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六 ずっと、傍にいたいです。

side降渡15

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「非道いなあ、龍生。光子のご家族への挨拶にも付き合った幼馴染に言うかな」

「おめーが勝手についてきたんだろ! ひかるが怯えて大変だっただろが!」

「………」

あははーと笑う在義さんに、龍さんが声を荒らげた。

店内の客、全員の肩が跳ねた。百戦錬磨の先輩たちが! 俺、戦慄。

龍さんの恋人で婚約者だった三宮光子さんが、在義さんに怯えて――畏怖していたのはふわっと聞いた話だ。

……自分たちは物心ついた頃から環境が普通ではなかった。

それゆえか、普通の感覚に鈍い。

当たり前じゃないことを簡単に受け入れてしまう。

在義さんの娘たる咲桜ちゃんは、その感性が飛び抜けて鈍く感じる。

じゃないとりゅうみたいな存在、簡単には抱きしめられないだろう。

光子さんは普通だったんだろう。

運動神経がよく、若干行動力が並外れていたようだけど、一般の家庭に生まれて、特筆するような事故も病気もなく育ち、龍さんに出逢い。

――絆のように、普通の子だった。

……光子さんは在義さんを「怖い」と言ったそうだ。

……絆は「在義様」とか言うけどさ。

異様に慕っているので、少しだけもやっとするけどさ。

それが、龍さんをすきになるに止まった光子さんと違い、俺をすきになってくれて法律家となることを志した絆だからこそ、とわかっていても。

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