驚きにあふれたその眼差しが問いかけてくる。
「だから、俺を幸せにした。誰かの幸せを壊したから責任があるって言うんなら、俺を幸せにした責任が発生してもいいんじゃないか?」
「え……流夜くん、幸せ、なの?」
「幸せだよ。『咲桜』と逢った時から、色々違ってしまった。俺も、家族を亡くした理由が理由なだけに、その犯人が捕まっていないだけに、自分が幸せになることを赦せないでいたかもな。そんな俺を幸せだなんて感じさせちまうんだから、お前はすごいよ。……お前は誰の幸せも奪ってない。誰かを幸せにしているだけだ」
「―――」
咲桜のおかげで、俺の生活も思考も、かなり変わった。
陽だまりのような、月明かりのようなあたたかさに、触れてしまった。もっと、触れていたくなった。
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