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七 ほんとは、今日一番に言いたかったんだけどな。

side咲桜8

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「来年も?」

「うん。咲桜はまだ在義さんの庇護下だから」

「じゃあ……卒業したら………その……」

先走り過ぎたことを言ったかもしれない。流夜くんからすぐに返事がなかったのを不安に思って上目遣いに見上げると、流夜は口を真一文字に結んでいた。ああああやってしまったああああ! これってあれだよ重い女だよ! 誤魔化せ!

と、頭がくだした指令に添おうとしたら、流夜くんの空いていた反対の手も、咲桜の右手を握った。

「そうだな。在義さんの許しが必要なくなっても、この時間は一緒にいたいな。三十一日と、一日の夜」

在義父さんの許しが必要なくなっても。……それは、私の苗字も変わった頃のこと?

「約束、したい、です」

「うん。約束しよう。何があるかはわからないけど、二人の誕生日は、一緒にいよう」

「はい」

すっと、掬い取る形で、私の左手を持ち上げた。

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