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10 みう

side真紅2

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それ以外の夢に出てくるのはあの日。

始祖の転生が、そう呼ばれるきっかけとなった日。

「紅、るうちゃん……」

……知っても、こうして傍にいてくれるかな?

小路の始祖たちが犯した禁忌を知っても、こうして傍で安心して眠ってくれるだろうか。

無垢の魂たち。

今の私の両手は小さい。

小路に入ったばかりの頃は、こぼれ落ちしまうことは止められず、ただ焦るばかりだった。

でも、今は……私の両手は、片手で紅姫を抱きしめて、もう片手は大すきな手に繋がれていればいい。

そうやって、少しずつ護れるものが増えて行けば。

今やれることは、総てじゃなくてもいい。

今日よりも明日、一歩も進んでいなくても、立ち止まっていても、涙まみれでも。

今ある大事なものは、なくさないように。

抱きしめた手は、繋いだ手は、はなさないようにしたい。

そう思うようになっていた。

始祖たちの禁忌を知って、更に強く。

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